スマホ向け新作RPG「フリージング エクステンション」CBTレポート。勇敢で色気たっぷりの少女たちとともに世界を魔の手から救え！

　クリーク・アンド・リバー社は，2018年夏に正式サービス開始予定のスマホ向けRPG「フリージング エクステンション」（iOS / Android）のクローズドβテスト（CBT）を，6月28日〜7月6日の期間で実施した。
　Web漫画雑誌「コミックヴァルキリー」で連載中の「フリージング」。アニメ化もされたこの人気作がついにスマホゲームになるということで，発表時から動向を追い続けているファンも多いだろう。学園モノのロマンスあり，迫力のアクションあり，そしてお色気ありの原作が，はたしてどのようなゲームコンテンツに仕上がったのか。CBTのプレイで確認できたゲーム内容と，そのインプレッションをお届けする。

キャラクターをなるべく大きく見せようという狙いだろうか，本作は端末を縦持ちにしてプレイする。その目論見どおり，細部まで描き込まれたグラフィックスや，驚異的に滑らかなアニメーションが存分に堪能できる

「フリージング エクステンション」公式サイト

※画面は開発中のものです。

異次元体ノヴァと戦う少女たちを率いて

存亡の危機にある世界を救え！

　別次元より現れ，人類を襲う謎のクリーチャー“ノヴァ”。その恐るべき敵に蹂躙され，滅亡の危機に瀕している2065年の世界が本作の舞台となる。未曾有の脅威に対して必死で抗戦する人類は，ノヴァの生体組織から得た“聖痕”を用い，ノヴァを撃退するための兵士“パンドラ”を生み出す。異次元体の産物を体に宿し，命を賭して未知の敵に立ち向かう少女たちに，人々は最後の希望を託す。

聖痕を移植されたパンドラは，あらゆる兵器を無効化するノヴァに物理的な打撃を与えられる唯一の存在とされる

　そしてフリージングという特殊な能力を持ち，パンドラとともにノヴァと戦うことのできる“リミッター”と呼ばれるプレイヤーは，対ノヴァ戦術学園ゼネティックスに所属するリミッターとなり，パンドラを率いて世界のため，人類のために戦うことになる。

　本作は，そうしたSF設定のストーリーが展開される，バトルあり，キャラクターの育成要素ありのRPGだ。ゲームの進行度に合わせてモードが開放され，やれることがどんどん増えていくが，新米リミッターであるプレイヤーが果たすべき“業務”は基本的に下のふたつだ。ゲームシステムはオーソドックスな設計で，スマートフォンRPGに馴染みのあるプレイヤーであれば，ストレスなく作品世界へ入り込めるだろう。


■この揺れ，本気出しすぎじゃない!?　パンドラのアニメーションに注目

　ゲームを始めてまず驚かされるのが，画面いっぱいに表示される2Dキャラクターがよく動くことだ。とくにパンドラのアニメーションは肉感的で艶めかしく，キャラクターの動きに合わせてなびくコスチュームや髪などのパーツ，ゆっさゆさ揺れるたわわな実りは，プレイヤーの目を引き付けることだろう。


　“命を吹き込まれたかのよう”という形容がけっして大げさでない，生き生きと躍動するパンドラたちのアニメーションがゲームの随所で楽しめるのだが，この揺れ，そして動きは，作り手の本気のこだわりがプレイヤーに伝わってくるぐらいのクオリティだ。いろいろなものが躍動するさまは，実際にプレイしてたしかめてほしいくらいだ。本当に，いろんなものが躍動しているぞ！

なかなか目のやり場に困る見た目なうえ，それがアニメーションで動きまくる。外でプレイする場合は，周囲の視線にご注意を。なお，パンドラ管理画面や交感モード（後述）で表示される2Dキャラクターは，体をタップすると反応を示す

編成＆戦略が重要なバトルには「フリージング」らしさも

　本作のバトルは，敵味方が交互に行動するターン制のコマンドバトルが採用されており，RPGファンには取っつきやすい作りになっている。シリアスなストーリーパートから一転，2頭身にデフォルメされた3Dキャラクターが動き回る様子はユーモラスで，しっかりとアクションを見せながらもテンポは良好。固有スキル発動時にはボイスやカットインが挿入される。

バトルに出る小隊は，最大5人のパンドラで編成される。ガチャや報酬で獲得したパンドラのリストから，クラスや属性，所有スキルなどを考慮して選出し，ベストの布陣を組もう。戦闘力/攻撃力/防御力がもっとも高くなるメンバーを“自動編成”してもらうこともできる

画面下のパンドラカードをタップすると通常攻撃が，カードを上/下にスライドするとパンドラの固有スキル（アクティブスキル）が実行される。攻撃目標を指示したければ，対象の敵をタップ。バトル中の基本操作はこれだけだが，画面左下の自動戦闘ボタンでオートバトルにも切り替えられる

バトル開始前にフレンド（フレンド登録した他プレイヤーのパンドラ）を選んでいれば，バトル中に自軍のメンバー（行動不能状態でもOK）とフレンドのパンドラを入れ替えできる。このフレンドサポートシステムによって，実質6人のパンドラでバトルに臨めるというわけだ

