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印刷2018/03/27 13:59

プレイレポート

10年の時を経て帰ってきたオープンワールドレーシング「Burnout Paradise Remastered」のプレイレポートをお届け

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 エレクトロニック・アーツは,2008年にリリースされたオープンワールドレーシングゲーム「バーンアウト パラダイス」PC / PS3 / Xbox 360)のリマスター版となる「Burnout Paradise Remastered」PC / PS4 / Xbox One)を2018年3月16日に発売した。
 バーンアウト パラダイスは,現在では主流になっているオープンワールドレーシングゲームの先駆けとなった作品で,レース&ドライブゲーム好きな人ならば,一度は名前を聞いたことがあるだろう。
 パラダイスシティという架空都市を自由に走り回り,ライバルたちとレースなどのイベントに挑戦していく。ストーリー的なものは一切なく,イベントに勝利しながら,ライセンスをアップグレードさせていくのが目標だ。

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 バーンアウト パラダイスの人気の秘密であり魅力といえるのが,ド派手なクラッシュシーン満載の“ぶつけてなんぼ”のクレイジーなゲーム性であり,クリーンなレース展開を求めるならば,このゲームはオススメできない。
 今回の「Burnout Paradise Remastered」は,リマスター版ということで,新たに“余計なゲーム性”を付け加えることなく,当時のバーンアウト パラダイスを完全に再現している。さらにダウンロードコンテンツ(DLC)として配信された「ビッグサーフアイランド(Big Surf Island)」を含む8つのDLCが収録されており,150種類以上の様々な車種で爆走できるのだ。
 なお,解像度はPlayStation 4とXbox Oneは1080p,PlayStation 4 ProとXbox One Xは4K解像度に対応し,フレームレート60fpsで滑らかに表示されるなど,最新グラフィックスで美しく生まれ変わったバーンアウト パラダイスを堪能できるのだ。
 開発は,Criterion Gamesに在籍していたバーンアウト パラダイスのスタッフたちが設立したStellar Entertainmentで,リマスター版としての完成度も完璧といえるだろう。
 さて,今回は,そんなリマスター版「Burnout Paradise Remastered」のPS4版をプレイして,あらためてバーンアウト パラダイスがどんなゲームなのかを紹介していこう。

「Burnout Paradise Remastered」公式サイト


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 舞台となるパラダイスシティは総面積70平方キロメートルの架空の都市。中心街のダウンタウン,市街地外れのウェストエーカーズ,山岳地帯のイースタンショア,工業地帯のサウスベイなど18地区が,一般道や高速道路でつながれている。
 パラダイスシティから長い橋でつながれたビッグサーフアイランドも自由に行き来することができるので,様々に移り変わる風景を楽しめる。

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 もちろん,時間帯の変化が再現されており,一定周期で時間帯が変わったり,好みの時間帯に固定できるほか,ローカルタイム(実時間)にできるのも地味に嬉しいところだ。
 パラダイスシティは,一般車も走っており,プレイヤーはその中を自由に走り回る(フリーバーンという)。交通量が多い都市部では一般車をかわしながら走らなければならないが,山岳地帯では一般車も少なく,気持ち良くドリフトさせて走り回れるなど,地域ごとに特色を持たせている。もちろん,どこを走るにも規則なんて無視して爆走のかぎりを尽くして大丈夫だ。

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 ゲームスタート時は,いきなり都市の中にポンと放り込まれるだけなので,猛烈に途方に暮れるのは10年前と一緒。親切にチュートリアルみたいなものは用意されていないが,少し走り回ると要領が分かってくるのは,このリマスター版でも同じだ。
 今時のオープンフィールドタイプのレース&ドライブゲームに慣れきっていると戸惑うのが,目的地に行くとき。道案内してくれるナビゲーション機能などはなく,ある程度の方角をマップで確認して,あとはミニマップを見ながら走って行くしかない。マップ自体はそれほど広くはないので,とにかく自分でルートを探しながら走り回って,繰り返し遊びながら道を覚えてしまうのが攻略法かもしれない。
 そんなゲームだけあって,ついつい走りたくなる要素が満載だ。レースなどのイベントは,信号機のある交差点がスタート地点で,走り回っているとマップにイベントマークが付けられていく。

