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ボードゲーム「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」のゲームルールが明らかに。リリースに先駆けた最速体験会の情報も判明
FGO Duelはスマートフォンゲーム「Fate/Grand Order」(iOS / Android。以下,FGO)のバトルをモチーフにしたボードゲームで,ディライトワークスがゲームの開発を担当し,ワンドローがゲームルール作成に協力している。
会場では,FGO Duelの開発陣がトークとデモプレイを交えて本作のゲームルールを紹介。また,本作の一般販売に先駆けて行われる最速先行体験会の情報なども公開した。本稿でその模様をレポートしよう。
FGOを知らない人でも楽しめる本格的ボードゲームに
発表会の冒頭では,製品パッケージの内容紹介があった。それによると,1パッケージは1200円(税込)で,ミニフィギュア1体(ランダム)と,そのサーヴァントのステータスカード1枚およびスキルカード1枚(3種類からランダム),そしてコマンドカード5枚が封入されるという。
既報のとおり,2018年8月発売予定のパッケージ第1弾のラインナップは,以下の8騎。
- アルトリア・ペンドラゴン(セイバー)
- ギルガメッシュ(アーチャー)
- スカサハ(ランサー)
- 女王メイヴ(ライダー)
- マーリン(キャスター)
- “山の翁”(アサシン)
- クー・フーリン〔オルタ〕(バーサーカー)
- マシュ・キリエライト(シールダー)
また,2018年9月発売予定の第2弾ラインナップは,以下の5騎となる。
- ジャンヌ・ダルク(ルーラー)
- カルナ(ランサー)
- エウリュアレ(アーチャー)
- ジル・ド・レェ(キャスター)
- アステリオス(バーサーカー)
ゲームルールの紹介では,FGO PROJECT クリエイティブプロデューサー 塩川洋介氏と,ワンドローの木皿儀隼一氏および小宮山佳太氏が登壇。まず開発にまつわるトークを披露した。
塩川氏は,FGOのバトルがもともとカードゲームをベースに設計されているものであること,そしてFGO PROJECTでは現在,プレイヤーに現実世界の中でもサーヴァントのマスターとしての体験をしてもらえるよう,さまざまな企画を展開していることを挙げ,それらからFGOのボードゲーム化を考えついたと語った。
また,FGOに登場するサーヴァント達をリアルの世界で手に入れられることも,プレイヤーに喜んでもらえるのではないかとも話す。
さらに塩川氏は,フィギュアだけ欲しい人や,FGOをよく知らない人も楽しめる本格的なボードゲームを目指したと説明。そのため,アナログゲームの開発およびパブリッシングを手がけるワンドローに協力を仰いだというわけである。
なお,塩川氏個人が2017年にプレイした全ゲームのうち,デジタルとアナログをひっくるめてのベストはワンドローのアナログゲーム「文絵のために」だったそうだ。塩川氏はその理由を「ほかに似たようなゲームがない」とし,FGO Duelも「FGOらしさ」を残しつつも独特のボードゲームにしたいと思い,ワンドローに声をかけたと話していた。
塩川氏によると,FGO Duelのプロトタイプは,ディライトワークス内でスタッフが手作りしたという。その中でこだわったのは,FGOのバトルを手軽な形で再現することと,FGOのエッセンスを残して別の形を設計することだったそうだ。
一方,ワンドローの側では,FGO Duelのプロトタイプをブラッシュアップし,アナログゲームとしての完成度を高めていったという。
とくにボードゲームとしての面白さを担保することが重要だと考え,「相手の使ったカードから残りのカードを推測したり,逆にブラフをかけたりするような心理戦」と,「実際に駒を動かす戦略・戦術」という,プロトタイプが持っていた2つの要素を,より遊びやすい形にしていったとのこと。
小宮山氏はワンドロー内で最もFGOをプレイしているそうで,「サーヴァントそれぞれにファンがいるので,シンプルなゲームの中でその個性を最大限表現することに配慮した」と話していた。
