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ジョン・ロメロ氏率いるRomero Gamesが,id Softwareの初期型FPS「Catacomb 3-D」をパッケージ化して9月中に発売
「Catacomb 3-D」は,1991年2月に独立したid Softwareにとって,「Hovertank 3D」(1991年4月)に続く,3Dグラフィックスを採用したFPSだ。当時は,Softdiskというメーカーが販売していたディスク付き雑誌「Gamer's Edge」に収録された。
ペットン・エバーへイルというウィザードの主人公が,敵に誘拐された仲間を救出するために地下迷宮へと潜入していくというストーリーが展開する。テクスチャマッピング技法(※)を採用した初のゲームであり,プレイヤーキャラクターの“手”が表現されるなど,たった2か月という開発期間で,その後のFPSの主流となるテクノロジーが盛り込まれていた。
(※)テクスチャマッピングは,壁や3Dモデルにテクスチャを貼り,質感を与える技法。実際には1985年にリリースされた「Alternate Reality: The City」という作品が初期的な利用ながらも史上初めて採用していたことが,ジョン・ロメロ氏著「DOOM GUY」に記録されている
テクスチャマッピングについては,Blue Sky Productionsが開発を手がけた「Ultima Underworld」(1992年)で利用するというアナウンスに対し,ロメロ氏とジョン・カーマック(John Carmack)氏が,競うように自主開発を進めて「Catacomb 3-D」で実現してしまったという逸話がある。
また,この時代にはGPUが存在しておらず,CPUへの依存が非常に高かった。しかし,カーマック氏は従来よりも4倍の速さでピクセルを表示していく手法を考案するなど,「Wolfenstein 3D」(1992年5月),「DOOM」(1993年12月),「Quake」(1996年6月)などにつながっていく技術革新の起点になったタイトルでもあった。
「Catacomb 3-D」は雑誌専用のゲームでもあったために,id Softwareの作品群の中でも知名度はそれほどないものの,ソースコードが無料公開されたこともあり,GoG.com(リンク)では,その後のシリーズと合わせて安価で販売されている。
それと比べると,今回Romero Gamesから発売される「Catacomb 3-D」は,「Shallow Grave Edition」(€69.95,約1万2000円),「Stone Tomb Edition」(€89.95,約1万6000円),「Ancient Vault Edition」(€154.95,約2万7000円)と非常に高額だ。
しかし,ゲームの入ったUSBはもちろん,今ではレアとなった3.5インチ,および5.25インチのフロッピーディスク,メイキングビデオや冊子,ピン,Tシャツなども同梱され,ファンにはたまらない内容かもしれない。
公式ショップ(リンク)には「リクエストに応じてサインもいたします」とも明記されており,ゲームの歴史を知りたいというファンならチェックしておくといいだろう。
Pre-orders are now open at https://t.co/k6KOUg2Y8O for Catacomb 3-D, developed by id Software in 1991 and published by Softdisk. Finally, a proper big box release! Catacomb 3-D is a groundbreaking first-person shooter that led the way to Wolfenstein 3D, DOOM, and Quake. pic.twitter.com/AeYkR5wMZ9
— John Romero ?? (@romero) July 1, 2024
- 関連タイトル:
Catacomb 3‐D
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