プレイレポート
おかえり,ロスサントス。さらなる進化を遂げた「グランド・セフト・オートV」PS5版プレイレポート
オリジナル版は2013年にPlayStation 3とXbox 360で発売され,2014年にはさまざまな追加要素を盛り込みPlayStation 4とXbox Oneに移植された。それが,さらなるバージョンアップを果たした“最新版”として,ゲーマーの元に再び戻ってきたというわけだ。今回はXbox 360版,PS4版のロスサントスを満喫してきた筆者が,PS5版で再び欲望の街に舞い戻った様子をレポートしてみたい。
なおGTAVには,オンラインモードの「GTAオンライン」が収録されており(GTAオンライン単体バージョンも存在する),現在に至るまで積極的なアップデートと拡張が続けられているが,本稿ではオフラインモード(ストーリーモード)に焦点を絞っている。GTAオンラインについては後日,プレイガイドをお届けする予定なので,しばらくお待ちいただければ幸いだ。
グラフィックスは飛躍的に進化
ハードパワーにより,ロスサントスの生活がより快適に
まずは新たにロスサントス生活を始めようというプレイヤー向けに,簡単にGTAVの概要を説明しておこう。
本作は,アメリカのロサンゼルスをモチーフにした架空の巨大都市「ロスサントス」で,犯罪者としての成功を目指すクライムアクションだ。プレイヤーはかけ出しギャングのフランクリン,名前を変えて悠々自適な隠退生活を送っている元強盗のマイケル,そして“クレイジー”を絵に描いた人物だが妙に憎めない零細薬物ディーラーのトレバーを操り,数多くのミッションという名の悪事に取り組んでいく。
進行状況によって多少の制限はあるが,プレイヤーは上記の3人を自由に切り替えながら,さまざまな角度や視点でミッションや物語を楽しめるのが,従来作との大きな違いだ。ミッション中にもキャラクターを切り替えないと先に進めない場面が多々あり,シングルプレイながら複雑な共同作戦が楽しめる。とくに事前に綿密な計画立案とメンバーの雇用をおこない,銀行や政府施設を襲うド派手な強盗を体験できるのもまた,本作の大きな魅力となっている。
もちろん,広大でバラエティ豊かな自然を有するオープンワールドのロスサントス自体も見所が多く,メインミッション以外にもレースや狩猟などの各種アクティビティや,GTAシリーズならではの皮肉が効きまくったサブミッション「不審者と変質者」などやることは山のようにあり,プレイヤーが手持ちぶさたになることはない。迷ったら,マップに各地に表示されるアクティビティ系のアイコンに移動すれば,新たな体験がプレイヤーを待っているはずだ。
さて本題となる,PS5という新たなプラットフォームで生まれ変わった本作の一番大きな違いと言えば,やはりグラフィックスの大幅な強化だろう。4K解像度にネイティブで対応し,HDR対応やテクスチャの高解像度化,エフェクトの大幅強化が施されている。元々が2世代前のハード,時間で言えば9年近く前にオリジナル版がリリースされたとは思えないほどリッチなビジュアルとなっており,ロスサントスの美しい風景を思う存分堪能できる。
GTAVは,PS4 / Xbox Oneでリリースされた時点でも大幅なグラフィックスの強化がおこなわれていたが,さらに一皮も二皮も“剥けた”印象であり,最新の作品と比べても大きく見劣りしない。前述のPS4 / Xbox One版から追加された一人称視点でプレイすれば,なおさら細かいオブジェクトなどのクオリティに気がつくはずだ。
またグラフィックスに関しては,ユーザー側である程度の調節が可能になっており,最大30fpsとなるが最大限のビジュアルで楽しめる「忠実度重視」,各種エフェクトとフレームレートのバランスを取った「レイトレーシングによるパフォーマンス」,最大60fpsのフレームレートを優先する「性能」から好きなものをいつでも選べる。今回は初期設定の忠実度重視で主にプレイしたが,それ以外に設定してみても大幅にグラフィックスのクオリティが下がるような印象はなかったので,いわゆる“ぬるぬる感”を重視したいなら,設定を変えるのは大いにアリだと感じた。以下に各設定のスクリーンショットを掲載しているので,参考にしてほしい。
グラフィックス面以外では,ロード時間に大幅な削減によるプレイテンポの向上が嬉しいところ。GTAVはシームレスなオープンワールド作品なので,エリアを跨ぐことによる細かい読み込み時間などは存在しないのだが,その代わりにゲームのスタート時やセーブデータの読み込み時に長めのロードが発生する。またミッション開始のタイミングやキャラクターの切り替え時に起こることがある,若干の待ち時間が気になった。
高速のSSDを標準搭載したPS5版では,その状況が大きく改善している。ゲーム開始時のロード時間は引き続き存在するものの,その時間は大きく減少しており(あっという間に完了までのパーセンテージが上がっていく),コントローラを握ったまま長々と待たされることはほとんどなくなった。またミッションの開始やキャラクターの切り替えは非常にスムーズになり,多少のラグこそあるものの,テンポを崩されることはほとんどないと言ってもいいだろう。
