インタビュー
[インタビュー]「BLUE PROTOCOL」は一歩ずつ着実に。ブルプロが1周年を迎えた今の心境と,これからの抱負を顔役たちに聞く
ブルプロは,こだわりのアニメ調グラフィックスや奥深いアクション要素,なにより国産の大型オンラインゲームタイトルということで,これまで注目を集めてきた。サービス開始後から現在に至るまでに数多くのアップデートも適用され,ゲームの安定感は増す一方だ。
周年当日には,公式番組「ブルプロ通信 #17」で6月26日実施予定の大型アップデート「Beyond」の詳細も明かされた。
今後は“超高難度のエンドコンテンツが定期実装”され,装備品も“特効を選別するドロップ獲得仕様”へと変更し,シナリオクリア後は毎プレイに喜びと悲しみが入り交じるトレジャーハントに挑める。
今回は周年を記念し,ブルプロの顔役としておなじみの下岡聡吉氏,鈴木貴宏氏,福﨑惠介氏の3名に,今の心境を語ってもらった。熱意のこもったこちらのインタビュー,ぜひとも一読いただきたい。
「BLUE PROTOCOL」1周年特設サイト
「BLUE PROTOCOL」公式サイト
あっという間の1周年
4Gamer:
ブルプロが1周年を迎えるということで,まずはおめでとうございます(インタビュー収録日:2024年6月3日)。
精力的に動かれたであろうこの1年。今の心境はいかがですか。
下岡聡吉氏(以下,下岡氏):
とにかく感慨深いです。
プレイヤーの皆さんにご迷惑をおかけするトラブルもあるのですが,一緒に「レグナス」の世界を盛り上げてくださっている皆さんには,深く感謝しています。
本当に忙しい1年でしたが,周年を迎えられた喜びをかみしめつつ,今後もさらに磨き上げたブルプロをお届けしたいと思っています。
鈴木貴宏氏(以下,鈴木氏):
1年がとても早かったです。
最初の数か月はとても忙しく,プレイヤーさんのご意見や,「スピード対応と長期的対応」をどのようなバランスで加味するか。チーム内で相談をしているとあっという間に日々がすぎていきました。
そして,一度でもプレイしてくださった方々。これを機に遊んでくださる方々。すべての人たちに「ありがとう!」とお伝えしたいです。
福﨑惠介氏(以下,福﨑氏):
私も今日まであっという間でした。
開発としても「1か月で対応するもの」「3か月で対処するもの」,さらに半年以上の仕込みを必要とする大規模アップデートがありつつ,次のブルプロ通信を準備していたら,東京ゲームショウまでやってきてと……2024年は本当に早かったです。
今は1周年アップデートがどのように受け取られるのか,更新前特有のポジティブさとネガティブさが入り混じった心持ちです。
4Gamer:
それぞれありがとうございます。
この1年,開発・運営の手応えはどうでしたか。
福﨑氏:
多くのアップデートに関してはいい反響をもらえた反面,運営としてやむを得ず手を入れなくてはならない修正などは,やはりネガティブな反応をいただいてしまうこともありました。
常日ごろ,「よりよくするための改善案」には優先度を付けて対応していますが,パッと手をつけられるものは意外と少なく。一部コンテンツは「ゼロから作り直したほうが早い」なんて思うときもあります。
下岡氏:
ゲームをより楽しくする方向にだけ目を向けたくても,初動では「チート対策」が想定以上の壁になってしまいました。
4Gamer:
チート対策ですか。プレイヤー側だとあまり意識しない部分ですね。
下岡氏:
現代のオンラインゲームには「チートさえなければ,やらなくていい処理」がたくさんあります。その処理を入れるにも工数がかかり,対応内容によっては通信環境に新たな課題が出てくるんです。
プレイヤーさんが「ここをもっと快適にしてよ」と思われる部分のなかには,そうした目に見えない部分のジレンマもあります。
4Gamer:
開発中にもある程度は想定していたとのことですが,運営後に「これもか!?」と新たな課題が噴出しすぎたと?
福﨑氏:
いっぱいありますね……対策をすればするほど構造が複雑になり,複雑になればなるほど不具合を引き起こしやすくなり。
ものによっては,原因究明すら困難な要件もありましたし。
下岡氏:
クライアントやサーバーそれぞれ単独で問題があるときは比較的分かりやすいんですが,なかには「クライアントとサーバー間の通信問題」もあって,我々のタッチできない部分に課題がある場合もありました。
福﨑氏:
ありましたねえ。特定の通信事業の利用者だけ落ちてしまう現象とか。ちょうど僕が利用していたサービスだったので,自分のネットワーク環境と構成を,運営チームに即座に送った記憶があります(笑)。
4Gamer:
幸運の偶然で(笑)。不具合の究明も簡単ではないんですね。
下岡氏:
詳細なクラッシュレポートをいただけると調査もしやすいですし,再現性の高いものについてはリスト化して対処してきましたが,場合によっては再現することが困難なものもありまして。
そうしたものも含めて,皆さんにはご迷惑をおかけいたしました。
4Gamer:
今どきのオンラインゲームの運営は大変そうで……。
鈴木氏:
とくにローンチ当初は,優先対応すべきものの多くが進行上の不具合と,公平性を欠くチートへの対処となっていました。そのため初動ほど,プレイヤーさんのご要望を取り上げて,ゲームのブラッシュアップにつなげるアクションを取ることができていなかったんです。
それがよくないことだとは自分たちでも分かっていたため,「このままではまずい」と考え,すぐに体制変更しました。
4Gamer:
そのあたりは昨年の東京ゲームショウでも言っていましたね。
鈴木氏:
ええ。なのでチート対策専門チームを急設したり,ご意見・ご要望の優先度を明確化したりして進んできました。実際にそれが形になったのは,2023年11月のアップデート(Ver.1.02.100)からです。
同アップデートでは,タクティカルスキルのセット数を4つから8つに変え,宝箱のドロップ量も増やしたのですが,「そうしてほしい」のご意見を7月に採択してから,数か月かけて対処した結果です。
下岡氏:
我々は開発・改善・不具合の対処リストに「どれだけ急務か」「時間はかかるか」をランク付けして優先度順に対処してきましたが,プレイヤーさんからすれば「なんでそっちを直して,こっちを放置するんだ」といった疑問を持たれた方々もいらっしゃると思います。
