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[インタビュー]元Apex Legends開発者が挑む理想郷。新作FPS「Highguard」が目指す,銃と魔法,そして拠点の奪い合いが融合した新世代のプレイ体験
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印刷2026/01/27 03:00

インタビュー

[インタビュー]元Apex Legends開発者が挑む理想郷。新作FPS「Highguard」が目指す,銃と魔法,そして拠点の奪い合いが融合した新世代のプレイ体験

 Wildlight Entertainmentが手掛ける新作シューター「Highguard」PC / PS5 / Xbox Series X|S)が本日(2026年2月17日)配信された。リリースに先駆けて,アメリカのロサンゼルスでハンズオンイベントが開催され,プレゼンテーションと開発者へのインタビュー取材を行ってきたので,その内容をお伝えする。

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 話をしてくれたのはプロダクトおよびパブリッシングVP兼ゲームライターのJason Torfin氏と,リードデザイナーのMohammad Alavi氏だ。ベテラン開発者である彼らが,どういった思いで本作を開発したのかを聞いてきたので,ぜひご一読を。


■ローンチ時から充実のコンテンツ量。2週間後には早くも「エピソード1」が始動

 ローンチ時に実装される初期コンテンツとして,5つのマップ,6つの拠点,8人のウォーデン(キャラクター),10種類の武器などがすべて無料で提供される。特筆すべきは,その後のアップデートスピードだ。同チームによれば,すでに「1年分」のコンテンツが開発の最終段階にあり,発売からわずか2週間後には「エピソード1」の配信を予定している。ここには新ウォーデンや新マップに加え,競技性の高い「ランクモード」の実装も含まれるという。

 その後の運用サイクルは,2か月ごとに新エピソードを公開し,それをさらに1か月ごとの2パートに分けて配信する形式をとる。これにより,「毎月必ず新要素が追加される」環境を維持していく構えだ。

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■「ウォーチェスト」は期限なし。徹底したユーザーフレンドリーな販売哲学

 マネタイズ面では,昨今のライブサービスゲームに対するアンチテーゼともいえる,非常にクリーンな方針が示された。 本作には「ウォーチェスト」と呼ばれるバトルパス形式のシステムが導入されるが,最大の特徴は「有効期限がない」点にある。期間限定による購入プレッシャーを排除し,過去のエピソードのチェストもいつでも購入可能とのことだ。
 ローンチ時に提供される最初のウォーチェストは,全プレイヤーが無料で入手できる。

 ガチャやPay-to-Winの要素もない。販売されるのは外見変更アイテム(コスメティック)のみで,直接購入方式を採用し,ランダム要素のあるルートボックスや,課金が有利に働く要素は一切導入しないという。

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■計34本の解説トレイラーを公開。システムからロアまで網羅

 本作の独自システムをより深く理解してもらうため,発売当日にはYouTubeおよび公式サイトにて,計34本に及ぶ個別トレイラーが公開される。全ウォーデンや武器,マップ,さらには「斧」といった細かい要素に至るまで個別の解説が用意されており,プレイ方法のレクチャーだけでなく,その背景にある「ロア(伝承)」や物語も楽しめる内容になっているとのことだ。

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 ここからはインタビューをお届けする。

――このゲームは,強固なファンタジーの土台に,資源争奪,領土支配,騎乗プレイといったMOBA要素を組み合わせています。このデザインアプローチのインスピレーションはどこから生まれましたか。また開発中の最大の挑戦は何でしたか。

Mohammad Alavi氏:
 僕たちは自分たちが何が好きかを探るためにいろいろなゲームをプレイすることから始めました。
 そこで僕たちが本当に絞り込んだのは,非常に激しくアクション性の高い「拠点レイド(襲撃)」と,僕が「嵐の前の静けさ」と呼んでいる「オープンワールドでの略奪フェーズ」,そして「シールドブレイカー」を巡るバトルの二面性でした。
 これらは同じゲームでありながら,2つのまったく異なる遊び方,そして2つの異なる戦闘の強度を提供します。ゲーム中ずっとテンションが最高潮のままだと,何時間もプレイし続けるのは難しいと思うんです。
 でも,このオープンワールドでの略奪とレイドという「引き潮と満ち潮」のような緩急(ペース配分)があることで,僕の意見では,何度も何度も繰り返したくなるような心地よい流れが生まれるんです。これが質問の前半の答えですね。

