中国・上海で開催されたゲームショウ「ChinaJoy 2018」のSony Interactive Entertainmentブースは,個人的に大豊作であった。新興ゲームメーカーを支援するプログラム「China Hero Project」の関係者は皆アグレッシブで,中国におけるコンシューマゲームの勃興が感じられたが,そのほかの出展作も粒揃いだったと思う。本稿では,そのなかの一作である,ThinkingStarsが開発を行う
「ANNO Mutationem」(
PlayStation 4)を紹介しよう。
本作は,サイバーパンク風の世界観を採用した,横スクロール型のアクションゲームである。ピクセルの粗さが活かされたグラフィックスが特徴で,海外ゲームに詳しい読者であれば,いわゆる
“メトロイドヴァニア”と聞けばピンと来るだろう。
このゲーム内世界の人類は,体の一部を機械化することでウイルスの侵食に対応している。そういった人たちが当たり前のように住まう時代で,女戦士ANNを操って戦いぬくというゲーム内容だ。
ANNはビームサーベル状の武器をメインに使うほか,体の一部をレーザー砲など,さまざまな機械に変化させられる。またNPCとの会話などを行うアドベンチャーパートもふんだんに用意されているようだ。
ThinkingStars CEO,Li Yao氏
![画像集 No.012のサムネイル画像 / [CJ2018]サイバーパンク風の新作メトロイドヴァニアがPS4向けに開発中。「ANNO Mutationem」の直録りムービーなど動画2本を紹介](/games/429/G042950/20180808064/TN/012.jpg) |
話を聞いたThinkingStarsのCEOを務める
Li Yao氏によると,(やっぱり想像どおり)
「ザ・キング・オブ・ファイターズ」や
「メトロイド」などの日本のゲームが大好きなスタッフが多く集まっているとのこと。ああいったアクションを,最新世代のプラットフォームであるPlayStation 4で実現したいそうだ。
一方でその世界観や,体内に機械を取り込むという設定などは,映画「ブレードランナー」などに代表されるサイバーパンクをベースに,漫画/アニメ「攻殻機動隊」などからの多大な影響を受けているという。
本稿では試遊台の直録りムービーを掲載するので,こちらもぜひチェックしてほしい。アクションに関しては未知数だが,薄汚い路地にネオンが浮かび上がる様など,世界観やグラフィックスは,かなり良い線行っているのではないだろうか。
発売時期に関しては,2019年の第3四半期が予定されている。海外展開も気になるところだが,Li Yao氏によると,SIEが海外パブリッシングにも積極的という部分に同意して,プラットフォームにPlayStation 4を選んだとのこと。現在の中国におけるPS4は,既存のPCやスマホに対して後発にあたるが,SIEが目先の利益ではなく5年後や10年後を見据えていることにも賛同しているそうだ。メトロイドヴァニア好きの読者は「ANNO Mutationem」の名前を覚えておいて損はないだろう。