これらも,皆さんともっとコミュニケーションを取って可視化できていれば,より事情を伝えやすかったはずでした。
福﨑氏:
それに大きなアップデートでしか直せないものも多く,大規模アップデートにしろ制作し,デバッグし,PC版を完成させ,さらにコンシューマ版も手がけ,プラットフォーマーの審査をクリアしたらようやく完成,という流れです。なので最低半年はかかってしまうわけです。
半年でもけっこうギリギリですけどね……(笑)。
下岡氏:
それとテスト中に効率的な攻略ルートを無意識に進んでいたことで,「初心者には気付けないモノ・コトに,我々も気付けなくなった」という問題もありました。そのためローンチ当初は多くの方々に,クラスレベルを上げづらいなどのご不便をおかけしてしまいました。
以降はデータ分析と実プレイを繰り返して,より多くの方々が快適に楽しめるようバージョンアップに反映してきましたが,「プレイヤーさんが求めるブルプロ」のディテールも,正式サービスを始めてからようやく浮き彫りになっていった感じです。
4Gamer:
個人的にはやっぱり,「サブスキルパレットの実装」が最も大きな変更点だったかと思うのですが,こちらの当時の意図というのは。
下岡氏:
クローズドβテストのアンケート結果では,「スキル4つ+バトルイマジン2つ+マウス操作がアクション難度としてちょうどいい」と出ていたので反映したのですが,これもサービス前の想定が甘かったです。
鈴木氏:
プレイヤーの皆さんも実感されたように,スキルが4つだけだとビルド幅がせまく,使うスキルがほぼ固定化されていました。使い勝手がいいスキルもすぐに情報交換され,みんながそれを使うようになるから,クラスによっては自由枠が1つくらいしかなかったりして。
4Gamer:
あれをセットしないと怒られる,みたいな風潮さえありましたしね。まあ,そういうのはブルプロに限らずオンゲの宿命ですが。
福﨑氏:
サブパレットの発想自体は,実は開発段階からありました。それは現状よりもっと複雑な設計で,パズル的な要素も含んでいたんです。
スキルAを使うと,スキルBのインターバルが短くなる,みたいな。
4Gamer:
いわゆる“スキル回し”のデザインですねえ。
福﨑氏:
ですが,それらの仕様はいったん単純化し,操作量は4ボタンのまま,スキルの8枠を確保する形に仕上げました。
正直,以前の仕様で準備していたチームメンバーにはかなり怒られました……(笑)。本当はもっと複雑なパレットデザインを長期スパンで練ってもらうはずだったのに,その根幹となる要素を消したうえ,操作系統も変えさせて,最速でブチ込んでもらったわけなので。
本当,チームの仲間たちにはとても感謝しています。
星霊祭のライブは,なにも指示しなかったのに――
4Gamer:
これまで最も反響のあったアップデート,となるとどれでしょう。
下岡氏:
やはり,先ほど挙げた2023年11月のアップデートです。その後のブルプロの方向性を決定づけた更新内容でしたので。
ストーリーの話ならば,2024年2月実装の5章「獣の使徒」でしょうか。4章「剣は誰がために」がシビアな展開だったのに対して,5章はきらびやかな歌姫たちの明るさで盛り上がっていただけたかなと。
4Gamer:
星霊祭のライブシーンはスゴかったですね。「これ,ほんとにブルプロか?」と思ったほどに。なぜあれほどまでの作り込みを?
下岡氏:
かなり以前ですが,あれはスタジオさんのほうからのアイデアでした。シナリオの制作中,「バンダイナムコのキャラクターらしさ,ってあるよね」と話題が上がり,あれよあれよという間に「なら3人ほど歌姫を出そう!」と着地した結果があれです。歌にも設定的な意味がありましたし,ライブ会場となる劇場もあったので,じゃあライブだなと。
演出についても,どこまでレグナスらしさを保ちつつ,ライブの盛り上がり感を突き詰められるか。相談しながら仕上げました。
福﨑氏:
まあ,私たちディレクター側はノータッチでしたけどね(笑)。
4Gamer:
ええっ?
下岡氏:
そうですね。ライブシーン制作に関わっていたのは主に,シナリオチームと世界観チームと,僕かもしれないです(笑)。
福﨑氏:
当然,シナリオは確認済みで,「ライブやるんだー」とも把握していましたが,気付いたらあのクオリティの映像が生まれていたんです。バンダイナムコの遺伝子かもしれませんが,「ライブやるならこれくらいやるでしょ!」という風潮がああさせたのでしょう(笑)。
福﨑氏:
作り手のこだわりですよねえ。だって指示してないんだもん。
下岡氏:
誰も口出ししなくても,意識のしきい値が妙に高いんだよね(笑)。
福﨑氏:
しかも,ライブシーンの合間には戦闘がはさまるんですが,そのときもシームレスに楽曲が流れ続けるんですよね。そのバトルが終わると,またヌルッとライブ側につながるっていう。
下岡氏:
ライブはムービー仕立てですが,プレイヤーは裏で戦っている状況なので,あの劇場からなら歌姫の歌唱はアステルリーズ全体にも広がっているはずで,なら距離的に近いプレイヤーの耳にも届いているはずでと。各所の位置関係を踏まえてものすごく作り込まれています。
僕も完成版を見たときは「すごい……」ってなりましたけど。
鈴木氏:
ついでにAパートとBパートも分かれてるしね。
下岡氏:
ボスもよかったよね。変身するし。
鈴木氏:
まあ「何回逃げんだよ!」って思いましたけど(笑)。
4Gamer:
ちなみに,ブルプロのストーリーは遊んでみてようやく世界観が見えてきますが,今になってテーマを語るとしたら,どうでしょう。
下岡氏:
ブルプロは“自分=アバターである”ということを大切にしています。そのぶん多くを語る主人公ではないので,作中ではフェステが代弁的にしゃべってくれますが,ゲーム体験としては周りの仲間と協調し,未知の世界レグナスを冒険してほしいがための構図です。
レグナスに生きる人たちは人間臭い悩みを抱えていて,我々と重なる部分も多いです。そのうえで,僕たちが普段生活しているときは感じにくい思いを鮮明に感じてもらう,そんな物語にしたかったんです。
テーマは「それぞれの正義に,自分がどう立ち向かうか」。仮の姿でいながらも,この世界を肌身で感じてもらいたいと思いました。今風に言うと「地球人の俺がいつでも帰ってこられる異世界転生」ですかね。
4Gamer:
わあ。とっても分かりやすい。
アドボは“暇つぶし”のためだった?
