紹介記事
「デススマイルズ」「怒首領蜂大復活」「ケツイ〜絆地獄たち〜」……近年移植ラッシュのケイブSTG! 年末年始は弾幕と戯れよう
近年,コンシューマゲーム機への移植版が多数のメーカーからリリースされており,しかも20余年を経ての初移植だったり,新要素が追加されていたり,携帯電話向けアレンジ版の移植という変わり種だったりと,バラエティ豊かなラインナップとなっている。
そんな移植版の数々を総括すると共に,各タイトルの概要とオススメ度をお届けしよう。オススメ度の基軸は「難度(標準で選択可能な範囲における最低難度での1周クリアが基準) / やりこみ度 / 初心者向け度 / おまけ」の4種類だ。なお,本稿ではパブリッシャや権利元にかかわらず,ケイブの開発によるシューティングゲームを総じて“ケイブSTG”と表記する。
デススマイルズI・II
プラットフォーム:PS4 / Nintendo Switch / Xbox One
発売元:シティコネクション
発売日:2021年12月16日
価格:
通常版:5980円(税込)
特装版:9980円(税込)
ダウンロード版:4950円(税込)
シティコネクションから12月16日に発売されたばかりの「デススマイルズI・II」は,家庭用移植版の「デススマイルズ」および「デススマイルズIIX 魔界のメリークリスマス」をセットにして再移植したものだ。少しややこしいが,アーケード向けで2007年にリリースされた「デススマイルズ」,そのバージョンアップ版である2008年にリリースされた「デススマイルズ メガブラックレーベル」,2009年にリリースされた「デススマイルズII 魔界のメリークリスマス」といった3タイトルの家庭用移植版が収録されており,各タイトルに3種類のゲームモード(アーケード版の移植 / 高画質版 / アレンジ版)があるため,都合9種類のゲームをプレイできる。
収録内容自体はXbox 360やPCでリリースされている旧移植版とほぼ同様なのだが,それらを購入したプレイヤーでも嬉しいのが,「ゴシックは魔法乙女〜さっさと契約しなさい!〜」(iOS / Android / Amazon。以下,ごまおつ)とのコラボDLCだ(特装版に同梱のDLCカードの利用,もしくは各ストアで購入。販売価格は2970円・税込)。このDLCを適用すると,時系列的には「デススマイルズ」シリーズの後の物語である「ごまおつ」からラナン,カトレア,スフレ,プルメリア,ロザリーの5乙女を自機として使用できるようになる。単にプレイヤーキャラクターが変化するものではなく,幕間の会話シーンやBGMなども新規のものとなるので,アーケード版や過去の移植版をやりこんだという人でも新バージョンとして楽しめる。
「デススマイルズ」シリーズはプレイ中に一定の範囲で任意に難度を選択できるのだが,その振り幅が非常に大きい。「デススマイルズI・II」で初めて「デススマイルズ」シリーズに触れるという人は,「デススマイルズ メガブラックレーベル」のノーマルをサキュラ使用,または「デススマイルズIIX」のノーマルをフォレット使用で,低難度&エクストラステージ無しのノーコンティニュークリアに挑戦して,成功したらキャラクターを変えてみたり,難度を上げてみたりしてみよう。
- 難度:☆☆☆ まずは低難度&強キャラで1周クリアを目指そう。
- やりこみ度:☆☆☆☆ レベル999進行は修羅道。ただ真ボスは薄味。
- 初心者向け度:☆☆☆☆☆ 入り込みやすく奥深い,ケイブSTGの優等生。