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 イベントのほかには,車を乗り換えるための“ジャンクヤード”,車の色を変更できる“ペイントショップ”,通過すると車のダメージを直せる“オートリペア”,通過するとブーストをフルチャージできる“ガスステーション”があり,こちらも見つけることでマップ上にマークが表示されるようになる。
 また,マップ上にマークは表示されないが,特定のジャンプ台から大ジャンプをする“スーパージャンプ”,ショートカットの通行止めフェンスを破壊する“スマッシュ”(パラダイスシティ 400か所,ビッグサーフアイランド 75か所),配置されたバーンアウト パラダイスの看板を破壊する“ビルボード”(120か所,45か所)といったアクティビティ要素が用意されている。これだけ大量に配置されていると,序盤は適当に走っていても次々に見つかって面白い。とはいえ,残り数が少なくなってくると,見つけるのに苦労するのもご愛敬。やり応えは十分だ。
 パラダイスシティの道路のあちこちに小さなジャンプ台は用意されているし,高低差のあるルートや建物の中を抜けるルートなど,突拍子もないところを走らせるギミックがいっぱいある。好きな地点に即座に移動する機能なんかはないので,目的地に行くためには,とにかく走るしかないが,車を取っ替え引っ替えしながら適当に走り回っているだけで楽しい。

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 レースなどのイベントは,イベントマークのある交差点で止まって[L2]+[R2]を押すとスタートとなる。特定の車種やタイプが指定されたイベントもあるので,その場合は決められた車で乗り付ける必要がある。
 イベントは,ライバルたちよりも早くゴールに到着する“レース”,制限時間内に規定数のライバルを破壊する“ロードレイジ”,ジャンプやドリフトなどのスタント走行で規定ポイントを獲得する“スタントラン”,次々に体当たりをしかけてくるライバルに耐えながら,車が完全破壊されないようにゴールを目指す“マークドマン”,特定の車種で制限時間内にゴールを目指す“バーニングルート”の5種類が用意されている。

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 レース,マークドマン,バーニングルートでは,スタートからゴールまで走ることになるが,決められたルートが存在しないので,スタートしてからゴールまでは,どのルートを通るかはプレイヤー次第だ。プレイ画面にあるミニマップに表示されているゴールマークを目標に走って,角を曲がってみたら違う方向に進む道にでてしまい,慌ててUターンなんてことも多く,ルートの選択が勝敗に大きく影響が出るところが面白い。
 とはいえ,初心者クラスのライセンスのときは,交差点や分岐の手前でウインカーが点滅するので,それに合わせて曲がるとゴールに進めるようになっている。
 マップ上に表示されるイベントマークは,たとえば青色はレース,赤はロードレイジなど色分けされており,クリア済みのマークはチェックマークが付いているので分かりやすい。イベントをクリアしていかないとライセンスはアップグレードできないので,地道にイベントをこなしていく必要があり,このへんは少し作業的な部分だ。

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 イベントのほかには,フリーバーン中に特定の場所を通過すると始まるタイムアタックの“ロードルール”,任意の場所で[L1]+[R1]を押すと始まるバカゲーモード“ショータイム”がある。ショータイムは自車の周りに大量の車が出現し,ブーストを消費して自車をバウンドさせ,ほかの車にぶつけて被害総額と移動距離を競う。車に接触するとブーストが回復し,バウンドを繰り返してポイントと移動距離を延ばしていくのだ。とてもくだらないが,ストレス解消や暇つぶしにとってもいい。

