連載
交渉など不要,すべてショットガンで解決! 「西部警察ゲーム」で6つの凶悪事件に立ち向かえ 昭和・平成レトロボードゲーム大百科 第13回
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気がつけばこの連載も1周年。当初はこんな昔のボードゲーム話なんか読んでくれる人いるかなぁ,と心配でしたが,意外といた! さすが4Gamer読者さんって感じで,本当にありがとうございます!
ならばここは1周年を記念して,ド派手なボードゲームを取り上げてみようということで,「西部警察ゲーム」をご紹介しようと思います。
「西部警察」は,「太陽にほえろ!」と並び,石原プロモーションが手がけた昭和刑事ドラマの代表作。特に西部警察はド迫力のカー&ガンアクション,そして爆破がウリで,それをテレビで見ていた幼少期の筆者は「大都会ではこんな事件が常に起こっているのか!?」とかなりの衝撃を受けたものです。
そんな西部警察の世界観を極限まで再現したボードゲーム,それが「西部警察ゲーム」です。発売はこの連載では初めてとなる米沢玩具(当時),発売時期はドラマが放映されていた昭和57年(1982年)です。
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さっそくパッケージですが,もうカッコいいです。センターには渡 哲也さん演じる“団長”こと大門部長刑事と,石原裕次郎さん演じる木暮捜査課長。そして脇を固めるのは大門軍団ですが,それが舘ひろしさん(鳩村刑事),三浦友和さん(沖田刑事),峰 竜太さん(平尾刑事)といった超豪華メンバー。スター総出演のドラマだったわけですよ。
気になるのはその横に書かれている一文「ポスターにもなるゲーム盤だ」。購入時は「どういうこと!?」と思いましたが,箱を開けて納得。たしかにこれまでもゲーム盤の裏はキャラクター紹介だったり,豆知識的な情報が載っていたりと,さまざまな形で活用されていましたが,こんなあからさまなポスタービジュアルは,この西部警察ゲームだけだと思います。
ってことで,壁に貼ってみました。当時実際に貼ったプレイヤーがどれくらいいたかは謎ですが,ゲーム盤の新たな可能性を提案してくるとは,さすが西部警察。石原プロ,恐るべしです。
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さて,あらためてゲーム盤を見ると,舞台は大都会のコンクリートジャングル。そこに張り巡らされた道路がマス目のように区切られており,自由に移動できるようになっています。プレイヤーはそれぞれ大門軍団の刑事となり,ここで起こる6つの事件を順に解決して,その後に西部警察署前で繰り広げられる“最後の対決”に勝ったプレイヤーが勝者となります。
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どの刑事でプレイするか選択!
刑事によって得意な乗り物が違う
ゲームを始めるにあたり,まずはプレイする刑事を選択。……なんですが,ここでひとつお詫びが。この筆者所有の「西部警察ゲーム」,大門,沖田,鳩村,平尾,北条刑事のコマはあるんですが,あとひとり,浜刑事のコマがありません。何年か前に某フリマサイトで購入したんですが,そのときすでに浜刑事のコマはありませんでした。
この連載で以前紹介した「ゲーム・ザ・両津勘吉」のときのようにコマを自作しようかとも思ったんですが,いやこれは「西部警察ゲーム」だ,ならば浜刑事はすでに殉職した(ドラマでも殉職している),だからないんだ! と勝手に自分に言い聞かせ,そして納得し,今後も5人の刑事でプレイすることを決意。なので本来は6人用のゲームですが,今回は浜刑事なしバージョンで紹介させていただきます。
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ということで,あらためて刑事選択となりますが,それぞれの刑事は能力にちょっとした違いがあります。このゲームは刑事を選択すると,さまざまな情報が記された“ファイル”を入手するのですが,そこの「ドライブメリット」という欄に得意な乗り物の表記されていて,大門団長なら「M-X(マシンX)」,鳩村刑事なら「カタナ」といったように,ドラマでおなじみの乗り物に乗り込むと移動速度がアップします(ルーレットの出目+5)。
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沖田,平尾,北条刑事の3人はふつうのパトカーで速度アップ(ルーレットの出目+5)するので,先の2人と比べてやや地味に感じますが,そのかわり3台あるパトカーのどれに乗ってもOK。カッコよさを優先するか,ゲームでの効率性を重視するか実に悩ましいところです。
凶悪事件が6件同時に発生!
急いで現場に駆けつけろ!
そんな刑事選択が完了したらゲームスタート。なんと恐ろしいことに,先ほど受け取ったファイルを見ると,ヘロイン密輸事件,銀行強盗事件,時限爆弾事件,無差別殺人事件,少女誘拐事件,バスジャック事件という6つの事件が同時に発生したことが分かります!