- 牛度:☆☆☆☆☆ 牛の出るゲームは良いゲーム。パッケージアートにも出ているから超良いゲーム。
「デススマイルズI・II」公式サイト
怒首領蜂大復活
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:2021年11月25日
発売元:Live Wire
価格:2500円(税込)
Live Wireから11月25日に発売されたNintendo Switch版「怒首領蜂大復活」の収録ゲームモードもまた多い。本作には,2008年にリリースされたアーケード版準拠の“ver 1.5”,それをベースにボム増量&敵強化のハイテンション仕様化した“ver 1.51”,「弾幕検定死検」にも通じるチャレンジ系ゲームに改修された“アレンジB”(Ver B),自機が前作「怒首領蜂大往生」のTYPE-Aになる“アレンジA”(Ver L),ver 1.5を初心者向けに調整した“ver 1.5 ノービス”,2010年にリリースされたマイナーチェンジ版“ブラックレーベル”,その自機が「ケツイ 〜絆地獄たち〜」のTYPE-Aになる“ブラックレーベル アレンジ”,ブラックレーベルを初心者向けに調整した“ブラックレーベル ノービス”といった8モードが含まれている。なお,各モードとも標準で高画質化が施されている。
アーケード版などを経ずに本作で初めて「怒首領蜂大復活」に触れる人は「どれからやればいいんだ?」と戸惑うだろう。基本的にはVer 1.5とブラックレーベルが“普通”で,Ver 1.5 ノービスとブラックレーベル ノービスはそのまま“初心者向け”,ver 1.51とアレンジBは“『怒首領蜂大復活』のやりこみ勢向け”,アレンジAとブラックレーベル アレンジは“ケイブSTGのやりこみ勢向け”と捉えてもらえばちょうどいいはずだ。微妙にややこしい“裏ルート”要素は,単にノーコンティニュークリアするだけならあまり関係ないが,旧作のボスや真ボスの]-[|/34<#!(ヒバチ)と戦えたりするので,1周クリアが安定してきたら条件を調べて挑戦してみよう。
本作も基本的にはXbox 360やPC向けにリリースされた旧移植版とほぼ同様だが,ちょっとした仕様変更が施されており,ブラックレーベルおよびブラックレーベル ノービスのトレーニングモードから隠しボスの_@-zv_@(ザツザ)に直接挑戦できるようになっている。ブラックレーベルではでは出現させるだけでも「素人お断り」どころか「玄人でも死ぬがよい」の_@-zv_@だが,ブラックレーベル ノービスなら常人でも撃破可能な強さだ。
- 難度:☆ 「怒首領蜂大復活 Ver 1.5」表1周は,恐らくアーケード向けケイブSTGの中で最もカンタン。ノービスはさらにカンタン。
- やりこみ度:☆☆☆☆☆ 一方で_@-zv_@は一般的な人間のキャパシティをはるかに超えた存在。死ぬがよい。
- 初心者向け度:☆☆☆ システムの把握や活用はけっこう難しい。楽しさが分かってくるのは慣れてきてから。
- もうおこった度:☆☆☆☆☆ むてき〜!(無敵ではない)→もうおこったお!!(即ハイパーで形態スキップ)→しんじゃえ〜!(あまり死なない)
「怒首領蜂大復活」公式サイト
怒首領蜂大往生DX
プラットフォーム:Nintendo Switch / PC
発売日:
2021年5月20日(Nintendo Switch版)
2021年11月16日(PC版)
発売元:ジー・モード
価格:500円(税込)
