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新作リズムゲーム「WACCA」ロケテスト初日の模様とインタビューをお届け。マーベラスとHARDCORE TANO*Cの新たな挑戦について話を聞いた
初日のオープニングイベント及びロケテストの模様と,同オープニングイベントにも登壇した開発プロデューサーの横山達也氏,HARDCORE TANO*CのREDALiCE氏,t+pazolite氏,DJ Genki氏のインタビューをお届けしよう。
「WACCA」公式サイト
「WACCA」は,マーベラスとハードコア・テクノレーベルのHARDCORE TANO*C共同開発による“音と光が旋回する新体験リズムゲーム”。東京に続き,10月26日から28日まで大阪のラウンドワンスタジアム 千日前店で,11月2日から4日まで岡山のアミパラ 岡山店と愛知の名古屋レジャーランドささしま店で実施予定のロケテストは,1プレイ100円でチュートリアルと,全10曲の楽曲の中から2曲プレイできる。プレイ可能楽曲は以下のとおり。
【ロケテストで遊べる楽曲一覧】
1. MEMORiZE (WACCA Edition) / REDALiCE feat. Ayumi Nomiya
2. illanai-assorted (WACCA Edition) / t+pazolite
3. Rainbow Dream / DJ Genki feat. Yukacco
4. PARALLEL★PRISM / P*Light
5. Knight Rider / USAO
6. Poseidon / Massive New Krew
7. 千本桜 / 黒うさP feat. 初音ミク
8. シュガーソングとビターステップ / UNISON SQUARE GARDEN
9. ファティマ / いとうかなこ
10. Singin'☆Shine! / あんさんぶるスターズ! オン・ステージ
難度はNORMAL,HARD,EXPERTの3段階。ミスの数やスコアに関係なく最後までプレイできるので,いきなり最高難度でプレイして,ほかのリズムゲームとの違いをフルに感じてみるのもいいだろう。
ロケテストのプレイ後にアンケートに答えると「WACCA」オリジナルのシリコンバンドが,全7色の中からランダムで1つもらえる。配布数には限りがあるとのことなので,確実に手に入れたいという人は早めに参加しよう。
100名近くのロケテスト参加者の前で行われたオープニングイベントでは,横山氏と,HARDCORE TANO*CのREDALiCE氏,t+pazolite氏,DJ Genki氏がそれぞれロケテスト当日を迎えた心境を語った。
「(ロケテストが)始まるという実感が湧かない」と話した横山氏は,10月4日に行われた発表会出展バージョンからより遊びやすくなったというロケテストバージョンの魅力をアピールした。
直前までゲームのバランス調整に協力していたというDJ Genki氏は,同じ曲を半日もプレイすることもあったという。「かなり意見を言ったんですが,それをしっかり反映してもらえました」と話すDJ Genki氏に,REDALiCE氏とt+pazolite氏も「HARDCORE TANO*Cの中でぶっちぎりの現役音ゲーマーが言ってるので大丈夫でしょう!」と太鼓判を押していた。
<アーケード向け新作リズムゲーム「WACCA」ロケテスト概要>
【大阪】「ラウンドワンスタジアム 千日前店」
大阪府大阪市中央区難波1丁目3番1号
開催日程:2018年10月26日(金)から28日(日)各日10時〜22時(予定)
☆オープニングイベント
日時:2018年10月26日(金)9:50〜10:00
出演:HARDCORE TANO*Cメンバー,マーベラス開発プロデューサー
※お並びいただいた方から先着で若干名オープニングイベントにご参加いただけます
【岡山】「アミパラ 岡山店」
岡山県岡山市北区青江1丁目13-8
開催日程:2018年11月2日(金)から4日(日)各日10時〜22時(予定)
【愛知】「名古屋レジャーランドささしま店」
愛知県名古屋市中村区平池町4丁目60番14号マーケットスクエアささしま1階
開催日程:2018年11月2日(金)から4日(日)各日10時〜22時(予定)
【参加特典】
プレイ後,アンケートに回答してくださった方に,「WACCA」オリジナルシリコンバンドをプレゼント!(全7種)
※配布数に限りがあります。なくなり次第配布終了となりますので,ご了承ください
※2回目以降のプレイはアンケートにお答えいただく必要はございません
「WACCA」公式サイト内のロケテスト情報ページ
「WACCA」ロケテスト記念の単独インタビュー
マーベラスとHARDCORE TANO*Cの新たな挑戦とは
このオープニングイベント終了後のロケテスト中に時間をもらい,単独インタビューを行った。オープニングイベントとロケテストの感想のほかにも,「WACCA」立ち上げや制作に関するその思いについて聞いたので,興味のある人はぜひ読み進めてほしい。
