プレイレポート
[プレイレポ]7月に実装される「NGS ver.2」の新コンテンツ「ラインストライク」は,駆け引きが奥深い拠点防衛カードゲーム
2024年7月のアップデートで登場するこのコンテンツは,「PSO2」(PC / PS4 / Switch)の12周年を記念して制作されたもの。“採掘基地防衛戦”をモチーフにした対戦型カードゲームとなっており,本作のプレイヤーであれば誰でも気軽に遊ぶことができる。
本稿では実装に先駆け,「新感覚カードゲーム」と謳われる本コンテンツを体験できたので,そのプレイレポートをお届けする。
「PSO2 ニュージェネシス」公式番組まとめ。対戦コンテンツ「ラインストライク」は7月に。「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」とのコラボも
セガは本日,オンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス ver.2」の公式番組「NGS ヘッドライン」を配信した。番組では,7月に配信される対戦コンテンツ「ラインストライク」の先行PVが公開されたほか,「コードギアス 反逆のルルーシュ R2」とのコラボも発表された。
「PSO2 ニュージェネシス ver.2」公式サイト
15枚のカードでデッキを組み,1対1で戦うカードゲーム
ラインストライクは,手持ちのカードから15枚を選んでデッキを組み,ほかのプレイヤーやNPCと1対1で戦うカードゲームだ。テーマは「拠点防衛」で,自分の拠点を守りながら相手の拠点を破壊することが目的となる。
自陣側と敵陣側には3×3のマスが存在する。ゲームの流れはシンプルで,このマスの中にカードを配置し,縦3ライン(右,中央,左)の戦力値を相手と競いながら進行していく。
各ラインには,最上部に敵,最下部に自分の拠点がある。そして毎ターン,それぞれのラインに置かれたカード戦力値の合計が高いほうが,相手の拠点にダメージを与えられる。
与えるダメージは,その列に置かれた自分のカードの枚数分だけで,最大3ダメージ。拠点の耐久力はそれぞれ“5点”で,0点になると壊れてしまう。先に相手の拠点を2つ壊したプレイヤーの勝ちとなる。
●カードの戦力値が高いだけでは勝てない。スキルや属性も重要
カードには,「戦力値」「コスト」「スキル」「属性」の情報がある。
戦力値は,カードの強さを表す数値だ。拠点への攻撃権を持つのは,ターン終了時に戦力値の合計が高いほうとなるので,非常に大事なものとなる。
コストは,カードを配置するときに消費する。使用できるコストは毎ターン3増えていき,ターンを跨いで持ち越すことも可能だ。カードは,コストがある限り,1ターンに何枚でも場に出せる。
スキルは,各カードが持つ特殊な能力。場に出したときに1度だけ発動する「支援効果」「妨害効果」と,カードが場に存在するあいだ発動し続ける「パッシブ効果」がある。特定のマスに効果を及ぼすスキルもあり,その際はカードの右下に対象となるマスが表示される。
属性は,特殊なカードの出し方「リライト召喚」に関係する。これは手札のカードが,場にあるカードと“同じ属性”で,かつ“高コスト”の場合,そのコストの差分を使って交換できるもの。
ラインストライクでは,カードを出したあとに,そのカードを自由にほかの場所に移動させるといったことができない。そのため,ひとつのラインに3体の低コスト&低戦力値のカードを配置してしまうと,そのラインで攻撃権を取ることが困難になる。それを解決するための仕組みが,リライト召喚というわけだ。
ちなみにスキルを考慮しなければ,2コストのカードを2枚出すより,4コストを1枚出したほうが戦力値が高くなる設計になっている。それもあって,リライト召喚を使いこなすことは,ラインストライクにおいて非常に重要なのだ。
属性は全部で6種類あるのだが,属性によってカードの傾向が異なる。例えば炎属性なら,味方の数に応じて戦力値が増えていくカードが多く,中盤から終盤に強い,といった具合だ。プレイを進めてある程度カードの種類が増えてきたら,リライト召喚をやりやすくするため,ある程度属性を絞ってデッキ構築したほうがいいかもしれない。
コスト5の「ダークファルス【巨躯】」はスキルがないものの,圧倒的な戦力値がある。ただ,コストを5も溜めている余裕はない。そこでリライト召喚の出番というわけだ |
●ゲームの流れ
ゲームが始まると,初期手札としてデッキから5枚のカードが自動的に選ばれる。この手札は1度だけ引き直せるが,5枚すべてを戻して引き直すため,不要なカードのみをデッキに戻すといったことはできない。
初期手札の引き直しは1度のみ,かつまとめて行われる |
初期の手札が決まったら,「カード配置フェイズ」に移る。プレイヤーが操作するのは,基本的にこのフェイズのみで,ほかはすべて自動進行だ。
ターン開始時,プレイヤーはコストを「3」所持しており,この範囲内であれば自由にカードを配置できる。なお,カード配置フェイズが終了して次のフェイズに移行するまでは,対戦相手の動きは確認できない。どこに,どんなカードを配置しているかは,次のフェイズになるまで分からないのだ。
コスト2の「セラフィ」を配置。余った1コストは次ターンに持ち越される |
カードの配置が終わったら,「効果発動フェイズ」に移る。このタイミングで,相手がどこにどんなカードを配置したかが表示され,カードの“配置効果”,つまりスキルが発動する。
相手のカード「ロッティ」の効果により,こちらの「セラフィ」が弱体化された |
スキルの効果が発動したあとは,「戦闘フェイズ」に移行する。両者の3ラインそれぞれで戦力値の合計を比較し,戦力値が高いほうが相手の拠点にダメージを与える。このフェイズで拠点が破壊されたプレイヤーは,カードを1枚引ける。