「怒首領蜂大復活」の前作である「怒首領蜂大往生」は,それ自体は現行機には移植されていないものの,アレンジ移植版の「怒首領蜂大往生DX」がジー・モードによるG-MODEアーカイブス+ブランドからNintendo SwitchとPC向けにリリースされている。この「G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX」は2000年代にリリースされた携帯電話アプリがベースなので,表現力に関してはアーケード版に劣る部分は多々あるが,弾幕パターンはアーケード版を可能な限り再現しているので,ちゃんと“死ねる”作りになっている。
また,[+]ボタンで展開されるOPTIONメニューの“あそびかた”で隠しコマンドを確認できるのだが,これを入力するとSPECIAL難度が解禁される。SPECIALは,アーケード版に慣れたプレイヤーでも舐めてかかると瞬殺されるので,苦難を求める人はチャレンジしてみよう。
また,出撃演出やエンディングなども可能な限りアーケード版が再現されている。エレメントドールにエクスイを選んだ場合のエンディングは「怒首領蜂大復活」のプロローグにつながるもの,レイニャンを選んだ場合のエンディングは「怒首領蜂大復活」Arrange Aのエンディングにつながるものとなっているので,「怒首領蜂大復活」の副読本的にプレイしてみるのもオススメだ。
- 難度:☆☆☆ デフォルト難度(EASY)は初見クリア可能。とはいえ他作品のノービスやスーパーイージーよりは歯応えアリ。
- やりこみ度:☆☆☆☆ SPECIALは「たかが携帯電話向けアプリ」と舐めてかかれば即死。ガチっても死。
- 初心者向け度:☆☆☆ “シンプルすぎ”な部分は否めないアレンジ。プレイしやすい手触りではある。
- ガラパゴス度:☆☆☆☆☆ 開発者が尽力しまくった異様な完成度。緋蜂の弾幕まで再現に挑んだ,ガラケー時代の狂気を味わおう。
「G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX」公式サイト
怒首領蜂最大往生 EXAレーベル
発売日:2020年11月30日
発売元:exA-Arcadia
価格:22万円(税込)。プレイには別途マザーボード(27万5000円・税込)が必要。
「怒首領蜂大復活」から,さらに時代が流れた未来の物語が,現時点におけるシリーズ最終作とされている「怒首領蜂最大往生」。そして「怒首領蜂最大往生」をPCベースのアーケード基板・exA-Arcadiaに移植&新要素を追加したものが,「怒首領蜂最大往生 EXAレーベル」だ。基本的には業務用だが,一般販売も行われている。
「怒首領蜂最大往生 EXAレーベル」は,もとのゲームを再現した“オリジナル”のほか,本作独自のアレンジモード“EXA LABEL”,2013年に発売されたXbox 360移植版の独自要素をアーケード向けに調整した“X ARRANGE”,真ボスの陰蜂に直接挑戦できる“INBACHI”が追加されている。自機およびエレメントドールは,Xbox 360版で追加されたType-D&桜夜も使用可能だ。
ちなみに緒方剛志氏による「怒首領蜂大復活」のコンセプトアートで首領蜂隊とA.I.が戦っている場所は町田,「怒首領蜂最大往生」の1面も町田(スピンオフ作品「怒首領蜂一面番長」で判明)だったり,アーケード向けタイトルでは本作が初登場となるエレメントドール・桜夜は「デススマイルズIIX 魔界のメリークリスマス」で登場したマッドテディ&マッドバニーを抱えていたりと,旧作との「隠れたつながり」があったりもする。
- 難度:☆☆☆☆☆ しっかり“死ねる”アーケード仕様!
