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「RAID: Shadow Legends」冒険記 第8回:「ダークエルフ」が生まれた経緯とは。シロスの残虐性,ハイエルフの傲慢が生みだした悲劇
「RAID: Shadow Legends」公式サイト
ハイエルフから分裂した「ダークエルフ」
仲間割れの裏には常にシロスの影あり
一般的なファンタジー世界では,エルフ種族の“派生”としてダークエルフやウッドエルフといった種族が置かれることが多い。派生種が生まれる理由としては,新たな住処に適応した結果として発生したり,そもそも別種だったりと,作品によってさまざまだ。
RAIDにおけるエルフ種族は単一の存在だったが,後の時代に分裂したものだという。それは,シロスの軍勢によるテレリアへの大規模侵略が始まった「業火の時代」のこと。邪悪な精霊にそそのかされて暗黒魔法に手を伸ばし,アラヴィアから追放されたエルフたちの末裔が現代のダークエルフたちだ。
追放のきっかけとなった事件や,その後の顛末については「クイーン エヴァ」の伝承に詳しく記載されている。業火の時代は数世紀にわたって続き,当時のバシレウス「ロアナス」をはじめとするエルフたちは,知識と武力を総動員してこれを撃退した。しかし,その裏では,シロスの手先である精霊「ドリームウォーカー」が暗躍していた。
ドリームウォーカーはその名の通り,人々の夢に現れる力を持っている。シロスはエルフたちの知識欲や誇りを逆手にとり,ドリームウォーカーを使って危険な知識を振りまいた。その結果,アラヴィア国内にはドリームウォーカー信者たちが一大勢力として出現し始める。
アラヴィア王は騒乱を平和的に終わらせるため,信者たちを招いて秘密会議を開くものの交渉は決裂。突如として勃発したアラヴィア内戦は数十年にわたって続き,後に「エルフ戦争」と呼ばれる大戦争に発展した。
アービターが手勢をもってこれを収束させたものの,両者の間にできた溝が埋まることはなく,ドリームウォーカー信者たちは近隣の森林地帯「ダーラム」へと追放される形となった。そうして生まれたのが,アラヴィアに残った「ハイエルフ」と,ダーラムを本拠とする「ダークエルフ」という名称である。
アラヴィアとダーラムの憎しみ合い,小競り合いは百年以上にわたって続いたが,アラヴィアの現女王であるエヴァは状況を変えようとしていた。
エヴァは巨壁「フェルウィンズ・ウォール」を作り上げ,2種族の間に距離を作った。戦いの選択肢を潰すことで,エヴァは数世紀ぶりにハイエルフとダークエルフによる秘密会議の場を作ることに成功。当初は歩み寄りなど到底望めない状況だったが,何十年もの粘り強い交渉の結果,少しずつ意義のある会話が行えるようになる。
しかし,エルフも人間のように老いるときがくる。自分が倒れたとき,強硬派のハイエルフが王座につけば状況は一瞬でもとに戻ってしまう。それを恐れたエヴァは心を病み,ついにはドリームウォーカーの声にすがるようになってしまう。ドリームウォーカーの言葉は猜疑心を肥大化させ,エヴァは裏切りに怯えるようになった。
ちょうどそのころ,カエロク王国のタイバ国王が同盟先の自由都市へと攻め込んだという報告を受ける。「バナーロード」の回で紹介した通り,カエロクの侵攻は外でもないシロス陣営が仕組んだものなのだが,エヴァはこれをドリームウォーカーが語った“裏切り”であると確信。同盟を無視し,カエロク王国への攻撃を開始したのだ。
「RAID: Shadow Legends」冒険記 第4回:――そういえばこいつら,なんで戦ってるんだっけ? 世界を楽しむためにシナリオを紐解いていこう
「RAID: Shadow Legends」は,奥深い戦略を楽しめるファンタジーRPGだ。長く遊ぶと軍団のメンバーが充実し,編成の楽しさが湧き出してくる。でもよく考えたら,こいつらは誰で,なんで戦ってるんだろうか。ゼロから遊ぶ連載「『RAID: Shadow Legends』冒険記」第4回では,さまざまな勢力が入り乱れるテレリアの世界設定を探っていく。
ダークエルフには,ほかの“不浄なるもの”とは少々異なる雰囲気がある。闇の知識に魅了された者たちや,軽々に命を奪う簒奪者は多いが,そうした行いはシロスへの信仰によるものではなく,自分たちを追放したハイエルフへの憎しみが原動力となっている部分が大きいように感じられる。
こうした種族が生まれたのは悲劇だが,アービターをはじめとするハイエルフたちが,ルマヤを絶対視しすぎていることや,異端への強すぎる迫害意識によってダークエルフの反骨心が強まったことも事実だろう。このように,いわゆる“正義側”が絶対的に正しい存在としては描かれないのも,RAIDの伝承の面白いところだ。
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