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ゲームパッドやアーケードゲーム機の「触覚フィードバック」がもっとリアルになる新技術をCEATEC 2016で体験してきた
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印刷2016/10/05 19:14

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ゲームパッドやアーケードゲーム機の「触覚フィードバック」がもっとリアルになる新技術をCEATEC 2016で体験してきた

CEATEC会場の様子。規模的には2015年とあまり変わりなかったが,ブース単位では説明員の熱量が段違いだった。おそらく,一般来場者向けの説明をショートカットして,いきなり本題をトップギアで話せたためではないだろうか
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 2016年10月4日から7日まで,幕張メッセにおいて「CEATEC JAPAN 2016」という展示会が開催されている。2015年までは家電総合展示会を謳うイベントだったが,2016年からは「CPS/IoT」なるものを軸とした,ビジネスソリューション中心の展示会へと舵を切った。そうした方針転換もあって,以前はあった一般向け公開日は,今回から廃止されている。

 ちなみに,IoT(Internet of Things,モノのインターネット)という言葉は4Gamer読者も耳にしたことはあると思うが,CPSは初耳という人もいるだろう。CPSとは「Cyber Physical System」の略で,なんでも,実世界のデータをセンサーネットワークで収集して,それを産業や生活にフィードバックするという概念のことだそうだ。概念的にはIoTと被る部分があり,将来的にそれらはCPSへと集約されるであろうということで,現状ではCPS/IoTと表記しているとのこと。

 そんなこんなで,ゲームとはますます関係のないイベントになってしまったのだが,会場を取材してみたところ,出展されている技術の中にはゲームにも関係のあるものがいくつかあったため,数回に分けて紹介したいと思う。


磁気粘性流体「SoftMRF」でゲームパッドが進化する?


磁気粘性流体SoftMRFの概要説明パネル
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 まずは,栗本鐵工所ブースに展示されていた磁気粘性流体「SoftMRF」を紹介しよう(関連リンク)。
 SoftMRFは,オイルにナノサイズの鉄微粒子を加えたものがベースになっており,磁力がない状態では,安定性のある低粘性の液体となっている。そこに磁力を与えると,鉄微粒子のクラスターが形成されて粘性が高まるというものだ。
 入力に対して,アナログなフィードバックを与えられる素材として使用でき,たとえば,スロットルレバーに用いた場合,電動モーターでは得られないような,滑らかなレバーの感覚を得られるという。

これがSoftMRFの実物だ。磁力を与えると粘性が増す
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 応答性にも優れるため,たとえば,ステアリングコントローラに使うと,コーナー進入角とスピードによって重さが変化するハンドルや,マニュアル車のように「コクッ」とした入力感のあるギアチェンジも再現可能となる。
 また,特定の値になったらフィードバックをオフにするといった設定も可能だ。たとえば,0〜127という128段階のステアリングホイールがあると仮定して,64をセンターにした場合,ステアリングが64を示す位置にきたら,抵抗がなくなって,「センターだな」と感じられるといったことも実現できるのだ。

SoftMRFのデモ機。レバーを押すときに,とても自然な抵抗感を感じた。また応答性の高さを利用して,段階的に磁力を調整することで,押すほど重く感じるといった感触も再現できる
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こちらはツマミのデモで,アナログツマミな感触が大変よかった。低粘性→高粘性→低粘性と繰り返すことで,クリック感も生み出せるとのこと
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 低粘度であるため,ゲームパッド程度の小さな筐体にも実装しやすい。ゲーム開発者側が,アナログスティックの入力に対して適度な重さを与えることもできそうだし,ユーザー側がアナログスティックに入力しやすい重さを設定するといったこともできそうだ。マウスやキーボードにも実装できるほどコンパクトな実装も可能ということなので,カスタマイズ性の高いゲーマー向け周辺機器の登場を期待したくなる。
 ところが,栗本鐵工所の担当者に聞いてみたところ,「ゲーム関連企業のどこにアタックしていいのか分からない」とのことだった。取り急ぎ,PCや据え置きゲーム関連で思いついた企業をいくつか教えたのだが,SoftMRFが気になった機器メーカーの人は,ぜひアプローチしてほしい。

栗本鐵工所 公式Webサイト



ゲームパッドでの採用を狙うアルプス電子の「ハプティックリアクタ」


ハプティックデバイスをアピールしていたアルプス電子ブース
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 アルプス電子ブースでは,振動で触覚を与える「ハプティックデバイス」の用途を拡げて,ゲーム用コントローラへの採用を提案するという展示があった。

 「ハプティックリアクタ」と称するこのデバイスは,共振を利用することで,単なる振動の大小では表現できない感触をユーザーに与えられるという。
 ブースにあったデモは,2種類の共振モードが用意されており,周波数を重ねることで複数の感触を生み出し,大小のボールが弾む感触を体験できるというものだった。

ハプティックリアクタのデモ。写真奥に見える容器内に2つのボールが落下すると,その2つが着地したときの衝撃が,左右それぞれの手で持っている振動ユニットで再現されるというもの。ボールの大小によって,はっきりと異なる感触を得られた
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ハプティックリアクタの説明パネル。用途の1つとしてゲームパッドを狙っている
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 ハプティックリアクタは小さなデバイスなので,既存のゲームパッドにも実装できるそうだ。もちろん,ソフト側の対応が必要になるため,作って出せばそれでOKというわけではないのだが,説明用のパネルにもゲームパッドを例にしたイラストが描かれているなど,ゲーム用途を明確に狙っているのがよく分かった。

こちらは「ハプティックパッド」のデモ。触覚を再現するタッチパッドといったところか。Appleの「MacBook」が,振動機能「Taptic Engine」を採用したタッチパッドを備えているが,ハプティックパッドによる触覚の再現は,それとは次元が違う
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画面に表示されたタイルをなぞると,ちゃんと凹凸があるように感じられるというデモ。タイル表面が微妙にザラザラしているのも再現できる
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ハプティックパッドの説明パネル。タッチパッドが認識した位置情報をコントローラが受け,ハプティックリアクタを駆動して適切な振動を与える
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アルプス電気 公式Webサイト

CEATEC JAPAN 公式Webサイト

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