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岡田結実さん,武田真治さんもアプリを体験。発見型アプリストア「あっぷアリーナ!」のローンチ発表会をレポート
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主催者を代表して,BBSS 代表取締役社長兼CEO 本多晋弥氏が,現在の市場動向や事業戦略について語った。データによれば,現在のスマホゲーム市場では,ダウンロード数やアプリの収益が右肩下がりで落ちているという。
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その要因の1つは,現在のプラットフォームが採用するダウンロード数に応じたランキングシステムにあるのではないかと話す。
日々,数多くのゲームアプリがアップされてはいるが,いまのランキングシステムでは埋もれてしまい,とくにインディーゲームや海外のアプリケーションは注目を集めるのが難しい。
そこで「あっぷアリーナ!」は,そういったゲームアプリをユーザーが見つけるための羅針盤,そしてクリエイターとユーザーとをつなぐ架け橋にしたいのだという。
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それを実現させるため,「あっぷアリーナ!」には「編集型キュレーション」「15分クラウド体験」「経済インセンティブ」といった,3つの柱があるという。
「編集型キュレーション」は,週刊ファミ通などで活動していた作家の大塚角満氏を編集長に招いて「あっぷアリーナ! ゲーム編集部」を立ち上げ,定期的にサービスするゲームアプリのレビューや攻略など,ユーザーが欲しい情報をアプリを通じて提供するというものだ。
そうした情報は,編集部だけでなくほかのゲームメディアや有識者,インフルエンサーなどと協力したり,コラボレーションしたりすることも検討している。
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「15分クラウド体験」は,選んだタイトルをダウンロードせずに,クラウド上で体験プレイできるというもの。15分という短い時間ではあるが「ダウンロードして遊んでみたけど,なんか思ってたのと違う」といった,ミスマッチの回避を目的としている。
昨今のゲームアプリは容量が大きいものも少なくないため,スマホの容量圧迫と長いダウンロード時間を気にせず,気楽にどんなゲームか試せるのはいい施策だ。
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そして3つめの「経済インセンティブ」は,ユーザーがゲームアプリを購入するなど,支払いを行った際に,その金額の5%をストアポイントとして還元するというもの。ゲームを楽しむためにお金を使い,そこで還元されたポイントで,またゲームを楽しむというサイクルを期待しているそうだ。
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ここで,本アプリストアと協業しているポルトガルのAptoide COO&Co-founderであるアルヴァロ・ピント氏が登壇した。
氏は,「『あっぷアリーナ!』を通じてプレイヤーにはより多くの選択肢を,楽しみを,そしてデベロッパには新たな機会と成長の手段を提供したい。単に新しいものを持ち込むのではなく,意味のあるものを日本の市場に適した形で提供していきたい」として,「あっぷアリーナ!」に大きな期待を寄せていると述べた。
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本多氏は,ゲームアプリにまつわる今後のビジネストレンドとして,「ランキング偏重からレコメンドモデルへの移行」「ユーザーへ向けてのキュレーション」,そして「昨年12月に施行されたスマホ新法(スマートフォンにおいて利用される,特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律)による,自分らを含めたグローバルストアの日本参入」の3つを挙げた。
また,氏は「あっぷアリーナ!」が単なるアプリストアではなく,日本式のコンテンツエコシステムとして,どう世界に展開していくのかを目標に掲げているという。
そして,日本のコンテンツ産業を世界へ展開するパートナーとして,日本のゲームベンダーとスクラムを組んでいきたいとし,この発表がアプリ流通のスタートポイントになれればと述べた。
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続いて,BBSS R&D本部 本部長 橋本雅斗氏から,「あっぷアリーナ!」のコンセプトや機能が紹介された。
インストールしてアプリを起動すると,トップ画面にはゲームが並び,それらを選ぶと先ほど本多氏が話したように,クラウド上ですぐにプレイが可能だ。
