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「ソニック × シャドウ ジェネレーションズ」インタビュー。映画とのリンクも実現した“シャドウの年”のTGS会場で意気込みを聞いた[TGS2024]
12月27日に公開される映画第3弾の国内タイトルが「ソニック × シャドウ TOKYO MISSION」に決定し,“Year of Shadow=シャドウの年”と位置づけられた2024年内の発売に向け,開発が進められてきた本作。
4Gamerでは6月に行われたの日亜合同試遊会にて,開発陣の合同インタビューをすでにお届けしているが,今回はそれ以降に発表された新情報なども交えて,TGS会場で開発陣に話を聞いてみた。
「ソニック×シャドウ ジェネレーションズ」試遊レポ&開発者インタビュー。シリーズの歴史とシャドウの魅力を同時に味わえる1本だ
セガが2024年10月25日に発売を予定している「SONIC X SHADOW GENERATIONS」の日亜合同試遊会&開発者インタビューをレポートする。「ソニック ジェネレーションズ 白の時空」のリマスター版と完全新作「シャドウ ジェネレーションズ」を融合したボリューミーな1本だ。
[プレイレポ]「ソニック × シャドウ ジェネレーションズ」東京ゲームショウVer.を先行体験。シャドウの新たなドゥームパワーが明らかに
セガが2024年10月25日の発売を予定している「SONIC X SHADOW GENERATIONS」の第2回メディア向け体験会が開催された。今回プレイできたのは,gamescom 2024の出展バージョン。ソニックとシャドウの新ステージ,そしてシャドウの新たなドゥームパワーも明らかになっている。
「ソニック × シャドウ ジェネレーションズ」公式サイト
巨大バルーンの存在感が目を引く“シャドウの年”のセガブース
4Gamer:
TGS 2024のセガブースは,シャドウの巨大バルーンや,シャドウカラーリングのバイクが展示された豪華な作りでした。まずはそのコンセプトを教えてください。
中村 俊氏(以下,中村氏):
一昨年は「ソニックフロンティア」で巨大なソニックを設置し,昨年は「ソニックスーパースターズ」でキャラクターをたくさん配置し,皆で遊ぶ楽しさを演出する意図の展示になっていました。“Year of Shadow=シャドウの年”の今年は,より彼の存在感を押し出すために,巨大バルーンを展示したというわけです。
タイトルが「ソニック×シャドウ ジェネレーションズ」ですので,一昨年のソニックとシャドウのバルーンを並ばせることも考えたんのですが,そうするとかなり大きなスペースが必要になるので,隣接する試遊スペースの広さもを考えて,今の形になったわけです。
そしてバイクですが,あれはアメリカから取り寄せたものなんですよ。バイクはシャドウを象徴する存在なんですが,届くのがかなりギリギリで焦りました(笑)。
鴫原克幸氏(以下,鴫原氏):
ゲームの試遊内容は,これまでの試遊イベントにも登場したシャドウステージの「スペースコロニーアーク」「バイオリザード」に加え,新しく「キングダムバレー」と「メタルオーバーロード」がプレイできるようになりました。こちらはシャドウのドゥームパワーを使い,いろいろな遊びが楽しめるステージになっています。
4Gamer:
これまでのところ,ソニックファンからの反応はいかがですか。
中村氏:
8月にシャドウのドゥームパワーを初公開したのですが,それ以前にも翼の生えたシャドウをチラ見せしたことがあって,そのときは大きな反響がありましたね。「このデザイン,本当に大丈夫!?」というような。
意外だったのは,「ドゥームモーフ」というタコのような姿になるドゥームパワーがあるんですが,それがすんなり受け入れてもらえたことです。もはや原型をとどめないくらいの変化なので,「これはもうシャドウじゃない」みたいなツッコミを受けるかと思っていたのですが。あれをデザインしたデザイナーは,自分は正しかったと安堵していました(笑)。
中村氏:
また今回のTGS直前には,マリアやメフィレスといったキーキャラクターが登場するストーリートレイラーを公開しています。ここから先,シャドウと彼らがどう絡み,ストーリーが進行していくかは,実際にゲームをプレイして体験してもらえたらと思います。
鴫原氏:
