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日本のゲーム開発者は平均10年のキャリアを持ち,昨年度には平均で3作品に携わる。CEDEC 2014の開催に先駆け,アンケート結果の速報が公開
昨年に引き続き,ゲーム開発者のキャリア形成やスキルアップのためのノウハウの共有を意図して行われた今回のアンケートでは,「生活と仕事」について調査されている。質問項目は,「最終学歴の学問系統」「開発を支援しているプラットフォーム」「ゲーム産業の経験年数」などで,有効回答は401件になったとのこと。
これらを集計した結果,「日本のゲーム開発者の仕事の特徴」は,「ゲーム産業の経験年数は平均して10年で,この間,約2回の転職を経験。現在所属する企業などには,正社員として平均6年勤続しており,2013年の1年間で平均3作品の開発に携わる」という結果が算出されている。
なお,集計結果の分析を踏まえた詳細な報告書は,数ヶ月をめどに公開される予定だ。
「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート」速報データ公開ページ
「CEDEC 2014」公式サイト
CEDEC 2014 「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート」調査 速報
開発者の学問系統は、人文学と工学で5割。
ゲーム産業の経験年数は、平均10年。約2回の転職を経て、現在の企業では勤続6年。昨年には平均3本のゲームソフトを開発。
今後、重要なプラットフォームは、据置型からスマートフォンへのシフトが鮮明に。
日本最大のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス『コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス 2014(CEDEC 2014)』が、今週9月2日(火)から4日(木)まで、「パシフィコ横浜」(神奈川県横浜市)において開催されます。
CEDEC運営委員会では、CEDEC 2014の開催に先駆けて、ゲーム開発に携わる皆さんのキャリア形成やスキルアップのためのノウハウの共有を意図して、昨年初めて行った「生活と意識」に関するアンケート調査に続き、本年は、「生活と仕事」に関して調査しました。対象は、ゲーム開発に携わるプロデューサー、ディレクター、プログラマー、グラフィッカー、プランナー・ゲームデザイナーなど。7月1日(月)から8月15日(金)の間に、インターネットを通じて、401件の有効回答数を得ました。
今回の調査で明らかになった、回答者(ゲーム開発者)の“仕事の特徴”は、次の通りです。
ゲーム産業の経験年数は平均して10年。この間、約2回の転職を経験し、現在所属する企業等では、正社員として勤続平均6年。開発または支援しているゲームのプラットフォームは、主にスマートフォン。2013年の1年間に、平均3本のゲーム開発に携わりました。
今後3年間におけるゲーム産業の成長にとって重要だと思うことを尋ねたところ、プラットフォームでは90%以上がスマートフォンを指摘し、据置型ゲーム機からのシフトを開発者が意識していることが明らかになりました。
近年注目を集めるウェアラブル端末、VR(仮想現実感)、AR(拡張現実感)について、ゲームへの浸透を注目していることが読み取れます。
また、最終学歴の学問系統を尋ねたところ、芸術・デザイン系を含む人文学が27.7%(昨年調査:24.8%)と、電気・電子・情報系を中心とする工学の24.1%(同:26.8%)を上回り、ゲーム開発には、多彩なスキルが求められていることが学問分野からも窺えます。
速報内容については、CEDEC公式ウェブサイトで公開しています。データ分析を踏まえた詳細な報告書を、数カ月をめどに公開する予定です。(速報データURL http://cedec.cesa.or.jp/2014/outline/enquete.html )
本調査は、CEDEC運営委員会が、専修大学ネットワーク情報学部准教授の藤原正仁氏とともに、ゲーム開発者が働く環境および開発者のキャリアに関する意識や行動の現況を把握し、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する方へ、キャリア形成について考える契機となるための情報を提供することを目的としています。また、経年的に本調査を実施することにより、他産業や海外との比較なども考慮に入れ、ゲーム開発を取り巻く環境について、産・官・学それぞれの立場での対応に役立つ情報を提供するものです。
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