4Gamer:
手痛い話だと,反響がよくなかった要素はなんでしょう。
下岡氏:
改修しても「まだまだよくない」と感じられるものはあるでしょうが,一番意見をいただいてきたのは「アドベンチャーボード」です。現在は,同時進行できるボード数を10枠に増やしましたが,枠数を上げるたびに「そうじゃない!」というお声をいただきます。
同じく「所持しているボードをすべて進行できるようにしてほしい」という意見もありますが,これに関しては通信関係が課題となります。全ボードを同時進行させると,「そのすべてが常に通信チェック状態」になるんですよ。例えば10個が進行中で,それぞれに10個のお題があったら,内部的には100項目を毎回チェックすることになり,膨大な通信を行うことになります。
4Gamer:
ああ,それで難しいのだと。
下岡氏:
全プレイヤー,すべてのボードを進行中にさせるのがデフォルトだと,サーバー内の負荷はとてつもないことになります。
今も方策については考え続けていますが,仮にゴールにたどりつけても皆さんの理想に合致するとは限らない。僕らもいちプレイヤーなので,“みんなの理想”も理解はできるのですが。
福﨑氏:
今のアドベンチャーボードの最も単純な解決法って,「アドベンチャーボードをやめること」なんですよね。これまで少しずつ穴をふさぐような対処しかできていなかったのは,もう「ゼロからドーンと変える」しかなかったからです。
ただし,使わないとなると,これまでボードが担っていた役割を新たに作らないといけないわけで。それにも時間がかかるとなると,最善は「ボードを気にせず楽しめるサイクルにしちゃう」ことだろうと。
下岡氏:
アドベンチャーボードをなくすと,例えば「闘士の護符」ボードがなくなる。闘士の護符ボードがなくなったら,αのチケットがなくなる。じゃあαチケットはどうやって入手させるか,といったような課題が生まれてしまいます。だから福﨑の言ったとおり,いったんは応急処置的に「やりたい人にだけやっていただく」に転換しました。
そもそもアドベンチャーボードの初期構想は,ミッションなどの合間に暇をつぶしてもらうためのものでした。各土地でボードを進めていると,ネームドエネミーに出くわし,戦闘中に周囲の人が寄ってきて,みんなで盛り上がってボコスカ倒したらイマジンが手に入る,みたいな。ボードのクリアというよりは,みんなで盛り上がるタイミングを作る道具でした。そういうキレイな導線を勝手に想像してしまっていたんです。
鈴木氏:
コツコツやっていれば目標に近づく,くらいが当初の狙いでしたね。
下岡氏:
けれどプレイヤーさんには,手段と目的が入れ替わっているように感じさせてしまい,「なんだこれ面倒くさい」となってしまった。
そう思わせてしまう作りだったのは,今ではよく分かります。
4Gamer:
まあ,否定できず……。
福﨑氏:
同じ課題のボードを厳選して,同時並行で効率的に進めたら,終わった直後に同じようなボードが出てきた,とかもですね。
4Gamer:
損はしてないのに,二度手間な気分になってしまうんですよねえ。
下岡氏:
そうしたこともあり,より楽できるよう“累計”などはゲーム内でカウントし,ボード開放後にすぐに進行するように改修しました。ミッションは今もクリアが必要なので,不便に受け取られるかもですが。
福﨑氏:
アドベンチャーボードの存在理由は,武器クラフトの素材集めの過程に付加価値を与えるためでもありましたが,そこに時間をかけさせること自体もあまりよくなかったんですよね。
だから前提を変えて,そもそものゲームサイクルを「シナリオクリアだけで最低限の武器を確保」できるようにしたんです。今は序盤からアドベンチャーボードの重要性をだいぶ下げています。
鈴木氏:
今回のBeyondアップデートでさらに重要度を下げますしね。正直,同じ地域で同じものを獲得させるなら別々のボードがある必要はなくて,今の結論だと「地域クエスト一覧」でいいんですよ。地域ごとのお題が全部見えるUIになっていればそれでいいって。
アドベンチャーボードについては,手を入れるよりも前提をひっくり返すほうがスマートだった改修の代表例ですね。
4Gamer:
おそらく賛否があったであろう話だと,2023年8月の一部クラススキルの下方修正でしょうが,今後の下方修正の方針などは?