4Gamer:
無事オープニングイベントを終え,ロケテストが始まった感想をお願いします。
横山氏:
オープニングイベントで「まだ実感が湧かない」と言いましたが,実際に参加者の皆さんが遊んでいるところを見たら,急にドキドキし出しました。ロケテストって独特の緊張感がありますよ。
4Gamer:
取材中に整理券の配布された数を聞いたんですが,開始から30分(10:30)の時点で100人を超えていました。
REDALiCE氏
新作のロケテストでしかも平日って考えると,かなりいいスタートですよね。
皆さん学校とか仕事とか,うまく調整して来てくれているのですから,本当に嬉しいですよ。自分の生活の何かを犠牲にしてまで,ロケテストに参加してくれたんだって(笑)。
4Gamer:
(笑)。HARDCORE TANO*Cの皆さんは,普段ロケテストに足を運ぶことはあるんですか。
t+pazolite氏:
自身が楽曲提供をしたゲームのロケテストに行くことはよくありますが,今日みたいな形でイベントに出演するというのはあまりないですね。
REDALiCE氏
そもそも,ロケテストのオープニングイベントって珍しいよね。
DJ Genki氏:
僕達のライブによく来てくれるファンの人達もいれば,音楽ゲーム好きの人達もたくさんいて。半々ぐらいの客層かな? って気がしました。早い時間から,HARDCORE TANO*Cを知らない人にも足を運んでもらえていて嬉しいです。
4Gamer:
「WACCA」制作の経緯について聞かせてください。マーベラスのアーケード向けゲームといえば,低年齢層向けのものというイメージがありますが,ここで10代より上の世代を狙ったゲームに挑戦したのはなぜなんでしょう。
横山氏:
ありがたいお話で,多くの人達に「マーベラスはキッズ向けのゲームに強い」という認識を持っていただけています。
社内では,その“強み”となっているキッズ向けゲームを1つの柱に,第2,第3の柱となるゲームを作りたいという考えがあって,新たな取り組みとしてまず「TRYPOD」(トライポッド)というプライズマシンを制作しました。それが好評をいただけたので,さらに新たな挑戦をしてみようと。
4Gamer:
では,なぜそれが音楽ゲームだったのでしょう。
横山氏:
僕がもともと音楽ゲーム好きだったというのは大きいかと思います。HARDCORE TANO*Cに声を掛けようというのも僕自身がファンだったので。自分の中では,けっこう前から声を掛けようって決まっていました。
4Gamer:
なぜHARDCORE TANO*Cとタッグを組もうと考えたのですか。
横山氏:
すでにさまざまな人気タイトルがあるなかで,「マーベラスが音ゲー作りました」って新規参入をしても,音楽ゲームファンから見向きもされないと考えたんです。そこでなにか強い武器となる要素が必要だと。
HARDCORE TANO*Cは,楽曲だけではなく面白いことなら何でもやってみようという姿勢が魅力的で,メンバーの皆さん自身がプレイヤーであるというところも心強いなと思いました。
4Gamer:
HARDCORE TANO*Cはこれまで多くの音楽ゲームに楽曲提供をされていますが,ここまでゲーム制作に深く関わるのは初めてなのでしょうか。
REDALiCE氏
開発初期からというのは初めてですね。
4Gamer:
具体的にはどのような段階からでしょうか。
DJ Genki氏:
どんな筐体にするかってところから参加させてもらいました。
REDALiCE氏
「我々はDJなんだから,DJ卓をモチーフにしたらどうか」「でもそれだと難しそうで遊んでくれないかもしれない」みたいな話をしましたね。
横山氏:
紆余曲折を経ていまの形に落ち着きましたが,20種類くらいは試作したかなと思います。
4Gamer:
実際にできあがったものを見てどうでしたか。
t+pazolite氏:
1クレジットで遊び方が理解できる,直感的に楽しめるゲームになったと思います。
横山氏:
今はスマホの音楽ゲームは遊んだことがあるけど,ゲームセンターでは遊んだことがないっていう人も増えていると思うんです。そういう人達にも遊びやすいゲームにというのはかなり意識して作りました。
t+pazolite氏:
それでいて「なんだこれ!?」っていう,見た目のインパクトもあっていいですよね。
4Gamer:
「WACCA」という名前はどのように決まったのですか。
横山氏:
これも最初20種類くらいの案があったのですが,話し合ううちに「いい意味で“異物感”がある名前がいいね」となりました。
あえて音楽的な要素は入れなかったことでほかのタイトルとの差別化ができて,輪っかのような外見にかかっているという分かりやすさもある。いい名前になったと思います。
REDALiCE氏
僕達が見せてもらう段階で10個ぐらいに絞られていたんですが,なんか漢字が入ったインパクトのある名前がありましたよね?