- やりこみ度:☆☆☆☆☆ Xbox 360版のゲームモードが高難度化し,よりシビアな戦いを楽しめる。
- 初心者向け度:☆☆ ただ初心者は“死んでしまう”ので,触ってすぐに楽しみを見出だせるかは難しいところ。
- 平気だも〜ん度:☆☆☆☆☆ 真ボスのボムバリアは定番ながら,とうとうプレイヤーへの煽り機能まで搭載。
「怒首領蜂最大往生 EXAレーベル」公式サイト
ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜
プラットフォーム:PS4
発売日:2018年11月29日
発売元:エムツー
価格:
パッケージ版:7480円(税込)
ダウンロード版:4070円(税込)
ケイブSTGで「怒首領蜂」シリーズに並ぶ高難度タイトルとして知られる「ケツイ 〜絆地獄たち〜」。エムツーがM2 Shot Triggersブランドの1つとして2018年11月に発売した「ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜」は,アーケード版の完全移植に加え,同社タイトルではおなじみのM2ガジェットや,カジュアルプレイ向けの“スーパーイージー”モード,新システムで敵弾消去&ショット強化をしながらバリバリ突き進める“Deathtiny”モード,自分で諸設定を自由に変更してプレイする“カスタム”モード,練習のための“アーケードチャレンジ”および“絆育成モード”などを搭載している。
DLCを適用すれば(パッケージ版は最初から収録),イベント限定版をプレイできる“IKD 2007 SPECIAL (2007 CAVE MATSURI VER.)”や,先述した「怒首領蜂大復活」のブラックレーベル アレンジで使用されているアレンジBGM“VIRT ARRANGE”が追加される。DLCの価格は各880円(税込)。ブラックレーベル アレンジはストーリー的にも「ケツイ〜絆地獄たち〜」とつながっているので,あわせてプレイしたいタイトルだ。
「ケツイ〜絆地獄たち〜」は素で難度が高いので,ビギナーは「むしろアーケードモードはオマケ」くらいに捉えて,まずはスーパーイージーやDeathtinyを楽しんだ方が良いだろう。ただ本作の緻密でシビアなゲームデザインは,ハマる人にはとことんハマるので,一度は表1周クリアを目指してみてほしい。
- 難度:☆ アーケード版の地獄ぶりが夢だったかのようなスーパーイージーモード。
- やりこみ度:☆☆☆☆☆ 一度ハマったら抜け出せない,それこそ絆地獄。だから絆地獄。
- 初心者向け度:☆☆☆☆ もともと高難度&複雑なゲームだが,それだけに公式の“ケツイケア”動画などサポートは手厚い。
- 兄貴度:☆☆☆☆☆ キャラクターに関する描写はわずかなのに,なぜか惹かれるエヴァンズマンの世界。
「ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜」公式サイト
弾幕検定死験 -ケツイ編-
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:2021年9月30日
発売元:ジー・モード
価格:500円(税込)
そんな通好みの「ケツイ〜絆地獄たち〜」(の携帯電話アプリ移植版)を,「弾幕シューティングゲームの腕前を測るためのゲーム」として再構成したのが,「弾幕検定死験 -ケツイ編-」だ。本作では,倒されるたびに少しずつ強さを増していくボス達を相手に,自分の腕前を試すことができる。
ステージ上に緩急が設けられた普通のシューティングゲームは,例えるならばアップダウンがあるジェットコースター。しかし耐えられなくなるまで難度がグングン上がっていく本作は,宇宙飛行士の訓練に用いられる遠心力発生装置みたいなものだ。絶叫マシンとは一味違った体験を楽しめる。
また,ブチギレ弾幕をぶっ放してくる高難度版のブルフロッグ(1面ボス)や,あっさり撃墜される低難度版のエヴァッカニア・ドゥーム(真ボス)など,アーケード版では見られないボス達の姿が見られるのも面白いところだ。なお,本作のベースであるNintendo Switch用ソフト「G-MODEアーカイブス+ ケツイ〜絆地獄たち〜DX」および,姉妹作である「G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-大往生編-」が販売中,後者のPC版も近日発売予定となっている。
- 難度:☆☆☆ 「最低設定での1周クリア」を難度の基準とすると,こういうタイプのゲームの評価は困るところ。簡単でもあり難しくもあり。
- やりこみ度:☆☆☆☆ 攻略というより特訓のプレイ。ひたすら上を目指せ!
- 初心者向け度:☆☆☆ 特定のエッセンスだけを抽出したゲームなので,向き不向きは大きいかも。
- 逆襲度:☆☆☆☆☆ 序盤ボスに苦しめられるのは変な気分! 彼らの逆襲を受け止めよう!
