プレイレポート
[プレイレポ]「LEGO Horizon Adventures」試遊レポート。ブロックで作られたHorizonの世界を駆け回る,協力プレイが楽しいアクションRPG
本作は,Guerilla Gamesが開発を手がけるアクションアドベンチャー「Horizon」シリーズの世界観を,ブロックおもちゃの「LEGO」(以下,レゴ)で再構築したアクションRPGだ。Guerilla GamesとStudio Goboの共同開発により,アーロイをはじめとした登場キャラクターがレゴブロックとなり,本作向けにアレンジされたストーリーが展開される。
本稿では,そんなすべてがレゴブロックで作られた世界で繰り広げられる,アーロイ達のコミカルな冒険の序盤の様子をレポートする。なお試遊会でプレイできたのはPS5版で,本稿のスクリーンショットもPS5で撮影しているので,その点はご承知おきいただきたい。
「Lego Horizon Adventures」公式サイト
レゴブロックで再現された「Horizon」の世界
レゴブロックがテーマのゲームは,オリジナルのレゴシリーズのほか,さまざまなIPとのコラボタイトルが多く発売されているが,そのいずれもがブロックの組み替えによってモノの形が変わる,ブロックトイならではの演出を取り入れている。“ミニフィグ(ミニフィギュア)”と呼ばれる人形になった各キャラクターも可愛らしく,幅広い年齢層から好評を博しているシリーズである。
本作もそのコンセプトに則り,「Horizon」シリーズの世界がレゴブロックによって再現されている。一度滅びた未来世界で,ミニフィグとなったアーロイ達がカルト教団の敵キャラクターや機械獣と戦いながら物語を進めていくというわけだ。
思えば本作発表前の2022年に,「Horizon」シリーズのシンボルともいえる機械獣「トールネック」をモチーフとしたレゴ商品が発売されたことがあったが,あれが本作の布石だったのかもしれない。もちろん本作にもレゴブロックで作られたトールネックが登場する。
「Horizon」シリーズ×レゴのゲーム化にあたり,ストーリーは原作の世界観や全体の流れを踏襲しつつも,内容はかなりコミカルにアレンジされている。
プレイヤーキャラクターはアーロイのほか,ロスト,ヴァール,ティルサ,エレンドがいて,アーロイとロスト以外は攻撃手段が異なっている。キャラクターはアンロック後に拠点で交替でき,2人プレイ時は異なるキャラクターを選んでプレイする仕組みだ。
まず最初の見どころは,やはりレゴブロックで作られた「Horizon」の世界だろう。アーロイ達や機械獣はもちろんのこと,武器やアイテム,背景のオブジェクトまですべてレゴブロックで作られていて,そのビジュアルはなかなかに壮観だ。
オブジェクトを壊したときや敵を倒したときはブロックがはじけ飛び,協力プレイ時にプレイヤーがやられたときはオバケのミニフィグ姿になるなど,徹底して作り込まれたレゴブロックの世界や演出は,見ているだけでも楽しい。チャプターの最終目標も「ゴールドブロック」で,これを規定数集めると,拠点となる「母の源」に新たな施設を作れるようになる。
今回の試遊では,チュートリアルとなるプロローグから,カルト教団に連れ去られた仲間達を救助するチャプター1がプレイできた。
ゲームは斜め見下ろし型のスタイルで,フィールドはオープンワールドでこそないが,ちょっとした寄り道もできる作りになっている。操作は簡単かつ軽快で,とくに難しいアクションもなく,誰でもすぐにプレイできるだろう。
アーロイの主な攻撃は弓で,原作のように近接戦時に槍を使うことはできない。弓は連射も可能だが,ボタンを押し続けるとその場に立ち止まり,狙いを定めてより正確な射撃が行える。遠距離から特定の場所をピンポイントで狙うときは,この撃ち方がいいだろう。
また「フォーカス」も装備していて,これを使うと画面内にパルスが発生し,敵の存在や機械獣の弱点,置かれている宝箱などのオブジェクトがハイライトされる。
