プレイレポート
ダンジョン内で食材を手に入れて飯を食う。食事の要素をゲームシステムに盛り込んだSRPG「屍喰らいの冒険メシ」体験版プレイレポート
本作は,魔物がひしめくダンジョンで遭難した冒険者達が,ダンジョン内で発見した材料を使った料理を食べ,ときには魔物の屍肉を喰らいながら生き残り脱出を試みる「サバイバルシミュレーションRPG」だ。今回配信される体験版は,キャラクターメイクからオープニングシーンを経て,その序盤までをプレイできる。
この体験版のPS4版を事前に触ったので,序盤で体験できるゲームシステムを中心にプレイレポートをお届けしていきたい。
リアルタイムで時間が進んでいくダンジョン
魔物だけでなく,飢えと渇きがプレイヤーを襲う
多数の冒険者を輩出した町「ピオーネ」で冒険者として活動しているプレイヤーは,初心者向けのダンジョン「封印の地」を訪れるが,なんとそこで遭難してしまう。食料も水も尽き果て,満身創痍の状態で物語はスタートする。
キャラクタークリエイトでは,「ディスガイア」シリーズなどでおなじみの原田たけひと氏によりデザインされた,ベースとなるルックスを8種類から選択し,見た目などを細かく設定できる。ゲーム中のキャラアイコンや,カットインのポーズを決める「ポーズエディット」を行えるのが面白い。
外見は細かく設定でき,男女も変更できる。ボイスも男女それぞれに複数用意されている |
ポーズエディットでは,ステータスアイコンやカットインなどのポーズを自分好みに決められる |
性能を決定する「クラス」は10種類。直接攻撃を行うクラスでも「剣士」や「斧使い」「槍使い」など装備する武器によって個性が異なる。本作の最重要要素である食事を作るのが得意な「料理人」や,すべてのパラメータがほかのクラスに劣った「無職」なども存在し,どれを選ぶかは悩みどころとなりそうだ。
なお,最初に決めるメインキャラクターのほかに,3人まで仲間を追加できる。筆者はパラメータが平均的で扱いやすい「剣士」,魔法スキルを身に付けている「魔法使い」,弓と剣を扱える素早い「盗賊」,攻撃のリーチが長い「槍使い」でプレイしている。少なくとも体験版の範囲で決定したクラスを変える方法はないようだが,いろいろと試してみよう。
さて,空腹に限界を感じたプレイヤーは,ダンジョン内で発見した謎の怪物の死骸を食べて腹を満たしたが,その場で倒れてしまい,気がつくとそこは見知らぬ場所だった。プレイヤーはその場所を拠点に,同じようにダンジョン内をさまよっていた仲間と合流し,脱出のための冒険を始める。合流せずに主人公だけでもプレイは可能だが,もちろんその場合はゲームの難度が上がる。
ダンジョンは挑むたびに形が変わる自動生成の仕組みだ。高低差のあるブロックで構築されていて,プレイヤーはこの中を自由に動き回れる。内部には調理やクラフトに使う材料や,身に付ける装備などのアイテムが落ちていて,これらを集めつつ,ダンジョンの探索を進めていくこととなる。
ブロックのようなパーツで構成されたダンジョン。移動は自在に行え,ジャンプなどもできる |
ダンジョン内の光っている場所にはアイテムが落ちている。宝箱には装備が入っていることも |
ダンジョン内では,ゲーム内時間がリアルタイムで経過していく。プレイヤーキャラクターは行動によって「カロリー」と「水分」を消費していき,これにより空腹や喉の渇きが発生する。それらを癒すための食材も,せっかく手に入れても時間経過によって傷んでいき,足の早いものはあっという間に腐ってしまう。
さらにダンジョンには昼夜の概念が存在し,時刻によって昼と夜が訪れ,夜には魔物が凶暴になる。その魔物達もリアルタイムで動いていて,アイテムを拾っている間に襲いかかってくることもある。飢えに苦しみ,魔物に怯えと,キャラクターの可愛い見た目とは裏腹に,かなりの緊張感を味わえるのだ。
夜は魔物が凶暴になるので,できるだけ早く探索を終えることが望ましい |
青く見えるのがダンジョンの階段。見つけてもすぐ降りずに,探索を続けてもいい |
最初に設定したメインキャラクターが倒れてしまうと,探索はそこで終了し,拠点へと強制的に帰還。さらに,レベルは1に戻ってしまう。また素材アイテムや食事で得たスキル(後述)などは失ってしまうが,装備アイテムは残るので,繰り返し探索を進めていい装備を見つけられれば,後の探索が少しずつ楽になっていく仕組みだ。
魔物とはSRPGのバトルが展開
「屍喰らい」でピンチをチャンスに変えろ!