アニメトレイラーの「闇の序章」も公開していますので,こちらもチェックしてもらいたいですね。これは3回に分けて配信する予定で,「シャドウ ジェネレーションズ」の物語が始まる以前の出来事を描いたものになっています。クオリティも非常に高いので,ゲームをプレイする前に,ぜひ。
ダブル主人公で展開される新世代ハイスピードアクション
4Gamer:
「ソニック ジェネレーションズ」のリマスター版と,完全新規の「シャドウ ジェネレーションズ」の2作品が収録されたタイトルですが,どういう経緯で生まれた企画なのか,改めて聞かせていただけますか。
中村氏:
以前のインタビューでもお話しましたが,2024年末公開の映画にシャドウが登場することが決まっていたので,そこでソニックやシャドウを好きになった人に遊んでもらえるタイトルを目指して企画したのが本作になります。これまでの映画2作品は,制作スケジュールの都合などもあってゲームとリンクさせるのが難しかったのですが,今回はそこに挑戦してみたかったんですね。
一方で,映画とゲームは違う世界ですから,まったく同じコンテンツにはできません。そこでファンからの評価も高く,ソニックの歴史を紡いできた「ソニック ジェネレーションズ」に,同じフォーマットで今度はシャドウの歴史を紡ぐ物語を加えて,一つのパッケージにするのがベストではないかと考えました。
鴫原氏:
「ソニック ジェネレーションズ」の基本の動きやハイスピードアクションのコンセプトはそのままに,シャドウ特有のカオスコントロールやドゥームパワーといった要素を加えることで,ソニックとの差別化を図っています。
4Gamer:
ステージやボスは,どんな基準で選んだのでしょうか。
中村氏:
「ソニック ジェネレーションズ」では,過去作のシリーズから1ステージ&1ボスといった感じで選んでいましたので,そこは踏襲しています。選ぶ基準はファン人気の高さと,あとは全体のバランスなどを考慮して,似た絵面にならないよう気を付けながら選んでいます。
鴫原氏:
新たにドゥームパワーが加わりましたので,それを活用した手応えを感じられるギミックと,同時に既存のプレイヤーには懐かしさを感じてもらえるようなステージ展開を心掛けて制作しています。同じくボスについても最初は原作と同じように戦えて,徐々に新しい演出を取り入れて驚きを感じてもらえるような作りですね。
4Gamer:
カオスコントロールやドゥームパワーなど,シャドウはソニックと比べて多彩なアクションが取り入れられていますが,なぜこうしたものを導入したのでしょうか。
中村氏:
ベースとしては「ソニック ジェネレーションズ」との差別化というのが大きいですが,シャドウは性格的にも“目的のためには手段を選ばない”面がありますので,それを表現する意味もあります。それでいてスピードランの面白さを損なわず,テクニカルに遊べる要素であり,一方で初心者はカオスコントロールを使って時間を止めるなどで,難所を進むのが少し楽にできる。そうした幅広いプレイヤーに楽しんでもらうことを意識して実装しています。
4Gamer:
なるほど。テクニカルかつ幅広い層に向けたゲームバランスというのは,一筋縄ではいかなそうですね。
鴫原氏:
おっしゃるとおりですね。実際,開発にはかなり苦労しました。普通のアクションゲームと違い,ソニックは常に速さを追求しているタイトルです。それだけでも難色を示す人は多いですので,さらにシャドウのアクションまで追加するとなったら,さらに難しいと思わせてしまう懸念がある。そのためにレベルデザインでは初心者のことを常に意識しつつ,初心者にも上級者にも使い勝手のいいカオスコントロールを加えたわけです。
中村氏:
カオスコントロールは初心者の助けになりつつ,上級者が使えばさらに早く進めるといったデザインを心掛けています。なので想定外のところにルートがあったりしますので,上級者はいろいろ試していただけると嬉しいですね。
4Gamer:
新たな要素を取り入れると,どうしても速さが損なわれてしまう印象があるんですが,その辺りはいかがですか。
中村氏:
バトルがメインになりがちなアクションゲームにあって,走る気持ちよさを追求してきたソニックは,ファンの皆さんもその点に愛を持ってくださっているので,そこに違うゲームの文法が入ると不満に感じるのは分かっていました。過去に行ったさまざまな模索の中で,鴫原もそういった経験がありますので(笑)。なので今作の開発においては,そうならないよう細心の注意を払っています。
