プレイレポート
「ヴァルキリーエリュシオン」体験版プレイレポート。アクションRPGに生まれ変わった“ヴァルキリー”シリーズの最新作
「ヴァルキリー」シリーズは北欧神話をモチーフにしたRPGだが,前作まではアクション要素がありながら,戦闘はコマンド選択式に近かった。しかし本作は,完全な3DアクションRPGになっており,英霊エインフェリアたちと,迫力ある爽快なバトルを繰り広げることができる。
TGS 2022では,序盤のチュートリアルステージとチャプター1(最初のステージ)をプレイできる体験版の試遊が可能だが,一般公開に先駆けて,PS5版の体験版をプレイする機会を得られたので,そのレポートをお届けしよう。
なお記述にはなるべく気をつけているが,本稿には「ヴァルキリーエリュシオン」本編のネタバレが含まれている可能性があるので,気になる方は注意していただきたい。
「ヴァルキリーエリュシオン」公式サイト
滅びが迫る世界を舞台に,救済の使途であるヴァルキリーの新たな冒険が始まる
はるか昔,世界ではラグナロクと呼ばれる終末が訪れると予言されていた。万物を統べる主神オーディンと,神獣フェンリルが率いる軍勢とのいつ果てるともわからない戦いは始まって久しく,あらゆる場所に混乱と破壊が広がっており,予言が現実になるのも間近に思われた。
生みの親であるオーディンの命令を受け,ヴァルキリーはさまよえる魂の浄化に向かう |
長い戦いの果てにフェンリルと相打ちの形で致命傷を負ったオーディンは,世界の滅びの運命にあらがうべく,救済の使途である「ヴァルキリー」を生み出す。
こうして新たなヴァルキリーはオーディンの命を受け,死と破壊で荒廃した世界に旅立つことになる。主であるオーディンの手足となり,世界を終末から救うために……。
というのが体験版で描かれる本作の導入部の物語だ。
冒頭でも少し触れたが,本作はプレイヤーの分身たるヴァルキリーを主人公にした,3人称視点のアクションRPGだ。
プレイヤーは各チャプターのステージに挑戦し,最後に待ち受けるボスを倒して,本拠地であるヴァルハラに戻ることが目標になる。最深部までは基本的に一本道だが,各所に分岐や小部屋的なものが用意されており,そこにある宝箱や樽などからアイテムを入手できる。
またメインやサブのクエストのクリア時には,新たな武器や体力の上限アップアイテムなど,特殊な報酬を得ることも可能だ。
戦闘と探索を繰り返し,ステージの先に進んでいく。アイテムは敵や宝箱から入手できるのはもちろん,各所の箱や樽などを壊すことでも現れる |
入手可能なアイテムは,体力や後述するディバインアーツ(魔法)の使用回数を回復するポーション,ヴァルキリーの強化に使う素材など。クリアするための目的地にはマーカーが表示されており,それを目指していけば迷うことはないのだが,これらのアイテムを入手するために寄り道をした方が,プレイを有利に進められるようになっている。
なお,マップはタッチパッドを押すことでいつでも確認できるので,事前に怪しそうな場所に当たりを付けておくこともできる。
ステージ内の至る所に敵がうろついており,戦いを避けて進むことは難しい。今回遭遇した敵はほぼアンデッドだったが,ヴァルキリーはそうした穢れた魂を浄化して救済することも目的であり,戦闘そのものも重要な任務となっている。
一部の扉や宝箱は,敵の殲滅が解錠の条件になっていることもあるので,立ちふさがる敵はすべて倒していくスタイルがよさそうだ。
空中の敵は,ジャンプからの攻撃からの方が当てやすい。またドラゴンのような大型のモンスターは,部位破壊の要素も存在する。コンボを重ねるための時間は比較的余裕があり,100コンボ程度ならけっこう簡単に繋がる |
戦闘は,コンボ攻撃を中心とした接近戦がメインになる感じだ。通常技(□ボタン)と変化技(△ボタン)を組み合わせることで,装備している武器ごとに異なる連係攻撃を簡単に決められる。
空中にいる敵の場合は,ジャンプ(×ボタン)してから,少し遠くの敵は変化技から入ると踏み込みから攻撃できる……といった違いがあるものの,基本のコンボはボタン連打で発動するため,アクション初心者でも苦労なく決められる印象だ。
なおガード(L1ボタン)や回避(○ボタン)も可能で,ジャストタイミングで成功すると,強力なカウンターや回避時に動きがスローモーションになる。
戦いは,多勢に無勢の状態で始まることが多い。正面からの攻撃に対して,盾でガードしてくる敵もいるなど,漫然と攻撃するだけでは思いのほか,手こずることも少なくない。そこで役立つのが「エインフェリア」と「ディバインアーツ」だ。
エインフェリアは,シリーズ作品で重要な要素として登場した,“かつては人間であった戦う英霊たち”のことで,本作では任意のタイミングに呼び出せる。
一時的に戦闘に参加してくれる頼れる仲間なのだが,呼び出す際には専用のゲージを消費する。ただ,ゲージを回復するアイテムは,敵を倒すと落とすことがあるので,体験版の範囲ではかなり高頻度で使用できた。
呼び出すと瞬時に現れて,戦闘に加勢してくれるエインフェリア。それぞれに属性が設定されており,有効な敵に差し向けた方が効果が高い |
ディバインアーツは,いわゆる魔法に当たるものだ。最大で4つを装備することができ,こちらも任意のタイミングで発動できる。
発動時にアーツゲージを消費するが,接近戦がメインであるヴァルキリーには貴重な遠距離攻撃の手段となっている。種類によっては,複数の敵を一気に狙えるのも強みで,コンボを重ねると,アーツゲージの回復も行える。敵にうまく連続攻撃を与えていければ,戦闘中にバンバン使っていくことも可能だ。