福﨑氏:
原則,「下方修正はなし」でいくつもりです。
開発メンバーからは,クラス間の公平性が保ちづらい,育成のインフレでエネミー側が釣り合わない,などの理由で下方修正を提案されることもありますが,以前の下方修正時の反応も踏まえて基本的にはNGにしています。下方修正は遊ぶ側にとって不利益しかない対応ですので。
それに,クラス間バランスが公平であることとゲームの楽しさは別なので,公平性を保つ手段なら,ほかを強化するのが運営の鉄則です。
4Gamer:
よく聞く話です。
福﨑氏:
といっても「下げたい」と思う気持ちは,ゲーム開発者なら痛いほど分かるんです。ものすごく単純な話,1項目を下げるのと,それ以外の全部上げるのとでは,コスト的に前者のほうが圧倒的に楽ですから。だけどプレイヤーの利益を考えるなら,それはダメだよと。
他方で,バランスの観点ではなく,システム的にしょうがない修正もあるにあるので,そういうときは必ず補強も入れています。
鈴木氏:
「仕様都合の修正が,下方修正と感じさせてしまうもの」ですね。これについては今後も出てくるかもしれません。
一例としては,味方が触れると短時間バフを与える範囲スキル。これは周囲のプレイヤーが多ければ多いほど,加速度的に通信量が増大し,処理も重くなり,場合によっては動作環境にも影響を与えます。
そこでバフの効果時間を長くして,何度もヒットさせなくて済むようにすると,使用感は変わっても効果の差は埋められる。こうした負荷軽減のための仕様変更が,結果として下方修正に見えることもあります。
4Gamer:
ついでにクラス調整の話だと,2月にスペルキャスターの大幅強化がありましたよね。以降は使用率も上がったんでしょうか。
鈴木氏:
実装前後で5%ほど増えましたね。
下岡氏:
新クラスが出たばかりなので,今はビートパフォーマーが多少突き抜けていますが,クラス使用率は長らく均等のままです。ですから,ほか6クラスから1%ずつ吸い上げたというだけで,かなりの変化でした。
4Gamer:
パーセンテージを話題に挙げると,1月のブルプロ通信からMCに加わった吉﨑智宏さんの細かな指摘が脳裏に浮かびますが。
吉﨑さんが加入されたきっかけなどはあったんでしょうか。
下岡氏:
きっかけは,昨年のTGSのバンダイナムコエンターテインメントステージで司会をやっていただいたことです。前日のリハーサル時,待ち時間にいろいろと話していたら,思いのほか話が盛り上がってしまい,吉﨑さんが「ブルプロおもしろそう!」と言ってくださったので,「マジでやってくださいね!」と,LINEまで交換したんです。
そうしたら吉﨑さん,そのあと本当にブルプロを遊んでくださって,YouTubeチャンネルで自主的に配信までしてくれたんです。その熱意と知識がうれしかったのと,我々も「ブルプロ通信もやっぱり司会がいるといいね」と気付いたため,打診させてもらったんです。
鈴木氏:
当時のブルプロ通信は,我々だけで情報発信することに限界を感じていました。この3人も演者ではないので,知っている情報を知らないふりして質疑応答するのも難しく,視聴者さんのコメントに触れるにしろ,どうしても答えやすいものへ答えることが多くなっていき,皆さんが本当に聞きたいことをお届けできていないと痛感していました。
ですので,ちゃんとゲームを遊んでいるうえ,プレイヤーの目線で参加してくれている吉﨑さんには,本当に感謝しています。
下岡氏:
プレイヤー代表的な立ち位置で,かつ番組も盛り上げてくれるので,僕らにとってものすごくありがたい存在になりましたよね。
4Gamer:
下岡さんは,吉﨑さんからよく無茶ぶりされてる印象ですが?
下岡氏:
疑問の半分くらいはリハですり合わせできているので,実のところあまり困らされてはいないです。半分くらいは,ですが(笑)。
鈴木氏:
どちらかというと,困っているのは福﨑さんかもしれないですね。先ほどおっしゃったように,バフなどの細かな数値について「それって何%くらい上がるんですか?」って聞かれたりするので。
福﨑氏:
突然だと難しいですね,あれは(笑)。
4Gamer:
下岡さんにはユーモアで,福﨑さんには数字で無茶ぶりすると。視聴者としては見ていて楽しいですが,苦労もありそうで(笑)。
まだまだ道半ば。課題は“サブサイクル”の充実
4Gamer:
この1年,開発時に想定していた進捗には到達できましたか。
下岡氏:
スケジュール通りという意味では遅滞なく進んでこられましたが,運営的には方針転換もあったので……鈴木くんはどう思う?
鈴木氏:
僕は「いいえ」だと思ってます。
シナリオやクラスの追加,レベルキャップの開放などは計画通りでも,プレイヤーさんが求める理想のゲームデザインにするには,もっと磨かなければならない課題がまだまだ残っています。
たらればの話ですが,想定以上に求められたチート対策や不具合への対応などがなければ,「求められること」も「やりたかったこと」も,より手を付けられていたはずでした。
けれど,実際はそれら以上にやらなければならない対処が多かったので,スケジュール上では進捗を達成していても,オンラインゲーム運営としては100%に至れなかった。それが僕の結論です。
福﨑氏:
サブコンテンツも,土台となるメインコンテンツの上にうまく乗っけてこそですしね。ブルプロの場合,メインのゲームサイクル自体を変化させたこともあり,土台自体の検証期間も必要だったため,単にサブコンテンツを上乗せしていくだけではダメだったんです。
今回の周年アップデートもまさに,土台の再整備ですし。
鈴木氏:
検証済みで,大量の専用アイコンも発注したものの,まだ実現できていないコンテンツもたくさんありますしね。
それらの中身は,今も言えないものが多いですが……(笑)。
下岡氏:
一方で「ブルプロ通信 #16」で披露したハウジングの検証動画は,思っていたよりも反響をいただけて,お見せしてよかったです。
僕がブルプロの世界にポテンシャルを感じるところは,“誰かのこだわり”だと思っています。ブルプロの好きなところは人によっては分かれるはずで,僕は自由探索が一番好きですが,ほかの人は高難度のバトルだったり,より深く世界観を知ることができるストーリーだったり,写真を撮ることだったりする。そのすべてに回答するために,1周年の機会にあらためて土台を整えようとしました。そして以降に乗っけていくサブコンテンツで,皆さんの好きに答えていくつもりです。もちろん,土台自体もさらに頑丈になるよう,広げていく構想があります。
鈴木氏:
達成できていなかった話だと,チュートリアルもですね。
今回のアップデートでは過去のフィードバックをもとに,ゲーム最序盤で強制操作を求めるシステムチュートリアルも一部実装しています。
4Gamer:
強制操作という物々しいですが,どのようなもので?
