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「Caligula -カリギュラ-」シリーズの3周年記念アート展で行われたトークショーをレポート。山中拓也プロデューサーと声優の斉藤壮馬さんがイケPを大いに語った
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印刷2019/10/08 14:09

イベント

「Caligula -カリギュラ-」シリーズの3周年記念アート展で行われたトークショーをレポート。山中拓也プロデューサーと声優の斉藤壮馬さんがイケPを大いに語った

画像集 No.001のサムネイル画像 / 「Caligula -カリギュラ-」シリーズの3周年記念アート展で行われたトークショーをレポート。山中拓也プロデューサーと声優の斉藤壮馬さんがイケPを大いに語った
 2019年9月29日,「『Caligula -カリギュラ-』3周年記念アート展 スペシャルトークショー」が,東京・渋谷にあるMAGNET by SHIBUYA109 5F イベントスペースにて開催された。

 このアート展は,フリューのRPG「Caligula -カリギュラ-」シリーズが2019年6月に3周年を迎えたことを記念して開催されたもので,シリーズのキャラクターデザインを手がけるおぐち氏のアートワークやプロモーション用に描かれたイラストなどが,9月29日まで展示されていた。

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アート展の模様
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「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」公式サイト



 またトークショーでは,「Caligula -カリギュラ-」シリーズのプロデューサーを務める山中拓也氏と,オスティナートの楽士の1人・イケPのボイスを演じた声優の斉藤壮馬さんが,シリーズのアートワークに関するトークやボイス収録時のエピソードなどを披露した。
 本稿では当日2回行われたトークショーのうち,第1部の模様をお伝えしよう。なお,本レポートにはキャラクターのネタバレも含まれるため,ゲーム未プレイの人は注意してほしい。

山中拓也氏(左)と斉藤壮馬さん(右)。斉藤さんはアート展で販売されていたTシャツとコーチジャケットを着用して登壇した
画像集 No.014のサムネイル画像 / 「Caligula -カリギュラ-」シリーズの3周年記念アート展で行われたトークショーをレポート。山中拓也プロデューサーと声優の斉藤壮馬さんがイケPを大いに語った

 トークの最初の話題は,やはりアート展について。山中氏は,「こうした機会はあまりないので,おぐちさんがこの3年間に描いた作品を詰め込んだ」と説明。また斉藤さんが,来場者が椅子に座って記念写真を撮れるフォトスペースの後方に飾られたイラストに言及すると,山中氏が「あれは『Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ』のプロモーションで,レオパレス21のサービス『my DIY』とコラボレーションした際,おぐちさんが半年かけて部屋の壁に描いたもの」と解説を加えた。

アート展のフォトスペース
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 なお今回,斉藤さんがゲストに選ばれたのは,山中氏によると会場となったMAGNET by SHIBUYA109が,リニューアル前は109MEN'Sだったから。「めっちゃイケPですよ」という山中氏のコメントに,斉藤さんも「ある意味,聖地ですよね」と同意していた。
 また山中氏と斉藤さんは1990年代の渋谷のカルチャーが好きで,とくに当時“渋谷系”と呼ばれた一連の音楽とそれに伴うファッションの話題で盛り上がったこともあったという。

 続いてトークは,「Caligula -カリギュラ-」のボイス収録当時の話題に。最初の収録は2015年末とのことで,斉藤さんは当初イケPを「主人公の敵で,かつこじらせているから,けっこう嫌なヤツなのかな」と思っていたが,シナリオを読み進めるうちに「よくも悪くも裏表のない人物」「ファッションにしても,ちょっとズレているけれど本人は格好いいと思ってやっているので可愛げがある」と認識を改めたという。そのためイケPを演じるにあたっては,周囲から見るとズレていて滑稽な部分も,「マジで格好いいと思って演じたほうが,受け取る人も面白く感じるだろう」と考えていたそうだ。

 そんな斉藤さんは,「Caligula -カリギュラ-」「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」,そしてアニメ版でイケPを熱演しているが,回を重ねるごとにエスカレートしていったとのこと。とくに,斉藤さん自身が主人公を「相棒」と呼ぶ役どころに憧れていたそうで,「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」の楽士ルートにて,ようやく実現できたと話していた。
 また楽士ルートのイケPについて斉藤さんが「普通に,いい兄ちゃん」と表現すると,山中氏も「楽士ルートでは基本的にいいヤツ。弱い者のツラさを知っているので,主人公である楽士・Lucidにも仲間意識がある」と話していた。

