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続・VR機器がなくても大丈夫! 「VRChat」ワールド移動講座
VR機器がなくても大丈夫! 「VRChat」の始め方&楽しみ方講座
「VRChat」をご存じですか? 読んで字のごとく,バーチャルリアリティ(仮想現実)のチャット(おしゃべり)ゲームです。耳にしたことはあっても「VR機器ないし……」と足踏みしないで。VRChatはVR機器がなくても遊べるんです!
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- ライター:大部美智子
そして今回は「ワールド移動の方法」や「オススメのワールド」を解説いたします。もちろんVR機器がなくても楽しめますので,多種多様な世界を駆けめぐり,VRChatの魅力を存分に堪能してください!
ワールド移動の方法
VRChatにはものすごーーい数の「ワールド」があります。
ワールドとは“プレイヤーたちの遊び場”で,個人のクリエイターさんや提携企業が手がけた仮想のコンセプト空間のことです。
その種類は公園にカフェ,水族館に街などなど本当にさまざま。ワールドはそれこそ博物館のように見て回るだけでも楽しめますし,3D空間ならではのギミックが仕込まれているものもたくさんあります。というわけで,どんなことができるのか操作を確認しながら見ていきましょう!
……しかし。いきなり知らない人がいるワールドに飛び込むのは勇気がいりますよね? 私もチキンハートなので無理です。
なのでまずは,自分で「インスタンス」を立ててワールドを体験してみましょう。これはいわゆる“平行世界のワールド作り”を指します。
インスタンスは端的に,好きなワールドをコピーした世界です。
それも自分だけが入れる,自分と友だちだけが入れる,といった具合に任意のルールを設定できます。逆もまたしかりで,誰でも入って来られるPublic(公共)な世界も作れます。
そのときどきの「いろいろな人と交流したい」「とりあえず1人で見てみたい」といった目的に応じて気軽に作りましょう。
さて,いよいよ部屋の外へと出ていきますが,まずは前回記事でご登場いただいた先輩プレイヤー「ちまき」さんのワールドに行ってみます! 移動方法は[Esc]キーのメニュー項目からWorldを選択し,Search Worldsで「ChimayaForest」と入力するだけ。
このほかのワールドも同じやり方で飛ぶことができます。なお,特定のワールドに行きたいときは事前に名称を調べておきましょう。
余談ですが,検索窓は日本語入力が可能なものの,ひらがなを漢字に変換して[Enter]キーを押すと入力結果が消えてしまう仕様です……。なので,文字の変換後はすかさずSubmit(送る)ボタンをクリック!
今回はすでに立てられているインスタンスには参加しません。
上記画面(1)の欄内にJoin(参加)とありますが,その下にある(3)「New Instance」を選びます。これにより公開済みの世界に遊びに行くのではなく,自分だけの並行世界が作れるのです。
◆作成できるインスタンスの種類
Public:誰でも入れる。まさしく公共の場。
Friends+:自分のフレンドと,そのまたフレンドが入れる。
Friends:自分のフレンドだけが入れる。
Invite+:自分が誘った人が入れる。join済みの場合,このワールドへの参加リクエストをもらったら許可することができる。
Invite:自分が誘った人だけが入れる。
Group:任意のグループ用。いろいろな設定が可能。
今回のインスタンスはお試しなのでInviteをチョイスします。続く画面でJoinをクリックすれば,自分で立てた「自分が誘った人だけが入れる,自分が作ったインスタンス」に飛ぶことができます。
以上が基本的なワールドの移動方法となります。続けて,飛んだ先でどんなことができるのかを見ていきましょう。
ChimayaForestはその名のとおり,花や木がふんだんに使われた森のような世界です。ここにはちまきさんが作った3Dアイテムがたくさん展示されていて,試しに手に取って使うこともできます。
また,これらのアイテムは「購入」することもできます。
※アイテムは「BOOTH」(創作物の総合マーケット)経由で購入できますが,購入品をアバターやVRChatに反映(アップロード)させるには専用の手順が必要。このあたりの心得はのちほどご紹介します
このように,各ワールドでは展示してあるアイテムを使ったり,ほかのアバターを着てみたり,椅子に座ったり,乗り物に乗ったりと,本当にたくさんのことができます。しかも行き先は膨大にあるので,いろいろなワールドをめぐっているだけで気が付けば夜に!