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本アプリのキャッチコピーでもある“発見型”のキーとなるのが「記事」アイコンから見られる,ゲームのレビューなどといった情報だ。
ローンチ時は記事も少ないが,これからゲームを始める前にユーザーに興味を持ってもらえるものを提供していきたいとのことだった。ストアポイントの還元については,5%が基本的な数値になるが,オープニングセールは10%になっており,今後もイベント的な形で還元の比率や期間を設定していくという。
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また,デベロッパが実際に「あっぷアリーナ!」に参加するときの簡易フローも紹介された。
審査についてはBBSSとAptoideが行い,世に出しても大丈夫かを精査する。SDKについては課金回りの組み替えだけで,アプリケーションのAPKをいじることはないので,デベロッパの環境にもよるが,最短で数日,QAを入れたとしても2〜3週間で完了できる工数で参加できるだろうと述べた。
現在は,面白いと思ったインディーゲームなどの誘致なども進めているという。
さらに,最新のアプリを中心としたサービスにするのではなく,面白いゲームならばもう一度掘り起こして再定義するという,“発見型”を体現するような活動も検討しているそうだ。
海外のタイトルについても,BBSSで内容を確認し,日本向けだと思えるアプリを積極的に誘致していく。当然これは,まだ日本でサービスされていないアプリも含んでおり,また逆に日本のデベロッパが海外でのリリースを希望する場合,主にユーロ圏にはなるがAptoideの仕組みを使ってのリリースが可能になるとのことだ。その際には,ローカライズの手伝いなどサポートも,しっかり行うという。
なお,iOS向けにサービスが始まった「あっぷアリーナ!」だが,Android版も1か月後の5月1日にオープンする予定だ。
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橋本氏は最後に「日本でやるからには日本人が喜ぶ,ユーザーさんが楽しく遊べるアプリを発見できる,メーカーさんがグローバル化を目指せるアプリストアを作っていきたい」と述べて説明を締めくくった。
仕事でも日常生活でもゲームが欠かせない岡田さんと,ゲーム初心者の武田さんが「あっぷアリーナ!」を体験
トークセッションでは,ゲストとして岡田結実さんと武田真治さんが登壇した。
今年の2月に出産したばかりで子育て中の岡田さんは,赤ちゃんが早く寝たあとの時間は,ゲームなどが欠かせないという。そんな岡田さんは,「あっぷアリーナ!」の“発見型”という言葉を初めて聞いたと語り,ゲームアプリを探すのが大変なので,ワクワクしながら探せるのはありがたいと話した。
一方,武田さんはゲームそのものをあまりしてこなかったそうで,あまり分からないという。ただ,それらを体験するのにストレスのない「あっぷアリーナ!」に期待していると述べた。
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仕事中でもゲームを遊ぶことが珍しくなく,Wi-Fiが通じているか気になってしまうほどだという岡田さんは,実際に「あっぷアリーナ!」に触れてアイコンなどの可愛らしさに驚きの声をあげた。
どんなゲームが楽しめるのかアプリ内を見て回る岡田さんとは裏腹に,もくもくとゲームを遊び始めるゲーム初心者の武田さん。「どんな時間にゲームが遊べそうですか」との質問に,子育て中の合間や,筋トレのインターバルに遊べそうと答え,これまでゲームに触れてこなかった人生だけど,すぐに遊び始められるゲームに「めっちゃ楽しいじゃないですか」と,スマホから目を離せないでいた。
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アプリについて岡田さんは,「ゲームを探そうにも仕事や子育てで忙しく,自分で情報を探しに行くのが大変」「パズルやキッズ&ファミリーといったカテゴリーに分けてゲームを紹介してくれるのも,すごく楽でいい」とアプリの印象を語った。
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トーク後の質疑応答で投げかけられた「おすすめのゲームやトレーニングは?」という問いに,岡田さんは「ただただ色のついた砂を消す海外のアプリ。あと,針に糸を通す日本のアプリが難しいけどやってしまう」と返答。武田さんは「子育て中は運動不足になりがち」と岡田さんもうなずく前振りののち,「消費カロリーが段違いの足腰を動かすスクワット最強説」を唱え,その場で岡田さんとスクワットを敢行。
また「遊んでみたいゲームは?」という質問には,武田氏はサックスが趣味ということもあり,演奏ができるゲームがあるなら楽しそうだと答えた。
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発表会後に本田氏と橋本氏へのメディア合同インタビューが行われたので,その内容を紹介しつつ本稿の締めとしたい。