そのため,各サーヴァントのパラメータを設定するにあたっては,ディライトワークスの監修を受けて認識の共有を図ったそうだ。塩川氏は「FGOのパラメータを完全再現しようとすると,属性や特効などが絡んでルールが複雑になってしまう。そうではなく,それぞれの個性を再現しようと考えた」と方針を示し,「アルトリアなら標準,マシュなら防御,クー・フーリン〔オルタ〕ならとにかくしぶとい」と例を挙げていた。
さらに,ボードゲームに詳しくない人や,初めて触った人でも楽しめる内容にすることにもこだわったと小宮山氏は述べている。プレイ時間は10〜15分程度とのことで,手軽に遊べそうだが,塩川氏によると「最初は1ゲーム5分を目指していた」そうだ。
FGO Duelをどう遊んでほしいかについて塩川氏は,「FGOのバトルが対戦になったらどうなるのか,マスター同士の対戦とはどういうものなのか,ということを体験してほしい」とコメントしている。
また,今後どのようなゲームにしていきたいかを問われた小宮山氏は「どのサーヴァントを使っても楽しめるバランスを保っていきたい」と語っていた。
さらに木皿儀氏が「競技性のあるゲームに仕上げているので,(FGO PROJECTによる)大会などの開催に期待している」と話すと,塩川氏も「大会はぜひやりたい」と続けていた。
ルールはシンプルだが,相手の狙いを推測する奥の深さもある
FGO Duelのゲームルール紹介は,塩川氏と小宮山氏による実際の対戦に沿って行われた。詳細なゲームルールおよび進行手順は,FGO Duelの公式サイトにて公開されているので,ここでは要点のみを記していこう。
まずプレイヤーは,3騎のサーヴァントで自身のパーティを編成する。
サーヴァントは1騎ごとにフィギュア1体,レアリティやコマンドカードの情報などを示すステータスカード1枚,コマンドカード5枚で構成される。すなわち1パーティの構成はフィギュア3体,ステータスカード3枚,コマンドカード15枚だ。
各サーヴァントにはコストが設定されており,3騎合計で11以内に収める必要がある。加えて,サーヴァントIDが同じサーヴァントを同一パーティに入れることはできない。
勝利条件は「相手のサーヴァント3騎を消滅させる」または「マップ上の相手のマスターエリアへ到達する」のどちらか。
本作はターン制となっており,各ターンでは2人のプレイヤーが交互に,15枚のコマンドカードデッキの中から引いた手札5枚を使い,スタートフェイズ,アクションフェイズ,チャージフェイズ,エンドフェイズの各フェイズにて行動することとなる。
このうちスタートフェイズは後述する上級ルールでのみ,プレイヤーが行動する。
アクションフェイズでは,手札の1枚をプレイシートの「トラッシュ」に置いて,サーヴァントの移動を行う。移動できるサーヴァントは手札にコマンドカードのあるもの1騎のみで,自身のサーヴァントのいるエリアおよびマスターエリアは移動先として選べない。
移動先に相手のサーヴァントがいる場合は,バトルが発生する。このとき移動しようとしたサーヴァントが攻撃側,もともとエリアにいたサーヴァントが防御側となる。
バトルでは,プレイヤーがそれぞれの手札から3枚のコマンドカードを選び,同時にプレイシートに置く。ちなみに,バトル中ではないサーヴァントのコマンドカードを選ぶこともできる。
バトルの勝敗は,3枚のコマンドカードに記されたパワーの合計値と,カードの組み合わせによって発生する「チェイン」による補正値によって決定。
具体的には,
- 3枚とも「クイック」なら「クイックチェイン」で次のターンにパワー+7
- 3枚とも「アーツ」なら「アーツチェイン」で次とその次のターンにパワー+3
- 3枚とも「バスター」なら「バスターチェイン」で現ターンにパワー+3
- 3枚ともバトル中のサーヴァントのカードなら「ブレイブチェイン」
で,選んだ3枚のうち最も低いパワーが現ターンに上乗せされる
結果,算出された最終的なパワーの値の大きいほうがバトルの勝者となる。攻撃側が勝利した場合は防御側のサーヴァントが消滅し,空いたエリアに攻撃側のサーヴァントが移動する。逆に防御側が勝利した場合は何も起こらず,攻撃側のサーヴァントは移動できない。
そしてバトルに使用したコマンドカード3枚をトラッシュに置いたら,アクションフェーズは終了となる。