横山氏:
「穴ザー環ールド」(アナザーワールド)かな(笑)。
REDALiCE氏
それだ! 最終候補にも残っていましたよね。
横山氏:
あれは「絶対ダメだろ」って思いつつ,“ネタ枠”みたいに残していたものです(笑)。
4Gamer:
(笑)。楽曲制作についてはいかがでしょう。これまでと違ったところはありますか。
t+pazolite氏:
新作ゲーム向けに,細かいゲームシステムを知ったうえでノーツの譜面も作りながら作曲するというのは初めてかなと思います。
4Gamer:
楽曲とノーツを並行して制作することに,どのようなメリットや強みを感じましたか。
DJ Genki氏:
「こんな(ノーツの)叩かせ方をしたいから,こういうフレーズを入れよう」という感じで,フレーズが浮かびやすいところですね。
4Gamer:
では,苦労する点はありますか。
REDALiCE氏
どうだろう。楽な部分が多いよね。
(ノーツの)譜面も考える必要があるから作曲が進まない,みたいなことはあまりないですね。強いて言うなら,音をいっぱい鳴らしちゃうというか,曲が細かくなりすぎるときがあるかなと。
REDALiCE氏
“音ゲー作曲あるある”的な部分だよね。ただ「WACCA」に関しては,曲の展開を細かくしなくても,ゲームとして面白いものが成立させやすいとは思っていて。
DJ Genki氏:
今の音楽ゲームって,基本BPMが高い曲=難しいみたいなところがあると思うんですが,「WACCA」は360度あるタッチパネルを生かすことで,BPMとは別のところでゲームの難度を細かく調整できるんです。
REDALiCE氏
速い曲は難しいみたいな“音ゲーあるある”を打破していきたいという思いはあるので,遅い曲で難しい譜面を作るっていうのは絶対やりたかったんですよ。そのあたりはいろいろ考えています。
t+pazolite氏:
遅い曲でそれができれば,あとあとゲームの幅も広がっていきますからね。
REDALiCE氏
実は今回のロケテストも,あえてテンポの遅い曲を高難度にしている部分もあるんです。
t+pazolite氏:
Poseidon(Massive New Krew)あたりはそれですね。たぶん今回収録されているHARDCORE TANO*Cの楽曲の中で,一番BPMが低い楽曲じゃないかと思います。
DJ Genki氏:
開拓……じゃないですけど,新しい見せ方は考えています。速い曲=難しいっていうイメージをつけさせないという意味でも,ロケテストに収録した曲はそれぞれ意味を持っていると思っています。
4Gamer:
ゲームのバランス調整やロケテストの収録楽曲まで関わっているんですね。だからこそ“全面協力”と言えると。
REDALiCE氏
はい。そこにまったく嘘はないです。開発初期から好き勝手言っていたし,横山さんや開発チームが持ってくるアイデアにダメ出しまでしていましたからね。嫌な奴らだったと思います(笑)。
でも,横山さんからダメって言われたことはほとんどないんですよ。脊髄反射で“NO”みたいなことはなくて,必ず1度は持って帰ってくれるんです。
横山氏:
「好き勝手言ってくれ」というのは,僕の方から最初に伝えたことですから。もちろん精査はするけど,なるべくやりたいことは反映させたいと。
4Gamer:
「WACCA」のここを見てほしい,推したいポイントをそれぞれ教えてもらえますか。
横山氏:
やはり360度あるタッチパネル「ワッカコンソール」ですね。今までありそうでなかった仕様ですし,「せっかくアーケードでゲームを作るんだから,家ではできない体験を提供しよう」という開発チームの思いが詰まっているんです。
