連載
ゴミこそ我が宝。磨いて売って大繁盛を目指す「Trash Goblin」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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薄暗い店内で目を覚ますのは,緑色の肌をした一人のゴブリンだ。目の前に積まれた土塊を崩し,埋もれたガラクタを掘り起こす。
外の喧騒をよそに,ただ黙々と手を動かす静かな日常が,今日もまた始まる。
本日は,Spilt Milk Studiosが手掛ける「Trash Goblin」を紹介しよう。本作はファンタジー都市を舞台にした店舗経営シムだ。プレイヤーはゴブリンの店主となり,日々持ち込まれる泥だらけの塊からガラクタを掘り出し,商品として棚に並べていく。
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このゲームの特徴は,徹底して「作業」に特化している点だ。店に届いた土塊をノミで慎重に崩し,中から出てきた汚れた部品をスポンジでゴシゴシと擦る。この一連の動作がゲームの主軸であり,客との商売よりも,裏方での地味な手仕事に多くの時間が割かれる。きれいにした部品は,そのまま売ることもできるが,別のパーツと組み合わせて新たな価値を持たせることも可能だ。
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一日の行動回数は決まっているものの,リアルタイムで時間が過ぎるわけではない。客を待たせても怒られることはなく,自分のペースで納得いくまで磨き上げればいい。経営につきものの破産や失敗といった要素は極力排除されており,ただひたすらに目の前のガラクタと向き合う時間が流れていく。
無心になれる虚無の作業感
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汚れを落とす工程に派手な演出はない。マウスを動かしてひたすらスポンジで擦る,その単純な反復が続く。面白さを追求するというよりは,緩衝材のプチプチを潰すような感覚に近い。思考を停止させ,ただ淡々と汚れが落ちていく様子を眺める時間は,忙しい日常を忘れさせてくれる不思議な安らぎがある。
パズルのような商品作り
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手に入れたガラクタには接続用の穴があり,そこに別のパーツをはめ込むことで,剣や杖といった商品ができあがる。どこに何を付けるかはある程度決まっているが,組み合わせ次第で見た目は変わる。あり合わせの部品でそれらしい品をでっち上げ,客に売りつける商魂たくましい店主の気分が味わえるだろう。
ゆったりとした雰囲気
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現状は日本語に対応していないため,客との会話や細かい物語を完全に理解するのは難しいかもしれない。だが,このゲームの本質はそこにはない。薄暗くも温かい店内の空気感,ユニークな客の造形,そして磨けば光るガラクタたち。言葉がわからなくとも,画面から伝わるゴブリンの日常は十分に楽しめる。
破産の心配もなければ,時間に追われることもない。ただひたすらにガラクタと向き合い,自分だけの店を営む。そんな穏やかな時間が流れている。派手な刺激や経営の手腕を試したい人には向かないが,誰にも急かされず,無心で単純作業に没頭したい人には,この薄暗い雑貨屋は最高の隠れ家となるだろう。
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