プレイレポート
「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」が本日発売。「初代GG」と「GGXX AC+R」の二本立てとなる本作で原点と進化を体験しよう
本作は,アークシステムワークスが誇る格闘ゲーム「GUILTY GEAR」シリーズの20周年記念作品。シリーズの初代作品である「GUILTY GEAR」と,2D格闘ゲームの一時代を築いたと言って過言ではない,XXシリーズの集大成である「GUILTY GEAR XX ACCENTCORE PLUS R」(以下,GGXX AC+R)の2本が1セットになったパッケージ専用タイトルだ。
本稿では,収録タイトルである初代「GUILTY GEAR」と「GGXX AC+R」のゲーム概要をインプレッションを交えつつお届けしてく。また,「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」はパッケージ専用タイトルだが,収録される2作品はいずれも単品でのダウンロード販売が行われている。どちらかのみをプレイしてみたいという人はこちらも活用してほしい。
※「GUILTY GEAR」はPlayStation Store(PS4版),Steam(PC版)でもダウンロード版の販売が始まっている
「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」公式サイト
GUILTY GEAR
1998年5月14日にPlayStation用ソフトとして発売された初代「GUILTY GEAR」。当時の2D格闘ゲームの主流と言えば,「ストリートファイター」シリーズや「THE KING OF FIGHTERS」シリーズを思い浮かべる人が少なくないはずだ。本作は,そんな盛り上がりを見せる格闘ゲームシーンに一石を投じた作品で,当時としては珍しいアニメ調のキャラクターデザインや斬新すぎるバトルシステムなどが注目され,一部のコアな格闘ゲームファンの間で話題となった。
すべての原点がここに。完成された世界観とキャラクター達
独特な世界観と個性的なキャラクター達が最大の特徴である初代「GUILTY GEAR」。バトルステージの雰囲気や中二心をくすぐるロック調のBGM,従来の格闘ゲームには見られなかった攻撃アクションなど,ほかの格闘ゲームとは一線を画した世界観を当時から確立していた。
ゲームバランスの概念を破壊した激しすぎるゲーム性
初代「GUILTY GEAR」の魅力はなんといっても破茶滅茶なゲームバランスだろう。自由度の高いゲームシステムが以降のシリーズの特徴ともなっていったが,同作はゲームシステムが自由すぎるがゆえに,非常に尖ったゲームバランスとなっていた。ここでは激しすぎるゲームシステムの一部を紹介していこう。
一撃必殺技(殺界):
その名の通り,一撃で勝負が決まる必殺技。取得ラウンド数に関係なく,一撃必殺技を当てれば,その時点で試合の勝利が確定する。
成立条件は,「殺界発生技を当てる(ヒットorガード問わず)」または「直前ガード」で発生する「殺界」中に,一撃必殺技コマンド(+攻撃ボタン)を入力するだけというシンプルなもの。受け手側は「殺界」中に,回避コマンド(+攻撃ボタン)を入力することで,一撃死を回避できるが,入力に失敗した時点で試合終了となってしまう。現在の格闘ゲームでは考えられないほど,理不尽かつ強力なシステムだ。
チャージアタック:
対応する必殺技のあとに敬意ボタンを長押しすることで必殺技を強化するシステム……なのだが,チャージ動作はボタンを離すことでいつでも中断できるため,必殺技の隙消しにも使用され,その結果,通常技→チャージ→ダッシュ→通常技といった,あまりよろしくない連続技が生まれてしまった。
今回収録される初代「GUILTY GEAR」は,隠しコマンドによる必殺技や隠しキャラクターなど,PlayStation版が完全に再現されている。当時を懐かしむも良し,シリーズの原点を味わってみるのも良し,崩壊寸前のバトルバランスでの対戦を楽しむも良し。「GUILTY GEAR」シリーズの原点となる本作を楽しんでほしい。
GUILTY GEAR XX ACCENTCORE PLUS R
初代「GUILTY GEAR」と共に収録されるのが,「GUILTY GEAR XX」シリーズの集大成「GGXX AC+R」だ。2012年9月20日がアーケードの稼働日だが,6年以上が経過した今も遊ばれ続けており,不朽の名作と言えるだろう。
XXシリーズの集大成となる本作には,25人のキャラクターが登場。初代「GUILTY GEAR」では粗削りだったバトルバランスもキチンと調整されており,洗練された2D格闘ゲームの対戦を楽しめる。
いまだ色褪せないゲームシステムの数々
ロマンキャンセルやサイクバーストといった,画期的なシステムが生み出されてきた「GUILTY GEAR」シリーズだが,「GGXX AC+R」にも,さまざまなシステムが継承され,さらに進化を遂げている。ここでは,その中でもとくに対戦を面白くさせる2つのシステムを紹介したい。
フォースロマンキャンセル(テンションゲージを25%消費):
通称「青キャン」と呼ばれるロマンキャンセルの派生システム。一部の攻撃のみに実装されているシステムで,特定のタイミングに攻撃ボタンを3つ同時押しすることで,モーションをキャンセルして再行動が可能となる。成立の猶予フレームが非常に短く,高難度なテクニックだが,隙消しや連続技など汎用性が高く,練習量に応じた成長を感じられる優れたシステムだ。
フォースブレイク(テンションゲージを25%消費):
テンションゲージを消費し,強力な必殺技を繰り出せるシステム。フォースブレイク版の百歩沁鐘やドリルスペシャルなどの必殺技は,その強力な性能から多くのプレイヤーの頭を抱えさせた。
両タイトルを遊ぶことで見えてくるアークシステムワークスの進化
今回久しぶりに2タイトルを遊んでみて,「GUILTY GEAR」シリーズが歩んできた20年間は人の歩みと似ているなと感じた。決して対戦ゲームとして完成しているとは言えない荒削りな1作目から,失敗と反省,そして成長を繰り返し,生まれたのが「GGXX AC+R」なのだ。GUILTY GEARの歴史はさらに最新作「Xrd」シリーズへとつながっていく。
本作は,まさに「誕生」と「進化」を感じることができる作品と言えるだろう。1作目からのファンはもちろんのこと,2タイトルに触れたことがない人もぜひ遊んでみて,「GUILTY GEAR」が歩んできた20年間を感じ,その進化に度肝を抜かれてほしい。
また,これは筆者の願いとなるが,初代「GUILTY GEAR」と「GGXX AC+R」だけでなく,その過程のすべてが遊べる「GUILTY GEARコレクション」(GUILTY GEAR2も含む)がいつの日か発売されてほしい。
今後もそんな夢のようなタイトルが発売されることを願いながら,格闘ゲームメーカーとして活躍を続けるアークシステムワークスと「GUILTY GEAR」シリーズの応援をし,遊び続けていきたいと思う。
「GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK」公式サイト
- 関連タイトル:
GUILTY GEAR 20th ANNIVERSARY PACK
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(C)ARC SYSTEM WORKS
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- Video Games
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