インタビュー
「ロックマンX DiVE」プロデューサーインタビューを掲載。ゲームの生まれた経緯や,今後の登場キャラ,そしてアップデートの内容は?
今回4Gamerは,そんな本作のプロデューサー 橋本賢一氏にインタビューをする機会が得られたので,その内容をお届けしていこう。「ロックマンX DiVE」の生まれた経緯や,今後の登場キャラ,そしてコンテンツのアップデートに関する内容などをチェックしてみてほしい。
「ロックマンX DiVE」公式サイト
「ロックマンX DiVE」ダウンロードページ
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「ロックマンX DiVE」はカプコン台湾の愛によって生まれた
4Gamer:
本日はよろしくお願いします。さっそくですが,「ロックマンX DiVE」のコンセプトをお聞かせください。
橋本氏:
当時,私はまだ関わっていませんでしたが,本作はカプコン台湾というグループ会社の企画が発端になっています。カプコン台湾のスタッフたちが「ロックマン」シリーズが好きで,その中でも「ロックマンX」がとくにお気に入りだそうです。
なんとかしてスマートフォンで「ロックマンX」(以下,Xシリーズ)を,しかも本格的なアクションゲームとして再現したいという想いがあり,結果として世界中の人たちにXシリーズの面白さを知ってもらいたい。そこが大本のコンセプトになりました。
4Gamer:
日本では10月26日に配信開始となりましたが,開発自体はいつごろからスタートしていたのでしょうか。
※本インタビューはゲームの配信前に行っています。
橋本氏:
2018年の3月くらいと聞いていますね。
4Gamer:
本格的なプラットフォームアクションって,スマホとしては珍しい部類ですよね。
橋本氏:
確かに,カプコンでもスマホでアクションというのは少ないです。だからこそ実現したいという考えがあったんではないでしょうか。
4Gamer:
本作はコンテンツも豊富にあるようですが,とくに注目してほしいものはなんでしょう。
本作はレベルに応じて新しいコンテンツが開放され,それぞれのモードで育成アイテムなどが手に入ります。達成したい目標に応じたモードがあるので,特定コンテンツに注目してほしいというよりは,各モードで育成を進めて対戦モードや,ソロで挑む高難度コンテンツ「ヤコブ」などに挑戦してほしいですね。
4Gamer:
協力プレイもありますよね。
橋本氏:
レベルが20になると,ほかのプレイヤーと一緒に挑む協力プレイが開放されます。協力プレイでは,アーマーを合成するための素材が手に入るので,仲間と一緒に集めてもらいたいですね。
4Gamer:
ということは,協力プレイは日常的に行うコンテンツですか。
橋本氏:
そうですね。ただし一日に挑戦できる回数が決まっているので,そんなに何度も行くことはできません。レベルに応じて難度の高いステージも登場するので,やり応えはあると思います。
4Gamer:
パーティは自動マッチングですか?
橋本氏:
もちろん自動マッチングもありますが,フレンドを誘うことも可能です。レベルが上がるとかなり敵も強くなるので,ぜひフレンドと一緒に挑んでみてほしいです。
4Gamer:
では対戦モードはどういった内容になっているんでしょうか。
橋本氏:
対戦モードは常時開設されている練習戦と模擬ランキング戦,開催期間が決まっているランキング戦の3種類があります。ランキング戦は約1か月間で開催されるモードで,毎回開催されるランキング戦ごとに得られるアイテムが違いますね。ルールはキャラクター3体を選んで戦う勝ち抜き戦のバトルになっています。
4Gamer:
対戦モードでは,キャラクターのレベル差はどうなるのでしょうか。
橋本氏:
キャラのランクアップで獲得したパッシブスキルなどは反映されますが,お互いの戦力は同じレベルに調整されます。強化で得られたスキルは反映されますので,同じレベルに調整されても強化はしておいたほうが有利にはなります。
4Gamer:
ランクアップなどはしたほうが有利とはいえ,プレイヤースキルも重要になりそうですね。
橋本氏:
キャラ性能だけでなく,プレイヤースキルも大きく影響するというのは間違いないです。
4Gamer:
現状の対戦プレイは1対1のみですが,今後のアップデート予定についてはいかがでしょう。
橋本氏:
今後,団体戦のようなシステムも予定はしています。カプコン台湾とも協議を重ねて,アップデートの方針について現在検討している段階です。
4Gamer:
対戦モードは競技化しやすそうな仕組みになっていますが,大会などを公式で開催する予定や構想はあるんでしょうか。
橋本氏:
私個人の希望としてはあります。大会はぜひ実施したいのですが,そうなると大会用に必要なシステムの実装なども発生しますので,今後の検討次第です。
4Gamer:
大会以外にも,「ロックマン」シリーズだとボスキャラのイラストコンテストなどもありましたよね。今作でも似たようなイベントをやるんでしょうか。
橋本氏:
現状のところ予定はしていませんが,今後ないとも言い切れません。アジア版の配信前には武器デザインコンテストもやっていましたので,今後何らかの形で実施する可能性はあります。
4Gamer:
分かりました。では少し話題を変えて,スマホゲームとして開発するにあたり,こだわったポイントはどこでしょうか。
橋本氏:
開発元のカプコン台湾によると,Xシリーズの面白さを知ってもらうというコンセプトのもと,本格爽快アクションの再現に一番こだわったそうです。私個人としても,それは実現できていると感じています。シリーズ作を知っている人なら,Xシリーズだ! と思っていただけるのではないでしょうか。
4Gamer:
シリーズファンにはどういったところを見てほしいですか。
橋本氏:
シリーズ特有のダッシュや壁蹴り,しゃがむといった多彩なモーションをスマホ上でどう再現しているのかは,ぜひプレイして確かめてみてほしいです。
4Gamer:
確かに,Xシリーズを思い出すような再現度に仕上がっているように見受けられます。
橋本氏:
あの独特な操作感がバーチャルパッドで違和感なくプレイできる点も実感してください。なお本作はゲームパッドにも対応しています。
4Gamer:
懐かしい面々が揃っていますが,キャラクターについてはいかがでしょうか。
橋本氏:
そこもファンに注目してほしいポイントですね。過去シリーズでプレイアブルキャラではなかったキャラが本作では操作できます。従来の作品では動かせなかったナビゲーターでも遊べますよ。
4Gamer:
敵キャラが使えるのもいいですよね。
橋本氏:
本作ではシグマとかVAVAとかが使えますからね。
4Gamer:
キャラと言えば「ロックマン ゼロ」のシエルとかも登場していますよね。本作はXシリーズ括りというわけではないのでしょうか。
橋本氏:
基本はXシリーズ括りですと言いつつも,すでにかなりのキャラが参戦していますが(笑)。
世界観としては「ロックマンX」のセーブデータが保存されている電脳世界を舞台にしていますが,そこにある「ロックマン」シリーズ全般のハンタープログラムを再現しているので……。
4Gamer:
Xシリーズ以外のデータもあるかもしませんね。ということは,まだ登場していない「ロックマンDASH」や「ロックマン エグゼ」なども期待していいんでしょうか。
橋本氏:
ちょうどアジア版では「ロックマンDASH」のイベントがスタートしたところです。今後も敵キャラやXシリーズ以外のキャラも期待していただければと思います。
4Gamer:
敵も魅力的なキャラが多いので,登場が楽しみです。そういえば,「ロックマンX コマンドミッション」のキャラが結構多く参戦していますよね? 同作はRPGなのでやや外伝的な立ち位置かと思っていたので,参戦は意外でした。
橋本氏:
初期から多く参加していますね。これはとくに意図したものではなく,単純にカプコン台湾の開発メンバーに「ロックマンX コマンドミッション」好きが多かったのが理由だそうです。
開発コンセプトの1つに,「Xシリーズでこんなことができたらいいな」を実現する,というものがありまして。ナビゲーターのプレイアブル化,シリーズキャラの登場,そしてリアルタイム対戦など,やりたいことを全部詰め込んでいます。
4Gamer:
オリジナルキャラであるリコについてもお聞かせください。彼女はどういった経緯で生まれたキャラクターでしょうか。
橋本氏:
Xシリーズに登場してきたナビゲーターは,ストーリーの関係もあって,シリアスで真面目な子が多かったですよね。そこで,これまでとはまったく違ったキャラクターを登場させたいというのが最初の狙いだったようです。
本作の主人公は現実世界の自分自身です。そんなプレイヤーをグイグイと引き込んでくれて,強引だけど憎めない。とにかく明るい性格にしたと開発スタッフからは聞いています。
4Gamer:
キャラクターボイスに上田麗奈さんが起用されたことにも,なにか理由があるんでしょうか。
橋本氏:
カプコン台湾によると,リコが出来上がってきたころに性格とバッチリ合うのが上田麗奈さんだったそうです。上田麗奈さんの天真爛漫で弾けるような元気がリコとマッチしたと聞いています。
4Gamer:
「リコ」以外の登場キャラクターについては,過去作と同じ声優さんが引き続き担当しているのでしょうか?