アクション自体はシンプルだが,フォーカスで判明した機械獣の弱点を狙うために立ち回ったり,炎や電気の上を通すように矢を撃って属性ダメージを与えたり,置かれた爆弾や敵を放り投げてほかの敵にぶつけたりと,戦闘における選択肢はたくさん用意されている。
またフィールドにある宝箱や倒した敵から「ガジェット」や「レア武器」といった特殊な攻撃アイテムが手に入ることもあり,これを使いこなすことで戦略の幅がさらに広がる。広範囲に複数の矢を撃てる「スプレッドボウ」,2段ジャンプをすると足元に爆炎が広がる「ブラストブーツ」,振りかぶって敵をひっぱたく「ブロック外し」,爆発するホットドッグをフィールドに投げる(?)「ホットドッグカート」など,弓とはひと味違うバラエティに富んだ攻撃が用意されているが,使用回数に限りがあるので使いどころは考えるべきだろう。
これまでも触れたように「Horizon」の主役的な存在である機械獣達も多数登場する。試遊したチャプター1だけでも「ブロードヘッド」「グレイザー」「スクラッパー」「ウォッチャー」「トールネック」,そしてボスとして登場する「コラプター」の存在を確認できた。
行動パターンはトールネックを除いたすべてが攻撃的で,種類によって個性があり,耐久力や攻撃手段,弱点なども異なっている。単体ではそれほど強くない場合でも,複数が同時に現れたり,カルト教団などが一緒に襲いかかったりしてくるときは,優先して倒すべき相手の選択や位置どり,アイテムの使い方などといった戦略も必要だろう。
ゲームの難度は5段階から選択でき,今回体験したのはその真ん中となる標準難度の「ぼうけん者」だったが,チャプター1の道中は比較的すんなり進むことができた。しかしボスとして登場するコラプターは原作同様多彩な攻撃手段を持ち,かつ耐久力も高い難敵で,ここで何度か苦渋を舐めることに。
難度はいつでも変更できるほか,チャプターを繰り返せばキャラクターを成長させられる(ハートで表されるHPが増える)ので,倒せないときは成長させてから挑むのも一つの手と言える。
また本作は,オフラインまたはオンラインでの2人協力プレイが可能で,そこがセールスポイントの一つとなっている。協力プレイ時は単純に戦闘力が倍になるだけでなく,倒れてしまったときにその場で蘇生してもらうこともできるので,ソロよりも圧倒的に戦いやすくなる。進行に詰まったときなどは,家族や友達に飛び入りで参加してもらい,手伝ってもらうのもいいだろう。
「Horizon」シリーズの壮大な世界観とレゴの融合により,コアゲーマーのみならず,家族皆で楽しめるカジュアルさを獲得した本作。その一方で,キャラクターの着せ替えや拠点のカスタマイズなど,やり込み要素も用意されているので,まさしく幅広い層に受け入れられるタイトルと感じられた。
なおローカライズの面では,もちろん音声までしっかり日本語化されており,起用されている声優も原作と同じとのことだった。キャラクターは冒険中もフルボイスでよくしゃべり,その内容は原作のポイントを押さえつつも,レゴならではのギャグやジョークが満載で,シリアスな原作とのギャップが楽しめる(むしろネタに走り過ぎてちょっと戸惑うことも)。ちなみにナレーションは,ロスト役もつとめる立木文彦さんだ。本作での演技の弾けっぷりも,ある意味見どころ(聞きどころ)と言えそうだ。
「Horizon」シリーズ本家は,初代作品の「Horizon Zero Dawn」のリマスター版が間もなく発売となるが,続いて発売となるこの「LEGO Horizon Adventures」もまた,ある意味新作として楽しめるタイトルとなっていた。
また本作はSwitch版の発売も予定されていて,任天堂ハードでプレイできる初の「Horizon」シリーズであることも見逃せないポイントだろう。シリーズのコアファンはもちろん,本作で初めて「Horizon」の世界に触れる人も,ぜひ肩肘を張らず,レゴブロックで表現された未来世界を楽しんでみてほしい。
「Lego Horizon Adventures」公式サイト
- 関連タイトル:
LEGO ホライゾン アドベンチャー
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