インタビュー
[インタビュー]「ソニックスーパースターズ」は,クラシックシリーズを大きくジャンプアップさせる意欲作。コアファンを大切にしつつもファミリー層にアピール
目指したのはクラシックシリーズの進化
4Gamer:
よろしくお願いします。
ソニックは2022年11月に「ソニックフロンティア」が発売されていたので,この時期に新作が発表されるとは,正直思っていませんでした。しかも,発売日も今年の秋と,割とすぐに出ることに驚いています。
飯塚 隆氏(以下,飯塚氏):
ソニックは,クラシックシリーズとモダンソニックシリーズの大きく2つに分かれていて,ソニックフロンティアはモダンソニック,ソニックスーパースターズはクラシックシリーズの新作という位置づけです。
4Gamer:
なるほど。同じソニックではあるけれど,シリーズの流れとしては別物なわけですね。
飯塚氏:
ええ。モダンソニックのほうはソニックフロンティアで大きな進化を遂げましたが,クラシックソニックのほうは横スクロールのゲームからあまり大きなステップアップをしていませんでした。ですので,ソニックスーパースターズは,ドット絵だったクラシックシリーズを大きくジャンプアップさせようという主旨で始まったプロジェクトなんです。
4Gamer:
ソニックスーパースターズを少しプレイしましたが,手触りの部分は良い意味で昔のままで安心しました。
飯塚氏:
そうなんですよ,メガドライブ時代のソニックが持っているタッチ&フィールはそのままに,グラフィックスを3Dにするという目標を持って進めているプロジェクトなので,それは狙い通りです。そこをベースに新しい要素を追加しています。
4Gamer:
その新要素がエメラルドパワーですね。
飯塚氏:
まさにそうです。
4Gamer:
試遊では2種類のエメラルドパワーを使えるようになっていましたが,詳細を教えてください。
飯塚氏:
クラシックシリーズのソニックには,カオスエメラルドを7つ集めると,スーパーソニックになれるという機能がありますが,全部集めるのを面倒に感じるプレイヤーも多かったようなので,エメラルドを1つ取れば新しい能力が開花するという仕様にしたんです。
4Gamer:
お手軽になりましたね。
飯塚氏:
ええ。今回出展していたバージョンでは,アバターとウォーターというエメラルドパワーを使えるようにしていました。アバターは,自分自身の分身たちが画面にバーっと無数に登場してきて敵を倒してくれます。ウォーターは,ソニック自身が水状態に変わるパワーで,滝を登ったり,水中を泳いだりすることができるようになるんですよ。
4Gamer:
今回プレイアブルキャラクターは4人発表されていますが,キャラクターによって使えるエメラルドパワーに差はありますか。
飯塚氏:
それはどのキャラクターも同じです。
4Gamer:
では,キャラクターの差というのは,従来作通りと思っていいですか。
飯塚氏:
そうですね,なので,昔からのプレイヤーには説明不要かもしれないですが,いちおうお伝えすると,ソニックは足が一番速く,ドロップダッシュも使えます。テイルスは,尻尾を回転させて空を飛べます。そして,仲間を1人運べます。ナックルズは滑空ができて,あと壁にくっついて壁を登ることもできますね。エミーは,ハンマーを持っています。ほかの3キャラとは違い,触ると痛そうな敵もハンマーで攻撃できるというのが特徴です。
4Gamer:
ほかにもプレイアブルキャラクターがいるなんてことは……?
