プレイレポート
「フェアリーフェンサー エフ Refrain Chord」プレイレポート。歌をテーマにした新要素と,高いカスタマイズ性が魅力の意欲作
本作は,同社による“ガラパゴスRPG”をリニューアルした新ブランド“ガラパゴスRPG evolve”の第1作にして,ファンタジーRPG「フェアリーフェンサー エフ」シリーズの最新作だ。本稿では,ブランド名と共に王道RPGからタクティクスRPGへと生まれ変わった本作のプレイレポートをお届けしよう。
「フェアリーフェンサー エフ Refrain Chord」公式サイト
シリーズお馴染みのメンバーが勢ぞろい
2人の歌姫を中心としたストーリー
物語の舞台となるのは,かつて女神と邪神による戦いが繰り広げられたファンタジー世界。戦いの末に二柱の神は封印され,世界には神が振るったとされる100本の妖聖武器「フューリー」が残された。
フューリーに宿る「妖聖」に認められた者は「フェンサー」と呼ばれ,強大な力を得られる。本作の主人公であるファングとその仲間達も,フューリーに選ばれたフェンサーだ。
フェンサーの間では「フューリーを100本集めると願いが叶う」という伝説が語られている。手段を選ばずにフューリーを収集する巨大企業ドルファの野望を阻止し,封印された女神を復活させるため,ファング達はフューリー集めに励むことになる。
ファング達が活動の拠点としているのは,多くのフューリーが集まる大都市ゼルウィンズ。物語の始まりは前作「フェアリーフェンサー エフ」のパーティメンバーが揃った中盤あたりのようで,前作を遊んだ人には懐かしさを感じられることだろう。
もちろん新規プレイヤーにも分かるよう,登場キャラクターや世界観の紹介は丁寧に行われるほか,シナリオも前作の核心部分に触れる前段階からスタートしているので,前作の知識がなくても問題なく楽しめる。
いつものようにフューリー探しに向かったファング達だったが,ある遺跡で“折れたフューリー”を拾ったことで罠を作動させ,その場で全員が気を失ってしまう。
なんとか起き上がってその場を離れるものの,なぜかファングの姿はなく,パーティメンバーはドルファの幹部達に取って代わられていた。さらには「ファングがドルファの親玉である」と告げられたシャルマンがファングを殺すことを決意し,味方同士での殺し合いが巻き起ころうとしていた。
それを助けたのが,フューリーに近しい力を持った歌声を操る“歌姫”のフルールと,そのパートナーであるオールだ。2人によると,フルールと同系統の力を持つ歌姫グラースが,シャルマン達を洗脳したのだという。
歌姫による洗脳に対抗できるのは,同じ歌姫のフルールだけ。ということで,女神復活のためにドルファと戦うファング達と,グラースを止めるために活動するフルール達は,協力して互いの目的の達成を目指すことになる。
基本的なゲームの流れは,拠点となるゼルウィンズで情報を集めてワールドマップにおもむき,発生したクエストを攻略していくというもの。メインクエストに出現する敵はなかなか手強いので,会話の中で発生するサブクエストや,酒場で受けられるオーダークエストをほどよくこなしつつ,自軍を強化しながら攻略を進めていこう。
シリーズお馴染みのシステムと新要素を融合
位置取りとカスタマイズがカギになる戦略バトル
バトルの基本は,マス目状に区切られたフィールドでユニットに指示を出して戦う,戦略シミュレーションだ。本作では自軍と敵軍がターンごとに交互にユニットを動かすのではなく,敵味方を問わず順番が回ってきたユニットを行動させる方式が採用されている。
味方ユニットのゲージがマックスになると,シリーズでお馴染みの変身システム「フェアライズ」が可能になる。フェアライズ中は移動力を含むステータスが大幅に向上するので,ここぞというときに活用したい。
さらに,チーム全体が共有するアヴァランチゲージを使うと,範囲内の味方が敵に総攻撃をしかける「アヴァランチラッシュ」も発動可能だ。敵の数が多くて囲まれそうなときは,これらのシステムを活用して一気に叩きのめしてやろう。
本作のバトルをより奥深いものにしているのが,効果範囲内の味方に強力なバフを与える特殊スキル「フェアリーアリア」だ。これは,フルールを始めとする“歌姫”のみが持つ能力で,状況に応じた歌を選ぶことで味方を支援できる。
ただし,敵も同じようにフェアリーアリアを使ってくるので,歌姫がいるバトルではユニットの位置取りがより重要になってくる。敵ユニットは可能な限り敵の歌姫から引き離し,こちらのユニットは味方の歌姫の周囲で戦えるように配置するのが理想だ。
基本的にフェアリーアリアは味方にしか効果を与えないが,敵味方2人の歌姫の歌が重なると「ドラマチックレゾナンス」が発生し,そのエリアでは両陣営の歌の効果が大幅に強化される。
相手にもドラマチックレゾナンスを利用される可能性があるが,敵の進路をふさいでうまく味方だけが効果範囲に入るように立ち位置を調整すれば,絶大な強化を得ることもできる。範囲は歌姫の位置や向きによって変わるので,味方だけが利益を享受できる陣形を組み上げよう。
物語のカギでもあるフェアリーアリア関連の演出はなかなか豪勢で,歌ごとに専用の楽曲が用意されている。さらに,ドラマチックレゾナンス中は2つの歌がマッシュアップされた楽曲を聴けるなど,かなり凝った作りになっている。お気に入りの歌を見つけたら,それに合わせて戦略を考えてみるのも面白そうだ。
バトルに参戦するユニットが持つスキルのカスタマイズ性の高さも,本作の魅力の1つだ。スキルはユニットが装備する妖聖に紐づいており,妖聖を付け替えることで使えるスキルが大幅に変化する。
各ユニットは,キャラクターごとに固有の妖聖に加え,自由に付け替えられる「サブ妖聖」を同時に装備できる。妖聖は戦闘に参加することでFPを獲得し,それを消費することで新たなスキルを習得可能だ。
サブ妖聖は基本的にどのユニットに装備させてもよく,一度スキルを習得しておけば,付け替えたユニットですぐにそのスキルを使用できる。有用なスキルを持っているサブ妖聖はとりあえず育成しておいて,必要なタイミングで付け替える,といった運用も可能だ。
このシステムをうまく使えば,前衛に防御力を高めるパッシブスキルを付与したり,敵の弱点になる属性の魔法を複数の味方が使えるようにしたりと,非常に柔軟な戦い方ができるようになる。ステージ攻略で行き詰まってしまったら,サブ妖聖の中から有効なスキルを探して組み合わせを考えてみよう。
フェアライズや妖聖といった「フェアリーフェンサー エフ」シリーズでお馴染みの要素に,本作の新要素である“歌”を中心としたシステムを組み合わせ,遊びごたえのあるタクティクスRPGに仕上がった「フェアリーフェンサー エフ Refrain Chord」。世界観こそ,これまでのシリーズを踏襲しているものの,ストーリー自体はまったく異なる内容になっており,過去作品を知らなくても問題なく楽しめる。じっくり遊べるタクティクスRPGを探している人は,ぜひプレイしてみてほしい。
「フェアリーフェンサー エフ Refrain Chord」公式サイト
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(C)2022 IDEA FACTORY / COMPILE HEART / STING
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