鈴木氏:
状況としては「画面の一部をハイライト表示し,それ以外の操作を受け付けなくなる類いのチュートリアル」と考えてください。
人によっては手間に感じるかもしれませんが,実際問題「ワープをコマンドから使えることを知らない人」はすごく多かったんです。序盤でジェイクと出会ったあと,洞窟前からアステルリーズに帰るのですが,データ上では多くのプレイヤーさんが徒歩で帰っていたんですよ。
4Gamer:
それはまた。景観を見ながら帰りたいとかなら分かるものの。
鈴木氏:
当初はそれも,堅苦しくしすぎないほうが遊びやすいだろうと考えた結果なのですが,本当に分からなかった人には不便なだけですし。きちんと覚えてもらうには強制操作で体験してもらうべきだと考え直しました。マウントイマジンについても同様の対処をします。
4Gamer:
今は冒険者ランクアップをせずともマウントが初期配布されますが,確かに説明がないと初心者には分かりづらかったのかも。
福﨑氏:
マウントも明確なデータがあります。シナリオ進行において,フィールド上の移動距離が長くなるところで離脱率が高まっていたんです。それも該当者はマウントに乗らず,徒歩で移動していた方々が大半で。
鈴木氏:
装備の仕方を伝えられていなかったことの弊害ですね。事実,マウント装備者の継続率は割合が高かったので,しっかり説明することを重要視して優先度を上げて,フォローアップをこっそり積み重ねてきました。
福﨑氏:
先ほどアドベンチャーボードの話をしましたが,チュートリアルの役割はもともと「ランクアップボード」に入れ込んでいました。今は見ずともシナリオを進められるがために,最低限の情報を伝える機会が失われてしまったので,ワープやマウントなど「知らないと利便性が大きく損なわれるもの」については,強制チュートリアルを入れるわけです。
こうしたフォローアップはブルプロ通信で発表することはありません。番組視聴者の大半は,ゲーム進行的にもとっくに過ぎ去ってしまっている部分でしょうから,これまでも裏でコソコソ改善していました。
下岡氏:
僕はイージスファイターだけレベル70で,ほかのクラスは低レベルという状態ですごしていたのですが,すこし前,全クラスをレベル70にあげることにしたんですよ。
経験値がたくさんもらえるミッション「マッチングサポート」や,メインクラスでこなしたアドベンチャーボードの経験値をサブクラスに受け取らせるなどしたら,約1週間で全クラスレベル50にできたんです。
おかげさまで違うクラスのさらなる魅力にも気付けました。仕様しか知らなかったものも実際に動かすと全然違うんですよね。最近はスペルキャスターの「アイスシャード」にハマって世界が変わりました。アイスシャードG4に移動速度アップ・大が付くので,飛びながら使用して高速移動するジャンプアイスシャードマンがいたら僕です(笑)。
もう「ピョン! パン! ピョン! パン!」って感じで。
これからは“4か月=1クールの戦場”に
4Gamer:
そんなジャンプアイスシャードマンも活躍できるのか。
今後は新たな土台として“4か月=1クールで提供する,高難度コンテンツの新サイクル”を導入するとのことで。6月のブルプロ通信でも発表されるでしょうが,ここでもあらためて説明をお願いします。
下岡氏:
前提として,今のブルプロではシナリオクリア後,ミッションに挑み,たくさんの宝箱からいい武器を手に入れても,「で,どこで使うの?」となる問題がありました。「最強武器でレイクリッド坑道に行きます」ではおかしいので,その先を提供しようと考えたんです。
鈴木氏:
これまで4か月ペースでシナリオ追加とレベルキャップ開放をやってきましたが,今後は同じサイクルで,武器やイマジンを入手・強化して最高難度のバトルに挑んでもらおうと思っています。
■6月の実装内容
初月は新シナリオのほか,「武器の特効・限突特効」「ヴァリアントアリーナ」,新機能「ルームアレンジ」を実装します。
武器の特効は「ノーマル」「レア」「レジェンダリー」の3レアリティがあり,ノーマルとレアの効果はさまざま,レジェンダリーは各クラスに2種類ずつあり,クラスのスキル特性を大幅に変化させます。これらを狙って武器を収集し,よりよいドロップを狙ってもらう遊びです。限突特効のほうは最大限界突破時に付与されるボーナスです。
手に入れた武器を用いる目標は,「ヴァリアントアリーナ」と翌月追加の「戦神(いくさがみ)の修練場」です。いずれもパーティ推奨の最大難度コンテンツで,前者は複数のエネミーと戦う形で,後者は単体エネミーとの戦いとなります。装備強化は4か月かけて試行錯誤してもらう仕組みなので,6月時点で(は特効付き武器はドロップするが,パラメーター最強は翌月実装ミッションからのドロップのため)ヴァリアントアリーナをクリアできたら「マジですごい!」です。
■7月の実装内容
翌月は,このクールでパラメータが最も高い武器を獲得できる「上級調査改」を導入します。特効の付き方はランダムのため,性能はその人次第です。また,上級調査はこれまで上積みで追加していましたが,以降は「上級調査&上級調査改が毎月入れ替わり」になります。イベントで特殊なドロップが追加される場合を除き,月ごとのドロップアイテムに差はありませんが,同じミッションの周回はどうしても飽きがくるので,バリエーションを楽しんでもらうために月替わりとしました。
