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「第五人格」国内プロリーグにおける新たなチャレンジ。リーグ参加権の売買による新たなビジネスチャンスとそのメリットとは
国内最大級の盛り上がりを見せる第五人格のeスポーツシーン
そんな第五人格だが,ゲームとしての面白さはもちろんのこと,競技性――eスポーツの観点でも高い評価を受けている。NetEaseもそれを後押しするようにeスポーツイベントを展開。夏季と秋季に世界大会「Call Of the Abyss V」(COA)への出場権を賭けた「Identity V Championship」(IVC)を開催するなど,シーンの盛り上げに大きく貢献している。
ちなみに今年の4月30日から5月3日にかけて開催されたCOAでは,日本からの参加チームであるSunSisterが準優勝というすばらしい結果を残したほか,決勝大会のYouTube配信の同時接続数が最大で3万人超を記録。国内で人気とされるほかのeスポーツタイトルとそん色ないほどに注目されていることがうかがい知れる。
国内大会における最大の目標であったIVCだが,今年より「IDENTITY V JAPAN LEAGUE」(IJL)にアップグレードすることが決まっている。このIJLでは,国内の7つのプロeスポーツチームによるレギュラーシーズン,全プレイヤーが参加できる大会(IVT)がそれぞれ用意されており,別ルートで次ステージへの進出を目指すことになる。
細かいルールを紹介すると,レギュラーシーズンからは7チームのうち上位4チームがプレイオフへ進出。そしてIVTの上位3チームと,レギュラーシーズン下位3チームが合流し争い,そのうちの上位4チームもプレイオフへ進出する。最終的に進出した8チームで決勝大会を行う大会形式となっている。
※「IDENTITY V JAPAN LEAGUE」現在ホームページ開設の準備を進めているとのこと
プロとアマチュアが分かれて次ステージを目指すという方式は,これまでのIVCでも実施されており,昨年は「AXIZ WAVE」「Crest Gaming」「ZETA DIVISION」「REJECT」「SunSister」「SCARZ」がプロチームとして参加。なお,これらのチームにはNetEaseからの支援として,ある程度のまとまった金額が補助金として各チームに分配されている。これは「荒野行動」などNetEaseが展開する他eスポーツタイトルのプロリーグと同じ仕組みだ。
もちろんそれとは別に大会ごとの入賞賞金もあり,世界大会「Call Of the Abyss V」に至っては賞金総額は400万元――日本円に換算するとおよそ8000万円もの高額賞金が用意されている。なお,そのうち170万元(約およそ3200万円)が優勝賞金に割り当てられている。
手厚い支援に加え,高額賞金も用意されている「第五人格」の競技シーンだが,NetEaseの広報担当者によると,今回既存チームがリーグから撤退することになり,その空いた枠を希望チームに販売することになったという。
IJLの将来性を高く評価。第五人格のeスポーツ大会が国民的イベントになることに期待
プロリーグに新しいチームが加入するという話はeスポーツシーンではまったく珍しいことではないが,参加権利を販売するとなると話は別だ。購入する企業としてはお金を払ってまでリーグに参加するメリットがあるかを判断する必要性が出てくるだろう。今回,参加権利を購入したチームの関係者に話を聞けたので,要点をまとめてお届けしたい。
(1)IJL参加権利を購入した理由について:
弊社はかねてより海外におけるeスポーツ事業を展開したいと考えておりました。第五人格が新たにIJLを設立されると伺ってから第五人格というゲームと,これまで日本で開催されてきたほかのeスポーツ大会について調査,分析を行ってきました。
弊社は第五人格およびIJLの将来性を高く評価し,第五人格のeスポーツ大会が日本において国民的イベントになると信じております。そこで,リーグの規定を充分調べたうえで,出場資格を購入する意向を示しました。
(2)IJL参加権利を購入したメリットについて:
弊社は日本在住のeスポーツチームマネージャーを経由し,第五人格日本地区の複数のクラブと連絡を取り,出場資格の譲渡を希望する相手を探していました。数週間の努力が実り,譲渡していただける会社より連絡をいただきました。誠意を込めて順調に交渉を重ねた結果,出場資格譲渡について合意を得られました。今回の投資は多額のコストがかかりましたが,将来はこれによってさらに大きな利益を獲得できると信じております。
(3)eスポーツチームとして目指す目標:
加入したメンバーは全員が大会経験のある選手ですが,新しく結成するチームですので,連携を磨き上げるために時間が必要です。目標はもちろん優勝です。これについては,どのチームも同じだと思っております。この目標に向けて,全力を尽くして臨むようにがんばっていきます。
(4)国内外のeスポーツシーンの盛り上がりについて:
先日の「Call Of the Abyss V」では,日本のチーム,とりわけSunSisterの選手たちのプレイが印象に残りました。今回IJLに参入するにあたり,中国のコーチング・運営の経験を日本にもたらすとともに,日本本土のクラブが蓄積してきた経験を学び,交流を深めていきたいと考えています。中国と日本は交流の歴史が長く,対してeスポーツはまだ歴史が浅いです。eスポーツ大会を通じて,より多くの交流と学びの機会を創り,eスポーツの未来に向けてともに尽力していくよう,心より願っております。
まとめると,今回の売買は購入したチームがポジティブな思考でもってアクションを起こしており,互いにとってメリットのある取引だったように感じられた。購入したチームからは優勝する気概はもちろんのこと,支払ったコストを回収する意欲がうかがえたし,売却したチームは撤退するのは残念だが,権利譲渡による速効性のある収益を生み出せたのは大きな収穫となっただろう。
「第五人格」のプロシーンが盛り上がることでこれからも似たようなやりとりが起こりうると予想できるが,リーグ参加権の売買が新しいビジネスモデルになるかどうか。今後のIJLの展開も含めて注目していきたいところだ。
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