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――それでは開発における最大の挑戦はどういったものでしたか。

Jason Torfin氏:
 新しい会社で,新しいテクノロジーを使って,自社パブリッシングで,ゼロから新しいゲームを作る。それらすべてを同時に行うこと,それが最大の挑戦だったと思います。ですが幸運なことに,私たちの多くは過去に一緒に仕事をした経験があります。
 お互いを信頼し,チームとして最も効率的に働く方法を知っていたからこそ,これらの困難を乗り越えることができました。これは個人競技ではなく,チームスポーツなんです。私たちは皆,お互いを非常に必要としています。

――戦闘の開発において,ファンタジーとシューティングゲームという2つの要素を融合させるうえでの課題はありましたか。

Mohammad Alavi氏:
 ええ,もちろんです。でもそれは最大のインスピレーションの源でもありました。プレイすればわかるとおり,僕たちの核にあるのは「ガンゲーム(銃撃戦)」です。本物の銃,本物の弾丸,薬莢,鋼鉄を撃っている感覚を損ないたくはありませんでした。
 ですが同時に,現代戦のミリタリーシューターやSFゲームを何十年も作り続けてきた僕たちは,新しいことに挑戦したかった。そこで魔法の要素を取り入れることで,クリエイティビティが刺激されたんです。魔法と銃をどう混ぜるか。おっしゃるとおり非常に難しかったですが,同時に最高にやりがいがありました。
 例えば,お気に入りのキャラクターの1人であるカイは,魔法の氷の壁を作りますが,それを押し出して,その壁越しに背後の敵を狙い撃つことができます。これは,以前の僕たちにはできなかったことなんです。そういった異なる要素を組み合わせるのは本当に大変でしたが,それ以上に素晴らしい成果が得られました。

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――エピソード制になるとのことですが,バランス調整のアップデートはどのくらいの頻度で行う予定ですか。

Mohammad Alavi氏:
 哲学としては,正直にいって「可能な限り速く」です。僕たちは「Apex Legends」から多くを学びました。「Apex Legends」をローンチしたとき,正直に認めますが,僕たちは準備ができていませんでした。あれは僕たちにとって初めての本格的なライブサービスゲームでしたから。最初の数シーズンは厳しかったですが,そこから多くを学びました。
 今回は,万全の準備ができています。お見せしたロードマップ(新機能やキャラクターの追加)だけでなく,QoL(利便性)の向上,バグ修正,バランス調整についても同様です。
 質問に答えるなら,計画されているすべてのアップデートにはQoLの向上やバランス調整が含まれるでしょう。同時に,計画外の事態が起こることも認識しています。そういった問題に極めて迅速に対応するためのツールや技術も,すべて整っています。

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――4つ質問があります。次はランクモードについてです。エピソード2で導入されるとのことですが,競技性が高まってきた際,eスポーツの側面にはどの程度力を入れる予定ですか。

Jason Torfin氏:
 良い質問ですね。私たちは常に「ゲーム第一」から始めます。まずはニーズ(需要)があるかを見極めたい。ゲームがリリースされ,大きなニーズがあれば,eスポーツの取り組みを構築・サポートする準備はできています。
 ただ,私たちは小規模なチームですので,効率性とほかの優先事項に基づいて判断を下す必要があります。このゲームは非常に競技性が高く,観戦していても楽しいものだと自負しています。
 もしライブサービスの中でそれが証明されれば,それをサポートするための適切なチーム,ツール,プロセスを整え,継続的に改善していく準備はできています。