ときには,過去にブルプロ通信でもお見せした,ナッポがいっぱい湧いて宝箱が大量ドロップするラッキー要素「エネミーラッシュ」も発生します。このときがレジェンダリー確保の大チャンスです。
■8月の実装内容
憑依スキル&覚醒アビリティ持ちの覚醒バトルイマジン「B-フレアデミドラゴン」を追加します。覚醒アビリティは武器の限突特効の倍率を高めるもので,覚醒バトルイマジンの最大強化時には“武器の限突特効の効果2倍(現状の想定)”になります。
■9月の実装内容
1人で挑む「ヴァリアントアリーナ・ソロ」を追加します。ブルプロではこれまでもソロ用タイムアタックコンテンツを提供してきましたが,これの攻略が1クールの集大成だと思ってください。10月からは上記のサイクルで,また新たなクールをスタートさせる予定です。
それと,これまであまり代わり映えしなかったイベントも,イマジンの作成を補助したり,チームでのプレイにもっと恩恵が出たりするようなイベントを,月ごとに実施していく予定です。
4Gamer:
内容たっぷりですねえ。
シナリオ進行で手に入る最強武器と,エンドコンテンツ装備とも言うべき特効武器は,性能もかなり違うんでしょうか。
下岡氏:
ぜんぜん違います。レジェンダリー効果はもちろんですが,レアが付いているだけでもまるで違います。
しかし,このような要素はシナリオ攻略にはいっさい影響させませんので,あくまで“シナリオクリア後に集める武器”と認識してください。
4Gamer:
B-フレアデミドラゴンも憑依がかなり強そうですね。
下岡氏:
憑依も強いは強いんですけどね。
福﨑氏:
武器の限突特効の倍率を上げる覚醒アビリティがより強力です。
4Gamer:
そちらでしたか。
鈴木氏:
強力な武器を入手・育成していただいたあと,ヴァリアントアリーナや戦神の修練場に挑んでもらいますが,基本的に月が経過するほどアイテムが充実しやすいので達成も楽になります。
とはいえ,最高難度をうたう内容ですので。
4Gamer:
武器も仲間も対策もそろえてからがスタートライン,でしょうねえ。
福﨑氏:
しかも“クリア時期によってもらえる勲章が変化”します。初期は金の勲章,それ以降は銀・銅と変わるため,金の勲章持ちは「初期にクリアした本当にスゴい人」と分かるわけです。
4Gamer:
無理そう……裏で小耳にはさんだところ「今回は6月中クリアのマジで無理レベルかも」とまで聞きましたが,調整のほどは?
鈴木氏:
一応クリアできるはず……。
福﨑氏:
今回に限っては,6月中にクリアされるのは本当に一握りの方々だけかもしれません。
鈴木氏:
どちらも初回クリア報酬があるのですが,とくにヴァリアントアリーナでは衣装を入手できます。そして次回の新クールになっても“それ以前のアリーナ&修練場は挑戦可能”なので,さらにレベルキャップ開放されたあとでの攻略もありです。難度の体験は水物ですが,あとから追いついた方々でもプレイいただけますし,初回クリア報酬は入手可能です。
4Gamer:
ヴァリアントアリーナも戦神の修練場も,パーティを組んでから参加するようですが,軽い気持ちでの野良参加はできるんでしょうか。
下岡氏:
現状の想定だと「挑戦したい人たちがガチで挑むためのもの」なので,参加のハードルは高めかもしれないです。戦神の修練場にはギミックもあって,ミッション専用スキルを使いこなすのも重要になります。そのためのチュートリアルも実装しているくらいです。
鈴木氏:
プレイ目標にしていただければなによりですが,頂点のエンドコンテンツは参加者の割合が一握りになるとも理解しています。
ただ,今回は“シナリオクリア後に,新たな遊びが待っている”ことの提示,日々のミッションプレイを楽しんでいただく要素の充実や,育成の先に挑戦するコンテンツを作ることが目的です。最高難度のエンドコンテンツのため,初回クールは挑戦しづらい人も出てくるかもしれませんが,そのあたりは今後のご意見を参考にしていきます。
4Gamer:
一定周期での装備更新はMMORPGなどでもあるあるですが,今クールの最強武器は,次のクールでは使い物にならなくなるのでしょうか。
最強レジェンダリーが使えなくなった瞬間が悲しそうで……。
下岡氏:
分かります……。
鈴木氏:
翌クールの上級調査改でも使えるバランスを想定していますが,次のヴァリアントアリーナを攻略する武器という意味では厳しいです。どのみちレベルキャップの開放も重なるので,レベルの基準が変わりますしね。
武器は記念に残してもいいですが,今回実装する「分解」で新たなイマジンの素材に生まれ変わらせるほうが,いい別れ方かもしれません。
4Gamer:
ということで,今後はシナリオ追加と高難度追加が重なるわけですが,大変ではないでしょうか。それともまとめたほうが楽だったり?
下岡氏:
楽ではないですが,今までとそう変わらないかもしれないです。それだけ運営体制を最適化してきましたので。
いや,やっぱり,ちょっとだけ大変かもですが……(笑)。
鈴木氏:
でも,それくらい速度でやらないとプレイヤーさんの熱量に追いつけませんので,やれる限りはやりますよ。
これまでの方針転換も,プレイヤーさんから一番求められた「武器をドロップ形式で充実させる」をかなえるためでしたし。
4Gamer:
以降はハック&スラッシュ感がより高まりそうですよね。
下岡氏:
ハクスラとは微妙に意味合いが違うかもしれません。あくまで宝箱からの武器を楽しみの要素にしていただく,宝箱ほりほりな調整なので。
……あれ,呼び方は宝箱ほりほりでいいのか?
