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[超会議3]国産傑作ボードゲームが集結。カナイ製作所の新作や「ワンナイト人狼 超人Ver.」などもお披露目された「超ゲームマーケット」レポート
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印刷2014/05/01 17:38

イベント

[超会議3]国産傑作ボードゲームが集結。カナイ製作所の新作や「ワンナイト人狼 超人Ver.」などもお披露目された「超ゲームマーケット」レポート

超ゲームマーケットの入口。ポスターに描かれているのは,今年から登場したゲームマーケットのイメージキャラクターたちだ
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 2014年4月26日と27日,千葉の幕張メッセで行われた「ニコニコ超会議3」にて,アナログゲームの祭典「ゲームマーケット」の出張版「超ゲームマーケット」が開催された。

 ゲームマーケットとは,アナログゲームメーカーであるアークライトの主催により,毎年春と秋には東京で,3月には大阪で開催されているアナログゲームの展示即売会のこと。
 同イベントについては,4Gamerではこれまでにも何度かレポート記事を掲載している(関連記事)が,今回の超ゲームマーケットはそれらとは少し趣を異にする。ニコニコ動画で人気の高い「ワンナイト人狼」をはじめとした,日本発の8つの人気メーカーに焦点を絞り,それらを会場でプレイできるという,体験型のイベントとなっていたのだ。本稿では,そのイベントの模様をレポートしていこう。

会場の様子。メインステージが近く,ボードゲームを遊ぶには,音響的にあまり条件がよくない立地ではあったものの,客足が途絶えることはなかった。ときにはテーブルが空くのを待つ行列もできていたほど
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ゲームマーケット公式サイト



カナイ製作所「Gods' Gambit 〜神々の一手〜」


 今回の超ゲームマーケットの中でも目玉といえるタイトルが,ゲームデザイナー・カナイセイジ氏のサークル,カナイ製作所が贈る新作カードゲーム「Gods' Gambit 〜神々の一手〜」だ。
 カナイ氏は,代表作である「Love Letter」が海外で高く評価され,全世界のボードゲームファンが集うWebサイト「Board Game Geek」で,ゴールデンギーク賞の4部門を受賞するなどで話題を呼んだ,新進気鋭のゲームデザイナーである。そのカナイ氏の最新作が先行プレイできるとあって,会場でもかなりの注目を集めていた。

 その新作「Gods' Gambit 〜神々の一手〜」は,神々が英雄達を操って遊戯をおこなうという世界観のタイトルだ。イラストは「ブギーポップは笑わない」などで有名なイラストレイター・緒方剛志氏が手がけ,6月にアークライトの新レーベル「SWITCH GAMES」から発売が予定されている。

「Gods' Gambit 〜神々の一手〜」のデモ版。カード枚数は約100枚で,ルールは紙1枚におさまるほど少ない
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 本作のルールは,色か数字の一致したカードを手札から出していき,先に手札のなくなったプレイヤーが勝ちという,いわゆる「UNO」に似た内容となっている。ただしカードの使い方に工夫があり,手札のカードは普通に場に出すか,自分の手元に配置することで,カード固有の特殊能力を発揮させるかを選ぶことができる。特殊能力には,相手を邪魔するものや,コンボで一気に手札を減らすなどがあって強力だが,手元に配置したカードはカルマ(業)として,勝ち抜けないかぎりマイナス得点になってしまうデメリットもある。

 筆者もカナイ氏のインストラクションの元でさっそくプレイしてみたが,この特殊能力による駆け引きが,本作を「UNO」とはまったく違うプレイフィールのゲームにしており,実に面白い。とくに手元のカルマを他人に押し付けるなどのインタラクションが楽しいと感じられた。

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「Gods' Gambit 〜神々の一手〜」のプレイ風景。手札の枚数を減らして勝利を目指すか,それとも手元に配置して特殊能力を使うかの駆け引きが,ゲーム終盤になると,とくに悩ましくなる
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時間制限を示す「喇叭吹き(らっぱふき)」と呼ばれるカードによって,ゲームはだらだらと長引かず,さらにゲーム1回ごとに大きな変化が生まれる仕組みになっている