そうそう,インスタンスの退出方法もお教えします。ワールドにjoinしているとき,[Esc]キーでクイックメニューを開き,Launch PadのQuick Actionsを選ぶと,その左端に「Go Home」とあります。
これを押すと,ログイン時のお部屋(Home)に帰れます。
◆番外編:アバターのアップロードについて
かわいい美少女になりたい,かっこいい肉食獣に憧れる,時代はメカ……人は多かれ少なかれ変身願望を持っています。それをかなえるのもVRChatですが,自分だけのアバターが欲しい,着せ替えやカラー変更もしたい,といった願いをかなえるときの手順はわりと複雑です。
まず第一に,作成したばかりのVRChatアカウントには「アップロード制限」がかかっています。少々不便に感じる設計ですが,誰でも最初から自由だと,それはそれで望まぬ事態の訪れも考えられるのが現代のネット社会というもの。まずはこの世界を体験することに専念しましょう。
アップロード制限が解除されるのは,自身のプロフィールに表示されている「ランク」が,VisiterからNew Userになってからです。
旅の来訪者が,この世の住人になったら,といったわけです。
しかし「どうやったらNew Userになれるのか」の条件は公式には明かされていません。プレイ時間か,はたまたフレンド登録数か……でも,いろいろなワールドに行き,誰かと話したりしていると,いつの間にかランクが変わっています。なので,まったりと楽しんでいれば大丈夫。
そのうえでアバターのアップロードや改変(アバターごとの規約によります)は,少々の技術が必要な中級者向けと言えます。手順が多いため,この場での説明は割愛しますが,懇切丁寧に解説してくれている方々がたくさんいらっしゃるので,興味があったら調べてみてください。
なので,今できる,すぐできるアバターの替え方をご紹介っ!
といってもやり方はすでにご存じのはず。前回記事で説明したPublicアバターを使用する以外の方法なら,先ほどの“各ワールドに展示されたアバターをお試しで着る”。これです。というかこれに尽きます!
VRChatには,個人クリエイターさんや企業が制作した試着用アバターが無数に存在し,各ワールドに展示されています。
あくまで試着用なので,製品版アバターとの違いはありますが,気軽に手早く見た目を変えられるのでオススメです!
そうして遊びながら「絶対にこの子が使いたい!」と思うほどのアバターを見つけたら,そこでようやく購入&アップロード技術の出番です。
ただし一点注意を。それは違法なアバターやワールドについてです。人気アニメのキャラクターのアバターや,人気ゲームのフィールドに似たワールドなどがあっても,版権元から発信されたものではない場合があります。つまり,それらは違法アップロードかもしれないということ。
「ん?」と思ったら,まずは公式情報をチェックしましょう。
初心者さんにオススメのワールド
ここからは,前回ご登場いただいたVRChatの先輩たちに教えてもらった「オススメのワールド」をいくつかご紹介していきます!
◆「G-SHOCK STORE」
タフなBodyとゴツゴツしたデザインが有名な時計「G-SHOCK」の公式ワールドです。入り口からして,G-SHOCKのイメージにピッタリのカッコいい空間が広がっています。そしてなんと,ここでは好みのパーツを組み合わせて“オリジナルG-SHOCK”を作って遊べちゃいます!
VRChat「G-SHOCK STORE」
◆「FUTURE 20th SQUARE」
2023年秋にオープンしたばかりの「FUTURE 20th SQUARE」は,おいしそうな食べ物を取り扱うお店が6店舗(※2024年3月14日時点)あります。実はこの6店,“実際に存在するお店”なのです!
