プレイレポート
FFキャラを“ノセノセ”するユニークなRPGがパワーアップ。「ワールド オブ ファイナルファンタジー マキシマ」インプレッション
ぬいぐるみのようなFFキャラクター達をノセノセする,キュートなRPG
「ワールド オブ ファイナルファンタジー マキシマ」は,2016年10月に発売された「WORLD OF FINAL FANTASY」(PC/PS4/PS Vita)のパワーアップ版だ。歴代FFキャラクターの姿と能力で戦える「アバターチェンジ」が追加され,仲間にできるミラージュ(FFモンスター)も増加。新たなボスバトルや,「闘技場」でのタイムアタックの追加なども行われている。
すでにPS4版とSteam版の前作を持っている人は,DLCを追加購入すれば,手塩に掛けて育てたキャラクターやミラージュを本作に引き継ぐことも可能だ。
……といっても,前作を知らない人には何が何だか分からないと思うので,まずはその概要と「ノセノセ」システムの面白さを見ていこう。
双子の姉弟であるレェンとラァンは,不思議な世界「グリモワル」を訪れ,「ミラージュ」と呼ばれるモンスターと共に冒険の旅をしていくことになる。
グリモワルに棲むミラージュ達は,FFのモンスターをデフォルメしたような姿をしている。可愛らしいチョコボやモーグリはもちろんのこと,イフリートのような強面(こわもて)であっても,グリモワルではぬいぐるみのようにキュートなルックスなのだ。こうした歴代FFのモンスターが,シリーズ伝統の半リアルタイム戦闘システム「ATB」(アクティブタイムバトル)で戦う様子は新鮮で面白い。ミラージュ達は戦闘中に特定の条件を満たすと仲間にできるのだが,まるでゲームセンターのプライズぬいぐるみを集めているようで,コレクション欲も刺激される。
デフォルメキャラクターのゲームは珍しくないが,本作ではミラージュ達の“ぬいぐるみ感”がゲーム性にも反映されているのがポイントだ。ミラージュ達は小さな「S」,中くらいの「M」,大きな「L」,そして特大サイズの「XL」という4サイズが存在する。このうち,S・M・Lのミラージュは,ぬいぐるみを積み上げるかのような「ノセノセ」でパワーアップできるのだ。
ノセノセの要となるのが,前述したサイズの組み合わせ。大きなものの上に小さなものを積み上げることができ,最大でL・M・Sの3段重ねが可能となる。そして,レェンとラァンはLサイズの「オオビト」とMサイズの「プリメロ」の2モードを切り替えられるので,組み合わせの自由度は高い。大きなレェンの頭に中くらいのチョコボを乗せ,その上にサボテンダーをトッピングするなど,可愛らしさを追求するもよし。Lサイズのモルボルを活用したいのでラァンをMサイズにし,その上にSサイズのドラムートを置き,臨機応変にノセノセするもよし,といった具合だ。
もちろん,ノセノセはゲーム的にも大きな意味を持つ。ざっくりといえば一種の合体で,ノセノセすれば“3体のステータスが合算される”という効果がある上,特定の組み合わせで「合体アビリティ」や「協力アビリティ」といった大技も使えるようになるからだ。炎魔法「ファイラ」を使える者2体+上級炎魔法「ファイガ」を使える者でノセノセすれば,最上級の炎魔法である合体アビリティ「ファイジャ」が発動。また,爪や剣を持つ者2体なら協力アビリティ「クロススラッシュ」が解禁されるという感じで戦力を大きくアップできる。
もちろん敵もノセノセしてくるのだが,そんな時は「崩し効果」の高いアビリティを使えばいい。積み上げたぬいぐるみを崩すように,相手のノセノセをバラバラにできる。敵の攻撃でこちらが崩されることもあるが,その前にあえて分離してバラバラになるのも戦術の一つ。単体としての能力は低くなるため,各個撃破される危険性はあるものの,手数は増えるので一気にたたみかけられるだろう。
ミラージュ達には「くずれにくさ」というパラメータがあり,これが高いほど相手から攻撃されてもバラバラにならずに耐えられる。合体アビリティや協力アビリティを重視した攻撃的ノセノセや,くずれにくさを追求したノセノセなど,いろいろな組み合わせを試してみよう。
歴代FFキャラクターになれる「アバターチェンジ」で,バトルとノセノセがさらに楽しく
本作の目玉となる新要素は,「アバターチェンジ」「新ミラージュ」そして「釣りゲーム」の3つだ。
アバターチェンジとは,レェンとラァンが歴代FFキャラクターの姿になって戦うというもの。前作にはゲージを溜めて歴代キャラクター本人を呼び出す「セイヴァー召喚」というシステムがあったが,これとは別物だ。
物語を進めると歴代FFキャラクターの力を秘めた「セヴァストーン」が入手できるようになり,これを装備することで,レェンとラァンの姿が変化する。アバター毎に異なる能力がブーストされるのに加え,中にはバトルBGMが原作仕様になったり,原作を再現したアビリティを使えたりするものも存在している。
FF1のウォーリア・オブ・ライト(WOL,光の戦士),FF5のバッツ,FF7のクラウドとティファ,FF13のライトニングとスノウ,FF14のヤ・シュトラ,FF15のノクティス(ノクト)……と,歴代作のさまざまなキャラクター達のセヴァストーンが用意されている。中には特殊なアビリティが使えるアバターも存在。バスターソードの軌跡が「凶」の字を描くクラウドの「凶斬り」,青い粒子を残して瞬間移動するノクトの「シフトブレイク」など,原作を再現した演出も楽しめる。
ビジュアル面だけでなく,性能面でも原作がリスペクトされている。シャントットはアビリティのAP消費が時々0になる「魔力の泉」と,敵の弱点を突くとAPが増える「特効APブースト」の組み合わせで,ブチ切れな魔法乱射が可能だ。ティナは「瀕死魔力アップ」を持っており,HPが減るとアビリティ「ライオットソード」の威力が上がる。言うまでもなく,これは原作でライオットソードが発動する条件のアレンジで,FFファンなら使っていてニヤリとできるだろう。
そして嬉しいのが,歴代キャラクターのおかげでノセノセがより面白くなっているところだ。例えばティナを「まどうアーマー」にノセノセして原作冒頭を再現したり,オメガ+バッツ+ガルキマセラの3体でFF5縛りのノセノセにしてみたりと,ディープな楽しみ方もできるのである。
なお,アバターはMサイズ(プリメロ)固定で,男のラァンにティファのアバターを使うようなこともできない。個人的には,色々なFF組み合わせを試すため,SやLサイズのアバターが欲しかったところだ。
新ミラージュは「シルドラ」「ガーランド」「ようじんぼう」「ダイゴロウ」のようにFFファンならおなじみのものから,「ワールドオブファイナルファンタジー メリメロ」から生まれた「デカバンクル」までさまざまなので,前作をやり込んだ人も楽しめるだろう。
「釣りゲーム」ではノクトと一緒に釣りで遊べる。表示されるボタンを押して魚を釣り上げるというもので,うまく釣れる度に制限時間が少しずつ延びていくので,高得点を目指そう。
歴代FFのモンスターが登場するのに加え,アバターチェンジができるようになったことで,さらにFFファンにはたまらない内容になった本作。前作をやり込んだ人も,再びグリモワルの世界に戻って,さらに幅の広がったノセノセを体験してみよう。
「ワールド オブ ファイナルファンタジー マキシマ」公式サイト
- 関連タイトル:
ワールド オブ ファイナルファンタジー マキシマ
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