プレイレポート
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」を先行プレイ。スクエニが本日リリースするタクティカルRPGの実力やいかに
本作は,同社が配信中の「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」(以下,FFBE)の名を冠して新たに作られた,タクティカルRPG(シミュレーションRPG)である。
同社のシミュレーションRPGといえば,「タクティクスオウガ 運命の輪」や「ファイナルファンタジータクティクス」などが名高い。今回の幻影戦争は,これらのシミュレーションRPGの醍醐味をスマホで,そして「ファイナルファンタジー」の世界観で楽しめる一作となっている。
この説明だけでもグッと来る往年のファンも多そうだが,本作の事前登録者数は100万を突破しており(※4Gamer関連記事),普段シミュレーションRPGをあまり遊ばない層からも注目を集めているようだ。
そんな本作の主なシステムや見どころを,本稿で詳しく紹介しよう。FFBEやシミュレーションRPG,そしてファイナルファンタジーシリーズのファンは,ぜひ参考にしてほしい。
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」公式サイト
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」ダウンロードページ
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大小さまざまな国の思惑が渦巻く世界
“ビジョン”を駆使して戦乱を駆け抜けろ
幻影戦争の舞台となるのは,古来より多くの国が割拠するアードラ大陸。そのなかの一国であるリオニスのモント王子が,本作のメインストーリーにおける主人公だ。
リオニスは比較的小さな国で,その周囲をホルン,フェネス,ウェズエットといった強国に囲まれている。そういったなか,リオニスに代々受け継がれている特別な指輪の力により,独立体制を維持できている状態だ。なぜかというと,この指輪には人々の想いを具現化し,それを軍勢として率いる「ビジョン」と呼ばれる能力があるのだ。
ある日,ホルンの姫君であるマシュリーが,リオニス領内で正体不明の賊による襲撃を受けるところから,本作のメインストーリーの幕が上がる。リオニスとホルンは同盟関係にあるため,襲撃をいちはやく察知したモントらはマシュリーを助けるが,話はそう簡単に進まなかった。
というのも,リオニスはフェネスと,そしてホルンはウェズエットと敵対しており,モントらの行動がこれらの国の誤解を呼んでしまったのである。この事件をきっかけに,これまで辛うじて均衡を保ってきた国家間のバランスが,少しずつ崩れてしまう。
しかもリオニスとて一枚岩ではなく,その大きな悩みの種となっているのが,モントの双子の弟であるシュテルの存在である。
シュテルはモントとは正反対の勝ち気な性格で,一刻も早く戦に出陣したいものの,リオニス国王のエルデによりそれを固く禁じられている。エルデなりの考えがあってのことだが,シュテルからすると何かと贔屓にされるモントの境遇に不満を抱いているのだ。
これらの諍いは,やがてアードラ大陸全土を巻き込む大戦となり,モントはビジョンを駆使して,この戦乱へと身を投じる。本作のタイトル名「WAR OF THE VISIONS(幻影戦争)」には,このような意味が込められているのだ。
●ゲーム序盤の主要キャラクター
モント・リオニス
リオニスの第一王子。本来は内気な性格で,争い事も好まないが,マシュリーとの出会いが彼を一変させる。大切なものを守るには,己が強くなければならないのだ シュテル・リオニス
モントの双子の弟で,リオニスの第二王子。兄とは正反対の勝ち気な性格で,リオニス随一の剣術の腕前を持つ。しかし父のエルデはシュテルの戦への出陣を許さず,次第に不満を抱えることに
エルデ・リオニス
勇猛な戦士で現在も自ら戦場へ赴く,リオニスの現国王。一族の血筋を絶やさないことを第一義としており,そのスタンスは,ときには息子たちへの愛情よりも優先されることも マシュリー・ホルン
“鉄の美姫”の異名を持つ,ホルンの姫君。一度決めたことは決して曲げない,芯の強い人物である。とある事情でリオニス領を馬車で移動する際に,モントと運命的な出会いを果たす
ユニット単位で戦術を繰り出すSRPG定番のバトル
「AP」と「TP」の使い分けが鍵を握る
本作のバトルは,シミュレーションRPGの定番ともいえるシステムで構成されている。このジャンルの熱心なファンなら,掲載スクリーンショットを見れば,およその雰囲気はイメージできるだろう。
特徴的なシステムをいくつか紹介すると,行動する順番(ターン)は,敵味方のチーム単位ではなくユニット単位で迎える。画面左側に,どの順序で各ユニットがターンを迎えるのかが示されており,プレイヤーはこれを確認しながら采配を振るうのだ。このため,ターンを近々迎える敵ユニットの出鼻をくじいたり,攻撃を受けそうな味方ユニットを事前にサポートしたりできる。
敵ユニットが次のターンを迎えるまでのあいだ,同じ攻撃タイプ(武器や魔法)でダメージを与え続けることで,「チェイン」も発生させられる。通常攻撃以外の攻撃魔法やアビリティでもチェインをつなげられ,場合によってはかなりの追加ダメージとなるのだ。敵ユニットが行動を終えた直後にチェインを開始し,次のターンを迎える直前に必殺技のアビリティで締める,といった戦術も有効なので覚えておこう。
