プレイレポート
「メタリックチャイルド」プレイレポート。刻々と変化する状況の中で,テンポのいいバトルを楽しめるローグライトアクション
舞台となるのは,ロボット達が反乱を起こしたことで地球へと落下し始めている宇宙実験室「ライフストリーム号」。プレイヤーは,このライフストリーム号の落下を食い止めようとしている,感情を持つアンドロイド「メタリックチャイルド」のロナに,地球から偶然に接続してしまった“あなた”となり,破壊されて一人では動けなくなってしまったロナを外部から操作して敵と戦うことになる。
宇宙実験室ライフストリーム号は,ロボット達の反乱によって地球に落下しつつある |
ロナのサポート役のロボット・パン。人間不信に陥っており,“あなた”につらく当たることも |
「メタリックチャイルド」公式サイト
基本的なゲームの流れは,拠点となる実験室からステージを選択して出撃し,最後に待ち受けるボスを倒すというもの。地形や敵の配置,落ちているアイテムが毎回変化するため,常に新鮮な気持ちでステージに挑戦できる。
ロナの行く手を阻むのは,反乱を起こした敵ロボットの軍団だ。それに立ち向かうための武器は,攻守のバランスが取れた「ソード&シールド」,素早いパンチで攻撃できる「ガントレット」,攻撃速度は遅いが一撃のダメージが大きい「ハンマー」の3系統が用意され,それぞれ異なる立ち回りを楽しめる。
ステージ中のショップや宝箱などからは,さまざまなスキルが付いた武器を入手可能で,飛び道具を撃ったり,地雷を仕掛けたり,味方となるドローンを呼び出したりと,スキルに合わせてアドリブで立ち回りを変えていくのが面白い。
ハンマーは攻撃速度は遅いものの,一撃の威力は高い |
ガントレットは素早いパンチを叩き込む |
マップにはランダムで武器が落ちていることもあり,それらには特別なスキルが付いている |
敵ロボットは群れをなして襲ってくる。雑魚なら簡単に倒せるが,中型の敵は攻撃範囲が広かったり,耐久力が高かったりして厄介だ。しかし,中型の敵は攻撃の前に見せるモーションが分かりやすいので,しっかりと回避や防御をすればノーダメージで倒すことも可能。一気に蹴散らせる雑魚と,きちんと攻撃パターンを見極める必要がある中型の敵が絶妙のバランスで出現し,程よい爽快感と緊張感が味わえる。
そんなバトルにおけるアクセントになっているのが,相手を掴んで吹き飛ばす「投げ」だ。吹き飛ばす方向は自由に決められ,ほかの敵やトラップにぶつけることでダメージを与えられる。周囲の状況を素早く判断し,狙い澄ました投げが決まれば気分も爽快。トラップが多いマップでは投げで敵を巻き込んで,サクサクと邪魔者を片付けることもできる。
敵を倒すと,ロナに特殊な効果を及ぼす「コア」が手に入ることがある。これは本作の中でも,とくに面白い要素だ。コアにはプラスとマイナスの効果を持つものがあるが,手に入れるまで,どんなものかは分からない。また,効果には制限時間があり,コアは割と頻繁に手に入るため,特殊効果がどんどん入れ替わって状況が変化していく。そして,効果がマイナスのコアも長い目で見れば役に立つという,ユニークなシステムになっている。
コアのプラス効果としては,「敵を倒すたびにHPが回復」「敵から攻撃されると,その敵にもダメージを与える」といったものがある。一方,マイナス効果には「スキルが使えなくなる」「防御力が下がる」といったものから,「ロナの姿が『マインクラフト』風のボクセルになる」「画面にスパム広告のウインドウが居座る」「ロナの頭だけが巨大化する」といったものまで,多種多様なものが存在する。マイナス効果は避けたいが,効果は取ってみるまで分からないのでドキドキする。
プラス効果もマイナス効果も,バトル中に一定時間が過ぎると消えてしまう。そのうえコアは次々と手に入り,コアを装備できる3つの枠がすべて埋まっていても,新しいものを取れば古いものから上書きされていく。要するに,多少マイナス効果が出ても気にせず,どんどんコアを取っていくプレイが有利なのだ。
こうしてコアを使い切ったり,上書きしたりするたびに「コアエネルギー」が蓄積され,最大値に達すると「スーパーコア」が手に入る。スーパーコアには時間制限がなく,拠点に戻るまでずっとパワーアップ状態が継続し,その効果も「敵が多いほど攻撃力が上がる」「コンボ数が増えると周囲の敵に雷が落ちる」など便利なものばかり。ただし,強力なスーパーコアを入手するためには,マイナス効果のコアを使い切ったり,削除したりするたびにもらえる「バグデータ」が必要で,マイナス効果で苦労したぶんだけプレイが楽になるというのも面白い。
各ステージの最終フロアには,ボスであるほかのメタリックチャイルドが待ち構えている。どれもタフなうえに,ブラックホールや隕石弾,手下の召喚といった特殊な攻撃まで使ってくる強敵だが,見事倒せればボス達が使っていた武器が手に入り,戦いが楽になっていく。ボスと戦うたびに「今度はどんな特殊スキルが手に入るのか?」と楽しみになってくるのだ。
また,途中で倒されても拠点に戻されるだけで,大きなペナルティはない。拠点では,敵から手に入れた「チップ」(お金のようなもの)でロナの能力を底上げできるので,たとえ負けてもそれまでのプレイが無駄にならないのが嬉しいところだ。また,前述のとおりスーパーコアによるパワーアップ効果が強烈なので,一度は負けたボスでも,運良く強い効果を引ければ圧倒できるなんてこともある。一度や二度の失敗でしり込みせずに,どんどん挑戦しよう。
そして本作のもう1つの魅力が,ロナの健気さと可愛らしさ。戦闘用ではないロナがボロボロになりながら,より高性能で戦闘に特化したメタリックチャイルドと戦っていく姿は思わず応援したくなる。ロボット達の反乱を首謀しているのは,ロナの生みの親であるアイリーン博士のようだが,かつて優しかった博士に何が起こったのか……と,ストーリーからも目が離せない。
物語はなかなかにシリアスだが,イベントにはコミカルなものも多く,プレイヤーの心を和ませてくれる。例えば,ロナと会話する際に選ぶ選択肢には,ほとんどの場合とぼけたものが入っており,それを選んだときの生真面目なロナのリアクションが面白い。
また,ランダムで発生するクエストの中には「ロナの戦闘を中継する配信者に協力し,撮影ドローンが映している敵を倒して視聴者を増やしていく」といったものも存在する。ロナが戦うたびに視聴者のコメントが画面上に流れる演出には,つい笑ってしまう。
さらにゲームを進めると,さまざまな効果を持つコスチュームを作れるようになり,「Skul」「Enter the Gungeon」といったインディーズゲームの主人公になりきれるものや,何の効果もないカボチャの着ぐるみなどもあって,着せ替えも楽しめる。
ローグライトゲームとしての面白さやアクションの爽快さはもちろん,キャラクターの可愛らしさや,結末が気になる物語など,見どころの多い「メタリックチャイルド」。Steamでは,PC向けの体験版も配信されているので,気になる人は,まずはこちらから試してみてほしい。
「メタリックチャイルド」公式サイト
「メタリックチャイルド」Steamストアページ
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