ディバインアーツは,画面中央の赤いゲージを消費して発動する。先制攻撃として弱点を突くのに向いているほか,体力回復などもおこなえる |
エインフェリアとディバインアーツの特徴として,“属性攻撃”ができることがあげられる。本作の敵には属性が設定されているので,その属性の弱点を突くことで,戦闘を有利に進められるのだ。
敵を弱点の属性で攻撃すると,相手の属性ゲージが増加し,それが最大まで溜まると敵はダウン状態になる。ダウン状態の敵は動けないので,その間は一方的に攻撃できるのだ。
敵の数が多いときは,「先手を打ってディバインアーツで複数の敵をダウン → その間に集中的に攻撃して数を減らす」という流れで,数的不利の解消やコンボ数稼ぎを狙えることもある。
属性攻撃は,道中にいる敵だけでなく,ステージの最後に登場する巨大なボスにも有効 |
また敵の弱点属性がバラけている場合は,手強い相手を先に弱点を突いて倒す方法も効果的だ。体験版では,あまり厳しい戦闘になることはなかったが,このような戦術を立てて臨むと,明らかに戦闘が楽になる場面が多かった。ステージが進めば,強敵も数多く登場すると思うので,早めに属性攻撃を使いこなせるようにしておいたほうがいいだろう。
デフォルト設定でL2ボタンには,「ソウルチェイン」が割り当てられている。一種の投げ縄や鉤爪のようなもので,青い光線を地形の特定の場所や敵に引っかけると,高速でその場所まで移動できる。崖や段差を飛び越えるほか,遠くの敵に肉薄するのに便利 |
ソウルと石を収集し,ヴァルキリーを強化。武器やスキルなどを状況に応じて組み合わよう
アクションRPGとなった本作だが,成長要素に経験値やレベルという概念は存在しない。ヴァルキリーを強化するには,武器やスキルをアップグレードしていくことになる。
ヴァルキリーには,「攻撃」「防御」「補助」のスキルツリーが用意されている。そして,スキルを習得することで,攻撃力を上げたり,カウンターの性能を高めたり,連続回避ができるようになったりと,ステータスとスキルの両面を強化できるのだ。
ただ,各スキルは「CP」というコストを持ち,決められている上限の範囲内でしか装着できない仕様になっている。
体験版の範囲であるプレイ序盤では,コストが気になることはなかったが,多くのスキルを入手すればいずれは取捨選択を迫られ,“プレイヤー好みのヴァルキリーにカスタマイズする”ことが必要になるだろう。
スキルツリーをアンロックして,ヴァルキリーをパワーアップしていく。最初は,片っ端から習得して装着していけばいいようだが,いずれは必要性が低いものを外していくことになるだろう |
武器はアップグレード方式で,強化するほど性能が向上するだけでなく,新たなコンボなどもアンロックされていく。また熟練度も設定されていて,使えば使うほど性能を引き出すことができるようだ。
複数の武器種が用意されており,体験版ではチャプター1をクリアすることで,レイピア型の装備を入手できた。武器は同時に2種類を装備でき,任意のタイミングで切り替えられる。敵の種類に対して,有利に戦える武器が設定されているので,状況に応じて上手く切り替えていくと,盾を持つガードが堅い敵などもかなり楽に倒すことができる。
武器は,ヴァルキリーの基本的な攻撃力を決定するだけでなく,戦闘中のモーションやコンボを決める重要な要素。敵の弱点を突くことを重視するか,好みで選ぶのか悩むこともありそうだ |
スキルと武器の強化には,魔晶石や紫炎石,イエローソウルと呼ばれる魂が必要になる。これらのアイテムは,ステージの道中で拾えるほか,倒した敵からのドロップで手に入る。
強化は,ステージの攻略中に行うのだが,そのステージをクリアする前に「ヴァルハラに戻る」を選択してしまうと,そこで強化した分や入手したアイテムは,攻略を始めるまえの状態に戻されてしまう。
ステージをクリアすることで,はじめて強化値やアイテムが持ち越せるので,苦労を無駄にしないように注意したい。
なおステージは,一度クリアしても再度挑戦できる。先のステージが難しく感じるなら,すでにクリアしたステージに再挑戦して,ヴァルキリーを鍛えていくとよさそうだ。
体験版でプレイできたチャプター1には,1つのメインクエストと2つのサブクエストが用意されていた。メインクエストは,かなり細かく探索するとクリアまで2時間強かかった。サブクエストも数十分は必要で,かなりのボリュームがある |
本作は,一見するとシンプルな無双系のアクションゲームに見えるが,実際は敵の弱点を適切に判断し,それを突いて数的不利を跳ね返しつつスマートに戦う……といった戦術性が重要な作品であると感じた。
コンボの発動が簡単なので,アクションゲームが苦手な人でも,ボタン連打での力押しでも戦える。ただ,敵の属性と武器の弱点を考慮するだけで,驚くほど簡単に敵を撃破できるようになり,戦いの爽快感も非常にアップするのだ。
またステージやサブクエストをクリアした際のリザルト表示には,受けたダメージや消費したアイテム数が評価基準として採用されているので,「次はもっとスマートに戦ってみせる」という欲も沸いてくるだろう。
体験版でプレイできたのは序盤のごく一部で,仲間となるエインフェリアの実体はまだよく分からず,ストーリーも謎だらけであった。ただ,奥深い世界観の一片を見ることができ,先の展開が気になってしまった。
ヴァルキリーの新たなる冒険を余すことなく楽しめる,製品版の発売を楽しみに待ちたい。
「ヴァルキリーエリュシオン」公式サイト
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