カナイ製作所 公式サイト



ワンナイト人狼


 少人数・短時間で遊べる人狼ゲームとして人気を博し,「ニコニコ動画」上にも多数のプレイ動画が投稿されている「ワンナイト人狼」。海外版「One Night Ultimate Werewolves」も発売された,注目株の人狼系ゲームである。今回は「ニコニコニ超会議3」だけの限定版「超人Ver.」がお目見えしていた。

「ワンナイト人狼 超人Ver.」の収録カード。占い師はPSY(超能力者),怪盗は忍者という名前になっている
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 「超人Ver.」では,人狼達の中に忍び込むCIAという新役職が投入されているのが特徴となっている。CIAは,夜フェーズに人狼達が顔を上げ互いを確認するとき,一緒に顔を上げて人狼が誰なのかをスパイできるという能力を持っている。これにより,本来2人しかいないはずの人狼を3人に見せかけたり,人狼がCIAを仲間と勘違いしたりなど,面白い状況が作り出されるという仕組みだ。
 そのほか,人狼に味方する村人の「狂人」,処刑されるときに誰かを道連れにする「狩人」も導入され,より複雑なプレイングが可能になった。プレイヤー全員が役職を持つようになるため,状況はより複雑怪奇に,推理はより活発になるのが特徴だという。

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夜フェーズは全員が顔を伏せ,役職ごとにこっそり行動する。その後,昼フェーズに誰が人狼かを推理するというのが基本の流れとなる
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筆者も参加したところ,忍者の役職を引くことに。人狼と役職を交換後,状況に気づかない元人狼を誘導して,みごと勝利となった

「ワンナイト人狼」公式サイト



cosaic「ブラックストーリーズ:50の“黒い”物語」


 ストーリーテリング型カードゲーム「キャット&チョコレート」などで知られるcosaicは,新作「ブラックストーリーズ:50の“黒い”物語」を出展していた。

50枚のカードにまとめられた事件の謎に挑む「ブラックストーリーズ:50の“黒い”物語」。本国ドイツではシリーズが続々と発売されている
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 ドイツ発のミステリーゲームである同作は,ブラックで謎めいた事件の概要がまとめられたカードを元に,“いったいどうしてこうなったのか”をプレイヤー達が推理するというもので,「水平思考クイズ」などと呼ばれることもある。謎の全容を知るリドルマスターという司会役が1人立ち,ほかのプレイヤー達が出す質問に,リドルマスターが「はい」か「いいえ」で答えるというやり取りを繰り返しながら,徐々に真相に迫っていく。50種類用意された謎は,雰囲気も実に味わい深く,古典推理小説ファンにとっては,懐かしくも感じられるタイトルといえるだろう。

cosaic代表の川上 亮氏と,アナログゲーム業界の重鎮,安田 均氏が交代でインストを担当(写真は川上氏)。コスプレの参加者がテーブルを囲んでいたのも,超会議ならではだ
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「ブラックストーリーズ:50の“黒い”物語」製品ページ



グランディング「街コロ」


 アナログゲームからビデオゲームまで,幅広く手がけるデベロッパ・グランディング。今回は「街コロ」「ダイヤモンスターズ」の2タイトルを引っさげての参加となった。「街コロ」は,ライトで遊びやすい都市開発系ゲームとして人気を博しており,すでに海外8か国での発売が決定しているとのこと。またiOS版のリリースも行われている。
 なお,6月に予定されているゲームマーケット2014春では,「街コロ+」に続く拡張セット第2弾「街コロ#」も登場予定とのことだ。

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サイコロとカードで街を育てていく「街コロ」。カードは多いが,見た目より手軽に遊べる
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振ったダイスの出目に対応するカードがあると収入があったり,特殊な効果が発動したりする。上段左のモニュメントを4つ完成させたら勝ち

