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新作ボドゲ「ゴジラ」がいち早くプレイできた,アークライトの新作ボドゲ体験会レポート。初代ゴジラの恐怖を再現した“LEGENDS”シリーズ第1弾
本稿では同体験会で遊べたタイトルの中から,「ゴジラ」と「クイックショット!」の2タイトルを紹介してみたい。
「Kaiju on the Earth LEGENDS(第1弾)ゴジラ」公式サイト
ゲームマーケット公式サイト
1954年の記念すべき1作目をゲーム化した「ゴジラ」
まずは「Kaiju on the Earth LEGENDS」の第1弾として,4月23日の発売が予定されている注目作「ゴジラ」についてだ。
本作は,アークライトとドロッセルマイヤーズが共同で展開するオリジナルボードーゲームシリーズ「Kaiju on the Earth」の派生作にあたる。同シリーズはオリジナル怪獣を題材としてすでに3作品が発売されているが,この「〜LEGENDS」は特撮映画やテレビなどに実際に登場した怪獣を扱ったシリーズになるとのこと。
その第1弾となればやはりゴジラ,しかも1954年の第1作「ゴジラ」が題材ともなれば,これは期待するなというのが難しいくらいだ。
ゲームとしての本作は,1人(ゴジラ)対1〜4人の非対称対戦/協力型ボードゲームだ。ゴジラ側は東京を蹂躙して勝利点を稼ぎ,人間側は東京都知事・千葉県知事・埼玉県知事・神奈川県知事となって住民を東京から避難させたり,ゴジラを倒すための生体破壊兵器オキシジェン・デストロイヤーを使ったりすることで勝利点を獲得。最終的に勝利点が多い陣営が勝利となる。
今回筆者は都知事としてプレイさせてもらったのだが,とにかくゴジラの圧倒的な強さに何度も「あちゃ〜」という声を出してしまった。歩くだけでそのマスの避難者はやられてしまい,放射熱線を吐かれたら最大5コマ先まで壊滅状態。どう避難させようと作戦を練っても必ず犠牲が出てしまう。
ゴジラの移動や熱線はすべてダイス運だ。ゴジラは最初にダイスを3個持っていて,これを同時に振ることで移動や熱線が決まっていく。3個なら「1歩移動して2マス熱線」や「2歩移動して熱線ナシ」などの出目がせいぜいだが,都内名所を破壊することでゴジラのダイスや“振り直しチップ”が増加。最大で「3歩移動+3マス熱線」「2歩移動+4マス熱線」などと,その破壊力はどんどんアップしていくこととなる。
人間側の知事はラウンドごとに配置される避難者コマを逃がすため,避難経路を作成していく。1ラウンドにつきランダムで5枚の避難経路タイルを開いて,各都市をつないでいくのだ。避難経路タイルは3種類あり,同じ種類でつなげば避難者コマを一気に進ませることができるが,違う種類だと乗り換えが発生するため,移動には次のラウンドを待つ必要がある。
また,このタイル配置にかけることができる時間は2分しかない。この時間内に各知事であーだこーだと相談し,どういう経路で避難させるかを検討・決定しなければならないのだ。
東京都知事「ゴジラはこっちにくるから,ここで2マス分の熱線吐かれたら……」
神奈川県知事「ここに戦車があるから熱線はいったん食い止められるはず」
千葉県知事「あっちで熱線を吐かれたら避難路を壊されて,千葉まで帰れないよ」
ゴジラ「いまダイスは5個だからね。ゾロ目4つ出れば1歩と4マス熱線だから,このへんまで届くよ!」
各知事「えーっ,まさかーーー(汗)」
そのまさかが起こったりするから恐ろしい。今回のプレイ中,うまくつなぐことができた東京市群方面と埼玉方面への避難路が熱線で一気に破壊され,予定していた避難者コマは誰一人帰れなくなったことがあった。あまりの事態に,筆者も絶望を感じたくらい。まさにゴジラである。
このようにゴジラによって蹂躙されまくる都内だが,人間側も希望を捨てたわけではない。報道コマをうまく避難させて新聞記事に載せることができれば,芹沢博士の心を動かしオキシジェン・デストロイヤーが使用できるようになる。見事ゴジラを倒せれば,大量の得点を獲得できる!
