プレイレポート
MOBAをボドゲに落とし込んだヨフカシプロジェクト最新作「天魔楼大戦」を紹介。声優・ランズベリー・アーサーさんによる対戦動画も
カジュアルなパーティーゲームにTCG風の対戦ゲーム,マーダーミステリーやソロプレイ特化のレガシー系と,毎回ジャンルの異なる意欲作を送り出してきたヨフカシプロジェクトだが,今回のテーマは“濃密タクティカル”だという。デジタルゲームで言うところの,いわゆるMOBAを2人対戦用のボードゲームに落とし込んだタイトルで,前作「破宮のデクテット」に続き,ゲーマー向きの本格タイトルとなっている。
ゲームデザインは日本人デザイナーのパイオニア的存在であるカワサキファクトリーの川崎 晋氏が手がけ,キャラクターデザインとイラストレーションをゲームやライトノベルのイラストなどで知られる山椒魚氏が担当した本作を,本稿では発売に先駆けて紹介していこう。
「天魔楼大戦」公式サイト
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MOBAをボードゲームに落とし込んだ「天魔楼大戦」
冒頭で紹介したとおり,「天魔楼大戦」は2人のプレイヤーが天界と魔界の二つの陣営に分かれ,それぞれの拠点であるタワーの破壊を目指して争いあう,対戦型のボードゲームだ。
設定としては,汚れた地球を捨て空に浮かぶ衛星に移り住んだ人々の世界を「天界」,取り残された地上の人々の世界を「魔界」と呼び,本作ではそれから数千年が経ち,衛星が地球に落下したことで,両陣営が再び地上の覇権をめぐって相争うという構図となっている。
両陣営のプレイヤーは,それぞれ4人のキャラクターを操作する(3〜4人プレイの場合は操作キャラを減らす)。勝利条件は,敵タワーの破壊,もしくは敵キャラクターを計7回倒すことだ。
プレイヤーはまず,6人いるキャラクターの中から今回のゲームで使う4人をそれぞれ選択し,ボードに配置する。6人のキャラクターは天界と魔界で見た目は違うものの性能は同じで,以下のようにそれぞれが異なる能力を持っている。
- 移動力と攻撃力の高いファイター
- 近くの味方の防御力を上げるタンク
- 近くの味方の攻撃力を上げるビショップ
- 敵を飛び越えて後ろを攻撃できるメイジ
- 長距離攻撃ができるが打たれ弱いハンター
- 敵をすり抜けて移動できるアサシン
天界と魔界のキャラクター一覧 |
キャラクターカードの裏は上級職だ。敵を倒せば上級職へ進化でき,性能が強化される |
続いて,それぞれのキャラクターの「スタンス」を決定する。
各プレイヤーは攻撃と防御のスタンス牌をそれぞれ4個ずつ,計8つ持っており,キャラクターごとに2個ずつ割り振ることで,能力を強化できる。攻撃の牌を重ねて攻撃に特化するのか,その反対に防御を固めるか,といった選択を,対戦相手に相手に分からぬよう,こっそり決めておくのだ。
ゲームが始まると,先手プレイヤーがまず1体のキャラクターを動かし,以後は交互に手番が回ってくる。キャラクターは基本的に2マスの移動が可能で,敵やタワーに隣接すると攻撃が行える。攻撃するには,まず設定しておいたスタンス牌をオープンしてから自身の攻撃力と相手の防御力を比較し,攻撃力が防御力を上回ったぶんだけ,相手のHPにダメージを与える,シンプルな仕組みとなっている。
攻撃によってHPが0になると,そのキャラクターは倒されたことになり,自陣へと戻される。倒されたキャラクターが再出撃するには数ターンを待たなくてはならないが,倒されたときにアイテムカードを1枚獲得できるので,うまく使えば逆転のチャンスにもなりえるだろう。一方,倒した側のキャラクターはキャラクターカードを裏返し,上級職へと進化。より強力な能力を獲得する。
勝利条件であるタワーへの攻撃も同様で,HPを0にすれば破壊できるが,その傍には3つのサブタワーが建っていて,これが残っているとメインのタワーの防御力が上昇する。そのため先にサブタワーを破壊したいところだが,もちろん無視してメインタワーを攻撃しても構わない。上昇した防御力を抜けるだけの高火力が出せればの話だが。
