プレイレポート
[プレイレポ]「OCTOPATH TRAVELER II」を先行体験。進化した“HD-2D”と新システムで描かれる8人の物語
本作は,2018年に発売された「OCTOPATH TRAVELER」の新作であり,「ソリスティア」大陸を舞台に,新たな8人の主人公の物語が描かれる。本稿では発売に先駆け,序盤の物語をプレイした段階でのインプレッションをお届けしよう。なお,筆者はPS4版をプレイしている。
ドット絵の新たな形「HD-2D」がさらに進化
まず目を惹くのが,独特の雰囲気を持つグラフィックスだろう。基本的なスタイルはドット絵だが,光や天候の表現はリアルな3DCGのそれだ。これは前作「OCTOPATH TRAVELER」で初めて採用された「HD-2D」と呼ばれる手法である。その後も「トライアングルストラテジー」,リメイク版「ライブアライブ」といった作品で使われてきたので,聞いたことのある人も多いだろう。
そんなHD-2Dは本作でも効果的に使われている。同じフィールドでも昼と夜でも光源によってガラリと雰囲気が変わるし,夕暮れの陽光や輝く海原,街灯が照らす夜道に降りしきる雪……といった具合に,ドット絵の世界に挿し込まれる“光”の表現に感情を揺さぶられる。
また,ドット絵のRPGといえば上空からマップを見下ろす固定アングルが定番だが,本作のカメラはシーンによって位置を変えていく。ババトルでは「ブースト」(詳しくは後述)を発動した際にキャラクターの背後にカメラがぐるりと回り込むことがあり,ダイナミックな視覚効果を楽しめる。ドット絵で描かれているのに平面ではなく,3次元的な立体として存在する世界を感じられ,画面を通してこれをのぞき込んでいるような気分になる。
ドット絵自体のディテールも前作より細かくなり,特に部屋に置かれた家具などの小物っぽさが可愛らしい。マップの構造も立体的になっており,新要素「カヌー」の登場により探索の幅が広がっている。画面の奥に丘があり,宝箱が置かれているが到底たどりつけそうにない……こんなときもカヌーで水路を進めば,活路が開けるかもしれない。
昼と夜,2つの「フィールドコマンド」を使い分けろ
本作には新たな8人の旅人たちが登場し,それぞれの道が絡み合う物語が展開する。8つ(Octo)の道(Path)を辿る旅人(Traveler)で「OCTOPATH TRAVELER」というわけだ。8人はそれぞれの特技「フィールドコマンド」を持っており,これを活用して問題に当たるのがシリーズの面白さだ。
本作ではゲーム内に昼夜をボタン1つ(PS4版の場合は[R2])で任意に切り替えることができる。昼夜によって各旅人のフィールドコマンドの種類も変化するため,前作で1人1つだったフィールドコマンドは,今回は2つになっているわけだ。
例えば学者オズバルドの場合,昼は町の人から情報を「探る」ことができる。これは前作に登場した学者サイラスも持っていたフィールドコマンドだが,夜になるとこれが一転し,町の人と戦ってアイテムを奪う「強奪」になる。また,平和を願う剣士ヒカリの場合,昼は町の人にバトルを申し込む「試合」,夜はお金で情報を引き出す「買収」となる。
もちろんフィールドコマンドは必ず成功するわけではなく,キャラクターのレベルや持ち物によっては失敗することもある。前述したオズバルドの場合だと,強奪を試みるもレベルが足りずに返り討ちに遭うようなこともある。また,薬師キャスティの場合,夜のフィールドコマンド「眠らせる」は薬を使って相手を気絶させるというもので,これを使うには「センジュの解毒薬」などアイテムが必要となる。
異なるフィールドコマンドを組み合わせる謎解きは前作にも存在したが,今回はより多彩な組み合わせができることで幅が広がっている。さらに,変化するフィールドコマンドでキャラクターの意外な側面を見せることにも成功しており,人物像の深彫りにも一役買っている。
「ブースト」と「底力」で,チャンスを逃さず敵を仕留めろ!正統進化したコマンドバトル