Mohammad Alavi氏:
 ええ,僕たちはコミュニティの声に非常に密接に耳を傾けるという傾向に気づいてもらえると思います。同時に,膨大なテレメトリ(統計データ)も収集しています。 その両方を活用し,何をしているかをコミュニティに伝えながら,機敏に動いていきます。先ほども言ったとおり,これは僕たちの「初めてのロデオ(経験)」ではありません。
 今回は何をすべきか分かっています。迅速に対応するための適切な体制が整っています。

Jason Torfin氏e:
 eスポーツは面白いですよ。単なるゲーム制作でもパブリッシングでもなく,その両方の組み合わせですから。ゲームにeスポーツシーンを支える適切な機能を持たせるだけでなく,ゲーム外のリソース……放送や配信,観戦に必要なインフラを支えるリソースがあるかを確認する必要があります。
 これは大きな事業ですので,深くコミットする前に,まずはそこへの強い関心があるかを確認したいと考えています。

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――ウォーデンのキャラクターデザインや,スキン,武器などのコスメティックを作成する際,開発チーム内で議論になることはありましたか? 「私はこうしたい,でもそれは嫌だ」というような衝突はありましたか。

Mohammad Alavi氏:
 しょっちゅうですよ!

――デザインに関する面白いエピソードをいくつか教えていただけますか?

Mohammad Alavi氏:
 うーん,残念ながらパっと思い浮かぶ具体的なものはないかな……ジェイソン,何かある? ただ,僕たちは常にプレイテストを行っていて,「デザイン第一」という哲学を持っています。常に「プレイして楽しいもの」を作るという視点から始まり,それが証明されたら,次は「そのファンタジーを満たすにはどうすればいいか?」を考えます。そして,その満足感を高めるために,キャラクターをどう肉付けしていくかを考えます。
 ですから,「論争」というよりは「良いフィードバックのぶつけ合い」といった感じですね。

Jason Torfin氏:
 デザインは非常に主観的になりがちです。意見が割れたときは,常に原点に立ち返ります。「それはそのキャラクターの核となる能力(キット)に合っているか?」「私たちが構築しようとしている世界観に適合しているか?」といった具合です。
 フランチャイズ全体に一貫性を持たせようとしているんです。 優れたゲームや映画,コミックには必ず一貫性があり,すべてがその世界の一部であると感じさせてくれます。私たちもそれを目指しています。

Mohammad Alavi氏:
 ええ,チーム全体の努力の結果です。もちろんクリエイティブ・ディレクターはいますが,彼が素晴らしい理由の1つは,あらゆる良いアイデアに耳を傾け,それらを1つのビジョンに集約させる方法を知っていることなんです。

Jason Torfin氏:
 そうですね。コスメティックの側面については,本当に楽しんで作っています。 私たちが少しほかと違う試みをしているのは,すべてのバンドルやコスメティックが,独自の世界観,伝承,物語に基づいているという点です。
 ストアにあるすべてのバンドルには,そのキャラクターや歴史的な出来事に関する短い物語(ナラティブ)が添えられています。購入しなくても,コレクション・タブですべての物語を読むことができ,世界についてより深く知ることができます。私たちはゲームのあらゆる側面を通じて,この場所(世界)を構築することに非常にこだわっています。

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――拠点のデザインについてですが,すべて北欧やヨーロッパ風のテイストに感じられました。将来のエピソードで,日本やアジア風の拠点やマップを導入する計画はありますか。

Jason Torfin氏:
 興味深いですね。拠点については,これからたくさん登場します。まず覚えておいていただきたいのは,「Highguard」の世界設定は地球ではないということです。何百年も存在していたこの領域に,突然,神秘的な大陸が再出現したという設定です。アトランティスのようですね。
 人々は今,はるか昔の古代遺跡の探索と解明を始めたばかりなんです。その大陸がどれほど大きいのかさえ,まだ誰も知りません。探索が進むにつれ,新しい文明や発見されたことのない新しいエリアが見つかっていくでしょう。
 遺跡の建築様式や背景ストーリー,バイオーム(気候帯)や歴史的時代に基づいたさまざまなフレーバーを,今後楽しんでいただけると思います。そして,新しい種類のウォーデンたちも登場します。「Highguard」の土地,なぜそれが戻ってきたのかという謎,そして以前は何だったのか……。それ自体が1つのキャラクター(物語の主体)であり,時間をかけて掘り下げていく予定です。

