［TGS2022］新作アプリ「World II World」はどんな作品？　上下2分割画面の同時操作など斬新なシステムや見どころを藤井Dに聞いてみた

　アニプレックスは，スマートフォン向けRPG「World II World（ワールド・ツー・ワールド）」（iOS / Android）を東京ゲームショウ2022で発表した。開発を担当するのは，「RPGタイム！〜ライトの伝説〜」（以下，RPGタイム！）を手がけたデスクワークス。TGS 2022のアニプレックスブースには，World II Worldの世界観と登場キャラクターたちをテーマにしたコーナーが設置されている。

アニプレックスブースに設置されたWorld II Worldのコーナー

　公開されたティザービジュアルには，空中に浮かぶ建物と水面のように反射する地面に立つ7人のキャラクターの姿が描かれている。
　その具体的な内容などはティザーサイトでも明かされていなかったが，TGS 2022会場で本作のディレクター藤井トム氏に話を伺う機会を得られたので，ゲームシステムや開発経緯などをお伝えしよう。

デスクワークス代表取締役でWorld II Worldのディレクターを務める藤井トム氏

　もともと藤井氏は，自身が代表を務めるデスクワークスで，ゲームデザイナーの南場ナム氏と共にRPGタイム！の制作に携わっていたそうだ。同作品の開発には9年以上の歳月を費やしており，2022年3月に発売へとこぎ着けた（※関連記事）。藤井氏は，RPGタイム！の開発中にも，ほかのゲームの新しいアイデアを多数ストックしており，その中で必ず面白くなるであろうと考えた企画がWorld II Worldだったと振り返る。

　その発想の原点となったのは，RPGタイム！の開発をスタートした2013年頃，すでに社会に浸透していたスマートフォンだ。画面が大きくなり，据え置き型の家庭用ゲーム機とほとんど変わらないグラフィックスが出せるようになっていたので，それを縦に2分割して，上画面と下画面で別々に遊べたら面白いゲームができるのではないかというアイデアが浮かんだそうだ。
　藤井氏は，昔からシューターやレースなど画面分割されたゲームが好きで，画面が2つあることで，2つのことを同時に見られる点が優れていると感じていた。World II Worldでは，上下に分割された2つの画面で2人の主人公を操作し，異なるシーンを同時に体験できるRPGとしてゲームデザインを構築している。
　プラットフォームをスマートフォンとすることも当初から決めていたという。理由として「縦長の画面が2画面にマッチしていて，どちらの場面もタッチで操作できる」ことが挙げられ，ゲームデザインに基づいているのも興味深いところだ。

ゲーム本編をイメージした映像。上下の画面で違う物語が展開する

　ゲームの舞台となるのは「2つに分断された世界」だ。上下に分割された画面で，分断された世界を別の主人公が冒険していくというゲームが展開する。シナリオも上下の画面で別々に展開し，別の視点で描かれる物語を同時に進めていくという斬新な内容となっている。
　2つの視点でRPGを進めていくゲームデザインについて「一方の画面では正義の行動をしているのに，もう一方では悪の行動に見えるという“善悪は表裏一体”というシーンを同時に体験することができるんです」とその利点を語る。ほかにも2人のすれちがう物語など，2画面で同時に進行することで，より感情移入できるシーンを描けることが魅力でもあるようだ。

　2画面のメリットは敵とのバトルにもあり，一方の画面でバトルをしている間にもう一方でシナリオを進めたり，両画面で同時にバトルをすることで報酬を多くもらえたりと，これまでのRPGではあまりない体験も可能になった。

　2画面のさまざまなメリットを唱える一方で，「2画面になったことで，プレイヤーの負担が倍になってはならない」と藤井氏は語った。両者を同時に進めることが必須のシーンはあまりなく，ゲームをじっくり進めたい人は片方の画面だけを進めていけるようなバランスも意識しているそうだ。
　なお，本作は基本プレイ無料で楽しめる作品だが，ソーシャル要素や期間限定のイベントなどを行う予定はないという。「従来のRPGと同様，1人でじっくり楽しんでいただけます」とのことだ。

ゲームには分断された2つのワールドが3つ存在している。主人公も対で存在していて，この2人は人間（ラボル）の主人公「フジョー」と，機械（マキナ）の主人公「ラッカ」
異世界（ファンタジー）の主人公マルママックと，現代（リアリティ）の主人公小宮ハルタ

天使のような姿のウィーブは，プレイヤーを導くストーリーテラーのような存在だ

西部（ガンマン）の主人公コルと，東部（サムライ）の主人公剣丸

　先述したとおり，スマホゲームならではのソーシャル要素や限定のイベントがないということで，プレイフィールは家庭用ゲームのそれに近い。ただし，「運営や配信ができる」という部分を生かして，メインシナリオを毎週1話ずつ更新していく予定があると藤井氏は明かす。週刊連載のマンガやアニメのような感覚でストーリーを楽しむことができ，移動できるフィールドも増えていくという。
　また課金要素はガチャのシステムを予定しているとのこと。ゲーム進行で仲間になるキャラクターとは別のキャラクターをガチャで手に入れられる仕組みになるそうだ。キャラクターは160名以上おり，それぞれに固有のストーリーが用意される。ガチャで同じキャラクターが出たときの「限界突破」的な要素もあり，本作の世界観として同じキャラクターが2人以上いたときにどうなるのかという設定のもとに行われるそうだ。

コーナーでは発表済みの主人公のほかに，たくさんのキャラクターが披露されていた

　デスクワークスの独自の目線による，スマホのメリットを生かした1人プレイ用のRPGとして開発が進められているWorld II World。近年のスマホ向けRPGとは，ひと味もふた味も違う楽しさを味わえることは間違いない。最後に藤井氏は「アニプレックスさんと二人三脚で，2画面という大きなアイデアに挑戦していますので，ぜひご期待ください」とメッセージを贈ってくれた。
　なお，作品の詳細は，2022年9月17日22：00よりTGS 2022公式番組として実施する「アニプレックス×デスクワークス 新作RPGタイトル紹介番組」内で明らかにされる予定だ。興味を持った人はこちらもお楽しみに。

「World II World」公式サイト

「アニプレックス×デスクワークス 新作RPGタイトル紹介番組」配信ページ（YouTube）

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