 イケPとの共通点を問われた斉藤さんは,人からどう見られるかを気にする部分と回答。「イケPは抱えているコンプレックスが強調された存在なので,もし本当にメビウスに取り込まれたら自分もイケPみたいになっていたかもしれない」「メビウスからは絶対に帰らない」と話していた。

 もし自分に特殊能力「カタルシスエフェクト」が発動するとしたら,という話題では,山中氏が「僕はコンプレックスの塊なので,黒くてでかい球体でしょうね」と回答。斉藤さんもコンプレックスが多いとのことで,「僕も球体ですね。2つの黒い球がしゃべっていると思ってもらえれば」とコメントして会場を沸かせていた。

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 「Caligula -カリギュラ-」が,禁止されることほどやってみたくなる心理現象「カリギュラ効果」をコンセプトにしていることは有名な話だが,改めて斉藤さんにその経緯を問われた山中氏は「スマートフォン向けも含めてたくさんのRPGが世にある中,人気のある題材を扱うと,ボリュームやクオリティなどコスト面で勝負することになる。実際に心理学を学んでいた僕にとっては,自分の得意分野である心理というニッチなテーマを扱うほうがリスクが低く,また安心感を持って受け止めてもらえると考えた」と説明。

 また山中氏は,プレイヤーに体験してほしいこととして「素性を知らずに,見た目だけで好きになった相手がシングルマザーだったら,大きな衝撃なのではないか」と最初に考え,それに合わせてメビウスの世界を作っていき,そのメビウスの中心にいるのはどんな存在だったら面白いだろうと逆算的に考えてバーチャルアイドル・μ(ミュウ)を作ったことを明かした。
 そして「Caligula -カリギュラ-」が,誰も神を信じていない現代の日本において,そのμを神の位置に置き,主人公達に「神殺し=やってはいけないこと」をさせる物語であることは,山中氏がさまざまな場で語っているとおりである。ちなみに山中氏は当時所属していたフリューの社内で本作のプレゼンテーションをするにあたり,「バーチャルアイドルを殺す話」と説明していたという。

 事前にTwitterで募集した質問に,山中氏と斉藤さんが答えるコーナーも設けられた。自分が「Caligula -カリギュラ-」シリーズのキャラクターの誰かになるとしたら,という質問に斉藤さんは,「なりたいわけではなく,演じるのであれば琵琶坂永至」と回答し,「本来的なサイコパスは,一般的に使われる意味とはまた違って先天的な病理なので,それを論理的に演じるのか,感覚的に演じるのかでかなり表現が変わるはず。演じていて面白そう」と説明していた。ちなみに強いてなりたいキャラクターを挙げるとすれば,Storkとのこと。

 またイケPが歌う「天使の歌」の収録時のエピソードを教えてほしいというリクエストも。斉藤さんはロック調の曲が来ると予想していたそうで,「最初から山中さんの考えている方向にかなり近い形で歌えたのでは」とコメントすると,山中氏も「壮馬君と仕事をすると話が早くて助かる」と同意。また上田麗奈さんが歌うμバージョンの「天使の歌」についても,2人は「天才的」と絶賛していた。
 そのほか2人は,普段のファッションや周囲にいるイケPのような愛すべきバカ,好きなアーティストや芸術作品などの質問に回答していた。

斉藤さんのサイン入りキャンパスボードをかけたジャンケン大会も行われた
画像集 No.006のサムネイル画像 / 「Caligula -カリギュラ-」シリーズの3周年記念アート展で行われたトークショーをレポート。山中拓也プロデューサーと声優の斉藤壮馬さんがイケPを大いに語った

 トークショーの最後には,斉藤さんが改めて来場者に感謝を述べるとともに,「人間の欲望は満たされると,次また次と際限なく膨らんでいくものです」とコメント。さらに「きっとまた『Caligula -カリギュラ-』の世界を皆さんにお目にかける機会があるかと思います。そこで皆さんと一緒に『ジャスティス!』と叫べる日を心待ちにしています」と語って,トークショーを締めくくった。

「Caligula Overdose/カリギュラ オーバードーズ」公式サイト

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