バトルは前作に続き,コマンド選択式ターン制で展開される。敵味方は「行動速度」の高い順に行動し,1ターンの中で敵味方が入り乱れて戦う。今回はバトルの速度を調整でき,等速と2倍速から選べるようになったのが嬉しいところだ。
敵にはそれぞれ「弱点」があり,それを突く武器やアビリティ(魔法や特殊な技)で攻撃するとシールドポイントが減少していく。これが0になるとブレイク状態にとなり,1ターン行動不能となる。ブレイク状態の敵には通常よりも多くのダメージを与えることができるため,一気に攻め込むチャンスだ。しかし,敵の弱点は隠されており,攻撃を当てて探っていく必要がある。とはいえ,大技を使うような強敵相手にはノンビリと弱点を探している余裕はない。前作同様,一手一手が重いスリリングなバトルが楽しめるのだ。
また,シリーズの特徴であるブーストのシステムは本作でも健在だ。それぞれのキャラクターには1ターンに1つずつ「BP」が蓄積されていき,これを注ぎ込むことにより,武器攻撃は攻撃回数が増え,アビリティは効果がアップする。多くシールドポイントを持つ敵も,弱点が分かっていればブーストの複数回攻撃で一気にブレイク状態にすることも可能だ。ただBPは最大5つしか溜められないし,ブーストした後のターンではBPが増えない。つまり,常時ブーストでパワーアップすることは不可能だ。敵が大技を使う前兆を見せたらブーストで気絶させるなど,タイミングを見極めて使う必要がある。
さらに,それぞれのキャラクターは「固有アクション」と呼ばれる新たなコマンドも持っている。例えば,薬師キャスティの固有アクションは「調合」で,フィールドで手に入れた素材2種を組み合わせて「攻撃調合」や「回復調合」が可能だ。同じカテゴリ内であれば素材の組み合わせは自由なので(攻撃と回復の素材は組み合わせられない),回復と解毒を組み合わせたり,回復効果をパーティ全体に及ぼしたり,風と光の2属性で同時に攻撃したりと,工夫次第でいろいろな効果が発動できる。
そのほか,オズバルドは自動で敵の弱点を暴く「予習」,ヒカリは試合で覚えた技を使う「覚えた技」といったもので,固有アクションの存在はキャラクターの個性を際立たせている。
そして,これも初登場となる大技「底力」が戦闘をもっと奥深いものにしてくれる。例えば,キャスティの底力である「節約」は,素材を消費することなく前述の調合を可能にする。一方,オズバルドの底力「魔法収束化」は,対多数用の魔法を単体に絞り込むことでダメージをアップさせるものだ。
底力とブーストは組み合わせることもでき,うまく使えば不利な状況を覆すことも可能だ。しかし,底力を使う際に消費するゲージは敵をブレイクさせるか,こちらがダメージを受けるかしないと増えないため,BPほど簡単には溜まらない。
一方でBPはどれだけ溜めてもバトルが終わるとリセットされるが,底力のゲージはバトルをまたいで持ち越せる。ボスが来そうなら,あらかじめ雑魚と戦って底力ゲージを溜めておくような戦略も採れる。溜めに溜めた底力ゲージとBPを一気に使えば,爽快感も抜群だ。チャンスを狙ってリソースをつぎ込んだ一撃に賭ける,「OCTOPATH TRAVELER」のバトルが正統進化したという印象を受けた。
今回はそれぞれの旅人の序盤をプレイしたが,8つの物語の導入はいずれも引き込まれるものだった。
妻子殺しの嫌疑をかけられ,監獄島に放り込まれたオズバルド。記憶を失ったが,その制服を見るとなぜか町の人々が怯えるキャスティ。スターを目指す踊子のアグネア。商売で人を救おうとするパルテティオなど,8人の旅人が繰り広げる物語の続きが気になってしょうがない。
今回は体験できなかったが,物語が進むと旅人同士が交差する「クロスストーリー」というシナリオが新たに登場するという。2月24日の発売以降,どんな冒険を体験できるのか,今から楽しみだ。
「OCTOPATH TRAVELER II」公式サイト
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OCTOPATH TRAVELER II
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