知っているお店でも,初めて知ったお店でも,どれもおいしそうな食べ物を作って食べられるステキなワールドです……が,お腹が減ります!! なんておいしい,いや,おそろしいのでしょう。じゅるり。
ちなみにここでは作って食べるだけじゃなく,オシャレな街並みで遊ぶこともできます。食べ歩きしながらのお散歩もぜひぜひ。
VRChat「FUTURE 20th SQUARE」
◆「メタバースヨコスカ」
横須賀のドブ板通りを3Dの世界に! オシャレなスカジャンショップやハンバーガーショップが並ぶ「メタバースヨコスカ」です。
私もリアルの横須賀に行くことがありますが,そうそう。建物が宙に浮いててカッコいいんですよね〜! いや,さすがに飛んではいなかった気もします。それもそのはず,このワールドは“すこし未来のドブ板通り商店街”なんだそうです。近未来を感じるかっこよさ……!
東京湾に浮かぶ無人島「猿島」に行くときって,いつも記念艦三笠の横を通るんですよね。すぐ横にフェリー乗り場があるので。
って……え!? 三笠に乗船することもできるの!?
ちなみに,猿島のワールド「SARUSHIMA WORLD」も先日オープンしたとのこと。個人的に小さなころから猿島に通ってきた自称サルシマーとしては,行かねばなりませんっ!
VRChat「メタバースヨコスカ」
◆「SARUSHIMA WORLD」(メタバースヨコスカ)
先ほど“猿島は東京湾に浮かぶ無人島”と書きましたが,訂正します。SARUSHIMAは空に浮いていました。修正するとともにお詫び申し上げます……と,冗談は置いといて,VR空間ではこのように,現実と同じ体験を味わうことも,現実以上の体験もできてしまいます!
さらにSARUSHIMAには巨大ロボがいて……その名も「みかさロボ」!
猿島は旧日本軍の要塞でもあったため,風景のあちこちにその名残があります。レンガ造りのトンネルや砲台跡,苔むした壁やそこに差し込む木漏れ日などなど,とっても雰囲気のあるスポットです。
そんなSARUSHIMAでは“猿にちなんだゲーム”があるそうです。フレンドの人たちとぜひ熱いチームバトルを繰り広げてください。
VRChat「SARUSHIMA WORLD」
◆「ぽこピーランド」
人気VTuber「甲賀流忍者!ぽんぽこ」さんと「オシャレになりたい!ピーナッツくん」さんの2人(通称ぽこピー)の遊園地です。
こちらは2人を知らない人でも楽しめて,知っている人ならもっと楽しめる,にぎやかでエネルギッシュな空間になっています。
VRChat「ぽこピーランド」
◆「バーチャルマーケット2023 Winter」
1年に2回,夏と冬に開催される「バーチャルマーケット」(通称Vket)というイベントがあります。Vketは,HIKKYが開催しているクリエイターや企業がワールド内にブースを出展し,アバターや3Dアイテムなどを自由に試着したり購入したりできる即売会です!
このワールドは2023年12月に開催されていたバーチャルマーケット2023 Winterのゲートで,ここからブースが立ち並ぶ各ワールドを訪れることができました。現在,イベントは終了していますが,閉会後も一部エリアを除いて自由に回ることができるようです。
ちなみにVket会場は1日では回りきれない,とてつもない広さです。それだけたくさんのクリエイターが参加しているというわけです。
そしてVketは“2024年夏も開催決定”。今年はどんなワールドで,どんなアバターや3Dアイテムと出会えるのか,今から楽しみです!
VRChat「バーチャルマーケット2023 Winter」
と,前・後編にわたりVRChatを紹介してきましたが,いかがでしたでしょう。仮想世界で初めての人と会うのはすごく緊張するかと思います。けれど,共通の趣味などのつながりがあれば打ち解け合える速さも違うことでしょう。同じ嗜好を持つ人と話してみたいと思ったら,ぜひさまざまなワールドのPublicインスタンスに飛び込んでみてください。
それはそれとして。好みのワールドを1人でじっくりと見学・探検・満喫するのもVRChatの楽しみ方のひとつ!
ぜひご自身に合った方法で,VRChatを思いっきり楽しみましょう。
「VRChat」公式サイト
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