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Oculus Connect 4に出展されていた,「MARVEL Powers United VR」「Windlands 2」など5本のVRゲームを紹介
本稿では,そのうち「MARVEL Powers United VR」「Blade Runner 2049: Memory Lab」「The Unspoken: Acolytes」「Elevator... To The Moon!」「Windlands 2」の5タイトルをピックアップして紹介しよう。
Blade Runner 2049: Memory Lab
本作は,日本での公開が間近に迫った映画「ブレードランナー2049」の世界をVRで体験できるタイトル。海外ではRift向けは10月19日,Gear VR向けは10月26日にリリースされる予定だ。なお本作の開発は,ロサンゼルスに拠点を置くMagnopusが担当しており,制作にあたってAlcon Entertainmentのガイダンスを受けているとのこと。
「Blade Runner: Memory Lab」の舞台となる2049年のロサンゼルスは,巨大なホログラムのダンサーが踊る広告などが街にあふれる未来的な雰囲気と,漢字らしきネオンサインなどが妖しく光るダークな雰囲気が混在している。
プレイヤーは,自我が芽生えた旧式のレプリカントを処理する「ブレードランナー」なのだが,間違えて一般人を銃殺したという嫌疑をかけられてしまう。その疑いを晴らすため,事件の真相と背後に隠れた陰謀に迫っていくという内容だ。
本作はブレードランナー2049の世界を体験できる“VRエクスペリエンス”なので,内容はそれほど難しくない。プレイヤーがやることといえば,スキャナーで自分の存在を記録した監視カメラやレプリカント達の記憶を消したり,事件現場で何が起きたかチェックするといった程度である。
英語版のみなので英語が苦手な人にはちょっとハードルが高いかもしれないが,無料でダウンロードできる模様なので,雰囲気を味わってみてはいかがだろうか。
MARVEL Powers United VR
「MARVEL Powers United VR」では,プレイヤーがMarvel Comicsのキャラクターになりきって戦えるアクションゲームで,最大4人での協力プレイが可能だ。
現時点で公開されているキャラクターは,「デッドプール」「キャプテン・マーベル」「ハルク」「ロケット・ラクーン」「ロナン・ジ・アキューザー」「クリスタル」「ブラック・ボルト」の7人。さらにマイティ・ソーが使用可能になることも本イベントのタイミングで明らかにされている。
登場するキャラクターがちょっと少なく感じられるかもしれないが,開発者によればこれは,一人称視点で特徴が良く出せるキャラクターを優先していることが理由だそうだ。まだ公開されていないキャラクターもいるので,今後の情報公開に期待しよう。
筆者はハルクでプレイしてみたが,ポインターで任意の場所を指すとそこに向かってチャージ攻撃をしたり,倒した敵キャラクターを投げつけることができたりと,ハルクらしいアクションが楽しめる。最後はロナン・ジ・アキューザーを倒したあとは,一緒にプレイした人とVR世界でハイタッチすることもできた。
操作はVRゲームながら比較的自由に動けるものの,ちょっと酔いやすそうな挙動をするという印象だ。発売に向けてさらにチューニングされることに期待したい。
「MARVEL Powers United VR」公式サイト
Windlands 2
本作は,両手から伸ばせるワイヤーフックで遺跡を立体的に探索し,古代の秘密を解き明かすアドベンチャーゲーム「Windlands」の続編だ。今回は最大4人での協力プレイに対応している。
今回展示されていたデモ機では2人同時プレイだったが,砂漠を走る船から巨大な蛇のようなモンスターに弓矢で攻撃できたり,遺跡の探索中に多脚戦車のようなロボットに襲われたりといったシーンが確認でき,よりアクションゲーム的な要素が重要視されている印象だ。
探索中心だった前作からどのように進化するのか,完成を楽しみに待ちたい。
The Unspoken: Acolytes
2017年冬リリース予定のDLCは「The Unspoken: Acolytes」という名称で,シングルプレイヤー用のキャンペーンとなる。魔界から湧き出たデーモンやグリフォン,レイスといった敵と戦うという内容で,魔法使い同士による決闘の歴史の秘密が明らかにされるとのこと。
また今回のDLCには,PvPアリーナの入門編という意味合いを持たせていて,難度の調整も可能とのこと。
「The Unspoken」はオンライン対戦で一定の評価を得ているが,発売から1年近くが経過していることもあり,新参プレイヤーがベテランプレイヤーとばかりマッチングして勝負にならないようなケースが多くなっているのかもしれない。今回のDLCのリリース後,新規層が増えるのか注目したいところだ。
Elevator... To The Moon!
たった3人の開発チームで作り上げたという本作は,“世界大統領”のDoug-Slater Roccmeier(ダグ-スレーター ロックマイヤー)という人物の命令で,月まで届くエレベーターを修理する宇宙飛行士が主人公だ。
どこかレトロな雰囲気の漂う宇宙船のような室内で,ガラガラ声のダグが無線経由で出してくる無茶な命令に従って月を目指すのだが,命令を聞かずに好き勝手に暴れることもできるようだ。
サポートは英語のみなので,リスニングに自信がない人がプレイするのはちょっと厳しいかもしれないが,Rift版790円,Gear VR版490円という価格ながら,しっかりと遊び込めそうな感じに仕上がっている。
Oculus Connect 4では,Oculus GoとSanta Cruzという2つの新ハードの発表が話題になったが,会場は2016年までと違って喧騒には包まれておらず,集まった開発者達も落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
乱暴な言い方をすれば「盛り上がりに欠けた」のだが,言い方を変えれば、業界として地に足の着いた状況になりつつあるのかもしれない。
ゲーム開発者から「メディアに主軸を置いたイベントになっている」という意見が出たように,検討すべき材料はあるようだが,今後どのようにVRを浸透させていくのか,業界を牽引していく企業の筆頭であろうOculusの展開に引き続き注目したい。
- 関連タイトル:
Rift
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