飯塚氏:
そこは,今後の発表をお待ちくださいということで(笑)。
4Gamer:
まだタイトルを発表したばかりですからね,期待しておきます。では,ほかの新要素について聞かせてください。
飯塚氏:
では,協力プレイについて説明しましょう。実は今まで協力プレイはソニックでやってこなかったんですが,今回は挑戦しました。
4Gamer:
なんとなくですが,ソニックのゲーム性に協力プレイは合わないのではないかという印象を持っていました。
飯塚氏:
ええ,速く走るアクションゲームなので,みんなで仲良くゆっくり進んでいくっていうゲームスタイルは合わないと思っていましたが,もうソニックスタイルでいいんじゃないかと吹っ切りました。ほかのアクションゲームがやっていない,独自の協力プレイを目指して実現したんです。
4Gamer:
そういえば,私が遊んだのが試遊版だからかもしれませんが,協力プレイモードみたいな文字はなかったですね。
飯塚氏:
そうですね。実は専用のプレイモードがあるわけではないんです。普通に一人で遊んでいるゲームに対していつでも参加できるというスタイルです。
4Gamer:
なるほど。突然入ってきて,突然出て行くなんてこともできそうな。
飯塚氏:
それも可能です。気軽に試せるようにしています。ただ,4人協力プレイについては,追って情報を公開していきますので,詳細はまた別の機会とさせてください。
4Gamer:
分かりました。では,ソニックスーパースターズの開発体制について聞かせてください。メガドライブ時代の手触りをそのままに,2023年に新作を出すとなると,昔のことを知っている人がいないと難しいのではないかという気がしています。
飯塚氏:
ソニックも初代を発売してから31年ですからね。でも,初代「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」のデザイナーである大島直人さんにも参加してもらっています。クラシックシリーズを熟知している方ですし,私も一緒に仕事をしたことがある仲間ですので,ものすごくクリエイティブに楽しく働いてもらっています。
4Gamer:
実際に遊んでみて,もともと3Dだったんじゃないかと思うくらい,違和感がなかったです。
飯塚氏:
古くからのソニックファンにも認められるものを目指しましたからね。
4Gamer:
ファンを大切にしつつ,新たな要素を足すというのは難しそうですが。
飯塚氏:
ええ,昔の良さを保ちつつ,そこに新しい遊びを入れるというのは苦労の連続です。
4Gamer:
葛藤も多そうです。
飯塚氏:
ええ,あまりにも革新的なものを入れると,それはモダンソニックになってしまう。ですが,開発者としては新しいことに挑戦したい気持ちもあって……と,葛藤はあります。
4Gamer:
とはいえ,メガドライブでソニックを遊んでいた人も40代以上になっていそうですし,その層だけを意識していると,ブランドとして先細ってしまいますね。
飯塚氏:
ええ,30年以上支えてくださっているコアファンを一番大切にするというのは当然ですが,お父さんと子どもたちが一緒に遊べる,そんなゲームプレイを目指しています。
4Gamer:
なるほど。
飯塚氏:
実際,ソニックスーパースターズも今回の出展にいたるまでに一般の人たちに触ってもらうプレイテストをやっていますが,ファミリー層の評判はいいですね。
4Gamer:
コアファンとファミリー層では同じゲームをプレイしても感想に違いがありそうです。
飯塚氏:
もう,全然違いますね。コアファンは説明なしでどんどん遊んでくれますし,クラシックが帰ってきたと喜んでくれます。子どもたちは当たり前ですけど,スピンダッシュすらしらなくて。
4Gamer:
ひたすら歩いているみたいな。
飯塚氏:
ええ。そういった反応を見ると,説明を入れておこうかとかなりますしね。
4Gamer:
ソニックは2022年に映画も公開していますし,なじみのあるお子さんもいそうですね。
飯塚氏:
意外というのもなんですが,「ソニックマニア」や「ソニックオリジンズ」などを展開し続けているのもあって,子どもたちにもソニックはそれなりに広まっているんですよ。
4Gamer:
そうだったんですね。
飯塚氏:
あとは,映画のおかげでアジア圏でもソニックは広まってきました。ソニックスーパースターズは,最初から中国語版も出しますし,さらに知名度を上げていきたいですね。
4Gamer:
なるほど。では最後に,読者へのメッセージをお願いします。
飯塚氏:
昨年はソニックフロンティアでモダンシリーズを大きく進化させました。そして今回はソニックスーパースターズで,クラシックシリーズも皆さんに見直してもらいたいという思いで作りました。エメラルドパワーや4人で遊べるという新たな要素も用意していますので,家族みんなで楽しんでもらいたいです。まだ明かしていない情報もありますので,続報にご期待ください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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