「G-MODEアーカイブス+ ケツイ〜絆地獄たち〜DX」公式サイト
虫姫さま
プラットフォーム:Nintendo Switch
発売日:2021年6月16日
発売元:Live Wire
価格:2500円(税込)
「首領蜂」シリーズや「ケツイ」と並ぶ,ケイブの代表的なIPの1つが「虫姫さま」シリーズだ。数々のケイブSTGを支えたCV-1000基板の第1弾タイトルとして2004年にリリースされた初代「虫姫さま」は,Nintendo Switch版がLive Wireから発売されている。
Nintendo Switch版は,アーケード版を高解像度化した“ノーマル”をベースとして,カジュアルプレイ向けに調整した“ノービス”,最初から最大火力でスタートするなどテンション高めな調整の“アレンジ”,限定販売基板だった“Ver 1.5”を収録。アレンジを除く各モードでは,ゲーム内でさらにオリジナル,マニアック,ウルトラという難度別の3種類からプレイモードを選択する。
システムがシンプル,かつ敵弾が自機狙い弾を中心として構成されているので「分かれば避けられる」シーンが多く,選べる難度の幅も広い。自分に適した難度でケイブSTGの“らしさ”を味わえるという意味では,本作が一番「遊びやすい」タイトルだと言えるだろう。なお,本作も旧移植版からちょっとした新要素が追加されており,トレーニングモードでスタート地点を選べるようになった(標準/中ボス直前/ボス直前)。
- 難度:☆ ノービスはもちろん,ノーマルのオリジナルモードからしてカジュアルにプレイできるデザインだ。
- やりこみ度:☆☆☆☆ ウルトラモードのチャレンジ性は高いものの,全体的なレベルデザインはスッキリまとまった雰囲気。
- 初心者向け度:☆☆☆ ゲームだけだとプロローグなどが分からないのは残念なところ。
- むしむしうにゃー度:☆☆☆☆☆ むしむしうにゃー。
「虫姫さま」公式サイト
エスプレイドΨ
プラットフォーム:PS4 / Nintendo Switch
発売日:2019年12月19日
発売元:エムツー
価格:
通常パッケージ版:7480円(税込)
限定パッケージ版:1万780円(税込)
ダウンロード版:4950円(税込)
エムツーによるケイブSTG移植タイトルの,現時点での最新作が2019年12月に発売された「エスプレイドΨ」だ。アトラスから1998年にリリースされた「エスプレイド」を移植した本作はアーケード版の完全移植に加え,ボイスおよびキャラクターグラフィックスの刷新やプレイヤーキャラクターの追加などを施した“アーケードプラス”,それをもとにカジュアルプレイ向きにした“スーパーイージー”,練習のための“アーケードチャレンジ”および“アーケードおさらい”が搭載されている。
アーケードプラスで追加された要素の数々は,オリジナル版の開発スタッフでもある漫画家・井上淳哉氏による描き下ろしイラストを使用,および同氏の監修のもと制作されている。また,プレイヤーキャラクターの部屋を作って楽しむ“いろりの部屋”モードを搭載しているなど,とくに“劇中の世界を楽しむ”という部分をフィーチャーした要素が多く追加されている。
「エスプレイド」は,自機にショットが2種類あり,ボムでなく“ガードバリア”が搭載されているなど,けっこう個性的なゲームデザインとなっている。その一方で,プレイ中の弾消しギミックが少ないため多くの場面で立ち回りが重要だったり,「重要な敵の出現位置を覚えて適切に撃ち込む。危ないところでは緊急回避を使う」といったシューティングゲームのオーソドックスなセオリーは多用したりもする。比較的低めの難度調整も相まって,個性を楽しみながら基本を会得できるため,これはこれでケイブSTG全般の入り口として適したタイトルだ。
- 難度:☆ 安心のスーパーイージーモード搭載。本編も「ケツイ〜絆地獄たち〜」などと比較すると2段階ほど下がった難しさ。
- やりこみ度:☆☆☆☆ いろりの部屋で,ゲーム自体とは別の“やりこみ”を楽しめる変わり種。
- 初心者向け度:☆☆☆☆ 魅力的なキャラクターやバリエーション豊かなアートワーク,悲壮感に満ちたストーリーで,取っかかりやすさはBATSUGUN,もとい抜群。
- RAGING DECI度:☆☆☆☆☆ 印象的なフレーズをリピートするボス戦BGM「RAGING DECIDE」が,アレンジBGMモード“Drive Waves 2019”では各ボス個別のアレンジに。超かっこいい。
