プレイレポート
キムタクが走る!戦う!尾行する! 「JUDGE EYES(ジャッジアイズ):死神の遺言」先行体験版のグッと来るポイントを伝えたい
ネット上では「キムタクが如く」などと言われていたりするが,体験版をプレイし終えた今,筆者にとって本作は「年末の気になる1本」になっている。「え,体験版,まだやってないの? ちょ,待てよ!」ということで,まだダウンロードしていない人に向けて,体験版を通じて感じた「ジャッジアイズ」の魅力を伝えたい。
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「JUDGE EYES:死神の遺言」公式サイト
#1 ツカミが完璧
本作は「リーガルサスペンス」を謳っている。つまり,“法廷もの”であり,ということは殺人事件があり,犯人が存在して,意外な真相へと向かっていくと思われる。
サスペンスにおいて,大事なものは2つ。開幕直後に提示される謎が「どれだけ魅力的で先が気になるか」というツカミ,そして「真相の意外性」だ。
「ジャッジアイズ」はスタートから数分も経たないうちに,そのツカミを成功させる。
先輩弁護士のやっかみをうざそうにあしらう,デキる後輩弁護士。これが木村拓哉さん扮する八神隆之なのだが,謙遜しながらも小声で「いちいちうるせぇな……」と漏らすあたりは,実にキムタクらしい小生意気さだ。
この“いかにもなキムタクらしさ”と,高い映像技術で表現される“リアルすぎるキムタク”がプレイヤーを惹きつけているうちに,「八神が何を成し遂げて有名になったのか」「先輩弁護士がなぜやっかんでいるのか」といった物語の背景を流れるように理解させていく。
そこへ突然,「衝撃の事実」が舞い込む。ここのテンポがすばらしい。一気に引き込まれ,先が気になりまくるので,ぜひ実際に体験版を遊んで確認してほしい。
ここまでプレイして,「最後まで遊ばなかった」「先が気にならなかった」という人はいないんじゃないだろうかと思う。
#2 「龍が如く」のノウハウを活かしたバトル+キムタクが起こす化学反応
キムタクらしさを存分にお届けした後は,龍が如くスタジオが誇るバトルパートがプレイヤーを引き込む。
「龍が如く」シリーズで培われたダイナミックなバトルは,「ジャッジアイズ」でも健在だ。周囲にあるさまざまな物を武器にして,豪快に振り回したり,叩きつけたりして戦える。
バトルパートの基本システムは「龍が如く」シリーズを踏襲しており,シリーズ経験者にはさほど新鮮には映らないかもしれない。
だが,やはりキムタクの存在感は圧倒的だ。「キムタクがボイス付きでネットカフェの看板を振り回す」という,その事柄と絵面だけでも面白い。正確には八神というキャラクターなのだが,キムタクの存在感はそれを超越してしまう。
看板を振り回すのは“1対多数”の戦闘ならではの戦い方だが,体験版の後半では1対1の戦闘に特化したバトルスタイルも選べるようになる。
「片足を上げて赤いオーラを放つキムタク」というだけで,すでに目が離せない。だが,戦闘が佳境に差しかかると「EX ACTION」が可能になる。これはいわば「トドメの大技」のようなもので,手にしている武器によってアクションが変化する。
どんな行動を取っても「キムタクがそれをやっている」ということのインパクトが絶大で,さらにそれを動かしているのが自分(=プレイヤー)であるという時点で,本作はどうしようもなく成功している。
また,プレイヤーの技量によっては,TVではあまり見られない「敗色濃厚なキムタク」の姿も拝むことができる。
相手のパンチにひるむキムタク。[×]ボタンの連打で起き上がりを促されるキムタク。もう,何をどうやっても面白くなるので,「このゲームは反則だなぁ」と思えてくる。
#3 キムタクらしさの追求
体験版には,尾行の対象を走って追いかけるチェイスシーンもある。このときのモーションに,とても“キムタクらしさ”を感じた。
走っているモーションもそうなのだが,とくに「障害物を乗り越えて,着地からのダッシュ」に感動を覚えた。「この動き,ドラマで見た!」と。
着地後,つんのめる感じでダッシュを始め,そこから少しよろけながら加速していく。熱心な木村拓哉さんのファンというわけでもない筆者ですら,「あっ,キムタクっぽい」と感じた。
チェイス中,通行人にぶつかってしまうこともあるのだが,リーマンの一団と接触したときの反応もいい。
一方,動いていないキムタクもいい。「どのシーンを切り取ってもキムタク」という強烈な個性が,本作でしかありえない魅力になっている。
#4 ゲームならではのツッコミどころ
イベントシーンはまさにドラマそのもので見入ってしまう。その反面,ゲームならではのプレイヤーが操作できるシーンでは,クスッとする要素が散りばめられている。
例えば,体験版の中盤を占める尾行シーンだ。
尾行の対象は時折,こちらを振り返るため,物陰に隠れないと警戒ゲージが上昇してしまう。とはいえ,対象が振り向いた瞬間にサッと物陰に隠れるほど,あやしいものはないと思うのだが,そこは良い意味でゲーム。警戒ゲージがMAXにさえならなければいいのだ。製品版では,もっと吹いてしまうようなバレバレの尾行を期待してしまう。
こうしたものは,アクションゲームでちょっとの段差が登れなかったりするような,よくある「そこは気にするな」という光景だ。だが,キムタクがリアルであるだけに妙な面白さを醸し出している。
前項では,チェイスシーンでリーマンにぶつかる場面に触れたが,このパートはQTEになっていて,瞬時に指定されたボタンを押す必要がある。
それでは,ここでテスト。こういう場合,八神ことキムタクはどう避けるか?
ハッスルしすぎなシーンは,まだまだある。
体験版の終盤,路地裏で1対1の戦いに突入する。その際,ランダムでいろいろな武器が出現する。そのラインナップがちょっとおかしい。
路地裏にたまたま転がっていたヌンチャクって……と首を傾げたくなるものの,そのヌンチャクでホアアーッと相手を倒してしまうキムタクがカッコいいので,もはやどうでもよくなってしまう。
画面には「自由に敵を倒せ」と表示されるが,本当に自由すぎる。でも,いいじゃないか。これがゲームのステキなところだ。
芸能人を起用したゲームはこれまでにも発売されているが,「ジャッジアイズ」における木村拓哉さんの起用は大成功と言い切れる。体験版の段階でここまで確信できるゲームは珍しい。
映像技術の進化に伴い,主人公の八神はキムタク以外の何者でもないレベルに仕上がっている。「実写と見まごう」という表現は幾度となく使われてきたが,本作は実にその言葉がふさわしい。
「新しい月9ドラマかな?」と思えるストーリーと,ゲームならではの「メチャクチャやれるぞ!」ということを示した体験版。公式サイトによると,八神ことキムタクがさまざまな姿に変装するシーンもあるようだ。まだ底を見せていない「ジャッジアイズ」には期待しかない。発売日(12月13日)まで……ちょ,待つわ。
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