インタビュー
「モンスターハンターストーリーズ2」開発陣にメールインタビュー。最新トレイラーの疑問に加え,新規要素やゲームシステムについて聞いた
今回回答いただいたのは,本作のプロデューサーを務める辻本良三氏,ディレクターの大黒健二氏,アートディレクターの川野隆裕氏の3人。最新トレイラーで気になる疑問点だけでなく,本作からの新規要素やゲームシステム,改修した部分についても聞いたので,ぜひ読む進めてほしい。
「モンスターハンターストーリーズ2 〜破滅の翼〜」公式サイト
4Gamer:
4月27日に最新トレイラーが公開されました。それには前作キャラクターのリリアとリヴェルトが登場しています。設定としては前作の数年後の世界となるのでしょうか。
開発チーム:
前作からは4年ほど時間が経過しており,ライダーという存在がハンター社会にもしっかりと認知されるようになった舞台設定です。ただ,実際の社会と同じように,それを受け入れる人と受け入れられない人さまざまだと思います。詳しくはお話しできませんが,「ハンターから見るライダーとは」がストーリーの根幹にあります。
4Gamer:
リリアとリヴェルト以外にも前作の登場人物が活躍するのでしょうか。前作主人公の登場にも期待したいところです。
開発チーム:
今後の情報にご期待ください。
4Gamer:
前作と今作に登場するナビルーは姿かたち,さらには声優さんも同一ですが,何か関係はあるのでしょうか。
開発チーム:
同じキャラクターになります。前作のナビルーが今作も登場します。ストーリーズは,ユーザーの皆さんが主人公となって冒険する,いわゆるJRPGスタイルのゲームです。そのため「主人公の代弁者」となるキャラクターがいるほうが構成しやすく,ナビ役をどうするかは課題の1つでしたが,最適なキャラクターはやはりナビルーでした。今作でも重要かつ,いつもポジティブに勇気づけてくれる大切なキャラクターです。
4Gamer:
前作に登場するリオレウスとPVにも登場するリオレウスはどちらも顔に傷があります。こちらは同一の個体なのでしょうか。そうでなければ何か関係はあるのでしょうか。
開発チーム:
こちらは違います。今作は前作の主人公とレウスとの関りはなく,新たなライダーとレウスの物語を描いています。続編を作るなら前作とはつながりがあるようにしたい,でも前作を知らないと十分に楽しめないのはダメ,と考えていました。
そこで前作のキャラクターを引き継ぐのではなく,別の主人公像,つまり新たなレウスライダーの物語を描く指針が定まりました。主人公と新キャラクターを軸に物語は展開していきますが,前作キャラクターと接点がある形を考えました。
4Gamer:
リオレウスが消えてしまった世界という設定ですが,何か原因はあるのでしょうか。
開発チーム:
その原因を明らかにしていくのが今作のストーリーの根幹になりますので,詳しくはお話しできません。
4Gamer:
現在,PVに登場する顔に傷のあるレウス,レドのオトモンであるレウス,そして破滅レウスが確認できていますが,これ以外のレウスはすべていなくなったのでしょうか。
開発チーム:
こちらも先の質問と同じく,詳しくはお話しできません。
4Gamer:
希望か破滅かという文言もありますし,破滅レウスの存在が1つのキーワードになっていると思われます。ストーリー部分の見どころをお答えできる範囲でお聞かせください。
開発チーム:
世界からリオレウスが消えた後に残されたタマゴ,それは破滅をもたらす伝説のレウス。そのタマゴを託された主人公と追いかけるハンター,さまざまな思惑と異常事態の真相がストーリーの大きな見どころです。
守り育てるのがライダーの宿命として,このレウスとどのように成長していくのかをプレイヤーとしてゲーム体験していただきたいです。
4Gamer:
PVでは,前作に登場しなかったクロス以降のモンスター(ディノバルド,ガムート,トビカガチ,バゼルギウス)が登場していました。ライズからも新規モンスターの登場はあるのでしょうか。
開発チーム:
具体的に何体かは言えませんが,「モンスターハンター:ワールド」や「モンスターハンターダブルクロス」から多くのモンスターが登場します。「モンスターハンターライズ」から新登場したモンスターは,残念ながら本作には登場しません。ただ,今はまだお伝えできませんが,今後の発表をお待ちいただければと思います。
