プレイレポート
[プレイレポ]暑さも忘れる緊迫感と恐怖! 新キャラや公式倍速モードが追加された「青鬼」を,青鬼初心者がプレイしてみた
本稿では,グラフィックスやサウンドがリマスターされ,公式初の「倍速モード」が実装された本作の内容と,新たに追加されたゲームモード「青鬼-藍編-」を紹介していく。序盤のネタバレが若干含まれるので,「青鬼」未プレイの人は,新鮮な恐怖を先に味わってから本稿を読んでほしい……!
暑すぎて外で遊べない子どもも,かつて青鬼に追い回された大人も,「青鬼」でブルーベリー色なゾクッと涼しい夏を過ごそう!
無人の館で待ち受ける恐怖と謎解き
「青鬼」は,ゲームクリエイターのnoprops氏が2004年に配信したゲームで,スマートフォンアプリ「青鬼2」や「青鬼3」,小説,漫画,アニメ,実写映画など,マルチメディアで展開している,非常に人気の高い作品だ。LiTMUSは,つい3か月前の4月26日にも「青鬼」シリーズの完全新作となる,一人称視点の3Dホラーアクションゲーム「最恐 -青鬼-」(Steam)をリリースしている。
[プレイレポ]これぞ「青鬼」シリーズ,と納得の怖さ。「最恐 -青鬼-」では,謎を解く快感と,迫りくる青鬼と対峙する緊張感を味わえる
2024年4月26日にリリースされる,「青鬼」シリーズの完全新作となるPCゲーム「最恐 -青鬼-」の先行プレイレポートをお届けしよう。“最恐”と銘打たれているだけあってコミカルな要素はなく,あらためて正統派ホラーとしての「青鬼」を楽しめる。
今回,筆者は初めて「青鬼」シリーズをプレイした。初めてのプレイでシリーズの原点である本作に触れられることは単純にうれしい。ホラーゲームは苦手じゃないけれど,前回プレイしたタイトルはもしかすると某鋏男かもしれないというぐらい久しぶりである。全然苦手じゃないよ。本当だよ。
それでは本作がどんな内容なのか,順を追って紹介していこう!
物語は,高校生の男女4人組が肝試しをしに,とある館を訪れたところから始まる。リアルでは絶対にできない体験をゲームでできるのはとてもすばらしいことだが,すでに嫌な予感しかしない。家に帰りたい。
すると突然ガシャンと何かが割れる大きな音が響いた。ひろしは確認してくると言って3人の元を離れるが,不用意にもほどがある。貴様,主人公じゃなかったらもう死んでいるぞ! そして,ここからプレイヤーが操作していくことになる。
操作はいたってシンプルで,ゲームパッドの十字キーかキーボードのWASDキーで移動し,気になるものがあったら決定ボタンやEnterキーで調べるだけ。
はぐれた友人たちを捜しに館の中を探索することになったが,多くの部屋は鍵がかかっているため探せる場所は少ない。
唯一入れた2階の部屋でアレこれ触ろうとすると,突然クローゼットが大きい音を立てて動いた。
本作はシンプルな画面構成にBGMも環境音のみと最小限に絞られている。シンプルだからこそすべての神経が研ぎ澄まされ,深く集中しているなかにこの演出。できることならアクション俳優よろしく,窓ガラスを体当たりでかち割って全速力で逃げ出したい。
神出鬼没とはまさにこのこと。青鬼は思った以上に大きくて驚いたが,予想に反して移動速度は遅い。ひろしより気持ち遅いぐらいだ。しかし,追いかけてくるので逃げる。まさか落としたイヤリングを届けたいとか,友だちになりたいと思って距離を詰めているわけではあるまい。
青鬼が出たとたんにBGMが鳴り響くこともあって,リアル心臓が何度も破裂した。しばらく逃げ回っていると青鬼は追ってこなくなるが,焦って行き止まりの部屋に入ってしまったときの絶望感たるや。筆者はなるべくループできる箇所を探してぐるぐる逃げ回っているが,「青鬼」を極めた人たちは目的を遂行しながら振り切れるらしい。すごい。
こうして青鬼と鬼ごっこをしながら友人たちを探し,館から脱出する手段を探していくのが本作の流れになる。最初は隠された鍵を探すだけだったが,金庫の暗証番号を解き明かしたり,持っているアイテムを駆使して隠されたものを見つけたりと,謎解きの難度はだんだんと増していく。
持っているアイテムを駆使して先に進む。シンプルな画面だから正気を保っていられるけれど,リアルな描写だったらSAN値がピンチな場面もところどころあった。そうしてやっとのことで館の本館から抜け出すことができた……館の“本館”から。ここまででかなりのボリュームがあったが,まだまだ脱出にはほど遠いようだ……。
ビジュアルが異なる青鬼の登場や,進むごとに難度が増していく謎解き。青鬼の恐怖も謎解きの歯ごたえもボリュームたっぷりな本作,果たしてひろし(プレイヤー)は館から脱出できるのか? ぜひプレイしていっしょに震えてほしい。
また,本作にはすでに「青鬼」をプレイしたことがある人や,配信者に向けた倍速機能が備わっている。15倍速まで可能とかなりのスピードだ。興味がある人はぜひ挑戦を!
新モード「青鬼-藍編-」で味わう悪夢のような恐怖
「青鬼-藍編-」は本作に搭載された新モード。新キャラクター藍が友人の美香に誘われて地元で噂の心霊スポットを訪れるが,気がつくと美香の姿はなく青鬼が潜む洋館に閉じ込められてしまう,というもの。プレイヤーは藍を操作し“脱出の鍵”を見つけて生還を目指すことになる。
このモードの特徴は何といっても“プレイするたびに館の構造が変わる”という,覚めることのない悪夢のような点だ。どこにあるか分からない脱出の鍵となるアイテムと出口を,青鬼から逃げ続けながら探していくのだ。一生クローゼットから出たくないけれどもそうもいかないのがつらい。
「青鬼-藍編-」には3つのエンディングが用意されているそうだ。しかし,全部の結末を見届けるために何度も脱出を試みていると「この先に脱出口があるのは以前の記憶だっけ……?」と頭が混乱してくる。そこに青鬼が出てくるともうパニックだ。袋小路に陥り,青鬼に殺されてしまった。焦ってもいいことがないと分かりつつも,青鬼が出てくると恐怖で正常な判断を下すことが難しくなってしまう。恐怖に打ち勝つ心と記憶力が試されている。
この夏ぜひ,「青鬼」と「青鬼-藍編-」で暑さを忘れるほどの緊迫感と恐怖を味わってほしい。
キーワード
(C) LiTMUS / noprops / Game Studio Inc.
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