1回のバトルは複数のラウンドで構成されており，最終ラウンドの敵を全滅させれば勝利となる

　パンドラにはそれぞれ“クラス”と“属性”が設定されており，いずれも敵との相性に深く関わる，編成上の重要なファクターとなる。

　まずクラスだが，すべてのパンドラはフィニッシャー/ストライカー/デコイ/オールラウンダーのいずれかに属し，以下のように能力値のタイプが異なる。クラスごとにバトルでの役割が異なるということで，各クラスが相互に補完し合えるような，攻守でバランスの取れた編成が求められそうだ。
　編成時に何よりも重視したいのがクラスだ。序盤はそれほど気にしなくてもかまわないが，強敵とのバトルでは，クラスに偏りのないチームを組む必要があるだろう。


　属性はグー/チョキ/パーの3種類のみ。強弱関係がジャンケンの“3すくみ”になっている明解さで，相性的に強い属性で攻撃すると追加ダメージを与えられる。この属性の相性の良し悪しも，敵が強くなるにつれ重要度を増してくる。

たとえば，属性がチョキのパンドラでパーの敵を攻撃すると追加ダメージが発生する。反対に，弱い属性で強い属性を攻撃した場合（パーでチョキを攻撃するなど）のダメージの減退効果はナシ。敵グループの属性に偏りがある場合は，こちらも優位な属性のパンドラを揃えるといい

属性はパンドラごとに固定というわけではなく，同一のパンドラでも属性が異なることもあるので，同じパンドラを複数獲得した場合はチェックを忘れずに。また，同名でも別コスチュームを身に付けたパンドラはクラスも異なる

■テクスチャーブレイクで敵を弱体化！

　敵味方にかからわず，すべてのパンドラは“テクスチャーゲージ”というパラメータを持っており，攻撃を受けた際，相手のコスチューム攻撃の値に応じてこのゲージが減少する。テクスチャーゲージがゼロになると，コスチュームが破壊されるテクスチャーブレイクが発生！　ブレイク以降は，相手に攻撃されるたびに追加ダメージを受けてしまう。体力の多いパンドラと戦う場合は，味方にストライカーを起用して早めにテクスチャーブレイクする，といった戦術が有効になるのだ。

パンドラの頭上に表示される2本のゲージのうち，下の黄色いものがテクスチャーゲージ（赤いゲージはHPを表す）。テクスチャーブレイクに成功すると，パンドラのコスチュームが弾け飛ぶ，うっふんカットが挿入される。テクスチャーブレイクされたパンドラは，そのバトルが終わるまで下着姿で戦うことになる。なんてこった！

■バースト＆フリージングでパンドラを援護

　リミッター設定でフリージング活性を習得すると，リミッターがフリージングやバーストでバトルに関与できるようになる。そうこれは，リミッターをリミッターたらしめている特殊能力であり，本作のタイトルにもある“フリージング”（特殊能力）だ。いずれも好きなタイミングで発動でき，敵全体に効果のある2種類の能力は，やはりボスクラスの強敵にこそ真価を発揮するはずだ。

敵の動きを一定のターン止めるフリージングと，全体攻撃を仕掛けるバースト。敵に攻撃を与えるたびに増加するフリージングゲージが満タンになると，どちらかを選んで発動できる。バーストは発動タイミングで画面を連打した分だけダメージが増加し，さらに攻撃終了後に相手のステータスを低下させる

リミッター設定のフリージング特性では，新たな能力の習得や，フリージング/バーストの効果を強化することも可能。習得/強化に必要な“フリージングポイント”は，ユーザーレベル（リミッターのレベル）が上がるたびに獲得できる

育成＆交感でパートナーとしての絆を深め

パンドラを一人前の兵士に育て上げよう

　パンドラの育成は，強化，昇級，限界突破，スキルレベルアップが4本の柱となり，すべて最初から開放されている。ストーリーモードやチャレンジモードで素材を集め，主力メンバーを積極的に鍛えるべし。

報酬や装備ガチャで獲得した武器や防具などをセットすることでも，パンドラの能力は向上する。装備品にはレベルがあり合成によってレベルを上げて強化できる

◎パンドラ強化

パンドラに経験値を与えてレベルを上げる育成の基本メニュー。素材にはパンドラを使い，等級（レアリティ）が高いパンドラほど多くの経験値を得られる

◎パンドラ昇級

パンドラの等級を一段階上げ，全体的な能力を大きく伸ばす。素材は同じ等級のパンドラで，等級の数だけ必要（★3なら3人）。また，☆4以上の昇級では“聖痕”というアイテムも消費する

◎限界突破

同じパンドラを合成し，パンドラの基本能力値を底上げする。限界突破を行ったパンドラは，レベルの上限に“+1”という数字（限界突破の回数を示す）が付く

◎スキルレベルアップ

ゴールド（ゲーム内通貨）を消費し，パンドラが持つスキルのレベルを上げて効果を高める。レギュラーメンバーのスキルレベルは忘れずに上げておきたい

■交感モードでパンドラとの距離を縮めよう

　メインメニューにある交感は，パンドラを1人選んで会話をし，パンドラのリミッターに対する“好感度”を上げられるモードだ。会話中に選択肢が提示されることがあり，その答えによって得られる好感度の度合いが変わる。交感をくり返して好感度レベルを上げると，そのパンドラとの“イレインバーセット”が強化され，パンドラの基礎能力値がアップするのだ。