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――Highguardは銃撃戦をやりやすい一方で,キャラクターの動きが比較的ゆっくりです。特にマウントがあるため,それを顕著に感じていますが,意図したデザインなのでしょうか。

Mohammad Alavi氏:
 そうです。徒歩での戦闘はもっとタクティカル(戦術的)にしたかったんです。エイムや射撃の腕前といった競技的な整合性を保ちつつ,ポジショニングや射線(レーン),カバーの活用が重要になるようにしました。
 一方で,オープンワールドでは,最初は単なる移動手段だった「マウント」が,戦闘に関わる新しい方法へと変化しました。オープンワールドの戦闘には,もっと流動的な要素を持たせたかったんです。マウントへの乗り降りを非常にスムーズにしました。乗ったまま撃つことも,降りてすぐに徒歩で撃つことも簡単です。
 遠くで敵を見つけたとき,交戦するかカバーに隠れるかを選択できます。マウントで素早く接近し,そこからスライディングしてカバーに入り,新たな角度から狙う。敵も同じことをしてくるかもしれません。

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 側面から回り込まれたり,マウントから同時に撃たれたりするのは,レイド(拠点襲撃)の整然とした戦術的な性質とはまったく異なる感触になります。これら2つの戦闘形態を1つのゲームに持たせることで,数分おきに似ているけれど異なる体験ができる「緩急」が生まれ,素晴らしい感触になったと思います。
 これは完全に意図的なもので,ペース配分に役立っていると感じています。

――皆さんはこれまで,「Call of Duty」や「Apex Legends」といった設定が明確な作品に携わってきました。一方で「Highguard」は,銃,魔法,攻城兵器が混在する「ハイブリッド・ファンタジー」を採用しています。なぜこの方向を選んだでしょうか。

Jason Torfin氏:
 なんてこった,素晴らしい質問だ。

Mohammad Alavi氏:
 いい質問だね。深い。

Jason Torfin氏:
 私たちはチームとして新しいことに挑戦するのが好きなんです。ミリタリーもSFもたくさんやってきました。ファンタジーも大好きですが,自分たちなりのひねりを加えたかった。地に足の着いた,そこで誰かが生活しているような実在感のある設定が好きなんです。
 銃やマウントは,親しみやすさを感じさせるものにしたかった。一方で,私たちのデザインチームには,奇抜なアビリティやクレイジーなアイデアを試したがる才能豊かなメンバーが揃っています。
 そういったあらゆるアイデアを受け入れ,創造性を最大化できるフィクションの世界が必要だったんです。同時に,それらをつなぎ合わせ,まとまりを感じさせるように形作る規律も必要です。

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 執筆チームとしての個人的な意見ですが,私はハイファンタジーや冒険が大好きです。冒険心や驚き,畏敬の念を感じさせつつ,地に足の着いた戦闘を併せ持つユニークなものを作りたかった。最後の隠し味は「テクノロジー vs 魔法」というアイデアです。
 私の好きなゲームやIPの多くは,古いやり方と新しいやり方の対立を描いています。この2つが衝突するとき,非常に興味深いストーリーやキャラクターが生まれる。ライブサービスを通じてそれを拡張していくのが本当に楽しみです。

Mohammad Alavi氏:
 少し付け加えると,僕たちは長いあいだミリタリーやSFのシューターを作ってきました。EAを離れた理由の1つは,大きな賭け,大きなリスクを冒したかったからです。「Apex Legends」の成功の下では,常にそれを維持しなければならず,「Apexを別の何かに変える」というような大きな変更はなかなかできません。だから新しい会社を始めたかったんです。
 例えば分かりやすい例を挙げると,デザインの観点からいうと,「攻城塔(シージ・タワー)」は最初はただのスポーン地点(復活地点)として始まりました。でも,世界観やファンタジーを深めていくうちに,「拠点を攻撃するなら,『ロード・オブ・ザ・リング』みたいな最高の演出は何だろう?」と考えました。「巨大な攻城塔を送り込むのが最高じゃないか!」って。
 そう決めた途端,別のアイデアが次々と湧いてきました。「上からゲートが降りてくるようにしよう」「単なるスポーン地点じゃなく,そこから撃てる自分たちのミニ要塞にしよう」とか。 今までにやったことのない分野に踏み出したことで,クリエイティビティが一気に爆発したんです。