タッチパネル操作でもスマートフォンの音楽ゲームとは全然違う触り心地になっているので,それを体験してもらえればと思います。
REDALiCE氏
個人的にはスライドでのタッチに,奥と手前に動かすという入力が盛り込まれているのが斬新かなと思っています。譜面を作るうえでも幅が広がりますし,いくらでも難しくできるかなと。自分としてはこれから推していきたいポイントですね。
ほかの音楽ゲームで覚えたテクニックを生かせるけど,それだけでうまくプレイできるかというとそうでもない。そういった点で,ほかのゲームのランカーレベルのプレイヤーにとっても,歯ごたえのあるゲームになっていると思います。
DJ Genki氏:
全部言われちゃいましたね(笑)。
やはり,HARDCORE TANO*Cとマーベラスが一緒にやっているっていうことが何より強いポイントだなとは思います。ゲームメーカーと音楽レーベルがここまでタッグを組むって,これまでないんじゃないかなって。
t+pazolite氏:
そうですね。今までになかったような仕掛けや,僕達のライブやイベントとゲームを連動させた企画もできるかなと考えています。
4Gamer:
今回のロケテストで気になったのが,「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」の楽曲が映像入りで収録されていたことなのですが,これも「WACCA」のもう1本の柱になるんじゃないかと思います。
横山氏:
はい。具体的なお話はまだできないのですが,2.5次元の曲を映像付き収録するというのは,今後もぜひ取り組んでいきたいですね。
REDALiCE氏
僕達のファン層には音楽ゲームのプレイヤーが多いので,そこを狙い撃ちで楽しませていく。マーベラスさんは2.5次元舞台などの楽曲をとおして,これまでとは違う客層を広げていく。分担制みたいな形でお互いの強みを生かせると思います。
DJ Genki氏:
2.5次元の楽曲が映像付きで遊べる音楽ゲームって,絶対初めてですよね。オープニングイベントでも言ったんですけど,いちプレイヤーとしてテニミュ(ミュージカル・テニスの王子様)は絶対入れてほしいです!
4Gamer:
最後に,音楽ゲームファンや読者にメッセージをお願いします。
DJ Genki氏:
企画段階から関わっているという点で,ほかの音楽ゲームとは違ったアプローチができたかなと個人的には思っています。ぜひそれを体験しに,ロケテストに足を運んでいただきたいですね。
t+pazolite氏:
この3人に限らず,HARDCORE TANO*Cのメンバーは“現役音ゲーマー”もたくさんいます。そういった面で“プレイヤーが楽しいと思えるゲーム”作りができていると思うので,ぜひ期待してほしいと思います。
REDALiCE氏
せっかく全面的に協力させてもらっているので,曲を提供するだけではない,我々にしかできないことをやっていきたいですね。
HARDCORE TANO*Cは元々変なことをやるのが大好きな集団なので,その“変なこと”をうまくゲーム内で昇華させていきたいとも思っています。
横山氏:
「WACCA」は,マーベラスとしても冒険的なタイトルです。音楽ゲームとしては後発であることはもちろん,そもそも「マーベラスってアーケードゲーム作っていたんだ」っていう認識の人も多いと思うので,そのあたりは逆に開き直ってどんどんチャレンジしていきたいと思います。ぜひそこに期待してください。
4Gamer:
ありがとうございました。今後の展開も楽しみにしています。
「WACCA」公式サイト
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