「エスプレイドΨ」公式サイト
エスプガルーダ(Antstream)
配信開始日:2019年12月10日
配信元:Antstream Arcade
価格:
基本無料(1回のタイトル起動につき30ジェム消費)
メンバーシップは月額9.99ポンド(年間契約の場合は月額7.99ポンド)
「エスプレイド」からガードバリアやクライマックスのアリスクローン地帯といった一部エッセンスを継承したのが,2003年にリリースされた「エスプガルーダ」だ。「エスプガルーダ」は現行機に移植されていないが,イギリスを中心としたクラウドゲームサービス・Antstream Arcadeで配信されている(ゲーム自体の言語は日本語)ので,PCやモバイルなどでプレイ可能だ。
クラウドゲーム,しかも海外のサービスということで,正直なところアーケードのプレイ感には及ぶべくもなく,やり込みに向いているとは言い難いが,軽い気持ちで触ってみる分には「案外遊べるじゃん」となるくらいの快適性は保たれている(ユーザの回線状況にもよるが)。そのほかAntstreamで配信されているタイトルは「むちむちポーク!」,「ピンクスゥイーツ〜鋳薔薇それから〜」など。いずれも細かい弾避けは求められないので,Antstreamでの提供に適していると判断されたのだろう。
本作はレベルデザインが易しめなうえ,敵および敵弾(とスクロール)の速度を低下させ,大規模な弾消し効果も発生させられる“覚聖”システムが存在するので,ケイブSTGの中でもとくに難度が低いものの1つだ。ただ,最終形態のラスボスは「覚醒ショット/レイピアによる与ダメージが極端に低く,ガードバリアアタックを当てると回復する」という特性のため,ガチ避け&撃ち込みが求められる。そのため「怒首領蜂大復活」ver 1.5の表1周や「デススマイルズ」の低レベル進行ほど簡単ではないが,その分だけ本作をノーコンティニュークリアできたら「ビギナー卒業」と言えるだろう。
- 難度:☆☆ 標準で低難度。「正統派の簡単ぶり」といった雰囲気。
- やりこみ度:☆☆☆ その反面,ベテランプレイヤーには物足りないかもしれない。
- 初心者向け度:☆☆☆☆ “任意で性別を変えられる主人公”は約20年前だと戸惑う部分は否めなかったが,今では割と普通なのではないだろうか。
- きさまらのそんざいをけしてやるー度:☆☆☆☆☆ 覚聖オーバーレベルを上げつつ「きえろー!」などのセセリボイスを堪能してからが実質的な本編のスタート。
Antstream公式サイト
エスプガルーダII 〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜
プラットフォーム:Nintendo Switch
配信開始日:2021年9月9日
発売元:Live Wire
価格:2500円(税込)
「エスプガルーダ」の続編として2005年にリリースされた「エスプガルーダII 〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜」は,Nintendo Switch向けの移植版がLive Wireから発売中だ。覚聖&ガードバリアなどのシステムは継承されているが,大幅な難度の上昇や,ハイリスク&ハイリターンなスコア稼ぎシステム“覚聖絶死界”が搭載されるなど,よりシビアなゲームデザインとなっている。
移植版に収録されているゲームモードは,アーケード版そのままの移植の他,アーケード版に高画質化を施した“ノーマル”,カジュアルプレイ向きにした“ノービス”,プレイヤーキャラクターとして本作および前作に敵として登場したセセリを使える“ブラックレーベル”,ブラックレーベルをカジュアルプレイ向きにした“ブラックレーベル ノービス”,ゲームシステムが大幅に改修されて積極的に敵弾を消していける“アレンジ”,ゲームシステム自体をカジュアルプレイ向きに改修した“おまけ”といった7種類。本作のブラックレーベルはアーケード向けにリリースされていないので,“アーケード版そのまま”以外の6種類は家庭用独自のものだ。