ボードゲーム版「街コロ」製品ページ



オインクゲームズ「エセ芸術家ニューヨークに行く」


 独特のカードデザインが目を惹くオインクゲームズは,同社の人気作品「エセ芸術家ニューヨークに行く」「藪の中」「小早川」「ダンジョン・オブ・マンダム」の4タイトルを出展し,多くの来場者を終日楽しませていた。
 筆者も各作品を体験させていただいたが,それぞれ1プレイが30分とかからないライトなものでありながら,ついつい熱中してしまうタイトル揃いだった。

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お題を元に,一筆書きで交代に線を書き入れていきながら,紛れ込んだエセ芸術家が誰かを暴き出すという「エセ芸術家 ニューヨークに行く」。お絵かき+推理の楽しいゲームだ
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筆者も「エセ芸術家ニューヨークに行く」にチャレンジしてみたが……お題は「北海道」にも関わらず,できあがった絵はこんな感じに。え,どこが?

1枚のみの手札でカードの強さを競い,メダルを賭けていくカードゲーム「小早川」。中央に伏せられた裏切り者カード(小早川)の存在が曲者で,これが絶妙なゲームバランスを生み出している
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オインクゲームズ 公式サイト



Junias「赤ずきんは眠らない」


 Juniasは,代表作「赤ずきんは眠らない」での参加。狼になったプレイヤー達が,赤ずきんと豚の一家をねらうというゲームで,寝ている赤ずきん達を襲ってポイントを奪おうとする狼と,襲撃してきた狼を罠にはめようとする赤ずきん達の読み合いが面白い。
 対戦型でありながらアートワークが愛らしいのも特徴的で,会場では赤ずきん姿の女性スタッフやテーブルの布製コースターといった演出も加わり,和気あいあいとした雰囲気で来場者を楽しませていた。

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かわいいイラストのカードを使った駆け引きゲーム「赤ずきんは眠らない」
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カップルの女性が見事勝利!


回答を数字の多い順に並べ,真ん中の人(偶数の場合は多いほう)が正解となる。ちなみにこの時の問題は「愛媛県民はポンジュースを年に何リットル飲むでしょう?」
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カワサキファクトリー「クイズ いいセン行きまSHOW!」


 カワサキファクトリーの卓では,前述したアークライトの新ブランド「SWITCH GAMES」から発売予定の新作「クイズ いいセン行きまSHOW!」などのデモプレイが行われていた。同作は,事前のルール説明がほぼ必要ないというクイズ形式のゲームだ。

 ランダムに選んだクイズの答えを,それぞれが小さなホワイトボードに書いていくのだが……例えば「さぬきうどん一杯に入っている麺の本数は平均何本?」といった,ちょっと考え込んでしまうような出題ばかりが用意されている。実際の正解とは関係なく,全員分の回答を数の多い順に並べ,ちょうどその真ん中にあたる答えを書いた人が「いいセン行ってる」ということで,ポイント獲得となる。プレイ人数も10人までと,集まったメンバーですぐに遊べる手軽さがウリとのこと。

1問正解ごとに100ポイントゲット。でも最後の問題は……特別に2000ポイント。おめでとう!
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カワサキファクトリー 公式サイト



OKAZU brand「ひも電」


 アナログゲームならではの“ひも”を活用したシリーズ作品で有名なOKAZU brandの卓では,アクション要素のあるパズルゲーム「江戸屋敷」と,ひもシリーズの最初の作品「ひも電」がプレイできた。
 「ひも電」は,より多くの駅をひもの線路でつないで得点を稼いでいくゲームで,「タイルを並べるのでなく,自由自在に線路をひきたい」という考えが,ひもを使うことを思いついた切っ掛けとのことだ。
 また物販ブースでは,会場限定の新作「超ひも運輸」も販売。こちらは指でひもを引っ張って荷物を運ぶという,単純だがついつい熱の入ってしまうミニゲームとなっていた。

筆者もプレイさせてもらった「ひも電」。山をよけたり川を渡ったりしながら,より多くの駅をひもでつないでいく
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屋敷を拡張するべく,「せーの」でいっせいに手を出してカードを取り合う「江戸屋敷」
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小さくてかわいいパッケージの「超ひも運輸」。簡単なルールだが荷物を運ぶのは意外に難しく,つい熱が入ってしまう