逆に,行動順に関連して注意してほしいのが,多くの攻撃魔法が詠唱時間を要するという部分である。敵の黒魔道士が強力な攻撃魔法を詠唱し始めたら,それが終わるまでに最優先で処理するのが得策だ。一方で,攻撃魔法の詠唱が終わる前に敵ユニットに逃げられたり,別のユニットが先にトドメを刺してしまったりすることもある。こういった点には気をつける必要があるものの,それに見合った効果があるので,きっちり使いこなそう。
適当にプレイしていると見落としがちだが,バトルにおいて重要なのが,魔法やアビリティの使用時に必要となるリソースが2種類用意されているという部分である。ざっくり言うと,攻撃用途と補助用途で大別されており,その詳細は以下のとおり。
【アタックポイント(AP)】
攻撃用途の魔法やアビリティの使用時に必要なリソース。バトル開始時のAPは少なく,通常攻撃を通じて少しずつ蓄積される。
【タクティカルポイント(TP)】
補助用途の魔法やアビリティの使用時に必要なリソース。バトル開始時のTPは満タンだが,自然回復しない。
APとTPの違いを踏まえたうえで,各ユニットの立ち回りをイメージしてみよう。
バトルスタート時はAPが少ないため,魔道士系のユニットはファイガなどの攻撃魔法を繰り出せない。その代わりにTPがたっぷりあるので,プロテスやバファイなどの補助魔法でパーティを支えることになる。一方,戦士やモンクなどの直接攻撃系ユニットは,APを使わずとも序盤からガンガン戦えるだろう。
そうしてバトル中のターンがある程度進むと,各ユニットのAPもじわじわ蓄積される。強力な攻撃魔法やアビリティなどを,ここぞというタイミングで叩き込めるわけだ。
本作のバトルを奥深くしているもう一つのシステムが,ユニットが戦闘不能になったときの扱いである。
バトル中にユニットがやられた場合は,いきなりステージからは退場せず,3ターンの猶予が設けられる。この最中に「レイズ」「フェニックスの尾」などを受けられれば戦線復帰できるのだ。
逆に3ターンが経過するとユニットはステージから退場し,その場に「クリスタル」が出現する。このクリスタルを別のユニットが確保すると,HPやTPの回復や移動力上昇などの支援が得られるのだが,その効果がなかなか大きい。
実際のゲームプレイ中は,長期戦になるとユニットが次々と倒れ,多くのクリスタルが出現する。少数のユニット同士による拮抗した戦局となるが,そんなときにクリスタルをきちんと確保できれば一気に有利に展開できる。
ただし,敵ユニットもクリスタルを確保できるので,最後まで油断は禁物。一般的なシミュレーションRPGでは,バトルの終盤が消化試合っぽくなることもあるが,本作は違うというわけだ。
ユニットの育成システムやサブコンテンツなどもたっぷりあり,曜日別のデイリークエストや期間限定のレイドバトルなど,スマホ向けRPGでお約束のコンテンツは一通り押さえられている。またPvPに関しては,オートバトルで行う「アリーナ」と,マニュアル操作による「マッチバトル」の2種類が用意されている。手軽に遊びたい人だけでなく,戦術を突き詰めたい人も存分に楽しめるだろう。
シミュレーションRPG作りにおける理想に近い布陣
幻影戦争は本日,いよいよ配信スタート
その一方で,ユニット育成やサブコンテンツ周りは,いまどきのスマホ向けアプリらしい作りで,ゲーム全体としてはとても遊びやすいものとなっている。もちろんファイナルファンタジーのシリーズ作なので,おなじみのキャラクターや固有名詞も多々登場し,本格的なシミュレーションRPGでありながらハードルの低さを両立している。
ちなみに筆者は,今でもタクティクスオウガを“心のベスト10”に迷わず選ぶような人間なのだが,まさかスマホ向けアプリで,あれに通じる骨太な世界観を楽しめるというのは予想外だった。メインストーリーやBGMなどを含め,重厚な雰囲気がゲームの隅々にまで行き渡っているのだ。スマホ向けアプリということで,メインストーリーなどをスキップしてしまう人もいるかもしれないが,できれば落ち着いた環境でじっくりプレイしてほしいと思う。
冒頭でも紹介したとおり,幻影戦争の事前登録者数は100万を突破している。もしかすると本作の登場によって,シミュレーションRPGというジャンルの裾野がさらに広がるのかもしれない……プレイ中に思わずそんなことを考えてしまった作品だ。本日,いよいよ配信が開始される予定なので,もし興味を持ったら,その実力を自分の目で確かめてみるといいだろう。
「FFBE幻影戦争」4Gamer内サテライトサイト
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」公式サイト
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」ダウンロードページ
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WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争
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(C) 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Co-Developed by gumi Inc.
LOGO ILLUSTRATION: (C) 2018 YOSHITAKA AMANO
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