プレイレポート
[プレイレポ]アーサー王の若き頃を描いた「King Arthur:伝説の誕生」は,王道の真ん中を行く正統派RPGだ
アーサー王伝説をテーマとした“剣と魔法の世界”で,アーサーやマーリン,モーガンなどの英雄を操作する“ターン制コマンドバトル”が展開される。まさにRPGの王道ともいえる本作のプレイフィールをお伝えしよう。
「King Arthur: 伝説の誕生」公式サイト
王座に就いたばかりの,若きアーサー王が主人公
“ダークファンタジー戦略RPG”を謳う「King Arthur:伝説の誕生」の主人公は,そのタイトルからも分かるとおり,若き日のアーサー王だ。アーサー王と聞けば,“有能な「円卓の騎士」や,魔術師マーリンが周囲を固める強い王”という印象を持つ人は多いだろう。
しかし,本作のアーサーはまだ王座に就いたばかり。円卓の騎士はひとりもいないし,国内には問題が山積みされているため,アーサー自らがさまざまな物事を解決するために,駆け回ることになる。
主人公のアーサー王 |
生まれたばかりのアーサーは,魔術師のマーリンによって保護された |
出先では,父王ユーサーや魔術師マーリンへの恨み言も聞こえてきて,品行方正ではなかった彼らの尻ぬぐいまでしなければならないことも。加えて,アーサーの血統と聖剣「エクスカリバー」にもなにやらほの暗い秘密が秘められているようで,闇の魔術師・モーガンにつけ狙われることになってしまうのだ。
成長したアーサー。エクスカリバーを引き抜き,父王ユーサーの王国を受け継ぐ |
ロット王(写真中央)と闇の魔術師モーガン(写真右)は陰謀を企むが,そのためにはアーサーが必要なようだ |
このようにアーサーの前途は多難だが,これを助けるのがプレイヤーの采配となる。最大4人の英雄(キャラクター)でパーティを編成し,クエストに赴く。クエストではマップ内を歩き回れるが,ボタンひとつで目的地へと進むことも可能だ。戦闘の指揮に集中するといった遊び方もできる。
戦闘はターン制のコマンド選択式だ。ターン中は「攻撃速度」に応じて「攻撃ゲージ」が蓄積され,これが満タンになった者がコマンドを入力できる。
つまり,戦闘中は敵味方が入り乱れて行動するため,状況はくるくると変化する。強力なボスは行動速度が速いため,2回連続で行動するなんてことも珍しくない。敵味方の行動順は画面左下に表示されているので,常にチェックしながら最適な戦術を採れば,勝利へ一歩近づくだろう。
戦いの中では,英雄ひとりひとりの責任が重くなる。本作のコマンドには「防御」がないため,ひとまずは身を守って安定させる無難な選択ができない。言い換えれば,戦闘中は4人全員が何らかの役に立つことが求められるため,パーティ編成がより重要になるということだ。
英雄は,それぞれが通常攻撃と,ふたつの「スキル」を持っている。またスキルの使用には,「気力」が2以上必要になる。気力はパーティ全員で共有のリソースであり,英雄に順番が回ってくると1増え,通常攻撃を使うことで,さらに1プラスされる。
味方がやられてしまうと,共有リソースである気力の蓄積ペースがダウンするため,なるべく犠牲を出さないよう戦うことが重要になる。本作では,回復スキルが貴重な上に防御コマンドがないため,一手一手の選択が重いのだ。
だからといって決断を恐れ,気力を使い惜しんでいては勝てるものも勝てない。気力を溜められるのは5つまでで,増減は英雄の順番と行動で正確に予測できる。気力を無駄にすることがないよう適切に使い,適切に溜めていくことが必要になるだろう。
画面右下の青いブロックが「気力」 |
スキルには固有のモーションが用意されているのだが,Unreal Engine 5のグラフィックスと相まってなかなかに派手だ。炎の剣が振るわれ,魔術が飛び,天から矢が降り注ぐ様は思わず見入ってしまうだろう。
効果も様々で,強力な攻撃を繰り出すようなスタンダードなものばかりでなく,バリアを張りつつヘイトを引いたり,敵に攻撃しつつ味方の誰かを回復するなど,ひとつのスキルが複数の効果を発揮するものも少なくない。