――「あっぷアリーナ!」はBBSSさんとAptoideさんのパートナーシップという説明でしたが,実際にはどちらが何を担当しているのか,簡単に整理していただけますか。
橋本氏:
プラットフォーム自体は,Aptoideをそのままもってきています。ローカライズはうち(BBSS)が担当しています。海外のゲームベンダーの誘致はAptoideが中心で,日本のゲームベンダーの誘致やマーケティング,プロモーションなどは我々が行っていきます。
――いくつかあるアプリサードパーティの事業者の中で,Aptoideを選ばれた理由はなんでしょうか。
橋本氏:
まずiOSであることが大きいです。
あとはどうしても代替ストアとはいえOSは2種類しかないわけで,そこの事業者さんと,ちゃんと関係性を結んでいただけているところですね。Aptoideはキュレーションもしっかりしていて,ちゃんとグローバルの窓口としてしっかりコミュニケーションを取れるので,安心してお願いできます。
僕らがインディーゲームを含めて,ゲーム業界を盛り上げていくことができれば,既存の事業者さんにもプラスになると思っています。ですから,そういったところのサポートや協力もしていける関係性が必要だということで,Aptoideを選択しました。
――「あっぷアリーナ!」はどんなユーザーを対象にしているのでしょうか。また,それらに対してどうアプローチしていくのか教えてください。
橋本氏:
基本的には,ゲームユーザー全般を対象にしています。ただ課金も絡む話なので,低年齢層を積極的に狙っているかというと,そうではありません。
もちろん,低年齢層でも楽しめるゲームや,シニア世代にも楽しんでもらえるゲームも,国内外問わずに探していきたいと考えています。
僕らがちゃんとピックアップする,タイトルごとの内容をしっかり吟味することによって,アプリによっては年齢層が狭いものがあるかもしれませんが,日本人の目線で判断したうえでやっていきたいと思います。
――ローンチタイトルは,既存のプラットフォームにないものですか。
橋本氏:
配信されているタイトルもあります。今後,検討しているタイトルの中には,既存のプラットフォームで扱っていないアプリもあります。
――ゲーム数的に,例えば半年ぐらいでどれぐらいの数を目指していますか。
橋本氏:
かなりの数の会社さんと,並行で交渉しています。感触は非常にいいんですけど,開発の工数とかもあるのでそのあたりの調整などもありますね。
とはいえ,ローンチの数では少なすぎるので,早い段階でアプリ数100に辿り着くにはどうするかというのがいまの課題です。
この半年,1年以内には3桁に乗せたいと思いますが,その数が2000,3000と増やしたときに本アプリのコンセプト“発見型に特化”というのがブレちゃうこともあって,そこを加味したうえでしっかりアプリを増やしていきたいです。
とはいえ,少なすぎても選択肢がないので,ある程度ユーザーさんの選択に合致するような,各カテゴリにある程度の数のアプリケーションがあるためには,まずは100を目標として早く辿り着きたいと思います。
――キラータイトル的なもの,大型タイトルは予定されていますか。
橋本氏:
どこまでがキラータイトルかというのはありますが,交渉で何個かまとまりそうなものはあります。
現在,すでにしっかり売れているタイトルとも交渉していますし,海外ではそこそこ売れているけど,日本に入ってきてないタイトルも持ってきたいです。
もちろん,しっかりジャッジしたうえでではありますが,日本に初登場のタイトルとして狙っていきたいと思っています。
――とすると,iOS版とAndroid版でリリースされるタイトルが異なる可能性もあるということですか。
橋本氏:
最終的にはあるかもしれません。Android版しかないタイトルもけっこうあるので,どちらにも同じアプリがないといけない,というこだわりはありません。
ですので,Android版しかないからやらない,iOS版しかないからやらないというのではなく,日本のユーザーさんが喜ぶアプリだと思ったら,取り上げていきたいと思います。
もっとも,日本はiOSの市場が大きいので,iOS版を作ってください! とお願いすることはあるかもしれません。
――記事については,どれぐらいの頻度で更新していく予定ですか。
橋本氏:
週に2回ぐらいと,あとはアプリが出てくるタイミングで更新する予定です。アーカイブも載せたりしていこうかなと思っています。
――それは週に2回,アプリが新たに実装するということですか。
橋本氏:
そういうわけではないです。あとアプリ1本につき,必ず1本記事が載るというわけでもないです。あくまで編集部で何をピックアップするを決めて,おすすめのタイトルという形で記事にしていくということです。
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――誘致したインディーゲームを,海外でのプラットフォームの入口としてサポートする用意があるとのことでしたが,どのようなサポートを考えているのでしょうか。
橋本氏:
まず,Aptoide自体がシステム的に海外共通の仕組みがあり,そこにうまく乗せられます。