ただ,これはそう簡単なことではない。報道コマを避難させると報道カードを獲得できるのだが,まずはこれを8種類集めなくてはならない。報道カードは8種類各3枚の計24枚あるが,単純に「8枚」ではダメなのだ。「8種類」集めなければオキシジェン・デストロイヤーは完成しない。
アークライトの担当者曰く,「12枚引けば50%くらいの確率で8種類揃いますね」とのことだったので,どうにか頑張って12枚獲得したが,引いた報道カードの表が見られるのはゲーム終了のタイミングだ。あとは50%の確率にかけるしかない。
そしてついに報道カードを確認するときがきた。1枚ずつめくっていき,並べていった結果……見事8種類コンプリート! 見事,オキシジェン・デストロイヤーが完成させることができた。これでゴジラが倒せる。人類の勝利だ! と人間側のプレイヤー3人で喜びを分かち合う。
……のだが,実はゴジラ側も大量得点しており,オキシジェン・デストロイヤーによる得点を持ってしても,知事側の勝利点はゴジラを上回ることはできなかった。勝利条件はゴジラを倒すことではなく,あくまで勝利点。つまり,今回はゴジラ側の勝利でゲームは幕となってしまった。ぐぬぬ,残念だ。
だがいい。オキシジェン・デストロイヤーを完成させることができたので,試合には負けたが勝負には勝ったとも言える。次に遊ぶときは,ぜひゴジラ側で遊んでみたいところだ。
ゴジラ
プレイ人数:2〜5人
プレイ時間:50〜70分
対象年齢:10歳以上
発売元:アークライト
価格:6930円(税込)
発売日:2022年4月23日
ゲームデザイン:川崎晋(カワサキファクトリー)
ディレクション:渡辺範明(ドロッセルマイヤーズ)
公式サイト:https://arclightgames.jp/product/613godzilla/
カナイセイジ氏が手がけるバトロワカードゲーム「クイックショット!」
6月発売予定の「クイックショット!」は,アークライトのカジュアルボードゲームレーベル・キャラメルシリーズ最新作だ。「小さい・かんたん・超楽しい!!」がキャッチフレーズの小箱モノで,「クイックショット!」は発売済の「ワードッチ」(税込1320円),「ピッタンコはんはん」(税込1320円)に続く,第3弾タイトルとなっている。
デザイナーは「ラブレター」のカナイセイジ氏で,ゲームマーケット2021春に出展した「レースメイカー」を,キャラメルシリーズとしてリメイクしたのが本作とのこと。なおリメイクにあたって,モチーフが競馬からバトルロイヤルシューティングゲームに変更されている。
プレイ感覚としては「ラブレター」に近く,手札の中から1枚カードを出して,一番強いカードを出したプレイヤーがそのラウンドの勝者となる。勝者は次のラウンドの1枚目のカードを出すことができ,これを続けながら最後まで勝ち残ったプレイヤーが最終的なゲーム勝者となる仕組みだ。
本作の特徴は,カード効果がとにかく極端なことだ。全員カードを表にしたら,まずはバッティング処理が入って,同じ数字(1から8まで)のカードは裏にする。そのうえで表になっているカードで小さい数字から効果を処理していくのだが,たとえば「5」のカードは「カードが裏の人は脱落する」となっており,バッティングしてカードを裏にしたプレイヤーはここで即ゲームから脱落となるのである。
こんな感じで進めていき,最後の1人になった人が勝利。たしかにこれはバトロワっぽい。プレイ人数は2〜7人だが,バトロワテイストなだけにできるだけ大人数で遊んだほうが楽しめそうだ。
クイックショット!
プレイ人数:2〜7人
プレイ時間:5〜10分
対象年齢:8歳以上
発売元:アークライト
価格:1320円(税込)
発売日:2022年6月発売予定
ゲームデザイン:カナイセイジ
ゲームマーケット2022春は,4月23日・24日開催
冒頭でもお伝えしたとおり,今回紹介した「ゴジラ」はゲームマーケット2022春での初販売が予定されている。店頭販売も同日なので,会場で開幕ダッシュしなければ……なんてことはなさそうだが,イベント限定価格(税込6500円)で購入できるそうなので,来場予定の人はお見逃しなく。
また「クイックショット!」は残念ながら販売が間に合わないが,同じキャラメルシリーズの「ワードッチ」と「ピッタンコはんはん」はイベント限定価格で購入できる(税込1000円)そうなので,まだ持っていない人は足を運んでみるといいかもしれない。
「Kaiju on the Earth LEGENDS(第1弾)ゴジラ」公式サイト
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