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「ファイナルファイト」シリーズの歴史を綴るアンオフィシャル書籍のKickstarterキャンペーンが展開中
1989年にカプコンから発売されたファイナルファイトは,奥行きのあるフィールドで大きなキャラクターたちが戦う,ベルトスクロールアクションの傑作だ。
ボタン連打で出せるさまざまな技で敵を倒す爽快感。次々と襲い来る敵に対し,巧みな位置取りをしたり,投げ技で巻き込んだりして捌いていくスリルと戦術性。思わぬ場所で回復アイテムが出たり出なかったりするほど良いランダム性。「元プロレスラーの市長」など個性的なキャラクター付けと滑らかなアニメーション。2人同時プレイにおける協力と回復アイテムなどのリソース配分……など,その魅力は枚挙にいとまがない。
発売から36年がたった今もプレイされ続けているタイトルだが,続編が作られたのはもちろんのこと,主人公3人は,背景をはじめ,プレイアブルキャラクターとしてさまざまなゲームに登場しており,「コーディ」「ハガー」「ガイ」という名前を知っている人も多いだろう。
そんなファイナルファイト初代作だけでなく,シリーズの歴史をまとめたアンオフィシャル書籍がBeat 'Em Up Volume 1: The Unofficial History of Final Fightだ。
著者のDarren Hupke氏は,PlayStationのゲームについて書いた「32 Bit Library」シリーズや,「Sony's PlayStation: A Chronological Visual Retrospective」といった,ゲームに関する書籍を手がけてきた人物だ。「ファイナルファイトは絶賛されているが,シリーズの他作品はあまり取り上げられていない。人気のあるものだけでなく,すべての作品をできる限り1冊の本にまとめることを目標にした」とシリーズを俯瞰した本書のコンセプトについて語っている。
本のボリュームは250ページ以上で,画面写真だけでなく,当時の雑誌広告やインストラクションカードといった資料も用いて,ファイナルファイトシリーズを紹介される。
扱われるシリーズ作品は,初代「ファイナルファイト」をはじめ,ファミコン向けにアレンジされた「マイティファイナルファイト」,スーパーファミコンの続編「ファイナルファイト2」「ファイナルファイト タフ」,海外開発の対戦格闘ゲーム「ファイナルファイト リベンジ」,コーディの弟が登場する日本未発売ゲーム「Final Fight Streetwise」。さらに,「ストリートファイター」シリーズとのつながりや,開発が中止となった「Final Fight: Seven Sons」についても書かれているとのこと。
また,ファイナルファイト前後のカプコン作品に言及するページもあるようだ。
プレッジはPDF版が5ドル(約800円),紙版はソフトカバーが40ドル(約6300円),ハードカバーが65ドル(約1万円)で入手できる。また,アドオンとして「各機種版のハガーのスプライトを並べたブックマーク」や「マイティファイナルファイト版ハガーのステッカー」「“オープニングでTV画面からハガーを脅迫するダムド”を象ったエナメルピンズ」などが用意されている。
アドオンで用意されるブックマーク。アーケード版からX68000版,スーパーファミコン版にAMIGA版,C64版など,各機種のハガーが一堂に会している |
「マイティファイナルファイト」版ハガーのステッカー |
“オープニングでTV画面からハガーを脅迫するダムド”を象ったエナメルピンズ |
Hupke氏が指摘するとおり,ゲーム史やベルトスクロールを語る際や,移植においてファイナルファイト初代作が取り上げられることは多いものの,シリーズとして総括されることはあまりないように感じられる。特にFinal Fight Streetwiseは日本で発売されていないため,海外ならではの視点で書かれる本書は興味深い資料となりそうだ。
Kickstarterキャンペーン「Beat 'Em Up Volume 1: The Unofficial History of Final Fight」
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