前作の易しさはどこへ行ったのか,本作のレベルデザインはアクセル全開で難度ブチ上げ。とくに特定条件を満たすと5面ボスとして出現する“憎悪に満ちたセセリ”は,ケイブSTG史上でも上位の強敵で,一時期はトッププレイヤーでさえ「ハイスコアを出すため,わざと被弾して出現を回避する」という手を取っていたほど。アレンジ/ブラックレーベル/おまけには敵弾を消したり遅くしたりする要素があるので,初心者には「本編は置いといて特殊なモードからやってみて」とオススメしたいところ。
- 難度:☆☆ ノービスでも使いこなすにはやっぱり難しい覚聖絶死界。
- やりこみ度:☆☆☆☆☆ 難度と複雑さ相応に奥深さも増強。覚聖絶死界でバンバン錬金しているときは脳汁もドバドバ。
- 初心者向け度:☆☆ 1UPアイテムの出現状態すらハードル高めというはっちゃけぶり。
- ウェーッハッハッハ度:☆☆☆☆☆ ヒャァーハッハッハァー!! ヌワーッハッハッハー!! ウェーッハッハッハー!!(マダラ)
「エスプガルーダII 〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜」公式サイト
魚ポコ(Antstream)
プラットフォーム:PC / iOS / Android
配信開始日:2019年12月10日
配信元:Antstream Arcade
価格:
基本無料(1回のタイトル起動につき30ジェム消費)
メンバーシップは月額9.99ポンド(年間契約の場合は月額7.99ポンド)
「エスプガルーダ」の項で,“そのほかAntstreamで配信されているタイトルは「むちむちポーク!」,「ピンクスゥイーツ〜鋳薔薇それから〜」など”と書いたが,この“など”にあたるタイトルの1つがパズルゲーム「魚ポコ」だ。弾幕シューティングゲームではないが,光翼型近接支援残酷戦闘機や獄滅極戮至高兵器などが前代未聞僅有絶無な弾幕で死なせてくる虐狂の極悪上弩に疲れたら,魚を眺めながら玉をポコポコ消していく本作に癒やされよう。
本作のストーリーは,グルメな猫・魚太郎(ウオタロウ)と,その妹である保子(ポコ)が,伝説の料亭“竜宮城”を目指して試作型潜水艦で深海に挑むというもの。潜水艦にはスーパーレーザーや弾幕避け用ボム,JAMMA筐体などが搭載されているが,なぜか肝心の酸素を必要十分なだけ搭載できないため,海中の“玉”を破壊して酸素を回収しながら深海探検を進めていく。真面目に考えると脳内に「???」が広がる設定だが,ゲームプレイにはほとんど関係ないので無視して構わない。
「魚ポコ」はシューティングゲームではないため,フォーカスされることが少なく,これまで家庭用移植も行われていない。しかし,M2 Shot TriggersブランドからPS4 / Xbox One版がリリースされている「弾銃フィーバロン」では隠し自機だったり,ゲームシステムを流用した「虫姫さま」のスピンオフタイトル「パズル!虫姫たま」が2005年にリリースされていたり,「ごまおつ」で過去に行われたイベント“乙女たちの夏休み〜びしょぬれ☆スマイル〜”では魚太郎が「黄色いネコ」の名前でゲスト出演していたりと,ケイブSTGをプレイしていると数年に一度ペースで「魚ポコ」的な何かと接触することがある。そんなときに「魚ポコ」のプレイ経験があると,よりディープにケイブSTGを楽しめるかもしれない。別段そうでもないかもしれない。
- 難度:☆☆ 終盤は難しいっちゃ難しいけど難度の種類が別物。
- やりこみ度:☆☆ 狙ったところに玉を落とせるか否かでプレイ時間がけっこう変わるので,RTAには向いているかも。
- 初心者向け度:☆☆☆☆☆ 「誰でも楽しめる」という意味ではダントツ。
- ねこ度:☆☆☆☆☆ ニャーン。
Antstream公式サイト
アーケード向けビデオゲームは年々縮小傾向にあり,ケイブはアーケードゲーム事業から撤退して久しく,弾幕シューティングゲームというジャンル自体からして制作が難しいため新作が出にくい。言ってしまえば弾幕シューティングゲームというものは“時代に適さない”のだが,後年リリースされたIPとのコラボ,遊びやすくする諸機能の追加,クラウドでの提供,アーケード基板からアーケード基板への実質的なリバイバル移植など,さまざまな方法論を用いて行われている昨今の再リリースは,その価値自体は廃れていないことを証明していると言えるだろう。年末イベントの「獣道IV」で「怒首領蜂大往生」,「RTA in Japan Winter 2021」で「怒首領蜂最大往生」が種目に選出されていることも象徴的だ。
※2021年12月31日1:25頃追記。
