「ぷよぷよグランプリ 2025 2nd」決勝トーナメント開催。強豪プロ8名が激突したシーズン第2戦は，ベテラン勢も勝ち上がり見応えのある戦いに

　セガは2024年11月24日，「ぷよぷよ」シリーズの公式プロ大会「GigaCrysta Presents ぷよぷよグランプリ 2025 2nd」を同社のイベントスペース，LIGHTHOUSEにて開催した。

「Puyo Puyo Champions / ぷよぷよeスポーツ」公式サイト

　この大会にはプロ選手33名がエントリーし，事前に行われた予選リーグを勝ち上がった8名が決勝トーナメントに進出。当日のくじ引きによって決定した席順でダブルイリミネーション形式の戦いに臨んだ。

実況解説はおなじみのALF氏（中央），momoken氏（右）。左はゲスト実況の柴田将平氏

プロ選手41名のうち，今回は33名がエントリー

　2025シーズンの第2戦は，決勝トーナメントに進出した2名のベテラン選手に注目が集まった。くまちょむ選手とKamestry選手だ。
　古くから「ぷよぷよ」の競技シーンを見てきたファンにとっては伝説の選手であり，2012年〜2013年の「Red Bull 5G」では東西のチームの威信をかけて戦いを繰り広げた。なお，Kamestry選手が公式大会の決勝に出場するのは約3年ぶりのことだ。
　両選手のほか，delta選手，とりぱん選手，SAKI選手，タイタン選手，ともくん選手，せたなぎ選手が決勝に進出している。トーナメント表は以下のとおりだ。

各セット10ポイント先取した側が勝ち上がるトーナメント戦。敗北するとロウワーブラケットからリベンジを狙うことに

　アッパーブラケット1回戦は，予選を全勝で勝ち上がった優勝候補のdelta選手，ともくん選手が順調に勝ち上がり，それぞれの対戦相手だったくまちょむ選手，Kamestry選手は敗退。ロウワーブラケットへと移動した。
　delta選手，ともくん選手はアッパーセミファイナルでもタイタン選手，SAKI選手を破り，順調にアッパーファイナルへと勝ち進んだ。

くまちょむ選手対delta選手のアッパー1回戦。大連鎖が炸裂したdelta選手の勝利

　ロウワーブラケットでは，くまちょむ選手が今年プロになったばかりのとりぱん選手を下したが，Kamestry選手は9−9のフルセットにもつれ込んだ激戦の末，せたなぎ選手に惜敗。ベテラン同士のカードは幻に終わった。
　せたなぎ選手は続くロウワー2回戦，タイタン選手に1本も取らせない完勝を見せるも，ロウワーセミファイナルでは2−10の大差でSAKI選手に敗北してしまった。「ぷよぷよ」らしい勝負の面白さや難しさが露わとなった形だ。

Kamestry選手対せたなぎ選手。せたなぎ選手は本線を打たされたが，この状況から形勢逆転に成功した

　アッパーファイナルのdelta選手，ともくん選手の対戦もまた激戦だった。delta選手が8−4でリードする展開から，ともくん選手が破竹の5連勝でマッチポイントを獲得。対するdelta選手も食い下がったが，フルセットの勝負を制したのはともくん選手。グランドファイナル進出を果たした。

ともくん選手の3連鎖ダブルに対応し切れず，本線を打たされてしまったdelta選手。セカンド勝負もわずかに足らなかった

　delta選手はそのままロウワーファイナルへ。対戦相手はSAKI選手だ。
　得意の大連鎖を絡めた柔軟な対応をするdelta選手に対し，SAKI選手はアグレッシブに攻めていく。実力者同士の戦いは拮抗し，7−7まではシーソーゲームだったが，SAKI選手が操作ミスと思われる連鎖の暴発によりペースを崩すと，そこからdelta選手が3連勝。グランドファイナルに駆け上がった。

相手のミスからペースを掴んだdelta選手。ここから3連勝してグランドファイナルへ

　アッパーファイナルで一度負けているdelta選手はあとがなく，グランドファイナルでは2連勝しなければならない。

グランドファイナルに進出したともくん選手（左），delta選手（中央）。右はMCの石飛恵里花さん

　アッパーファイナルと同様，delta選手がポイントを先行する展開になった。一時は差が開いてしまうが，ともくん選手もハイレベルな乱打戦に食いついて，じわじわと追い上げていく。その後も早い手を絡めて4連勝を果たし，ついに逆転に成功する。

この勝利から4連勝して，ともくん選手がセットカウントをひっくり返す

　セットカウント8−7から1本ずつを取り合って，ともくん選手がマッチポイントを獲得。解説陣も固唾を呑む展開の中，先に打ったのはともくん選手だった。互いにいくつかのおじゃまぷよがある中盤の打ち合いになると，最後はdelta選手が欲しいぷよをツモれず，ともくん選手が見事な逆転勝利を収めた。

解説のmomoken氏が声を上げるほど的確な対応をしたdelta選手だったが，ともくん選手の本線6連鎖に対してツモを引けずに万事休す

見事な逆転勝利を2度も見せたともくん選手。会心のガッツポーズだ

　delta選手に対し，2度の逆転勝利を見せたともくん選手は，普段の練習で築き上げたことをやっていては勝てないと判断し，「対応を変えたことで逆転できた」と試合後のインタビューで語っている。グランドファイナルのマッチポイントは1本の余裕がある展開だったが，ここで負けると次のセットが苦手な2P側になるため，絶対に落とさないように気合いを入れたそうだ。

決勝トーナメント結果はこちら

　一方，惜しくも敗れたdelta選手は「楽しい試合だった」と笑顔を見せた。大連鎖を主体に戦うことは自身の強みであることは間違いないと思い，自分の年齢を考えて「よりシンプルにスタイルを極めていくことが勝ちにつながる」と確信していたという。この日は負けたものの，「チャレンジはできた」と振り返り，次回以降の大会ではもっと高いパフォーマンスを出したいと語った。

ともくん選手には賞金100万円，副賞としてGigaCrystaのゲーム用ディスプレイが贈られた

　両選手は12月14日，15日に本大会が行われる「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」のぷよぷよ部門に出場が決定している。ともくん選手は同大会で3連覇中だが，4連覇阻止を目指す筆頭がdelta選手になるだろう。

「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2024 SAGA」一般部門の出場選手。ともくん選手，delta選手と共に，今大会4位のせたなぎ選手も出場予定

　今回の結果を経て，ともくん選手，delta選手は2025年3月に開催予定の「ぷよぷよグランプリ 2025 FINAL」の出場も決定した。10月より実施されている世界のプレイヤーを対象とした「Puyo Puyo Global Ranking Series」の最終戦「Puyo Puyo Global Ranking Match」の優勝者，前述の全国都道府県対抗eスポーツ選手権の優勝者，そして特別招待選手なども集結する頂上決戦だ。両選手がどんな活躍を見せてくれるのか，今から楽しみだ。

世界各地の選手がエントリーする「Puyo Puyo Global Ranking Series」。優勝者には「ぷよぷよグランプリ 2025 FINAL」の出場権が与えられる

ともくん選手，delta選手は「ぷよぷよグランプリ 2025 FINAL」の出場権を獲得。16名の強豪による頂上決戦だ

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