橋本氏:
一部を除き,キャラボイスの変更はありません。
4Gamer:
配信後に実施予定のイベントなどがあれば教えてください。
橋本氏:
配信から数日後には,ハロウィンイベントが開催されます。そちらではマリノやVAVAなどがハロウィンのコスチュームで登場しますので,ぜひご期待ください!
それ以外にも,ストーリーモードやレベルキャップの開放,「ヤコブ」の上限開放なども順次行う予定です。
4Gamer:
アジア版が先行配信されていますが,日本版の運営体制はアジア版と基本的に同じなんでしょうか。
橋本氏:
アジア版と日本版は,基本的に同じものが入ります。販売されるアイテムなどに多少の違いはありますが,ゲームコンテンツの量は同じですね。ちなみに日本とアジア版でサーバーは別になりますので,対人戦で日本のプレイヤーさんが不利になるようなことはありません。
4Gamer:
そうなると,日本版は最初からかなりのコンテンツが入った状態でスタートになりますね。
橋本氏:
どっさりあります。最初からエンドコンテンツである「ヤコブ」まで実装されていますよ。もちろん,挑戦するにはプレイヤーレベルを40まで上げる必要があります。
4Gamer:
「ヤコブ」はソロで挑むコンテンツですよね。協力プレイだと,どういったエンドコンテンツがあるのでしょうか。
橋本氏:
ちょうどアジア版では,「レイドボス」コンテンツがスタートするところです。一緒の画面で戦うわけではないですが,全員でHPを削っていく新しいプレイが実装されました。
4Gamer:
今後のアップデートも含めてかなりのボリュームになりそうです。ゲームの配信後,さまざまな意見が出てくると思いますが,日本のプレイヤーからの意見は取り入れていく方針でしょうか。
橋本氏:
SNSやお問い合わせなどを通じて,情報は集めていきます。ゲーム内のお問い合わせ機能から要望をいただければ,しっかりと開発スタッフまで届きます。
4Gamer:
なるほど。今後における本作の展開の仕方はどういったものを目指されていくんでしょうか。
橋本氏:
カプコン台湾との打ち合わせでもいろいろと意見は出ていますが,定期的に遊んでいただいているランキング戦にも影響するキャラや武器のバランス調整は日本でも随時反映していきます。
4Gamer:
プロデューサーの視点では,本作を日本で長く運用していくうえで大切にしようと考えているポイントはどこになりますか。
橋本氏:
Xシリーズは昔から応援し続けてくれるファンの方が多い作品だと思っています。だからこそ,ファンの皆さまを大事にしていきたいという想いがあります。ゲームについてはカプコン台湾と協力していいものを作りつつ,ファンの方を蔑ろにしないようにしっかりとご意見は聞いて取り入れていきたいですね。ファンの皆さんと一緒にいいゲームにしていきたいなと思っています。
4Gamer:
ありがとうございました。それでは最後に読者に向けてのメッセージをお願いします。
元々はコンテンツの拡充や不具合修正を整えてから日本市場で展開する予定でしたが,結果的に長いあいだお待たせすることになってしまいました。ようやく日本で配信することができて,嬉しく思っています。スマホでしっかりと本格的なアクションゲームが楽しめます。
遊ぶほどにやれることも増えて楽しくなっていきますし,ストーリーにも力を入れました。対戦モードに関しても,育成だけでなくプレイヤースキルも重要になっていて,やり応えがあります。なかなか体験したことのないアプリになっていると思います。ぜひ一度遊んでみてください。
──2020年10月8日収録。
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