4Gamer:
今作でも前作に引き続きターン制コマンドバトルが採用されています。こちらは制作の初期段階から決まっていたのでしょうか。また,変えなかった理由もあればお聞かせください。
開発チーム:
ストーリーズは,アクションのモンスターハンターではない,新たな柱として育てていきたいシリーズです。アクションが苦手な方やRPGが好きな方に遊んでいただきたいと考えております。前作を遊んでいただいたお客様からは好評で,「モンハンをRPGとして上手くアレンジしている」という声もあり,ここを変更する必要性は感じておりません。
4Gamer:
前作のバトルから変更した部分や追加されたシステムで見どころがあればお聞かせください。
開発チーム:
上の回答から続きますが,だからといって当然そのままで大丈夫とは思っていませんでした。3すくみで勝とうとするとランダム要素が強めな課題があり,今作のバトルシステム改修につながっています。
前作は「モンスターのクセを読んでバトルを有利に展開できる」という狙いでバトルシステムを考えましたが,完全に読める=固定化はつまらないと思い,揺らぎを入れました。しかし,その揺らぎが結局運の要素であり,勝っても負けても納得感が薄いと反省しました。
そこで今作は,揺らぎを廃止する方針でバトルシステムを改修することにしました。ただ,懸念していたことは「確実に勝てるジャンケンが楽しいのだろうか」という点です。それは杞憂どころか,すごく面白いバトルシステムに改修できたと感じています。アクションMHの上級者は,モンスターの動きを読んで「ずっと俺のターン」の立ち回りをしますが,今作のバトルはその「ずっと俺のターン」の気持ちよさが再現できていると思います。
アクションの腕前に自信がなくてもすぐにコツはつかめると思いますし,RPGなのでレベルを上げることで誰でも勝てるようになります。アクションが苦手な人こそ,このゲームでモンハンの楽しさを味わっていただきたいです。
4Gamer:
前作から続投となる,大剣,片手剣,ハンマー,狩猟笛の4種類の武器に加え,ガンランスが発表されました。こちら選ばれた理由があれば聞かせてください。
開発チーム:
「RPGの中でどのように差別化ができているか」ということが大切です。アクションMHでは武器ごとの触り心地や使い勝手,立ち回りの距離感など多くの要素で差別化が図れますが,ストーリーズはコマンドバトルの中での差別化を考えないといけません。見た目や性能,人気も理解していますが,それよりも遊びの中で違いを出すことを重視した結果です。
また,ストーリーズは,ハンターとして狩りを楽しむのではなく,ライダーとしてモンスター育成を楽しむゲームですので,武器種を増やすことよりもモンスターを増やすことに軸を置いています。
4Gamer:
ガンランスといえば,堅実な立ち回りと派手なアクションがモンスターハンターシリーズでは特徴的な武器となっています。本作での特徴やポイントをお聞かせください。
開発チーム:
「弾」と使うという点でほかの武器とは大きく違う特徴を持っています。弾を溜めて砲撃スキルで3すくみに勝つと絆ゲージが一気に上がるという,“ロマン”あふれる武器です。ほかの武器種とは違う独自のシステムで,相手の手を読み切らないといけないという点で,とくに対戦ではギャンブル性の高い武器になっています。
4Gamer:
通信プレイについても聞かせてください。ほかのプレイヤーと協力する共闘クエスト――共闘探索クエスト,共闘討伐クエスト,共闘トライアルクエストの3つが公開されています。こちらはモンスターハンターシリーズと同じく,だれとでも自由に協力プレイができるのでしょうか。また,フレンドを指定して一緒に共闘を楽しむということも可能でしょうか。
開発チーム:
どちらも可能です。続編としてどこを広げようかと考えたときに,モンハンといえば「共闘」なので,自然とその流れになりました。ただし,どのように共闘を楽しんでもらうかが大きな課題でした。別モードとして割り切って実現する形だけではダメで,ストーリーでも共闘を感じられ,エンドコンテンツでさらに広がっていく,繰り返して遊ぶことができる,ということを考えました。