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Jason Torfin氏:
 ポータルから出てくる攻城塔,最高ですよね。

――「シールドブレイカー」が勝利の鍵を握ることは分かっています。これを確保することでどれほどの優位性が得られるのか,またチームはバランス調整にどうアプローチしましたか。

Jason Torfin氏:
 シールドブレイカーの優位性と,それが意図的だったかですね。シールドブレイカーは本当に面白いメカニズムです。オープンワールドでまったくく異なるタイプの戦いを生み出します。
 モハメドが言ったとおり,押し引きの攻防があり,素早く動き回り,環境に適応する必要があります。開発の後半で発見したのは,シールドブレイカーを拠点に差し込んだときに拠点にダメージを与えるという要素でした。
 これは意図的な仕組みで,レイド(拠点内の戦闘)が苦手なプレイヤーでも,フィールドでの立ち回りが上手ければ,何度も差し込みを繰り返すことで勝利できる道を作ろうとしたんです。最後に差し込んだ者が勝負を制する,という逆転の可能性ですね。

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Mohammad Alavi氏:
 ええ,これは実はバランスをとる方法として生まれたんです。元々はシールドブレイカーなんてなくて,誰でもいきなり誰かの拠点をレイドできたんです。でも,敵が外に出払っている空っぽの拠点を壊しに行くのも,自分たちがレイドしているあいだに自分の拠点が空き巣に遭うのも,全然楽しくなかった。ただ壁を壊しているだけですからね。

Jason Torfin氏:
 あるいは,レイドされていることに気づかないのもフラストレーションが溜まりますしね。

Mohammad Alavi氏:
 だから,一度に1チームしか持てない「鍵」のような中心的なコンセプトが必要だったんです。最初はただの「四角い箱」のデータでした。でも最終的に世界観に落とし込んで「シールドブレイカー」になり,嵐の演出ができ,それを掲げるアニメーションが加わった。最初は「ゲームを楽しくするための必要性」から始まり,それが最高の瞬間に変わったんです。

Jason Torfin氏:
 私は任天堂の大ファンなのですが,「ヨッシー」が生まれた経緯も同じ思想ですよね。使えるピクセル数が限られている中で,マリオにこういう能力を与えたい。じゃあどうする? 恐竜にしよう,と。デザイン(機能)に合わせて中身を埋めていった。私たちの設計もほぼ同じです。メカニズムから始まり,その周りにストーリーやアートを肉付けして,ユニークな世界観を作っていくんです。

Mohammad Alavi氏:
 面白いのは,一度「実体」ができてしまうと,それが今度はデザインのほうにフィードバックされることです。もっと良いアイデアが出てきて,さらに良くなっていく。

Jason Torfin氏:
 そのとおり。

Mohammad Alavi氏:
 例えば,それが「剣」の形になったことで,「背中に背負えるようにしよう」と思いついた。そうすれば落とすこともある。元々は一度拾ったら落とせなかったんです。

Jason Torfin氏:
 拠点との相互作用も分かりやすくなりましたよね。「突き刺す」んだ,と。

Mohammad Alavi氏:
 そう,拠点のポイントを得るというアイデアもそこから来ました。素晴らしい質問でしたが,どこから話せばいいか迷うほど深い背景があるんです。

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――ゲーム内に「落下ダメージ」があることに気づきました。なぜ落下ダメージを採用したのですか。特に,マウントに乗れないレイド(襲撃)の最中は気になります。