この盤面なら,中央ラインは相手が勝利,右ラインはこちらが勝利となる。カードの数はどちらも1枚なので,こちらの中央拠点が1ダメージを受け,相手の右拠点に1ダメージを与えて戦闘フェイズは終了する |
ここで勝敗が決まらなければ,コストが3追加されたあと「ドローフェイズ」に移行する。ドローフェイズでカードを1枚引いたら,次のターンのカード配置フェイズが始まる。これを繰り返していき,先に相手の拠点を2つ破壊したほうが勝利となる。
盤面は後半になればなるほど複雑化してくるが,戦闘フェイズで見られるのはあくまで「戦力値」と「味方の数」のみ。ルールは分かりやすい |
勝敗の決まったラインから,いかに有用なカードを移動するかが重要
ラインストライクの最も特徴的な部分は,「配置したカードの場所を自由に変更できない」点にある。
拠点を破壊・破壊されたラインにいるカードは,基本的に何もしない“おサボり状態”になってしまう。戦力値30の「ダークファルス【巨躯】」がいようが,超強化された「ゼノ」がいようが,そのラインの勝敗が決定していれば何もしてくれないので,宝の持ち腐れとなる。
先にも触れた「リライト召喚」が重要になるのだが,これがなかなか狙って実行するのが難しい。そこで活躍するのが,場所の入れ替えを得意とする「風属性」だ。
風属性には,味方や相手のカードの位置を入れ替えるカードが多数存在し,戦況を一気に変えるポテンシャルを持つ。例えば,戦力値が30ある相手のカードを,勝敗がすでに決したラインに移動させてしまえば,とてつもなく大きなアドバンテージを獲得できる。
ただ,任意のマスを選んで任意の方向に移動させる,などという都合のいいカードは存在しない。特定のマスにあるカードを,左右どちらかに移動させるといったものなので,そのマスに移動させたいカードがなければ役には立たない。
そのため風属性のデッキを使うときは,「最終的にどのラインで戦うか」を誘導させるような動きも必要になってくるだろう。
カードの位置を変えられるカードは風属性だけでなく,ほかの属性にも存在するし,複数の属性を組み合わせたデッキも編成できる。相手を移動させるカードを1枚だけ入れて,偶然刺さるタイミングがくることを狙う「ギャンブル的デッキ」もアリだろう。
この入れ替えのシステムがあるため,相手の行動からデッキのカードを予想し,後半の展開を予測するといった高度な読み合いも必要になりそうだ。
カードの移動を好きにできないことと,コストを回復する手段の少なさから,ラインストライクは「大きな戦力(コスト)差があるラインを逆転するのが非常に難しい」と言える。
そのため,ひとつのラインを早めに切り捨て,残ったラインのひとつをできる限り少ないコストで勝利,最後のラインにできる限り注力する,といった考えで進めると勝ちやすく感じた。
ただその過程はシンプルなものではなく,カードの入れ替えやスキルによる味方の強化,相手の弱体化といった“読み合い”が発生することで,非常に戦略性の高い戦いが繰り広げられることになる。
右のラインは早めに見切りをつけ,光属性の特徴である「味方の強化」により中央ラインを勝利。左のラインもこちらが圧倒的有利で,勝利は目前だ |
プレイ開始は簡単。メニューから「ラインストライク」を選ぶだけ
ラインストライクは,各アークス拠点やクリエイティブスペースなどの非戦闘地域で遊べる。メニューの「コミュニケーション」に,「ラインストライク」の項目が追加されているので,それを選択するだけでいい。
プレイモードは,レートが存在するマッチング対戦「レートバトル」と,レートのないマッチング対戦「アンレートバトル」,NPCと対戦する「対NPCバトル」,特定のプレイヤーと対戦する「フリーバトル」の4種類だ。
今回は先行プレイということで,対人戦ではなく,「対NPCバトル」のみをプレイした。ただこのNPC戦も意外と一筋縄ではいかない。
「ビギナー」「ベテラン」「エキスパート」の3つの難度が用意されているのだが,ルールを把握するまではビギナーでも苦戦。エキスパートともなれば,カードの特性やスキルを駆使しないと勝てない,歯ごたえのある対戦が楽しめた。
試遊では,全カードを使用できる状態だったが,実装時はプレイヤー全員が15枚の初期デッキを持った状態でスタートする。
新しいカードは,ラインストライクと同時に配信される「カードスクラッチ」で入手できる。こちらは,レートバトルやアンレートバトル,対NPCバトルの報酬でもらえる「カードスクラッチ補助券」を10枚集めると,1回引くことができる。
また,手軽にカードを増やしたいプレイヤーのために,ACで購入できるスターターセットやカードスクラッチ補助券の直接購入も用意されるそうだ。このあたりは,自分のプレイスタイルや財布と相談して購入を検討しよう。
今回の試遊は2時間ほどだったが,1ゲームの時間が安定して短く,ルールも非常に分かりやすく,すぐにゲームを楽しめた。また,お手軽ではあるが,カード効果を覚える必要があったり,奥深い読み合いも発生したりと,硬派なカードゲームに仕上がっているという印象も受けた。
ルールの完成度は高く,カードゲームというジャンルが好きなプレイヤーなら刺さる部分があるはずだ。
また先にも述べたが,今回はすべてのカードが揃った状態でのプレイだった。ただ筆者は,カードゲームは「カードが揃っていない状態から,カードを手に入れていく過程が一番楽しい」と思っているので,実装後のプレイが非常に楽しみである。
カードスクラッチの演出も気になるところ。「カードの入手感」についても体験できていないので,いまからワクワクしている。
ラインストライクの実装は7月とのこと。セントラルシティに先行配置されたNPC「ヴィクトリア」を眺めつつ,楽しみに待ちたい。
「PSO2 ニュージェネシス ver.2」公式サイト
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