各イベントの種目タイトル等に誤りがあったため,文言を修正しました。
つねに技術的な変化の中にあり,ジャンルの流行も予想が難しいゲームの世界。2000年代に一世を風靡した弾幕シューティングゲームの時代が再び訪れることも,あり得ない話ではないだろう。本稿ではケイブSTGの現行機移植を特集し,これらを読者諸氏にプレイしてもらいたいのはもちろんだが,こういったムーブメントから弾幕シューティングゲームやアーケードゲームのエッセンスを継いだタイトルにスポットライトの当たる時代が呼び起こされることにも期待したい。
蜂の羽音は,いまだ止まりはしない。
- 関連タイトル:
怒首領蜂大復活
- 関連タイトル:
エスプガルーダII 〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜
- 関連タイトル:
虫姫さま
- 関連タイトル:
デススマイルズI・II
- 関連タイトル:
デススマイルズI・II
- 関連タイトル:
デススマイルズI・II
- 関連タイトル:
カプコンアーケードスタジアム
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カプコンアーケードスタジアム
- 関連タイトル:
カプコンアーケードスタジアム
- 関連タイトル:
カプコンアーケードスタジアム
- 関連タイトル:
ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜
- 関連タイトル:
エスプレイドΨ
- 関連タイトル:
エスプレイドΨ
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-大往生編-
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-大往生編-
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ ケツイ〜絆地獄たち〜DX
- 関連タイトル:
G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-ケツイ編-
- 関連タイトル:
怒首領蜂最大往生 EXAレーベル
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キーワード
- PC
- Nintendo Switch:怒首領蜂大復活
- シューティング
- IARC汎用レーティング 12歳以上
- プレイ人数:1〜2人
- Nintendo Switch:エスプガルーダII 〜覚聖せよ。生まれし第三の輝石〜
- Nintendo Switch:虫姫さま
- PS4:デススマイルズI・II
- Nintendo Switch:デススマイルズI・II
- Xbox One:デススマイルズI・II
- Nintendo Switch:カプコンアーケードスタジアム
- PC:カプコンアーケードスタジアム
- PS4:カプコンアーケードスタジアム
- Xbox One:カプコンアーケードスタジアム
- Xbox One
- PS4:ケツイ Deathtiny 〜絆地獄たち〜
- PS4:エスプレイドΨ
- PS4
- Nintendo Switch:エスプレイドΨ
- Nintendo Switch:G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX
- PC:G-MODEアーカイブス+ 怒首領蜂大往生DX
- Nintendo Switch:G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-大往生編-
- PC:G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-大往生編-
- Nintendo Switch:G-MODEアーカイブス+ ケツイ〜絆地獄たち〜DX
- Nintendo Switch:G-MODEアーカイブス+ 弾幕検定死験-ケツイ編-
- Nintendo Switch
- :怒首領蜂最大往生 EXAレーベル
- 編集部:早苗月 ハンバーグ食べ男
- 紹介記事
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