Mohammad Alavi氏:
 指摘してくれて嬉しいよ。オープンワールドではマウントに乗れば落下ダメージを無効化できますが,なぜレイドではダメなのか。それは「不可能な状況」を防ぐためです。
 例えば,部屋に入った瞬間に,警戒すべき開口部が30か所もあったら困りますよね。でも,「高いところから飛び降りたら地面に叩きつけられて,一瞬銃を構えられなくなるし,ダメージも受けるし,足も遅くなる」という制約があれば,守る側は「上から来るクレイジーな奴に対処するチャンス」が生まれる。警戒すべき場所を絞れるんです。
 とはいえ,飛び降りて奇襲を成功させる人がいれば「ああーっ!」となりますけどね(笑)。生き残ることは可能ですから。はっきりさせておくと,落下ダメージで死ぬことはありません。ダメージは受けますが,それだけで死ぬことはない。ただ不利にはなります。

Jason Torfin氏:
 マップの外に落ちない限りはね。それは落下ダメージじゃなく,アウトオブバウンズ(場外)だけど。

Mohammad Alavi氏:
 そうだね。だから,これは非常に明確な決断でした。「どの高さからダメージを受けるか」という正確な数値を決めるのには,何か月もの試行錯誤とやり取りが必要でした。

Jason Torfin氏:
 レイドにおいては,防衛側が常に「守りきれる」と感じられることが重要ですから。

Mohammad Alavi氏:
 そしてフェア(公平)であることもね。

Jason Torfin氏:
 垂直方向にも水平方向にも無限の場所から攻撃されるとしたら,防衛側が効果的に立ち回るのは非常に難しくなります。

Mohammad Alavi氏:
 特にジップラインのような,どこへでも行けるツールがある場合はね。屋上から飛び降りても平気なんてことになったら,ジップラインが強力になりすぎてしまう。もっとタクティカル(戦術的)であるべきなんです。防衛側に公平な戦いのチャンスを与えるために。

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――ゲームが進むにつれて武器のパワーが上がり,キルタイム(倒すまでの時間)の曲線が変化していきますよね。開発過程で,理想的な曲線とはどのようなものだと考えましたか?

Mohammad Alavi氏:
 具体的な数値については詳しく言えませんが,8分で終わる試合もあれば30分続く試合もある,その幅が僕は大好きなんです。ループを繰り返すたびに少しずつ感触が変わり,賭け金(リスク)が上がり,選択の重みが増し,緊張感が高まっていく。それが興奮と血を沸き立たせるんです。
 30分経過して最終フェーズにいるとき,最大レベルのアーマーと武器を装備している。その瞬間は,最初の5分間よりもずっと重要に感じられるべきなんです。これも魔法の数字があるわけではなく,何度も何度もプレイテストを繰り返して導き出しました。

Jason Torfin氏:
 パワー曲線は面白いですよ。試合が進んでエスカレートするほど,「戦略」がもたらす優位性が指数関数的に増していくんです。 敵チームより賢い選択をしたり,異なる決断をしたりすることは,序盤なら多少のミスは許されるかもしれません。でもパワー曲線が上がるにつれ,あらゆる決断が致命的になります。
 正しい決断,あるいは間違った決断が戦況を大きく変え,私たちが体験してほしい「パワーファンタジー(圧倒的な力の実感)」の瞬間を生み出すんです。

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Mohammad Alavi氏:
 大逆転の瞬間だね。

Jason Torfin氏:
 劣勢から追い上げたり,素晴らしい方法でトドメを刺したり。

Mohammad Alavi氏:
 少し「スタークラフト」に似ているかもしれません。ザーグ・ラッシュ(速攻)で相手を倒すこともできるけれど,自分も隙だらけになる。

Jason Torfin氏:
 あるいは,ガチガチに守りを固めて亀になることもできる。

――お気に入りのウォーデンと,その理由を教えてください。

Mohammad Alavi氏:
 マーラです。いつだってマーラ。そう,触手です! 私はマーラが好きなんです。まず第一に,彼女はとにかくカッコいい(バッドアス)。あのカウルというか,デザインが最高ですよね。でもゲームプレイの面でも,彼女のアルティメットはすごく戦術的だし,タクティカルアビリティはすごく「脳筋(考えなくていい)」で,そこが好きなんです。