鴫原氏:
「ソニック ジェネレーションズ」は発売当初からハイスピードアクションとして高い評価をいただいていますし,今作でもそのテイストは崩さないよう,強く意識しています。
世界をつなぐシャドウ ジェネレーションズ
4Gamer:
これまでの発表で,「ホワイトスペース」という3Dマップの存在が示唆されていますが,今のところ詳細が明らかになっていないように思います。可能な範囲でかまいませんので,改めてご説明いただけますか。
中村氏:
ホワイトスペースは「ソニックフロンティア」のフィールドをインスパイアした広い空間……というところまでは,これまでにも情報を公開しています。これは「ソニックフロンティア」が広い空間を動き回れるゲームだったのに対し,「ソニック ジェネレーションズ」が直線的なゲームデザインであることから,前者の遊びを取り入れる意味で用意したものになります。
といっても,「ソニックフロンティア」のように自由にどこまでも行けるようなものではなくて,シャドウがドゥームパワーを入手すると,少しずつ行ける場所が広がっていくといった,やや趣の異なるものになっています。広がった場所に行くと,新しいステージやチャレンジが見つかるといった,いわゆるハブ的な役目のワールドですね。
4Gamer:
今回のTGSで触れるかと思ったのですが,残念ながらホワイトスペースは登場しませんでした。
中村氏:
ハブワールドとしての設計上,TGSのような短い試遊時間で体験するには,適していないのではと考えました。ステージとステージをつなぐホワイトスペースの存在を通して,「ソニック ジェネレーションズ」と「シャドウ ジェネレーションズ」が同じ作りであることを感じられる構成になっていますので,発売を楽しみにしていただければと思います。
4Gamer:
一方がリマスター版とはいえ,2本のタイトルを同時に作るのは大変なのではないかと思いますが,開発中に苦労したエピーソドはなにかあるでしょうか。
中村氏:
ソニック側とシャドウ側の2チーム体制で開発していましたので,それをまとめあげる鴫原のようなポジションが一番苦労したと思います。常に両方から違う問題が上がってきて,しかも対応プラットフォームまで多いという。
鴫原氏:
これは実作業というより気持ちの問題なのですが……自分は「ソニック ジェネレーションズ」にはプランナーとして関わっていたので,自分が若い頃に作ったものを,自分でリマスターしている感覚なんですよね。だから,直したいところがたくさん見つかるんです。
ただ,手を入れすぎると別物になってしまいますから,当時感じていた「こうすればもっと面白くなるのに!」という気持ちを,グッと抑えて我慢するのに,ある意味苦労したと思います(笑)。
4Gamer:
なるほど(笑)。では最後に本作でとくに注目してほしいアピールポイントなどがありましたらお願いします。
鴫原氏:
自分としては,「ソニック ジェネレーションズ」の開発当時に得た経験や情熱を,この作品にすべて注ぎ込んだつもりです。とくに思い入れの深いタイトルでもあり,力も入っていますので,「ソニック ジェネレーションズ」で描かれるシャドウの足跡を楽しんでいただきたいです。ぜひ買ってください!(笑)。
中村氏:
今年は世界中のシャドウファンに向けたお祭りの年です。そんなシャドウファンの皆さんに本当に楽しんでいただくために,本作の開発を続けてきました。
ビジネス的にも,ゲームと映画をリンクさせるという難しい試みに挑戦していまして,先日のState of Playで発表したDLC「ソニック×シャドウ TOKYO MISSION ムービーパック」は,その成果の一つでもあります。さらに配信アニメやコミックとの連動もありますので,そうしたメディアからシャドウのバックボーンを知ってもらうと,ゲームをプレイしたいただいたとき,より彼の魅力を感じてもらえると思います。すでにシャドウファンの皆さんはもちろん,本作がソニック初プレイという人も,10月25日の発売をお楽しみに!
4Gamer:
本日はありがとうございました。
「ソニック × シャドウ ジェネレーションズ」公式サイト
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- ライター:稲元徹也
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