スキルの使用時には派手な演出を楽しめる |
戦いでは,たとえ追い詰められてもパーティの誰も見捨てないようにし,冷静にコマンドを選択したい。敵の攻撃に耐えつつ体勢を立て直し,一気に攻勢に転じていく……といった戦術が見事に決まれば,名軍師のような気分に浸れるだろう。思考力が問われるギリギリでのせめぎあいは,コマンド選択式RPGの醍醐味なのだ。
王道RPGとしては基本中の基本だが,戦闘前のパーティ編成も非常に重要になる。英雄は「炎」「嵐」「氷」の属性を持ち,氷は炎に強く,炎は嵐に強く,嵐は氷に強い……とじゃんけんのような関係にある。
相性が有利の場合,与えるダメージは1.25倍になるが,不利だと0.85倍に低下するため,この差は大きい。特に全体攻撃スキルならなおさらだ。
アーサーなど「遺物(武器)」で属性を変えられる英雄もいる。エクスカリバーなら炎属性だが,「ディアナの息吹」を持てば嵐属性になるため,新たに嵐属性の英雄を用意しなくていい。
武器を変えればスキルも変わる。エクスカリバーのアーサーは純粋なアタッカーだが,ディアナの息吹の装備時は仲間の攻撃力と攻撃速度を上げられるようになるため,より柔軟な運用が可能となる。
属性の相性によるダメージ差は,強敵と戦うときほど馬鹿にできなくなる |
メインストーリーを進めると,アーサーは新たな剣「ディアナの息吹」を入手できる。武器は,戦闘中に変更できないので注意 |
ディアナの息吹を装備すると,これまで相性不利だった氷属性の敵にも大ダメージを与えられる |
そして,戦場の「天候(時間)」もあらかじめチェックしておきたい。戦場の天候は,英雄にも影響を及ぼすからだ。アーサーやエクターなど昼に強くなる英雄もいれば,モーガンのように夜に強い者もいる。得意な天候ならクリティカルダメージと攻撃速度がアップし,受けるダメージまで下がるのだから,このフィーチャーを使わない手はない。
また,縁が深い英雄同士をパーティに入れると,通常攻撃の使用時に特定確率で援護してくれるなど,パーティ編成に関するフィーチャーは多いため,じっくり考えて編成していきたい。この辺りのセオリーは,後述する施設の「騎士養成所」で教えてもらえるので心配は無用だ。
戦場が得意な「天候」である場合,英雄には天候バフがかかって有利になる |
英雄の育成はダンジョンで。領地を活用して装備を整える
戦いに勝ち進んでいくためには,英雄の育成も重要になる。本作に用意されているダンジョンには手ごわいボスが控えているものの,「経験値がほしい」「素材を手に入れたい」といったニーズに応えてくれるものが多い。
なお,ダンジョンのボスはとにかくパワフルだ。けた外れのHPと攻撃力を持つため,未熟なパーティだと一瞬で壊滅させてしまうことも。バリアで身を守ったり,デバフを掛けたりと攻撃も多彩なので,バリアに対抗するために多段ヒットの英雄を用意したり,攻撃に耐えられるよう回復役を入れたりする必要もある。
領地の活用も忘れてはならない。アーサーの本拠地にはいろいろな施設があり,彼の戦いを助けてくれる。
この辺りは,先のダンジョンと同様に昨今のソーシャルゲームに近いシステムだ。時間の経過とともに,「経験値ポーション」を入手できるほか,戦術を学ぶ騎士養成所,遺物の強化素材を作る「魔術師の館」,装備を扱う「鍛冶屋」,前述したボスに挑める「制限区域」,時には掘り出し物も並ぶ「市場」などが用意されている。
中でも重要なのが,英雄を召喚できる「アヴァロンの湖」だろう。英雄には「一般」「上級」「稀少」「伝説」といったレアリティが存在する。運が良ければ,本来敵である伝説級の魔術師モーガンも召喚でき,夢のパーティを編成できるのである。
また,「ギルド」を設立すれば,気が合う仲間とのコミュニティになるのに加え,ストーリーで経験値が多くもらえるなどのバフも得られる。これらをフル活用して英雄たちを育てていくと,PvPコンテンツ「コロシアム」が解禁され,より奥深い戦闘を楽しめるようにもなるのだ。
「アヴァロンの湖」では英雄を召喚できる。要は,ガチャである |