 いろいろなことが同時に起こる中で,彼女のアルティメットで敵の拠点の中にスポーン地点を設置したり,角に隠したりできるのは,攻撃側として本当に,本当に素晴らしい。また,攻城塔からのリスポーンを使い切ってしまっても,彼女がいればあと3回分追加できます。つまりレイドを延長できるんです。最後の一押しが必要な時にね。

 一方でタクティカルアビリティは超簡単です。シールドを少し増やすだけ。私はゲームがあまり上手くないので,つい突っ込みすぎて「もう少し生存力が欲しい!」という状況になるのですが,そんな時に足元にアビリティを投げれば,その瞬間にシールドを補給できる。

 もし隣にチームメイトが2人いて,アビリティが十分にチャージされていれば,彼らにもシールドを分けてあげられます。計画していなかった事態に即座に反応できる「手軽さ」と,切り札を隠し持っているような「戦略性」。この二面性が大好きなんです。

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Jason Torfin氏:
 僕がプレイして一番好きなのはアティカスかな。彼のタクティカルアビリティはエリア支配に長けているので,攻撃されている時は爆弾設置場所を守るのに使えます。オープンワールドなら,シールドブレイカーの場所を封鎖して,敵が来たら感電させることもできる。

 彼のパッシブもいい。斧を使う時に特殊な斧を持っていて,複数のヴェスパー・ノードを一度に壊せるんです。だからお金を稼ぐのがすごく早い。それは試合の後半,フェーズが進むにつれて超重要になります。アイテムを買えますからね。ルートプール(拾い物)から探す必要がなく,その時々のレイドに必要なツールや武器をピンポイントで揃えられる。

 それからアルティメットで空を飛ぶのは単純に楽しいし,オープンワールドでもレイドでも,防御でも使える。特定のフェーズに特化したウォーデンもいますが,僕はどんな状況にも適応できるキャラクターが好きなんです。……でも,物語や見た目が一番好きなのはウナですね。ウナは最高です。

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――テキストチャットがなくボイスチャットのみであることや,ピンシステムが少し物足りないのですが,今後改善していく予定はありますか。ミニマップにピンを立てようとしても,「ピンを立てられない」仕様になっています。

Mohammad Alavi氏:
 ミニマップについては把握しています。実は,私がピンシステムを設計したデザイナーの1人なんです。リリースを予定している改善項目のリストは間違いなく持っています。壁越しのピンについても,良いフィードバックですね。壁越しにピンできるものもいくつかあるのですが,全般的にその意見は気に入りました。

 検討させてください。ええ,リストには入っています。いつ,と約束はしたくないですが,間違いなく検討中です。リストにはたくさんの項目がありますからね。先ほども言ったように,コミュニティの声を聞き続けます。そういう声が上がってくれば,対応していきます。テキストチャットについては分かりませんが,要望があれば。

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Jason Torfin氏:
 そうですね,それは耳を傾けるべき項目の1つでしょう。ただ,テキストチャットは「有害(トキシック)」な場所になりがちです。私たちにとって,プレイヤーにできるだけ楽しい時間を過ごしてもらうことは非常に重要でした。ピンシステムなら,1人でプレイしていて見知らぬ人と関わりたくない場合でも,チームとうまくコミュニケーションを取れますから。
 ライブサービスを開始した直後は,まずこのピンシステムを拡張し,より堅牢で役立つものにすることに集中するつもりです。その上で,もしどうしてもテキストチャットが必要だという声があれば,もちろんプレイヤーの声を聞き,実現する方法を考えます。

――3対3のゲームモードがメインコンテンツですが,どういった経緯でそうなったのでしょうか。

Mohammad Alavi氏:
 最初に行ったテストの1つは10対10でした。当時は今とはまったく違うゲームでしたが。でも最終的に「3対3」に落ち着きました。
 魔法の数字があったわけではなく,プレイテストを重ねた結果,一度に頭に入れておくべき情報の量のバランスが一番良かったのが3人だったんです。チームメイトがどこにいるか,シールドブレイカーはどこか,敵はどこか。自分の拠点のどこが攻められているか,相手の拠点のどこを攻めるべきか,爆弾はどこか。