本当にここは日本なのか!? と疑いたくなりますが,西部警察ではこんなの当たり前。動揺することなく,それぞれ事件を解決するため現場に向かいます。
そして,その移動の数を決定するのがショットガンルーレット。西部警察の世界観をコレでもかというぐらいカッコよく表現したルーレットです。まず宝くじの抽選のように数字の書かれた円盤(ルーレット)を回転させ,そこに向かってショットガンの引き金ボタンを押すとバーが勢いよく飛び出し,円盤の数字に突き刺さるという仕組み。
ルーレットを使うたびに「バン!」と大きな音が鳴りますが,西部警察での爆発音に比べたらカワイイものです。
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そんなショットガンルーレットを鳴らしながら,それぞれの刑事がそれぞれの現場に直行……なんですが,まずは乗り物の確保を優先したほうがいいでしょう。事件が起きた大都会のコンクリートジャングルはそこそこ広く,事件現場6か所を効率よく回ることを考えたら,乗り物は必須です。
先ほど紹介したそれぞれの得意な乗り物がベストですが,まずは何でもいいので,「格納庫マス」に停まっている乗り物をゲットしましょう。とにかく乗れば機動力が上がるので,徒歩で回るよりは遥かに有利です。
格納庫マスには,ルーレットで出した数が余っていても止まることができて,止まったら刑事コマと乗り物コマが合体。以降はルーレットの目に+3,得意な乗り物なら+5で移動できるようになります。なお,事件現場の選択は自由なので,スタート地点近くの現場から回るのも,もっとも遠くから回るのもプレイヤー次第。現場に向かう途中で得意な乗り物が停まっている格納庫があれば,乗り換えも可能です。
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捜査の援護かアクシデントか!?
油断できない指令カード
事件現場への移動中,色の濃い道路マスに止まったときに引くのが「指令カード」。指令には乗車指令,捜査指令,休暇指令,アクシデントの4種類があります。
乗車指令は文字通り格納庫に行かずして乗り物をゲットできるなど,乗り物に関する援護をしてくれるものです。つづいて捜査指令は未解決の事件現場へ一気に移動といったような,捜査を円滑にしてくれるものが多いです。休暇指令は文字通り1回休みなど。そして注意すべきはアクシデントで,これは逆に事故に巻き込まれ乗り物が大破したりなど,明らかに捜査状況が悪化します。なので,状況に応じて引くか引かないかの判断が重要になってきます。
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さらに現場に急行する際に活用したいのが,中央にあるロータリーのような高速道路。ここは一般道路より明らかにマスが大きくなっているので,早く現場に向かいたいときに使用するとかなり有利です。
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現場に到着したら銃撃戦の始まりだ!
病院送りを恐れずガンをぶっ放せ!
そして事件現場に到着。事件マスにはルーレットの数字が余っていても必ず止まります。なお,無差別殺人事件だろうが少女誘拐事件だろうが,ここからは銃撃戦です。このゲームには,犯人との交渉のような生やさしい解決手段はありません。
まずは「ガンカード」を引き,銃撃戦で使うガンを決定。これにも乗り物同様,刑事によって得意不得意があり,刑事によって命中ナンバーの数が異なります。乗り物はともかく,ここは愛用のガンを使わせてくれよ! と思いますが,たとえ苦手なガンでも文句を言わず巨悪と立ち向かうのが西部警察なのでしょう。
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命中の数字を確認したうえで,ショットガンルーレットのトリガーボタンを押し,判定を行ないます。見事命中ナンバーを撃ち抜けば事件解決となり,その事件の「解決カード」の山から1枚を引いて次の事件現場へ。
命中ナンバーを外したら,ガンカードの下段に書かれている「負けたら……」の指示に従うことになります。この部分はカードによってペナルティが異なり,運がよければ「次回もう1度対決」ぐらいですみますが,最悪だと「犯人の銃弾で大ケガ、病院で1回休み」,加えて「2・4・6が出るまで入院しろ」などなど,どんな重症を負わされたんだよ! とツッコミたくなるような状況も。
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そんなこんなで6つの凶悪事件を順番に解決していきます。また先ほど,解決時にもらえると説明した解決カードの裏には「西」「部」「警」「察」の文字いずれか,あるいはどの文字としても使える「オールマイティ」と書かれており,これらを組み合わせて見事に「西部警察」と4文字揃えれば,6つの事件すべてを解決しなくても,西部警察署前の「最後の対決」マスに進めます。
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そして,いよいよ最後の対決……ですが,やることは6つの事件同様,ガンカードによる銃撃戦です。正直に言えばここはさすがにちょっと変えてほしかったですが,それが西部警察。どんな事件も銃撃戦で解決です。
ただ最後の対決に限り,負けてもガンカードの指示には従わず,強制的にスタートに戻されます。距離的にだいぶ戻されるので,1回で決めたいところ。ここで見事に勝利したプレイヤーが勝者となります。
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そんな西部警察ゲームはいかに早く乗り物を入手し,効率よく事件を解決するかという戦略性と,ショットガンルーレット一発勝負の運任な対決という絶妙なバランスのボードゲームとなっています。銃撃戦で病院送りにされたときは目も当てられませんが,逆に一発で命中ナンバーを撃ち抜いたときの快感もたまらないので,よかったらぜひプレイしてみてください。
今回の「西部警察ゲーム」も,筆者が経営している「Book CAFE ヨミヤスミ」のイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」にてプレイできますので,よかったらご参加ください。
■■Book CAFE ヨミヤスミ■■
京王線の京王多摩川駅から徒歩6分ほどの場所にあるブックカフェ。1980〜90年代の本や雑誌,漫画に加えて,パソコン雑誌やゲームブックなども揃っています。
毎週末開催されるイベント「8時だョ!レトロボードゲーム」では,本連載で紹介したものをはじめとしたレトロボードゲームをプレイできますので,下記のイベントサイトでお申し込みのうえ,ぜひご来店ください。
公式サイト:https://sites.google.com/view/yomiyasumi
公式イベントサイト:https://sites.google.com/view/yomiyasumi-8jidayo
公式X:https://x.com/yomiyasumi
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