物語だけでなく,システムにも原作の世界観や設定が盛り込まれる
本作は,「原作」であるアーサー王伝説へのリスペクトが,システムと物語の両面で見られるのもポイントだ。
前述した天候バフは時間帯によって英雄が強くなる要素だが,恐らくは「ガウェインが朝の9時から昼12時と,昼15時から日没まで強くなる」という伝承の再現だろう。なおガウェインばかりでなく,すべての英雄に効果が及ぶ辺りはゲームとしてのアレンジだ。
若きアーサー王のもとには,円卓の騎士たちが少しずつ集まってくる。父王ユーサーを「破廉恥な卑劣漢」と罵りアーサーに激しい敵意を向けるトリスタン,思慮深い人物でありながらも敵方に与するガウェイン,優れた能力を持つランスロットなど,誰もが知っている英雄たちが本作ならではの形で登場する。
本作のトリスタンは,民兵たちとともに戦う騎士 |
プレイを進めることで,どのようにしてアーサーの味方になるのか楽しみに感じられる。また,原作ではアーサーの義兄であるケイは本作で女性になっており,歯に衣着せぬ物言いとアグレッシブな性格でストーリーを引っ張っていくのも現代的で面白い。
トリスタンとイゾルデは,本作でも道ならぬ愛のとりことなるようだ。ただ,「King Arthur:伝説の誕生」のストーリーにはアレンジが加えられているため,どのような結末を迎えるかは実際に見るまで分からない。
アーサーとの決闘に敗れたトリスタンは,わだかまりを捨てて味方になる |
アーサーの義兄ケイは,本作では女性として登場 |
イゾルデは,他国に嫁ぐ身でありながら,トリスタンへの恋心を自覚する |
アーサーのエクスカリバーにも秘密が秘められているようだ。本作のエクスカリバーには「カリバーン」と名乗る赤竜が封じられており,アーサーに力を貸してくれる。
カリバーンの二つ名は「反逆の剣」とあるため,過去に何があったのか気になるところ。そして,アーサー自身にも「神殺しの血」が流れており,モーガンが企む陰謀にとって重要なファクターになるようだ。謎が謎を呼ぶ物語だけに,続きが楽しみになってくる人も多いだろう
赤竜カリバーン |
エクスカリバーを振るうアーサーを見て,モーガンは「浸食が起こっている」と語る。剣にはどんな謎があるのか? |
妖精の大使ギリエンは,「マーリンを信じてはならない」と警告する。果たしてその真意は? |
アーサーは,その人徳で周囲の人々を仲間にしていく |
「King Arthur:伝説の誕生」は,Unreal Engine 5で作られたグラフィックスが非常に美しい。特にPC版ではバトルのシネマティックな演出に見入ってしまうだろう。武器や防具の質感やデザインも重厚感のある正統派で,スクリーンショットの撮影もはかどるのだ。
剣と魔法のダークな物語,ターン制+コマンド選択式の戦闘,重厚感あふれるキャラクターや武具のデザイン……と,様々な側面で正統派のフィーチャーが揃った本作。スマートフォンとPCのクロスプラットフォームになっており,外出時はスマートフォン,自宅ではPCと場所を選ばずにプレイできるのもうれしいところ。サービスはまだ始まったばかりなので,気になる人はチェックしておこう。
アーサー王の物語を分かりやすく解説する人形劇。木でできた舞台や手を入れて動かす人形たちといった中世の娯楽が再現されている。これもまた“正統派”の表現だ |
「King Arthur: 伝説の誕生」公式サイト
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KING ARTHUR: LEGENDS RISE SOFTWARE. (C)2023 GUROBAL GAMES, INC.
(C)2023 KABAM GAMES, INC. A NETMARBLE COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED.
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