スクウェア・エニックスが2020年4月24日に発売するアクションRPG
「聖剣伝説 3 TRIALS of MANA」(
PC/
PS4/
Switch)は,1995年9月に発売されたスーパーファミコン用ソフト「聖剣伝説3」のフルリメイクタイトルだ。本作は,グラフィックスの向上やバトルシステムの再構築,キャラクターのボイス対応やアレンジ楽曲の収録,サイドトークの追加などが施されており,三人称視点の3DアクションRPGとして生まれ変わっている。
4Gamerでは先日
体験版のプレイレポートを掲載したが,本稿ではPC向け製品版相当のバージョンでプレイを進めて気づいたことなどを紹介していこう。
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体験版のプレイレポートに記したとおり,本作はオリジナル版同様に「トライアングルストーリー」を採用しており,ゲーム開始時に6人のキャラクターの中から選択した主人公1人と仲間2人の組み合わせによってストーリーの一部が変化する。
各主人公のストーリーの進行は,基本的にオリジナル版そのまま。オリジナル版をプレイした経験のある人は当時を思い出すだろうし,今回初めてプレイするという人も,6人それぞれの事情で旅立った主人公達が偶然フェアリーと出会い,世界を救うべく「マナの剣」を求めて仲間とともに冒険するという王道の展開は入っていきやすいはずだ。
仲間が主人公に合流すると「プロローグ体験」をするかどうかを選択できる。これは合流した仲間のプロローグを実際にプレイするかどうかを選ぶもので,体験しない場合はダイジェスト版のムービーが流れる
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主人公や仲間に選ばなかったキャラクターのストーリーを垣間見るシーンもある
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本作における主な新要素の中でも,ゲームの進行に沿って重要性を増していくのが「アビリティ」である。アビリティはキャラクターのレベルアップ時に得られる「育成ポイント」を一定数割り振ると取得できる要素の1つで,武器や防具と同じく装備することで効果を発揮する。各アビリティはキャラクターのステータス強化や強化魔法の持続時間延長,クリティカルヒット時に確率で敵に状態異常を与えるなどさまざまな効果を持ち,基本的にはキャラクターの育成が進むほど強力な効果のアビリティを得られる。
アビリティは育成ポイントを割り振ることで取得できる
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また本作にはオリジナル版同様の「クラスチェンジ」があり,クラス1は2つしかアビリティを装備できないが,クラス2は4つ,クラス3は6つと装備可能枠が増えていき,それだけキャラクターを強化できるようになる。さらにはクラス固有アビリティや,取得した本人以外も装備できる「リンクアビリティ」もあり,組み合わせは多岐におよぶ。なおリンクアビリティは育成ポイントの割り振りだけでなく,特定の人物との絆を深めることで取得できるものもある。
アビリティは武器や防具のように装備すると効果を発揮する
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重要なのは,局面に応じてどのアビリティを装備するか見直すことだ。例を挙げると,敵を撃破したときにHPやMPの回復効果を持つアビリティは経験値稼ぎや資金稼ぎの通常バトルには有用だが,ボスバトルの多くは相手が1体なのでほとんど役に立たない。そこでステータス強化など別のアビリティを装備すれば,その分ボスバトルで有利に立ち回れる可能性が高まる。
とくに本作のバトルシステムは,味方キャラクター3体のうち操作できるのは常時1体のみで残りの2体はAI任せとなる(操作キャラクターの切り替えやAIの設定変更は可能)。攻略が難しい局面は,AIにどんな行動を取らせたいのか意識しつつアビリティを選ぶと打破しやすくなるだろう。
クラスチェンジすると新たな必殺技やコンボも習得する
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ボスバトルはオリジナル版のそれを踏まえつつ,「3Dだとこんな感じになるのか」という仕上がりとなった。体験版では,ストーリー本編最初のボス「フルメタルハガー」をノーダメージで討伐してしまったため,ちょっと肩透かしを食らったのだが,以降は中ボスを含めてなかなか歯応えのあるボスバトルを楽しめた。
ただ,決してアクションゲームが得意とは言えない筆者であっても,難度ノーマルならほとんどのボスを初見で討伐できたので,体験版のプレイレポートに書いた「幅広い層のプレイヤーが楽しめるチューニングになっている」という印象は変わらない。例え初見討伐できなくとも,上記のようにアビリティを見直したり,ボスの大技発動を阻止するために必殺技を温存したりと,少しプレイを変えるだけで十分に対応可能だ。
またオリジナル版をプレイした人なら,フルメタルハガー以降,攻略法の異なるボスが続々と出てくるのは承知だろう。3Dアクションとなった本作ではそれら多彩なボスのうち,プレイヤーごとの攻略しやすいタイプと苦手なタイプがオリジナル版よりも明確に出やすくなり,それがストーリーの緩急も含めた本作全体のメリハリのある展開に一役買っているのではないかとも感じた。
主人公達はさまざまな人々との出会いを経て,マナの剣を手に入れるのだが……
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すでにアナウンスされているとおり,本作はエンディングのあと,新たに追加されたエピソードをプレイできる。また新エピソードでは,さらなるクラスチェンジで各キャラクターをクラス4にすることも可能だ。
さらに,新エピソードをクリアしたセーブデータがあれば「強くてニューゲーム」が選択可能になり,一部データを引き継いだ状態で本作を最初からプレイできる。主人公や仲間として新エピソードをクリアしたキャラクターは,レベルも引き継ぎ可能だ。
家でゲームを楽しむ時間が長くなりそうな今年の大型連休は,本作で全キャラクターのストーリー本編と新エピソードのクリアを狙ってみてもよさそうだ。
オリジナル版にはなかった新要素「サボテン君を探せ」。フィールドマップに配置されたサボテン君を発見するごとにポイントが溜まり,5ポイントごとに特典をもらえる
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