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 150種類以上登場する車やバイクは,実在する自動車メーカーや車種はないが,ヒストリックカー,スポーツカー,SUV,バギーなど見た目や性能など,バラエティに飛んだラインナップだ。
 最初は一部の車のみ使用できるが,イベントをクリアしたり,ターゲットとなるライバルをテイクダウン(破壊)すると使用できる車が増えていく。警察車両も使えるが,フリーラン中にどれだけ暴走しても自分が追われることがないのが少し寂しいところだ。
 車は,パラダイスカー,パラダイスバイク,トイカー,レジェンダリーカー,ブーストスペシャルカー,コップカー,ビッグサーフアイランドカーのカテゴリで分けられ,ジャンクヤードで自由に乗り換えられる。
 それぞれ,スピード,スタント,アグレッション,ノンブースト,ロックオン,マルチといったタイプ(特性)があり,スタントタイプならドリフトしやすいといった特徴がある。また,タイプとは別にスピード,ブースト,タフネスとさらに細かく設定されているので,走りの目的やイベントに合わせてチョイスするといいだろう。

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 基本的な操作は,ステアリング,アクセル,ブレーキ,サイドブレーキ,それとブーストだ。ゲージを消費して爆発的な加速をするブーストは,ガスステーションを通過するとフルチャージされるが,対向車線を走る,ニアミスする,ドリフトする,ジャンプするなどでも少しずつチャージされる。イベント中にライバルをテイクダウンすると大量にチャージされるので,これを狙わない手はない。
 となると当然,ぶつける,ぶつけられるは当たり前で,車は常にボロボロの状態で走り回ることになるが,見た目だけでダメージが挙動に反映されないので,鉄くずみたいになっても元気に走り回れる。ボロボロがイヤならば,オートリペアを通過すればいいが,どうせすぐにボロボロになるので,見た目はあまり気にしなくていいかもしれない。
 派手にクラッシュしたり,ライバルをテイクダウンしたりすると,クラッシュシーンをじっくりと見せてくれるスロー演出が個人的に気に入った。車がつぶれていくシーンはリアルではないが,やっちゃった感が伝わってくるド派手な演出は一見の価値ありだ。とはいえ,イベント中に頻繁にスロー演出に切り替わることも多く,集中力も欠けるし,テンポが悪くなるので,オフするオプションもあると良かったかもしれない。

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 オンラインマルチプレイは,フリーバーン中に十字キーで選択するだけで,オンラインモードに切り替わる手軽さだ。やはりメインは最大8人で楽しめる“フリーバーンオンライン”だろう。
 マッチングされたプレイヤーたちがパラダイスシティの中を自由に走り回っており,ドライブを楽しめるだけでなく,頻繁に発生する様々なチャレンジが非常に面白い。ブーストを決めろといった簡単なものから,バレルロールをしろ,決められた通りでニアミスを12回決めろなど,プレイヤー各々に出される課題で,全員がクリアして達成となるものだけでなく,〜へ行けと全員で指定された場所へ移動したり,全員で合計280メートルジャンプしろといった協力プレイも用意されている。
 自分だけがどうしても達成できない課題などもあったりして,そのときの焦りとプレッシャーはハンパなくて面白いので,ぜひ挑戦してほしい。
 また,オフラインモードのマルチプレイとして,2〜8人でプレイヤーを交代しながら一つのコントローラでもプレイできるパーティーモードもあるので,家族や友達と盛り上がれるのも嬉しいところだ。
 ランキングレースとアンランキングレースの2種類のレースモードも用意されているので,挑戦してみてほしい。

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 10年の時を経てリマスター版として再登場したバーンアウト パラダイス。当時のまま何も変わっていないし,不親切な部分も多いが,それさえも容認できる面白さを兼ね備えていて,久しぶりにプレイしてみたが,やっぱり面白い。普通のレースを求めず,交通ルールを無視して暴走のかぎりを尽くしたい人にオススメだ。
 プレイしたことのある人は当時を懐かしみながら,そして当時プレイしなかった人やバーンアウト パラダイスってなに? って人も,現在のオープンフィールドタイプのドライブゲームの原型を作った作品として,ぜひ遊んでみてほしい。

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