チャージフェイズでは,プレイヤー各自が手札が5枚になるよう,デッキからコマンドカードを引く。デッキの枚数が足りない場合は,トラッシュに置かれたコマンドカードの中から1枚を除外(※その場合,当該対戦では以後使用不可能になる)し,残りのカードをシャッフルして新たなデッキとする。
そしてエンドフェイズでは,チェインが発生している場合,「チェインカウンター」を1マス進めてターンを終了させる。
以降はターンを繰り返して,どちらかのプレイヤーが勝利条件を達成するまでプレイすることとなる。
前述した上級ルールは,,基本ルールに「スキルカード」を加えて遊ぶもの。サーヴァント1騎につき,1枚のスキルカードを使用できる。スキルカードはサーヴァント各自が持つ特殊能力を示すもので,対戦中1枚につき1回,スタートフェイズで使用可能だ。
スキルの効果は,自身のサーヴァント全体に支援効果を与えるものや,トラッシュに置かれた特定のコマンドカードを手札に加えるものなど,サーヴァントそれぞれの個性に合わせて用意されるという。
さらにスキルは,そのターンで効果を発揮するものだけでなく,当該サーヴァントが消滅するまで効果が持続するものや,NPと呼ばれるコストを消費して発動するものもある。NPとは「トラッシュに置かれた縦置きのArtsのコマンドカード」を指し,消費するには横置きにする必要があるそうだ。
なお,消滅したサーヴァントのスキルカードは,使用したか否かを問わずゲームから除外されるとのことである。
こうしてテキストだけで説明するとややこしく思えるかもしれないが,マップもバトルもシンプルなので,実際にプレイすればゲームルールは比較的早く把握できるという印象だ。
ゲームに慣れないうちに気を付けておきたいのは,チェイン発生時の補正とそのタイミング(自分・相手とも)の把握や,スキルカードはスタートフェイズでのみ使えるという点だろうか。
その一方では開発陣の発言どおり,自分が何を狙ってパーティ(デッキ)を組むのかという戦略・戦術と,ゲームの進行を通じて相手が何を狙っているのかを推測する部分があり,自分の狙いの成否が手札の引きに左右される部分も少なからずあるので,対戦ゲームとしてかなり深いものに仕上がっていると感じた。
発表会の終盤には,FGO Duelの最新情報として,メインビジュアルと最速先行体験会の情報が公開になった。
塩川氏によると,メインビジュアルはマスター同士の対戦を意識したものになっているという。
最速先行体験会は,7月15日に東京・秋葉原UDX AKIBA_SQUAREで開催予定。体験会の参加には事前抽選があり,公式サイトにて6月27日23:59まで募集を行っている。会場ではFGO Duelのグッズ販売を行う予定で,詳細は追っての発表となるという。
質疑応答では,各サーヴァントのコストがレアリティに応じて異なること,レアリティの高いサーヴァントのほうがコマンドカードのパワー値が高くなることが明らかになった。ただし,FGOと同様に,レアリティが低いサーヴァントには特殊なスキルが用意されるため,単純なレアリティ勝負にはならないという。
なお,レアリティによって各サーヴァントが手に入りやすい,入りにくいということは基本的にないとのこと。加えてFGO Duelはリリース後にアップデートを予定しており,そこでは宝具などといった要素の導入も検討しているそうだ。
発表会の最後には,小宮山氏がFGO Duelの誰でも楽しめる遊びやすさをあらためてアピールし,木皿儀氏が「フィギュアを含め,ゲームとしてよいものに仕上がった」と自信をのぞかせた。そして塩川氏が「どうやればFGOらしくなるか,なぜ今FGOのボードゲームなのか,意外性も含めてコンテンツを作ってきた」とし,「FGOを遊んでいる方はもちろん,知らない方もFGOの入り口の一つとして捉えていただきたい」と語って発表会を締めくくった。
「Fate/Grand Order Duel -collection figure-」公式サイト
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Fate/Grand Order Duel -collection figure-
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