 いろいろなことが起こりすぎていて,プレイヤーをこれ以上増やすとカオス(混乱)になってしまう。かといって減らしすぎると,1人ひとりの役割が重くなりすぎてしまうんです。チームに十分貢献していると実感しつつ,チームメイトの助けも借りられる。そして,フラストレーションを感じるのではなく,楽しみながら戦術的な選択ができる情報量が,ちょうど3人だったんです。

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――別のモードの予定はありますか。

Jason Torfin氏:
 ええ,先ほどお見せしたロードマップにも,いくつか期間限定モード(LTM)がありましたよね。私たちは何か新しいことを試して,それを無料で期間限定で公開し,テストして,プレイヤーがどこを気に入ってくれるかを見たいんです。成功すれば,それをゲームのコアモードに組み込んだり,完全に新しいモードとして採用したりします。もし上手くいかなければ,それはそれで楽しんで,次の実験に移るだけです。

Mohammad Alavi氏:
 例えば「チーム人数を増やす」といったことも,1週間くらいなら楽しいかもしれませんしね。でも今リリースしているものが,最も寿命が長く,ゲームとしてのペース配分も最高のバージョンだと感じています。

――ライブサービスゲームは運営サイクルを「シーズン」と呼ぶことが多いですが,あえて「エピソード」という言葉を選んだ理由はなんですか?

Jason Torfin氏:
 いい質問ですね。

Mohammad Alavi氏:
 素晴らしい質問だ。
 ライブサービスを「シーズン」ではなく「エピソード」と呼ぶのは意図的です。1つは,これまでのゲームよりも早いペースで,より定期的なリズムで更新したかったからです。2か月ごとに2つのパートで構成されます。ローンチ時点では,ゲームそのものに物語の始まりを語らせ,ゲームプレイそのものを語り手としたいと考えています。ですが,エピソード2からは,ゲームの内外で進行していく物語を本格的にスタートさせる予定です。

――TGA(The Game Awards)で発表されましたが,それ以来,皆さんがなぜオンラインでまったく宣伝をしてこなかったのか,界隈で話題になっていたんです。噂や陰謀論が世界中に広まっていました。でも,すごくバズってもいる。これは意図的なものですか? まったく宣伝しなかった理由は? かつて「Apex Legends」がやったことを再現しようとしたのでしょうか?

Jason Torfin氏:
 当初の計画は,「Apex Legends」でやったことと同じにするつもりでした。すべてをサプライズで投下するんです。ですが開発の終盤,ジェフ(・キーリー)が来てプレイしてくれて,このゲームをすごく気に入ってくれた。そこでTGAに出るチャンスをもらったんです。

 そこでゲームの断片を見せる決断をしました。でもその一方で,私たちが常にやっていること……つまり「ローンチ時にゲームそのものに語らせる」という姿勢は変えたくなかった。これほどの反応があるとは予想していませんでしたが,自分たちに正直でありたいと考え,沈黙を守り,人々が何を言っているかに耳を傾けることにしたんです。そしてローンチの瞬間に,すべての情報とゲームを一度に提供する。

 それが今,私たちがやっていることです。人々が実際に来て,自分の手でゲームを体験してくれることを願っています。

画像ギャラリー No.019のサムネイル画像 / [インタビュー]元Apex Legends開発者が挑む理想郷。新作FPS「Highguard」が目指す,銃と魔法,そして拠点の奪い合いが融合した新世代のプレイ体験

Mohammad Alavi氏:
 ええ,もうお気づきでしょうが,「マトリックス」と同じなんです。このゲームを本当に理解する唯一の方法は,プレイすることですから。

Jason Torfin氏:
 ずっと計画していたわけではなく,チャンスだったんです。その機会をくれたジェフには本当に感謝しています。

――ありがとうございました。


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