オープンワールド作品のような,長時間のプレイが基本となるようなゲームは,細かいロード時間の積み重ねが結果的にかなりのものになることが珍しくない。こういったゲームテンポの向上は,地味ではあるがプレイフィールに確実な影響を与えるだろう。
DualSenseコントローラのフィードバック対応など
細やかなアップデートにも注目
PS5版特有のアップデート内容と言えば,DualSense ワイヤレスコントローラへの対応が挙げられる。より細やかな振動機能の調節が可能になったことで,未舗装の道や荒れた地形を走り出すと振動の強弱がかなりハッキリと再現される。通常の道路を走る程度では,DUALSHOCK4との大きな違いは感じられないものの,ブレイン郡(トレバーが住んでいるマップ北側)の自然豊かなエリアをオフロードカーなどで疾走すると,前述のグラフィックスの強化も相まってかなり気持ちいい。
もちろん爆発発生時などの大きな振動にも対応しているので,派手好きな武闘派プレイヤーも恩恵を受けることができるだろう。細かいところではあるのだが,これを一度体験すると,ほかのコントローラが少々物足りなく感じてしまう。
そのほか,PS5版とXbox Series X版に限る話ではないものの,若干のコンテンツの追加もおこなわれている。オンラインモードのアップデートの恩恵を受ける形で,オフラインモードでも新しいラジオ局が追加されているのだ。テクノやハウスミュージック専門の「Los Santos Underground Radio」,ヒップホップの「iFruit Radio」などが新たに選曲できるようになっており,かつてラジオを聞き飽きるほどプレイしたユーザも,新たな気分でドライブを楽しめるのではないかと思う。
また,こちらもPS5版とXbox Series X版に限った話ではないのだが,オンラインモードのアップデートで追加された車両の一部が,自動でマップに登場したり,ゲーム内のWebサイトから購入できる形で,ストーリーモードでも利用可能になっている。近年のアップデートはオンラインに限定されることが多く,オフラインモードの追加車両は決して多くないのだが,オリジナルのPS3 / Xbox 360版を発売当時にプレイしただけ,というユーザーなら見慣れない車を発見することもあるはずだ。
グラフィックスの強化により,車両のビジュアルはより一層向上しているし,一人称視点なら車内のエクステリア(内装)の違いも楽しむことができる。自動車を含む各種の乗り物は,本作の影の主役とも言える存在なので,興味があればさまざまな車両でミッションやドライブを楽しんで欲しい。
なおPS4 / Xbox OneでGTAVをすでにプレイしているユーザーは,PS5 / Xbox Series Xにセーブデータを移行して,そのまま続きを楽しむこともできる。ロックスター・ゲームスのSocial Clubアカウントが必要になるが,旧世代版からセーブデータをアップロードすると,アカウントあたり1回だけデータの引き継ぎが可能だ。
注意点としては,オリジナル版のPS3 / Xbox 360からは移行できず,さらに前述のとおり,引き継ぎは1回だけ可能なので,自由にデータをやり取りすることはできないところ。旧世代版からのアップロードのやり直しは何回でもできるとのことなので,現行機版で読み込む前によく確認してから実行しよう。
現在のGTAVは,ミッションリプレイがいつどこからでも実行できるので,一通りクリアしたデータを引き継げば,最初からプレイし直さなくても物語やミッションを十分に楽しむことができるだろう。
さて今回は久しぶりにGTAVをプレイしてみたのだが,“やっぱり面白い”というのが率直な感想だ。デフォルトのコントローラ操作や一部のオブジェクトなど,全体的に時代を感じる部分もあるのだが,美しいグラフィックスや派手でハチャメチャなミッション,そして広大なロスサントスなど,色あせない部分が非常に多い。元々9年近く前に発売された作品とは,とても思えないほどだ。
あくまでリメイクではなく移植作であり,オフラインのストーリーモードは基本的に“そのまま”なのだが,あらためて最初からプレイしても十分過ぎるほど楽しめた。そして久しぶりに再会しても,お気に入りのキャラであるトレバーのクレイジーさには感嘆した……という点も付け加えておきたい。
本作がGTAV未経験者に最適であることは間違いない。たとえ経験者でもあっても,オリジナル版が2013年,PS4 / Xbox One版でも2014年の発売ということから,その内容を忘れている人も多いのではないかと思う。シリーズ新作の開発が発表されていることだし(関連記事),最新ハードに甦ったGTAVを体験するのは絶好のタイミングと言える。興味があればぜひ本作を手にとって,ロスサントスの地を踏んで欲しい。
「グランド・セフト・オートV」公式サイト
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