ダンジョン内を徘徊している魔物とは,接触するとバトルになる。バトルは探索時のリアルタイム進行から一転してターン制となり,さらにバトルフィールドは地形に合わせたマス目が展開される。プレイヤー側は事前に設定しておいた「陣形」に準じてメンバーが配置され,魔物側は接触した個体のほかに,範囲内に別個体が存在した場合,それらも配置される。
バトルでのキャラクターは素早さの順に行動し,移動と攻撃,そのほかのコマンドを実行する。キャラクターの装備した武器やスキルによって攻撃範囲が変わったり,隣接した仲間との連携が発動したりする戦術が成り立つあたりがSRPGらしい。探索時との操作のギャップに最初は少し戸惑ったが,システムは分かりやすく操作性が良好なので,序盤を遊んでいるうちに慣れるだろう。
仲間と隣接していると連携が発生し,追加ダメージを与えられることも。「ディスガイア」シリーズでおなじみの要素だ |
移動範囲内でボタンを押すとコマンドが開き,アイテムやスキルが使用可能となる |
バトル中,スキルを使用するとキャラクターの「カロリー」と「水分」を消費したり,食べるとマイナス効果が発生する食べ物を魔物に食べさせて優位に立ったりと,本作独自のルールが採用されている。
中でも特徴的なのが,タイトルにもある「屍喰らい(シカバネぐらい)」だ。本作はバトル中に倒した魔物の死骸がフィールドに残り,バトル後に調べると装備やアイテムを入手できるのだが,バトル中に「屍喰らい」のコマンドでその死骸を食べることで,HPを回復でき,さらに魔物が持つ特殊スキルやバフの効果をバトル中に限り得られる。
屍喰らいの対象は倒した魔物に限られ,食べればバトル後のアイテム入手ができなくなってしまうデメリットもあるが,食材などでは少量しか回復できなかったHPを大きく回復できる。フィールドに残った死骸はバトルの邪魔になることもあるので,戦術の1つとして積極的に使っていくことになるだろう。
探索の休憩時は待望の食事タイム
そして本題ともいえる本作の食事についてだが,ダンジョンの次の階層に向かう階段にたどり着いたときに,「休憩」をすると行える。
ダンジョン内で手に入れた素材は,そのまま食べても回復できるが,時間が経つと傷んで,食べたときの効果が薄れていく。そこで調理して「冒険メシ」として食べることで,より大きな回復効果を得られ,さらに拠点に帰還するまで効果の続くスキルも掛かるので,メリットが大きい。
ダンジョンで入手した食材。切ったり焼いたりと,単体でも加工して食べられる |
拠点で行う調理では,複数の食材を組み合わせる。レシピにない組み合わせは,調理するまで何ができるか分からない |
最初に食べるであろう,草と石で作った貧乏料理。「とりあえずは食べられる」 |
失敗作は空腹が満たされず,マイナス効果をもたらし,食べてもいいことがない |
調理は食材を組み合わせて行う。どんな料理ができるか作ってみるまで分からないが,レシピ集から作ることも可能だ。もちろん料理によって得られる効果は変わるので,どれを作るかは状況次第。傷むまでが早いものや,そのまま食べると悪い効果をもたらすものなども,調理次第で高い効果をもたらしてくれるようになる。
なお,料理は休憩時にしか行えず,調理した料理は持ち歩けないため,ダンジョンでの前後の行動を考慮する必要がある。
料理によってパラメータの回復度やスキルは変わる |
サラダや刺身など,みずみずしい料理は水分の回復度が高い |
食事によって発動した効果は拠点に戻るまで続く |
レシピから選んで調理もできる |
ダンジョン内でそのまま食べると毒になる魚「ヒトマタギ」も,調理をすると美味しい料理になる |
規定の時間まで休憩することでHPを大きく回復させられるが,このときもカロリーや水分は消費する。そこはできるだけ食事でまかなっておきたい |
本作は,大まかにSRPGとジャンル付けされているものの,複数のユニットをマスの上で動かしてステージをクリアしていく一般的なものとはまったく異なり,“SRPGっぽいバトルを取り入れたハクスラ系ダンジョンRPG”と呼ぶのが正しい。屍喰らいや冒険メシといった食事に関する要素もうまくゲームシステムに盛り込まれており,ほかとは違った手応えのあるタイトルに仕上がっている。インタフェースも作り込まれていて,ヘルプも充実しているので,体験版をプレイすれば基本的なポイントは身に付けられると思う。
ぜひこの機会にプレイして,“食って生き残る”ダンジョンRPGの感触を試してもらいたい。
入手したアイテムでクラフトすると,新たなアイテムを作り出せる |
装備は強いものを手に入れたらすぐに装備しよう。それぞれには耐久値があり,使うと消耗していく |
「屍喰らいの冒険メシ」公式サイト
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(C)2022 Nippon Ichi Software, Inc.
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