あとは,Aptoide側でヨーロッパでのコミュニケーションを行って,リリースしたい国を選択するだとか,もしくは(自社で)現地対応できるようにつなぐだとか,メーカーさんがどこまで投資したいのかで変わってくると思います。
現地で代理店が必要ならば手配するなど,やりたい規模に応じた現地対応や継続的なサポートは既存事業者では行っていないので,僕らが組む理由になるのではないでしょうか。
――リリースのサポートはできるが,翻訳などローカライズなどのサポートは行わないという感じですか。
橋本氏:
ローカライズは要相談です。私たちでもAptoideでも関われる部分があるなら,やっていけばいいかなと思います。
あと,海外の現地でもローカライズを専門にされている会社もあるので,そこを紹介するといったこともできますし,そういう意味でのサポートも日本側から一部できると思います。
――Appleのコアテクノロジー手数料は5%かかり,そのうえでユーザーさんに5%,10%を還元するとなると,デベロッパからの手数料を高めに設定しないと成り立たないように見えます。今回,デベロッパさんへの手数料率をどう設定されているのでしょうか。
橋本氏:
ご心配していただきありがとうございます(笑)。収益配分は,基本的に8:2がベースとなっています(8がデベロッパ)。
たしかに収益としてはちょっと厳しいところもあると思います。もちろん,メーカーさんは既存の利用者さんからお金が取られるところ,うちもポイントを付けるのでそのあたりの収益もありますし,決済手数料もかかりますので,そういう意味だと薄利になりがちだとは思います。
ただ,これからアプリをどんどん増やしていくなかで,グロスでしっかり収益が取れる体制になるでしょう。メーカーさんにもユーザーさんにも還元しつつ,計算上では成り立つと判断してやってますので,うちが儲けるというよりもメーカーさんがしっかり儲けて,次にユーザーさんは還元していただいたものを使って,より楽しい体験をしてもらうことに重点を置いています。そこにあまり囚われず,企業努力としてがんばります。
本多氏:
経営の立場から言わせていただくと,利益率でいうなら従来のプラットフォーマーさんと比べれば低いですが,ビジネスですのでちゃんと利益が出るギリギリのところでやらせていただこうと考えています。
――Android版だとコアテクノロジー手数料もかからないと思うのですが,よりデベロッパに還元はできそうですか。
橋本氏:
そうですね,Android版のほうが収益構造としてはプラスに働くと思います。日本はなんだかんだでiOSが強いのですが,Androidも伸びたらいいなという気持ちはあります。
――決済の手数料についてですが,グループ会社のSBペイメントやPayPayなどを社内取引的に使って,うまくカットしていくことはできないのでしょうか。
橋本氏:
それは絶対に聞かれると思っていたのですが,準備中です。今日は間に合ってないんですけど,のちのち皆さんもご存じの,うちの決済関係の会社などが入れるよう社内調整を行っているところです。ユーザーさんにもメリットがあると思っていますので,後日発表できればと思います。
――App Storeは表現規制的なものがけっこう厳しいというデベロッパの声もありますが,その辺は日本基準で判断していく形ですか。
橋本氏:
正直にいうと,既存事業者さんはそういった基準や審査があいまいなところもあって,分かりづらいと思うんです。うちも全部オープンにするわけではないのですが,僕らのほうでもしっかり確認して審査し,日本で出すなら直接意見を交換するなどして,法的な観点も含めて問題のないものをやっていこうと思います。
――スマホ新法の影響でこれからのアプリの流通構造が変わっていくと思うのですが,この先どのように変わっていくのか。そして,変わるまでどれぐらいの期間がかかると想定していますでしょうか。
橋本氏:
私見ですが,流通構造という意味では,正直あまり変わらないと思っています。
なぜかというと,大手のメーカーさんはアプリ外課金をがんばりましょうモードなんです。アプリ外課金は,ストアは既存事業者さんで,その範疇は出ない。そこが規模として大きくなるということを考えると,全体の流通構造は変わりません。
だけど僕らみたいなところが出てきて,(あっぷアリーナ!内での)アプリ内課金でやりますっていうところになれば,既存の事業者にはないゲームアプリをグローバルで発掘してフォーカスを当てるサービスが行えます。
ただ,僕らがそれで勝負したときに,流通構造が変わるほどのシェアを取れるとは思っていません。目標のシェアはいえませんが,ユーザー視点に立ったストアがあるという認識のユーザーさんが増えることによる構造変更ではなく,選択肢が増えたという意識の変更はあると思います。
ですが,これはスマホ新法の定義からいくとちょっとズレているというか,そこまではいけないかな,と。スマホ新法は構造変更までいく法律ではありませんが,開放することによる選択肢の増加という意味で,ユーザー視点からみると大きい変化があったね,ということになるのではないでしょうか。
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