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Apple,新型SoC「M1 Ultra」を発表。M1 Maxを2基結合したトランジスタ数1140億個のモンスターチップ
M1 Ultraは,同日に発表となったクリエイター向け小型デスクトップPC「Mac Studio」に採用されている。
M1 UltraのベースとなったM1 Maxは,8基の「高性能コア」と2基の「高効率コア」という2種類のCPUコアに,最大32基のGPUコア,同じく最大32基のAI処理向けユニット「Neural Engine」を統合したSoCであった。M1 Ultraは,M1 Max 2基分を「UltraFusion」と称するパッケージング技術で結合したもので,CPUコア総数は16+4の20基,トランジスタ数は約1140億個に達したという。ちなみに,NVIDIA製GPUの最上位モデルである「GeForce RTX 3090」におけるトランジスタ数が約280億個なので,M1 Ultraの規模がどれだけ大きいか,想像が付くだろう。
また,1つのパッケージ基板上にCPUとメモリチップを実装することで,広いメモリバス帯域幅を確保しているのも特徴である。M1 Maxでは,メモリバス帯域幅が最大400GB/sだったところ,M1 Ultraでは最大800GB/sにも達するそうだ。これは,「GeForce RTX 3080」のメモリバス帯域幅(760GB/s)を上回るほどである。
M1 Ultraの性能について,Appleは,計測条件を明確化した数値を公表していない。CPU性能については,「現在利用可能な最も速い16コアのWindowsデスクトップパソコン」(※原文まま)と比較して,90%高いマルチスレッド性能を60W程度の消費電力で実現するという。
同様に,M1 UltraのGPU性能は,「現在利用可能な最もハイエンドのWindowsパソコンのGPU」(※原文まま)との比較で,200W少ない消費電力でやや上回ると主張している。
M1 Ultraを採用するMac本体は,今ところMac Studioだけということもあり,Appleは,ゲームグラフィックスにおける性能を明らかにしていないとはいえ,ゲーム性能面でも,かなりの期待が持てるSoCではありそうだ。
Appleの当該プレスリリース
AppleのMac Studio製品情報ページ
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