「Alan Wake 2」に登場するFBIエージェントとアランの関係は？　メディア向けライブデモをレポート

　Remedy Entertainmentが2023年10月17日に発売を予定しているサバイバルホラー「Alan Wake 2」（PC / PS5 / Xbox Series X|S）のライブデモが，一部のメディア限定で公開された。

　2010年にリリースされた前作「Alan Wake」は，犯罪小説のベストセラー作家である主人公のアラン・ウェイクが，休養で訪れたアメリカ北西部の田舎町で超自然的な存在に翻弄されながら，姿を消した妻の行方を追うアドベンチャーゲームだ。
　Summer Game FestのPlay Days 2023で公開されたトレイラーでは，FBIのジャケットを着た女性が暗い森の中で敵と対峙するシーンや，一心不乱に小説の原稿を書き進めるアランの姿が描かれていた。

　このFBIエージェントの名前は「サガ・アンダーソン」（Saga Anderson）。今回のライブデモで紹介されたミッション「Return 2: The Heart」は，カルト教団の殺人容疑者からFBIに挑戦状が届いたことを受け，相棒の「アレックス・ケイシー」（Alex Casey）と共に，コールドレン湖畔にある事件現場へと足を運ぶところから始まる。


　コールドレン湖は前作にも登場したブライトフォールズの町の近くに存在し，事件現場は鬱蒼とした森で覆われた自然公園の中のピクニックエリアにある。相棒のアレックスがどれだけ重要な役どころになるのかは不明だが，マックス・ペイン役でおなじみであろうRemedy Entertainmentのリードライター，サム・レイク（Sam Lake）氏がフェイスモデルとして起用されている。

　サガとアレックスは，「自分たちのことをカルトだと断言してしまうカルト教団ってなんなの？」というような会話をしながら，駐車スペースから現場に向かって歩いていく。前日に大雨が降っていたのか，森の中はアチコチが水浸しになっている。
　しばらくするとサガはアレックスと別れ，オーバーラップと呼ばれる園内区域への道を探して，1人で散策することになった。


　被害者は「ロバート・ナイチンゲール」というカルト教信者の1人で，死体からは心臓がえぐり取られていた。このナイチンゲールのものと思われる足跡を追っていくと，公園内にある寂れた店にたどり着く――とその瞬間，大きな斧を持った大柄のカルト信者が襲ってきた。「ダークプレゼンス」と呼ばれる黒いオーラに包まれ，肌の色はナイチンゲールと同じように灰色にくすんでいる。

　見るからに危険な存在だが，懐中電灯の光を当てると一瞬だけ怯むので，その隙にソードオフ・ショットガンやピストルで応戦するものの，なかなか倒れてくれない。ほかの敵もこのくらいのしぶとさならば，出てくる敵すべてに応戦していると弾薬不足に陥ることになりそうだ。


　サガには特徴的な能力がいくつかあり，その1つとして紹介されたのが「マインド・プレイス」だ。いわゆる精神世界のようなもので，そこではプレイ中に収集する“チャーム”と呼ばれるオブジェクトを利用して武器をアップグレードできる。
　また，証拠資料や写真などを大きなボードに貼り付け，証拠同士を赤い糸でつなげていくことで，情報を整理することも可能だ。


　もう1つのサガの特性が「プロファイリング」というアビリティだ。今回のミッションでは，集めた情報を整理しながらサガが独り言をつぶやいていると，突然ナイチンゲールの亡霊のようなものが浮かび上がり，そのまま亡霊と対話を始めるという，かなりホラー掛かった味付けの演出となっていた。

　オリジナル版のDLCをプレイしていた人ならご存じだろうが，アランは狂気の中で異次元の世界“ダーク・プレイス”に落ちてしまい，Alan Wake 2においても依然として囚われたままである。
　そして，サガは以前に失踪したアランの捜索に関わっていたのか，アランが執筆した小説の一文をたびたび暗唱しながら，ナイチンゲール殺人事件の真相に迫っていく。アランの声とオーバーラップしていく緊迫感あるシーンからは，Remedy Entertainmentの巧みなナラティブデザインを感じ取れた。


　やがて，“ローガン”と呼ばれる娘の亡霊に誘われるようにして湖畔にやって来たサガだったが，このあたりの背後関係については詳しく説明されないままだった。さらに，湖畔では異次元世界にいるアランと交信し，アランも「私の存在が分かるのか？」などと驚いた様子を見せていた。アランが13年前に失踪したままだという事実をサガが打ち明け，今回のデモは終了した。

　デモを紹介してくれた開発メンバーによると，Alan Wake 2は前作とストーリーが直接的につながってはいるものの，それらの作品をプレイしたことのない人でも理解できるよう作られているとのことだ。
　また本作では，チャプターによって操作するキャラクラーがアランとサガで切り替わる形になっており，アランもマインド・プレイスを利用できる。ただ，武器やアビリティはそれぞれ異なるらしい。


　ゲームのタグライン（宣伝文句）は，「Rewrite the Reality」（現実を書き直せ）というようなものになるらしく，このあたりでAlan Wake 2のその後の展開を想像できるかもしれない。

　なお，Alan Wake 2のPC版はEpic Games Storeの時限独占となり，ストアページでは予約購入も可能だ。日本語にも対応する予定で，コンシューマ版を含めてダウンロードのみの販売になる。
　今回のデモで確認した限りでは，Remedy Entertainmentの内製エンジンであるNorthlight Engineも，「CONTROL」からさらにアップグレードされている印象で，多くのゲーマーが注目するサバイバルホラーとなるのは間違いないだろう。

「Alan Wake 2」公式サイト

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