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木を叩き,装備を鍛え,1000層の深淵へ。放置系ダンジョン探索「Horripilant」(ほぼ日 インディーPick Up!)
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印刷2026/03/31 07:00

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木を叩き,装備を鍛え,1000層の深淵へ。放置系ダンジョン探索「Horripilant」(ほぼ日 インディーPick Up!)

画像ギャラリー No.025のサムネイル画像 / 木を叩き,装備を鍛え,1000層の深淵へ。放置系ダンジョン探索「Horripilant」(ほぼ日 インディーPick Up!)

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目を覚ますと,そこは腐臭の立ちこめる暗闇だった。

自分が誰で,なぜここにいるのかも思い出せない。傍らには小さな焚き火と,闇に逆らうように伸びる一本の若木。

どこからともなく響く声が命じる――「叩け」と。

折れた小枝を手に取ったその瞬間から,老騎士の終わりなき地下巡礼が始まる。


 本日は,Alexandre Declos氏が手掛ける「Horripilant」を紹介しよう。

 本作は,忘れ去られた地下世界を舞台にしたインクリメンタル(放置系)ダンジョン探索ゲームだ。プレイヤーは記憶を失った老騎士となり,全1000層からなるダンジョンの最深部を目指していく。

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 このゲームの特徴は,放置系のリソース管理とポイント&クリックの謎解き,そしてオートバトルのダンジョン探索という,まったく異なる3つの遊びが一本に収まっている点だ。

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 拠点では木を叩いて素材を集め,それで武器や防具を強化する。準備ができたらダンジョンへ潜り,騎士が自動で敵と戦いながら階層を進んでいく。
 ダンジョンで入手した「肉」を使って拠点を強化し,またその合間に,拠点のあちこちに仕掛けられた謎を解いていくことになるわけだ。

放置ゲーなのに手が動く


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 放置系と聞くと「放っておけば勝手に進む」ゲームを想像するかもしれないが,本作はつい手を動かしてしまう仕掛けが用意されている。

 例えば,素材の採取中に光る「スパークル」をタイミングよくクリックすれば収集効率が跳ね上がり,戦闘中に現れる敵の弱点を叩けば戦いのテンポが一気に変わるといった具合だ。

 放置していても最低限は進むが,画面を見て手を動かしたほうが明らかに効率がいい。「ちょっとだけ様子を見よう」が「もう少しだけ……」に変わり,気づけば数時間が過ぎている。
 この“つい触ってしまう”感覚が,一般的な放置ゲーとはひと味違うところだ。

不親切さが癖になる謎解きパート


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 本作にはダンジョン探索とは別に,拠点を舞台にしたポイント&クリック形式の謎解きが用意されている。
 しかしゲーム側からのヒントはほぼゼロ。手に入れたアイテムが何に使えるのか,どこに置けば反応するのかを,自分の頭で考えて試行錯誤するしかない。

 この不親切さが,逆に「分かった!」と膝を打つ瞬間の喜びを大きくしている。
 しかも謎を解くことで新しいエリアや強力な強化が開放されるため,進行の壁にぶつかったときこそ謎解きに立ち返る意味がある。

 放置系と謎解きという一見かみ合わない組み合わせが,本作ではしっかり歯車として噛み合っているのだ。

ローファイなのに生々しい世界


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 Horripilantのビジュアルは,ダークファンタジー画集「Vermis」の影響を公言しているだけあって,手描きのピクセルアートが独特の不気味さを放っている。

 にやりと笑う顔,見開かれた目,脈打つ肉塊。低解像度であるがゆえに,かえって想像力を刺激する描写が続く。
 モンスターのデザインもどれも異様で,初めて遭遇したときには思わず画面を二度見してしまう。派手なジャンプスケア(突然の脅かし演出)に頼るのではなく,画面のすみずみに漂う「何かがおかしい」という空気で不安をかき立てるタイプのホラーだ。

 BGMや効果音もこの雰囲気づくりに大きく貢献しており,プレイ中はどこか薄暗い場所にいるような感覚がずっと続く。



 Horripilantは,放置系ゲームの気軽さと,自力で謎を解く達成感,そして不穏なホラー世界の没入感を一度に味わえる,かなり欲張りな一作だ。

 放置系としてのリソース管理ループがしっかり回っているうえに,謎解きとホラー演出がその周辺を彩ることで,「ただ数字を増やすだけ」では終わらない体験が生まれている。

 放置系が好きな人はもちろん,ポイント&クリックの謎解きが好きな人や,独特の雰囲気を持つインディーゲームを探している人にも触れてみてほしい。1000層の地下世界で,この老騎士と一緒にどこまで潜れるか試してみてはいかがだろうか。

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