連載
Wiz8やマイトマの系譜を感じるダンジョンRPG「Titans of the Past」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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冒険者たちは荒廃した街を拠点に,危険な迷宮へと足を踏み入れる。一歩進めば時が動き,止まれば世界も息を潜める奇妙な理の中で,彼らは過去の遺産を求めて彷徨う。
松明の灯りだけが頼りの暗闇で,命を懸けた探索が幕を開けるのだ。
本日は,Devil's Dozen Gamesが手掛ける「Titans of the Past」を紹介しよう。本作は古代の遺産と危険な迷宮を題材にしたダンジョン探索型ロールプレイングゲームだ。プレイヤーは四人の冒険者部隊を指揮し,荒れ果てた街を再興しながら,地下深くに眠る巨人の謎を解き明かしていく。その手触りは,かつての「Wizardry 8」や「Might and Magic」シリーズを彷彿とさせる重厚なものとなっている。
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本作の特徴は,「SUPERHOT」のようにプレイヤーの行動と時間の流れが連動するシステムにある。移動や攻撃を行った瞬間にのみ世界が動き出すため,次の一手をじっくりと思案できるわけだ。この仕組みにより,焦りを感じることなく,しかし緊張感を保ったまま探索に没頭できる。
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戦闘では,仲間が持つ能力や魔法を駆使し,敵との位置関係や技の再使用時間を計算しながら戦うことが求められる。さらに,冒険の合間には手に入れた資源で街の施設を整え,新たな装備や職業を解放していく楽しみも用意されている。広大な迷宮と拠点の往復を繰り返すことで,冒険者たちはより強く,より逞しく成長を遂げていくのだ。
時間停止が生む戦術の妙
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動いた時だけ時間が流れる仕組みは,単なるターン制とは異なる独特の間を生み出す。敵の攻撃や罠の作動もプレイヤーの行動次第であるため,一瞬の判断ミスが命取りとなる。状況を冷静に分析し,最適な行動を選択する思考の遊びが,探索の緊張感を心地よく引き立てている。
奥深いビルド構築
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35の職業と15の種族,200を超える魔法が用意されており,幅広いビルド構築を楽しめるのも魅力の1つだ。スキル熟練度を上げ,複数の職業を組み合わせる複雑さは,「Might and Magic」のような育成の奥深さを愛する人にはたまらないだろう。試行錯誤し,理想の数値を追い求める喜びがここにある。
街の発展と終わらぬ冒険
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迷宮から持ち帰った戦利品で拠点を豊かにする要素は,反復プレイに明確な意義を与えている。施設を拡張すれば新たな力が手に入り,次なる探索への意欲が湧いてくる。一度の冒険で終わらず,積み重ねた成果が確実に力となる仕組みが,プレイヤーを長く厳しい戦いの虜にするのだ。
「Titans of the Past」は,古典的な3DダンジョンRPGの魂を継承しつつ,現代的なシステムで再構築した意欲作といえる。「Wizardry」や「Might and Magic」の遺伝子を感じさせる硬派な難度と,底なしの育成要素を愛する冒険者には,間違いなく刺さる一作となるだろう。
- 関連タイトル:
Titans of the Past
- この記事のURL:
Devil's Dozen Games, 2024(C)


























