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[E3 2018]クトゥルフ神話にインスパイアされたオープンワールド型ホラーアドベンチャー「The Sinking City」のライブデモをチェック
本作の舞台となるのは,クトゥルフ神話と同じ1920年代のアメリカ・ニューイングランド地方,ボストン近郊にあるという架空の街“オークモント”だ。何かの原因によって街の各地が水没してしまっており,住人達の中には,エラがついていたり,青や緑の水膨れが顔中にできていたりと,洪水と何らかの関係があると思われる影響を受けている者もいるが,人々は何も違和感を持たないかのように共存している。そんな中で,主人公の私立探偵であるチャールズ・リードが,市民達から持ち込まれるさまざまな仕事をこなしながら,この街の謎に徐々に迫っていくことになるのだ。
今回,Big Ben InteractiveでプロダクトマネージャーとしてFrogwares作品に関わるAndres Filipe Ramirez Palau(アンドレス・フィリペ・ラミレス・パラウ)氏に紹介されたデモは,「Bad Decision」(悪い決断)と名付けられたミッションだ。チャールズの探偵事務所に,「どんな仕事でも受けてくれるから」という理由で,ドロシー・エヴァンスという名の,どこか影のある女性が訪れる。漁師だった夫のハリーが数日前から失踪しているために見つけ出してほしいとのことで,ドロシーは蓄えが少ないのでお金を十分に払えないと話すが,ここでいくつかの会話選択から「無料で引き受ける」を選んだところ,ドロシーが捜査の助けになればと,ハリーの写真をくれた。本作では,こうした会話のやり取りによって,ミッション解決の難度が変わってくるようだ。
本作の主な移動手段はボートだ。街のいたるところは水没しており,かつての通りは運河のようになってしまっている。ミニマップを拡大すると,すべての道に名前が付いており,事件を解決するためには,ミッションを受けると表示されるマーカーを頼りにあちこちに移動して,尋問や探索を行わなければならない。もちろん,以前に到達した場所へはファストトラベルもできる。
今回のデモでは水の中をウネウネとした触手がはい回っていたのだが,チャールズは狂気に晒されて,これが幻覚とも現実とも見分けがつかなくなってしまっている状態にあるらしい。インタフェースの左下には,ヘルス値を示す赤いバーと,テーブルトークRPGでSAN(サニティ)値に相当する青いバーが縦に並んでいた。
依頼を受けたチャールズが最初に向かったのは,サルベーション・ハーバーと呼ばれる地域にある漁師の休憩小屋だ。ここでは,カルト教徒の仕業と思われる,壁に描かれた赤い目のサインや,誰のものとも判別がつかない首なしの遺体が転がっているのを発見する。そうした事件に関わっていそうなものを,想像力を働かせて時系列で並べていくという,「バットマン: アーカム」シリーズでも採用されていた謎解き方法が本作にも採用されているようだ。
床に転がっていた死体を目の当たりにすると,チャールズのSAN値が急減し,画面がゆがみ始めるのと同時に,人間の腕と足だけでできたクモ風のクリーチャーなどの敵が数体襲い掛かってくる。デモ担当者は,これも幻覚なのか現実なのかはハッキリしないと話していたが,ともかくSAN値を正常に戻すためには,こいつらをピストルやショットガンで始末しなければならない。
どんでん返しのあるミッションなので,その流れを詳しく紹介はしないが,この後チャールズは,図書館にいって赤い目のサインの由来を調べることになる。この図書館には,チャールズと旧知の仲らしい,なぜか口が縫い合わされた異様な風貌の女性職員がいる。図書館では,過去の新聞記事や商取引の資料などが収められたアーカイブを確認でき,ここで事件解決に必要な資料を探すことも,探偵業で重要な活動の1つとなるようだ。
本作では,10種のメインクエストと,複数のサブクエストが用意されており,プレイヤーはオークモントを探索しながら30時間にわたってみっちりと遊び込めるとのことだった。
開発元のFrogwaresは,2000年以来活動を続けるデベロッパで,そのフラグシップタイトルであるポイント&クリック型の探偵アドベンチャー「シャーロック・ホームズ」シリーズは,すでに8作もリリースされている。The Sinking Cityには,同社初のオープンワールド型ゲームとなるべくUnreal Engine 4が採用されているものの,現時点のキャラクターアニメーションやグラフィックスは,まだまだ完成度が高いとは言い辛い。今回のイベントに合わせて,発売は2019年3月21日となることがアナウンスされ,さらに日本語への対応も計画しているとのことなので,今後のさらなる調整に期待したいところである。
「The Sinking City」公式サイト
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