通信で友人と一緒に遊ぶときは,ミッション=クエストを受注して一緒に挑戦するモードで遊んでいただくことになります。一方で,ストーリー進行では,ストーリー中に出会う仲間との共闘が楽しめるようにしています。バトルだけでなく,ストーリー展開でも共闘を楽しめる構造になっております。
4Gamer:
共闘探索クエストでは通信プレイ時のみに入れるダンジョンが用意されるとのことですが,こちらは複数用意されているのでしょうか。また,ここでしか入手できないタマゴやモンスターが登場するとのことですが,1人プレイでもダンジョンに挑戦はできるのでしょうか。
開発チーム:
いくつかのテーマが設定されたダンジョンを用意しています。共闘探索クエストのダンジョン内部構造は固定ではなく,ランダム生成されます。また,巣は1つではなく複数ありますので,1度の探索で多くのタマゴを入手でき,繰り返し遊んでも楽しめるようになっております。
1人でコツコツも楽しめますが(NPCがパートナー替わりをしてくれます),友達と一緒に協力し合いながら探索するとより一層楽しめます。
4Gamer:
対戦バトルについても聞かせてください。こちらは単純に対戦を楽しむモードなのでしょうか。勝利することでなにか特別な報酬は用意されていますか。
開発チーム:
はい,前作同様,自分が育成したパーティで対戦を楽しむモードです。前作は1vs1(プレイヤーが1vs1で,各プレイヤーはライダー1人とオトモン1体を操作)でしたが,今作では対戦においても共闘を組み込んで,2vs2でのタッグマッチができるようになりました。今作は勝ち負けに関わらず,共通のアイテムがもらえるようになっています。参加していただくことも重きを置いています。
4Gamer:
ルールを見ると,フラットルール,ガチンコルール,クイックルールと複数用意されています。競技性のようなものも感じるのですが,例えばレーティングやランクマッチのようなものは用意する予定でしょうか。
開発チーム:
このルールは前作と同様のルールで,前作のルール数よりも絞り込みました。レーティングについては内部的に採用していますが,あくまでプレイヤーのレベルが大きく異なる相手とのマッチングをなるべく避ける意味合いが大きく,ランキングを意識させて競わせない形にしています。上の回答と同じポリシーになりますが,勝ち負けにこだわるよりもカジュアルに遊んでいただくことを優先しています。
4Gamer:
今作はプラットフォームが前作の3DSからSwitchとSteamに変化しました。ビジュアルやグラフィックス,演出などさまざまな面で強化されたと思うのですが,とくにこだわった部分をお聞かせください。
開発チーム:
前作の低年齢層向けのイメージから,より幅広い層の方がプレイしても十分楽しめるタイトルとして進化するために,デザインの情報量や色使いをすべて設計し直しました。
4Gamer:
全世界同日発売ということで,前作以上にワールドワイドを意識した作品だと感じました。海外ユーザーからの反響はいかがでしたか。
開発チーム:
「モンスターハンター:ワールド」がおかげさまで非常に多く方に遊んでいただき,世界中でシリーズのファンが増えました。その方たちに,さらにモンスターハンターの世界を楽しんでいただくために,全世界同日発売を決めました。これまで3つのPVを公開しましたが,おかげさまで海外のファンにも好評で,とくにビジュアルの雰囲気を気に入っていただいているようです。
4Gamer:
7月9日の発売まで残すところ2か月ほどとなりました。今後展開する情報の露出などの予定があれば聞かせてください。
開発チーム:
時期はお伝えできませんが,まだまだ公開する情報はたくさんありますので,今後の情報にご期待ください。
4Gamer:
体験版の配信は予定されているのでしょうか。
開発チーム:
すみません,今はお伝えできる情報がありません。
4Gamer:
最後に発売を楽しみにしているファンや読者にメッセージをお願いします。
開発チーム:
前作から5年経ちましたが,ようやく発売まであと少しのところまできました。遊びやすく丁寧に作った自信作です。ぜひ遊んでいただき,RPGだからこそできるストーリー展開,RPGなのにしっかりとモンハンらしいゲームということを感じてほしいです。
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