一見すると複雑そうな本作だが,上記のようにルール自体は非常にシンプルなので,慣れれば1プレイに30分とかからないはずだ。とはいえ,ゲームプレイ自体も単純かというと,そうとは限らない。キャラごとの特性を生かすにはどう動けばいいか,強力なアイテムをどう使うべきかという戦略,そして何より,スタンス牌の読み合いが勝負を大きく左右する。
「相手はここを死守したいだろうから,防御のスタンス牌を置いてくるはず。するとほかが手薄になるはずだから,周りから攻めるべきか。いや,それを見越して逆の配置をしている可能性も……」といった思考が,プレイ中は脳裏をよぎることになる。
実際にプレイしたアーサーさんも,「タワーの破壊か敵の殲滅か,どちらの勝利条件の達成を目指すかで,互いの戦術がすれ違うのが面白い」「スタンスのシステムが絶妙で,読みがハマるとすごく楽しい」と語っていたので,こうした読み合いが好きな人には,ぜひオススメしたいタイトルと言える。
ディレクター渡辺氏に聞く「天魔楼大戦」の見どころ
試遊ののち,本作のディレクションを担当した渡辺氏に話を聞いてみたので,その模様を最後に掲載しよう。先に掲載した動画内でのコメントと合わせて,購入の参考にしてほしい。
4Gamer:
本作のゲームデザイン上のポイントを教えてください。
渡辺氏:
制作当初は,天界と魔界で能力は均一にしたいと思っていましたが,山椒魚さんのイラストで世界観に厚みが出るにつれ,各陣営の「らしさ」が欲しくなってきたんです。それで開発後半になって,アイテムで差別化することにしました。それによって戦略にも違いが生まれたので,結果的には良かったのかなと。世界観とゲームデザインが,うまく相互作用した結果だと思っています。
4Gamer:
ゲームデザイン以外ではいかがでしょうか。とくにこだわった部分などがあれば教えてください。
渡辺氏:
スタンス牌ですね。どうしても牌の形にしたかったので,価格を抑えるためのコスト調整が大変でした。もちろんカードにしても遊べなくはないんですが,ボードゲームはやっぱり手触りが大事なので,そこはこだわりたいなと。カタッと開くときのドヤ顔感も違いますしね(笑)。
4Gamer:
確かにコンポーネントの豪華さのわりに,価格はリーズナブルですね。では,どんな人に本作を遊んでもらいたいでしょうか。
渡辺氏:
意外と万人向けのゲームなんじゃないかと思っています。
見た目はガッツリしてますし,駆け引きの密度も高いですが,そのわりには遊びやすいと思います。もちろんお手軽なカジュアルゲームでこそありませんが,腰を据えて遊ぶような重量級でもない。1プレイに何時間もかかる将棋やチェスのような濃密な駆け引きを,30分に凝縮したようなイメージです。
4Gamer:
なるほど。基本のプレイ人数が2人というのも,遊びやすそうです。
渡辺氏:
コロナ禍以降,売れるボードゲームの傾向が変わってきているように感じているんです。
以前はプレイ人数が多いものが好まれて,2人用というのはあまり人気がありませんでした。でもコロナ禍によってゲーム会などが減ってしまったこともあって,2人用のような,家族や友人といった少人数で遊べるゲームが求められているみたいなんです。なので,そういう人はぜひ本作を試してほしいですね。
4Gamer:
本日はありがとうございました。
冒頭でも紹介したとおり,「天魔楼大戦」は5月12日と13日に東京ビッグサイトで開催される「ゲームマーケット2023春」で先行販売が行われる。現地では,会場価格の4500円(税込)で購入できるとのことなので,本稿で興味を持った人は,【A-30】のヨフカシプロジェクトブースに足を運んでみよう。また,アニメイトやAmazon.co.jp(Amazonアソシエイト)ほかの通販サイトでの予約受付もスタートしている。
さらに動画内で紹介したように,読者プレゼントとして本作のパッケージを5セット,渡辺氏のご厚意により提供いただいた。こちらは5月15日掲載の「Weekly 4Gamer」内で案内する予定なので,楽しみにしていてほしい。
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