鈴木氏:
公式ではそんな呼び方してないです(笑)。
4Gamer:
トレジャーハント,とかでしょうか。
下岡氏:
トレジャーハント! それです! そもそもブルプロではずっと,トレハンを楽しんでもらいたいと思っていたんですよ。
素材を集めて武器を作るクラフトは,もともと武器がドロップしない人向けの保険として用意したのですが,当時はドロップ確率などの問題で,手段と目的が入れ替わったような印象を与えていました。
「ドロップするけど,素材でも作れる」というバランスに関しては,クラフトの過程でネガティブな感情を与えてしまいがちだったため,「だったらいっそドロップ中心にしたほうがいい」と切り替えたわけです。
福﨑氏:
実のところ,下岡さんはずっと前からその方針だったんです。けれど,その仕様は装備確保が運次第なため,すぐ終わる人もいれば,延々と終わらない人もいる。そこで「遊びのプレイ時間を想定しやすい設計」としてクラフト型を取り入れたのですが,プレイヤーの皆さんの反響や求めるものを鑑みて,ようやく回帰してきた形です。
それにクラフトには個人的に問題があると思っていて,やっとの思いで素材を手に入れても,クラフトで大成功しないと結局ハズレ,といった二重抽選をくぐらないと体験のうれしさが弱いんです。
その点ドロップだと,クラフトのように追加操作を介さずに「出た瞬間うれしいと思える」ので,1ミッション中に感情体験ができるんです。実際,今のほうが皆さんからの反応もよくなりました。
下岡氏:
これは余談ですが,この前ゲーム内でプレイヤーさんに「厳鍛の塔」に誘われました。そのパーティの人たちはみんなめちゃくちゃうまくて,「俺いる?」って思いながらクリアしたんですよね。
終わったあと,その人たちが「今日で塔は何回目ですか?」と聞いてきたので,正直に「2回目です」って答えたんです。そしたら,その人が「私たち450回やってますよ」とおっしゃって(笑)。
4Gamer:
それはスゴすぎる(笑)。
下岡氏:
なにが言いたいかというと,先ほどお伝えしたように,ブルプロの最先端で遊んでくださっている方々のやることがないのはダメでした。その人たちが目指せる目標も高くあるべきだと思ったんです。
もちろん,彼らの塔450回クリアも今回の施策に勝るとも劣らぬ,想像もしていなかった遊びの目標だと感心していますが!
ルームアレンジって,なんぞ?
4Gamer:
今回は新機能「ルームアレンジ」も実装されますが,これは4月のブルプロ通信でチラ見せしていたハウジングとは別物なのでしょうか。
鈴木氏:
ものとしては別のコンテンツです。ハウジング機能の開発中に生まれた副産物として,ひとまず実装するものですね。
下岡氏:
手はじめに,部屋を飾る楽しさを体験してもらいたかったんです。
6月時点では少数の調度品実装となりますが,7月以降に「ネームドのフィギュア」が追加となり,ネームドエネミーを倒すと手に入るようにもなります。ネームドはこれまで,アドベンチャーボードのクリア目標やイマジン獲得のための存在でしたが,今後はルームにも恩恵があるコレクタブルな存在になってくれます。
4Gamer:
将来的にハウジングが実装されたとき,ルームアレンジで使えるアイテムはそちらにも持ち込めるんでしょうか。集めた物を流用できるかできないかで,気持ち的な価値もだいぶ変わるんじゃないかなって。
下岡氏:
高確率で持っていける仕組みにしそうな気はしますが,現段階では明確に「そうです」とは言えないですね。
鈴木氏:
使えたらいいなと思う人が多いなら,考えたいですね。
新クラスの予定は……あります!
4Gamer:
クラスは現在7種類ですが,今後の追加予定は。
下岡氏:
う〜ん。言っていいの?
鈴木氏:
ないって言ったら悲しくないです(笑)?
下岡氏:
それなら,あるかないかで言えば,あります。
4Gamer:
やったー。
鈴木氏:
詳細についてはなにも言えないですけどねー。
4Gamer:
現在の7種類でもバリエーションがけっこう豊富ですが,「新たなクラスの特徴」を考えるのは難しくなっていないでしょうか。
福﨑氏:
やっぱり難しさはあります。考え方の軸はバトルスタイル,ロール,武器種など多岐にわたりますが,試作段階で「この武器でこの役目は無理でしょ」とボツになった案もたくさんありましたし。
鈴木氏:
ずいぶんと立ち消えたよね(笑)。
下岡氏:
おもしろさを考えると,役割が多少被っても,そのクラス独自の動きがあるのなら,僕は追加したほうがいいと思いますけどね。
鈴木氏:
まあ,新クラス制作時の開発メンバーの悩みは,全レベルの武器を新規で作ることですね。みんな「大半の人が使うことすらないであろう低レベル武器を作るのがツラい……」ってよく言っています。
4Gamer:
プレイヤー側でも気持ちは分かるやつ……。
ビーチにボールを1個置くだけでも――
4Gamer:
以降の予定ですが,公開済みの内容以外にも,釣りのようなミニゲーム的コンテンツなどは追加されますか。
鈴木氏:
ブルプロ通信で試作段階の映像を出すつもりですが,「かくれんぼ」や「おにごっこ」的な,ほかの人と遊べるミニゲームのようなコンテンツを制作中です。あとは……まだ内容は話せませんが,みんなが楽しめる隙間時間用の要素を検討中です。
それらも,Beyondアップデートで土台をしっかりさせたあと,随時取り入れていきたいと思っているものです。
下岡氏:
ブルプロの世界を楽しむためにも,そういったこまごまとした要素はやっぱりあったほうがいいですからね。
フォト機能についても「これどうやって撮ったの?」と感心させられる写真をたびたび目にしますし。プレイ中も「制御したいからパーティになってください」とよく言われたりして。
福﨑氏:
ちなみに,今回実装する内容には「縁座り」もあります。動きとしては,家の屋根や港の桟橋で座りながら足をプラプラするものです。これはゲーム攻略とはまるで関係ないものですが,私と企画数人でこっそり作ったもので,「必要なんだ!」と言って押し通しました。
1周年特設サイトでも画像をチラ見せしていますが,一部のプレイヤーさんには反応してもらえていて,すでに手応えを感じています。
4Gamer:
ブルプロは「グラフィックから始まったプロジェクト」と言いますし,フォトジェニックな演出は必須要素なんですかね。
下岡氏:
アニメに入り込んだような体験をしたい人には,頭のなかに「アニメのシーンの構図」があると思うんです。
崖に座らせるのも「こういう絵面が撮れたらいいのに」という誰かの悩みを解消するものなので,“ブルプロには必要な機能”です。
福﨑氏:
コンテンツ案や機能改善は企画任せなもところもありますし,「これってどう必要なんですか?」と言われるような小道具ほど主導者が出てこないので,私が率先してやっているんですよね。
俺が必要だからそれでいいんだ! 的な(笑)。
下岡氏:
ものによっては,想像以上に作りにくいものもあるんですけどね。例えば「ボール遊びがしたい」みたいな話はよく出るのですが,ローカルで作るだけなら単純な仕組みでも,「オンラインで」と考えるといろいろ詰めないといけない部分が出てくる。
気軽にポンッと入れてみたいものほど,突き詰めると気軽じゃないことが多いので,そこが小ネタの難しさです。
福﨑氏:
縁座りも「普通に崖に座りたい」からスタートし,こだわりを詰めつつも,大事になりすぎないよう舵取りが求められましたしね。
開発陣に聞く,推しクラスどれ?