OKAZU brand 公式サイト



ワンドロー「ロストレガシー」


 中村 誠氏「ボイン星人襲来!!」など,国産タイトルを次々とパブリッシングしているワンドローブースでは,木皿儀隼一氏とカナイセイジ氏の共作「ロストレガシー」の新エキスパンションのテストプレイが行われていた。このエキスパンション「貧乏探偵と陰謀の城」には,2組のカードセットが入っており,一方はOKAZU brandの林 尚志氏,もう一方はワンドローの木皿儀氏によるゲームデザインとなっている。

 ほかキリスト新聞社からリリースされている,中村氏デザインによる聖書モチーフのカードゲーム「バイブルハンター」なども遊ぶことができた。同作は中村氏が個人的に持ち込んだものとのことだが,聖書の言葉がフレーバーテキストとして使用されていて,現役の牧師が監修を手がけるなど,かなり本格的。もちろんゲームとしても面白く「イエス・キリストが美女バト・シェバの誘惑に負けてしまう」といったハプニングが起こることも。気になる人は,ぜひ手に入れて遊んでみるといいかもしれない。

※初出時,誤解を招く表現がありましたので修正いたしました。

使徒たちを召喚してさまざまな書物を集めるという内容の「バイブルハンター」。「からし種」を集めると高得点になるなど,聖書に基づいたカード効果がユニークだ
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ゲームマーケット2014春が初リリースとなる「ロストレガシー」第3弾「貧乏探偵と陰謀の城」。ゲーム展開をがらりと変える2組のカードを収録する。会場では購入特典として拡張シートも付属するとのこと
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カナイ氏の「Love Letter」を元に,宝探しゲームとして発展させた「ロストレガシー」。シンプルなルールで,ボードゲームにほとんど触れたことがない人にも好評だった様子

ワンドロー 公式サイト



「ニコニコ超大富豪(β)」


 超ゲームマーケットでは,スペシャル企画として「ニコニコ超大富豪(β)」を遊ぶ卓が用意されており,こちらも賑わいを見せていた。
 「ニコニコ超大富豪(β版)」は,日本人なら誰でも知っているトランプゲーム「大富豪」のルールを整理し,競技として楽しめるように手を加えたもの。地方ごとにあるハウスルール(「8切り」「革命」など)をきちんと定義したうえで,さらに競技として成り立たせるための競技用ルール(3ゲーム制,買収ルールなど)が加えられている。

 使用するトランプもルールを把握しやすい専用のものが用意され,会場ではゲームマーケットスタッフのインストの元,多くの来場者がプレイに興じていたようだった。ほかメインステージを使ったエキシビションや,有名生主さんと一緒に遊べる時間帯も用意されており,多くの女性ファンが押し寄せる一幕も。

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会場では3つのテーブルで「ニコニコ超大富豪(β)」がプレイされていた
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ニコニコてれびちゃんが描かれた「超大富豪」専用トランプ



傑作ダイスゲームの「GREED」を,大きいサイコロで単純化して遊ぶ「超GREED」のコーナーも。高得点を出すと記念品のプレゼントも
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 というわけで,駆け足でレポートしてきた今回の「超ゲームマーケット」。筆者としては,「ニコニコ超会議3」の1コーナーということもあり,若い年齢層の来場者が多かったのが印象的だった。普段あまりアナログゲームに触れる機会のない人にも,こうして興味を持ってもらい,実際に遊んでもらえる場というのは,やはり貴重なものだ。
 次回の「ゲームマーケット2014春」は,東京ビッグサイトにて6月1日に開催が予定されている。超ゲームマーケットで興味を持った人は,ぜひこちらも訪れてみてはいかだろうか。

物販ブースでは,会場で遊んだゲームがその場で購入できた。この日発売開始となった「ゲームマーケット2014春」のカタログを買い求めるアナログゲーマーも少なくなかったが,「このゲームを初めて遊んだけど,面白かったから買ってみる」という人も多かったようだ
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ゲームマーケット公式サイト

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