　交感モードの実行には“トークポイント”を消費する。会話の内容は，学園生活に関わるものから，ただの雑談までさまざま。序盤からかなり際どい質問がされることもあり，パンドラによっては意外な選択肢が思わぬ好反応（大量の好感度）を得られることも。そうした反応からパンドラの性格を掴み，最適な答えを返して大量の好感度をゲットしよう。

好感度を獲得し，画面左のゲージが100％に達すると好感度レベルがアップ。好感度レベルが5上がるたびにイレインバーセットが強化され，あわせてパンドラの台詞や反応も変化する。なお，イレインバーセットの効果は，同名の全パンドラに適用される

■聖痕の力でパンドラをより強く

　ノヴァの聖痕により誕生したパンドラは，体に「聖痕」をセットすることで能力にボーナス値をプラスできる。「聖痕」は，チャレンジモードの攻略モード，もしくはパンドラを分解して得られる「聖痕のかけら」の融合で作成可能。各パンドラには「聖痕」の装着スロットが複数あり，交感モードで好感度レベルを上げると開放されていく。パンドラの長所を伸ばし，弱点を補強するためにも，この「聖痕」による能力強化をうまく利用しよう。

「聖痕のかけら」は5色あり，品質によって初級/中級/高級に分類される。同じ色の「聖痕のかけら」を融合して「聖痕」を生み出すのだが，どのような効果を持つ「聖痕」ができるかは融合してみるまで分からない

「聖痕」をパンドラの背中に装着し，能力を強化。パンドラはそれぞれ装着できる「聖痕」の色が決まっている。また，「聖痕」はゴールドを消費して強化し，ボーナス値をアップさせることも可能だ

リミッターの成長に合わせて開放される

素材集めに欠かせないモードを紹介

　ホーム画面で選択できるもうひとつのプレイモード“チャレンジモード”には，バトルに挑戦することでゴールドや経験値，素材などの報酬が獲得できるモードが複数用意されている。いずれのモードもゲーム開始時はロックされており，ユーザーレベルに応じて開放されていく。まずはストーリーモードの攻略を進め，全モードのオープンを目指そう。なお，CBTでは残念ながら遊ぶことができなかったが，正式サービス開始後はレイドバトルモードも実装されるようだ。

◎ボーナスモード（ユーザーレベル6で開放）

ストーリーモードのステージより多くの経験値とゴールドを稼げるモード。ノヴァを全滅させればステージクリアとなり，ステージの難度が上がるほど報酬の量が多くなる。平日は1日5回，週末（土日）は1日7回まで挑戦できる

◎攻略モード（ユーザーレベル8で開放）

パンドラを相手にバトルをし，「聖痕」の作成素材である「聖痕のかけら」を集めるモード。曜日によって報酬でもらえる「聖痕のかけら」の色が変わる

◎カーニバル（ユーザーレベル11で開放）

ほかのプレイヤーと対戦し，獲得したスコアによりランキングの上位を目指すPvPモード。戦いを挑む通常の小隊以外に，相手にバトルを挑まれた際に出動する“防御小隊”も編成しなければならない。ランキング報酬では，カーニバルショップで使える“カーニバルコイン”が獲得できる

◎Abyss（ユーザーレベル15で開放）

各階に敵が待ち受ける深海のダンジョンに挑戦するモード。ダンジョンは全15階。攻略中はステージクリア時のダメージ回復がなく，戦闘不能になったパンドラは日付が変わるまで当モードでは起用できない。みごとダンジョンを制覇すれば，高級装備や「聖痕」などの豪華報酬が手に入れられる

◎派遣モード

チャレンジモード外のモードで，世界各国のゼネティックスにパンドラを送り，ゴールドやパンドラ経験値などの報酬獲得を目指す。派遣先を決め，派遣する小隊を編成して送り出したあとは，規定の時間が経過するのを待つだけ。地域ごとに設定された数値より戦闘力が高い小隊を派遣すれば，成功率を高められる

　原作漫画のテイストや魅力を損なうことなくスマホRPGに落とし込まれた本作は，ビギナーから手練れのゲーマーまで楽しめる作品になっている印象だ。原作に沿ったストーリーや名場面，そこに加えられたオリジナル要素は原作ファンを満足させるだろうし，近未来の特殊な状況下でくり広げられる学園ドラマや，シンプルゆえに完成されたバトル＆育成システム，お色気を前面に押し出すビジュアルは，原作を知らないプレイヤーのハートも鷲掴みにするはずだ。

　正式リリースは今夏。CBTの時点でほとんど完成形のように思えたが，テスターのフィードバックを踏まえて，さらに磨き上げられるのだろう。遠慮なく期待に胸を揺らせ……もとい，膨らませて待とうじゃないか！

「フリージング エクステンション」公式サイト