4Gamer:
この1年間で水着,ハロウィン,ブライダルなどのシーズン衣装が提供されましたが,今後の方針はどうなるのでしょう。
別のテーマにするのか,前テーマのアレンジなのか,とか。
鈴木氏:
いろいろ考えています。初年度は定番のシーズン系を多くしましたが,一度使ったテーマの再解釈もありえますし,今“ゲーム内のモチーフを使った衣装”も人気が高いので,アイデアはさまざまです。
ちなみに,2024年夏の目玉は「日本の夏なら,やっぱりあれだよね」という新規デザインの衣装を用意します。
福﨑氏:
普通のオンラインゲームなら,構造的に面倒なので作られないこともあるのですが,今回は全力を投じて仕上げます!
4Gamer:
となると,アレですね。
ついでにお三方のお気に入りの衣装ってなんでしょう。
下岡氏:
(PCでブルプロを起動しつつ)見ます?
4Gamer:
あっ,では読者向けにSSもいただけますか?
下岡氏:
分かりました。僕はこれです。「エーデル」シリーズの手足がかっこよくて好きなので,どの上着を着せるかがコーデの基準です。
あと,ずっとウサ耳。ウサ耳ほんとかわいい。マウントもウサギです。ぴょんぴょん跳ねるし,スンスンするし,めちゃくちゃかわいい。
鈴木氏:
僕は今現在は「エーデルFカヴァレリスト」一式でそろえているんですが,次期の衣装の“忍者”がドストライクで超かっこいいので,周年アップデート後はこんなかんじにすると思います。
福﨑氏:
僕は鎧で固めの印象にしつつ,足は素足で縁座りを活かして休憩中,みたいなシチュエーション合わせのコーデです。下半身ふんわりするのカワイイと思ってます。
4Gamer:
三者三様ですね。
さらに,推しクラスとなるとどうでしょう?
下岡氏:
僕はイージスファイター推しを公言してきましたが,最近は先ほど触れたスペルキャスターのアイスシャードにちょっと取り憑かれています。ジャンプアイスシャードマン楽しい。
鈴木氏:
僕は下岡さんとは逆で,ずっとスペルキャスター推しだったのが,イージスファイターのレジェンダリー特効がめちゃくちゃカッコよくて,2人してちょうど入れ替わりそうな気配です。
下岡氏:
イージスのレジェンダリー特効には“周囲の味方全員を蘇生”するものがあって,一瞬でヒーローになれるんですよね。レジェンダリー特効は全クラス,こういう思わず使いたくなる仕掛けを用意しています。
福﨑氏:
高難度のテストプレイ中,戦線が崩壊しそうなときにイージスが全員復帰させて,参加者がめちゃくちゃ盛り上がってましたよね。
鈴木氏:
ほんと神でしたね。みんな「おぉー!」って言ってましたもん(笑)。僕はやっぱりイージスに浮気しちゃいそうです。
福﨑氏:
私もずっとですが,ツインストライカー推しです。ときどきバランス調整で「福﨑の優遇だ!」と言われることもありますが,そのあたりはメンバーみんなで話し合っているので優遇はしていないです!
4Gamer:
1年経てば変わるもんですねえ。といったところでお時間も超過し続けていますので,最後に今後の抱負をお聞かせください。
福﨑氏:
ブルプロには「我々がやるべきこと」がまだまだ多く,プレイヤーさんの目にもそこが強く映っているはずなので,これからも1つずつ解決していくつもりです。同時に「我々がやりたいこと」もぜんぜん見せられていないので,今後も合間に着手していければと思っています。
ですので皆さん,これからもよろしくお願いいたします。
鈴木氏:
ブルプロは1周年を迎えましたが,これからも皆さんの喜びや楽しみを最大限に重視していきたいと思っています。
これまでプレイしてくださっている方々。遊んでいたけど辞めてしまった方々。これから始めてくださる方々。それぞれに見えている姿は違うかもしれませんが,ブルプロはこの1年で進化しました。
今後もさらにおもしろくしていくため,開発一同がんばっていきますので,引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
下岡氏:
今の抱負としては「一歩ずつ着実に,一生懸命にこの世界を作っていきたい」というものです。この1年は,そうあるべきことの大切さに強く気付かされる年となりました。
プレイヤーの皆さんには本当に感謝しています。この1年でブルプロはずいぶんと遊びやすくなり,またこの1周年からガラッと変わる部分もありますので,ぜひ遊んでみてください。
そして新たな冒険者と出会ったら,レグナスという星に転生した仲間として,一緒にこの世界を楽しんでいただけるとうれしいです。
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