［TGS2022］往年のオンラインゲームをSwitch向けにアレンジした「ポトリスS」がハピネットブースに登場

　東京ゲームショウ2022のハピネットブースに，Nintendo Switch向け新作タイトル「ポトリスS」がプレイアブル出展されている。ポトリスと聞いて，思わずいてもたってもいられなくなった筆者は，会場内のそこかしこできらびやかにアピールされている新作タイトルを差し置いて，東京ゲームショウの開幕初日（2022年9月15日）にハピネットブースへ足を運んだのであった。

　若い4Gamer読者に向けて説明すると，本作のベースとなった「ポトリス」は，日本でも2003年から2007年にかけて，ガンホー・オンライン・エンターテイメントなどがサービスを行っていたゲームだ。かわいらしい戦車のキャラを操作し，敵を砲弾で撃破するターン制のゲームで，狙い通りに命中させるのは見た目とは裏腹に難しい。戦闘が経過するにつれ，外れた砲弾によって地面はえぐれ，その上を走る戦車は前後に傾いてしまう。これにより，発射時の角度に思いきり制限が課せられるのだ。

「ポトリス」のゲーム画面

　こういったもどかしさのなか，敵味方が砲撃戦を繰り広げるのは，スリリングだけでなく，コミカルな部分もたっぷりとある。マルチプレイの際は戦局が遅々として進まないことも多く，敵のみならず自分自身に対しても思わずツッコミを入れたくなるのだ。とりわけ気心の知れた仲間と遊ぶポトリスは実に楽しい。

　いまにして振り返ると，あの頃のカジュアルゲームのラインナップは充実しまくりで，個人的には「東風荘」「箱庭諸島」「スカッとゴルフ パンヤ」，そしてこの「ポトリス」が印象に残っている。ちなみに当時の筆者は四六時中オンラインゲームのことばかりを考えており，しかもそのオンラインゲーム自体も，サーバーダウンが当たり前であった。本業（MMORPGのRaid）の合間などに，クランやギルドの面々と一緒に上記のタイトルを“セカンドゲーム”として楽しんでいたのだ。なので，いまもポトリスという名前を目にするだけで感慨深くなってしまう。


　というわけで前置きが長くなったが，今回出展されている「ポトリスS」は，ポトリスをNintendo Switch向けにアレンジしたゲームである。操作方法はJoy-Con向けに最適化されており，左スティックで砲弾の角度調整とパワーを調整する。右スティックは視点移動だ。そのほか，十字ボタンでプレイヤーキャラの戦車を左右へ移動したうえで，Aボタンで砲弾発射となる。

　基本的にはストーリーモードを中心に進めつつ，さまざまなコンテンツをアンロックしていくゲーム展開となる。序盤のステージは地形が平坦で，また砲弾の発射前にガイドも表示されるので，敵に命中させるのはたやすい。初めて敵戦車を見事仕留めたときの気持ちの高ぶりは，あの当時からなんら変わっていない。


　ストーリーを進めるにつれ，次第にマップが複雑になるなど難度が高くなっていく。一方でプレイヤーキャラは，軌道や威力などが異なる砲弾や，特殊アイテムなどが使用できるようになり，戦術の幅が広がっていく。新たな戦車もアンロック可能で，ゲームとしての奥深さにも期待できそうだ。

　そしてポトリスといえばマルチプレイの仕様が気になるところだが，製品発売時にはローカルで最多4人でのマルチプレイが可能とのこと。ローカル対戦で遊ぶポトリスは，往年の「アイスクライマー」や「バルーンファイト」などに匹敵する絆ブレイカーとなる懸念もあるが，実際にやってみたらどんなことになるのか気になるところだ。


　最後に，今回の東京ゲームショウ2022におけるハピネットブースでは，30作品以上がプレイアブルで出展されている。今回，同社のブースをひととおり散策してみたが，「へぇ，こういったゲームもあるんだ」と，何が出てくるか分からない“おもちゃ箱”的な面白さが感じられた。

　誰もが注目する大作を見て回るのはゲームショウの大きな醍醐味だが，今回のハピネットのようなブースも，また違った趣があるだろう。興味を持った読者は一般公開日に，会場マップ（リンク）を参考に，幕張メッセ Hall-3のNに構えるハピネットブースを訪れてほしい。

東京ゲームショウ2022公式サイト

4Gamerの東京ゲームショウ2022記事一覧